JP2742562B2 - 有毒性排ガスの燃焼処理方法 - Google Patents

有毒性排ガスの燃焼処理方法

Info

Publication number
JP2742562B2
JP2742562B2 JP63255614A JP25561488A JP2742562B2 JP 2742562 B2 JP2742562 B2 JP 2742562B2 JP 63255614 A JP63255614 A JP 63255614A JP 25561488 A JP25561488 A JP 25561488A JP 2742562 B2 JP2742562 B2 JP 2742562B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
combustion
furnace
exhaust gas
toxic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63255614A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02103311A (ja
Inventor
則行 米田
英彦 工藤
憲男 岩本
宗和 中村
千秋 小島
邦雄 金子
芳文 森
秀人 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Corp
Sony Corp
Original Assignee
Chiyoda Corp
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiyoda Corp, Sony Corp filed Critical Chiyoda Corp
Priority to JP63255614A priority Critical patent/JP2742562B2/ja
Priority to US07/386,639 priority patent/US5123836A/en
Publication of JPH02103311A publication Critical patent/JPH02103311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2742562B2 publication Critical patent/JP2742562B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Of Particles Using Liquids (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)、
ジボラン(B2H6)、モノシラン(SiH4)等で代表される
有毒性ガスを含む排ガスを無害化するための燃焼処理方
法に関するものである。
〔従来技術及びその問題点〕
半導体製造工程からは、前記した如きガス状の有毒性
物質を含む有毒性排ガスが生成する。このような有毒性
排ガスは人体に対する毒性が極めて高いので、その排ガ
スの大気への放出に際しては、それに含まれる有毒性物
質の完全除去が要求される。また排ガスの処理操作中に
おける有毒ガスの漏洩も防止する必要がある。
排ガス中に含まれる有毒性物質を除去するための有効
な方法の1つとして、燃焼法が知られている(特開昭62
−134414号、特開昭62−152517号)。この方法は、排ガ
ス中の有毒性物質を燃焼条件で酸化分解し、単体元素や
酸化物の固体状物質に変換させて除去する方法である。
アルシンを燃焼処理すると、砒素(As)や砒素酸化物
(As2O3)、ホスフィンを燃焼処理すると、燐(P)、
リン酸化物(P3O5)、シランを燃焼させると、砒素酸化
物(SiO、SiO2)等の固体微粉末がそれぞれ生成する。
この固体状物質も有毒であるため完全に燃焼ガス中か
ら除去されなければならないが、生成される固体状物質
は、気相で生成されるためサブミクロンサイズの微粉末
であることから、通常の数ミクロンサイズの微粉末に比
し燃焼ガス中のこの固体微粉末を燃焼ガスから完全除去
するのに著しい困難が生じる。前記従来の方法において
は、支燃ガスとして空気を用いるとともに、微粉末の炉
壁への付着を防止するために、炉壁から空気を通風ガス
として導入し、炉内に線速度の大きい空気流を形成さ
せ、生成した微粉末を燃焼炉からの排ガス中に同伴させ
て燃焼炉外へ導き、炉外に設けた湿式除塵装置を用いて
排ガスから除去している。
しかしながら、このような空気燃焼法では、排ガス流
量に対して火炎が安定して存在する範囲が極めて狭く、
火炎の吹飛びが生じて有毒性ガスの完全燃焼が行えず、
燃焼炉からの排ガス中には未分解の有毒性ガスが残るた
め、その除去のための吸着処理等の2次処理が必要とな
る。その上、燃焼炉から排出される微粉末を含む排ガス
量が多いため、除塵装置が大型のものになるという問題
がある。さらに、生成される微粉末には、本来完全酸化
物であればAs2O5、P2O5、SiO2等の高次酸化物が生成す
るはずのものが、部分酸化物や熱分解物、例えば、AsH3
の燃焼処理ではAs2O3やAs、PH3の燃焼処理ではP2O3
P、SiH4の燃焼処理ではSiや自然発火性のSiO等の部分
酸化物や熱分解物が生成して微粉末に含まれるという問
題がある。そして、これらのものは、水に不溶性であっ
たり、溶解度が低かったりするため、排ガスから湿式除
塵することが困難となる。またSiOのように自然発火性
のものは危険を伴うため、取扱いが困難であるという問
題を含む。
〔発明の課題〕
本発明は、従来の有毒性排ガスの燃焼処理に見られる
前記問題を解決することをその課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を
重ねた結果、支燃ガスとして60%以上の酸素濃度を有す
る酸素ガスを用いるとともに、炉内に導入される全非可
燃性ガス量を、同じく炉内に導入される有毒性排ガス量
の4倍以下に保持して有毒性排ガスを燃焼処理し、生成
した燃焼ガスを固体冷却面と接触させ、該燃焼ガスに含
まれる水蒸気を凝縮させるとともに、該燃焼ガスに水滴
を噴射して燃焼ガス中に含まれる固体微粉末を該水滴に
捕捉吸収させた後、炉外へ排出することによって、前記
課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに到
った。
即ち、本発明によれば、天井部に下向きの拡散型バー
ナを有する燃焼炉内に有毒性排ガス及び支燃ガスを該バ
ーナを介して導入して燃焼させる方法において、 (i)該支燃ガスとして60vol%以上の酸素濃度を有す
る酸素ガスを用いること、 (ii)生成した燃焼ガスを固体冷却面と接触させ、該燃
焼ガスに含まれる水蒸気を凝縮させること、 (iii)該燃焼ガスに水滴を噴射して燃焼ガス中に含ま
れる固体微粉末を該水滴に捕捉吸収させること、 (iv)該炉内に導入される全非可燃性ガス量を、該有毒
性排ガス導入量1容量部当り、4容量部以下に保持する
こと、 (v)該水滴を噴射して固体微粉末を捕捉吸収させた後
の燃焼ガスを炉外へ排出させること、 を特徴とする有毒性排ガスの燃焼処理方法が提供され
る。
本発明で処理対象とする有毒性ガスは、燃焼処理によ
り固体微粉末を生成するものである。このような有毒性
ガスの代表例としては、アルシン、ホスフィン、ジボラ
ン、セレン化水素、モノシラン、クロロシラン、トリメ
チルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアル
ミニウム等の周期律表III族〜V族の元素の化合物であ
り、常温で気体状態を示すものが挙げられる。このよう
な有毒性ガスは、半導体製造工程や、新素材製造工程、
光ファイバー製造工程等の反応工程から生成される排ガ
ス中に含まれる。このような排ガスにおいて、有毒性ガ
ス含有量は、容量%で、0.01〜50%であり、残部は、そ
の排ガスの種類に対応して、水素ガスや、窒素、アルゴ
ン等のガスからなる。また、排ガス中に可燃成分が少な
く火炎形成の不十分なときは、排ガスに、水素、メタン
等の可燃性ガスを混合してもよい。この場合、これ等可
燃性ガスを混合した全量を排ガスとみなし処理する。
本発明において、有毒性排ガスの燃焼処理に用いる支
燃ガスとして、酸素濃度60%(vol)以上の酸素ガス、
好ましくは濃度100%の酸素ガスを用いる。このような
支燃ガスを用いる燃焼処理により、火炎の吹飛びを防止
し、有毒性ガスを実質的に完全分解でき、かつ分解生成
物の大部分をスクラバー等で除去の容易な水溶性の高次
酸化物に変換させることができる。さらに、前記高濃度
の酸素ガスを用いる時には、燃焼ガス中の窒素量は著し
く減少し、燃焼炉から排出される燃焼排ガス量を効果的
に低減化できる。
本発明においては、前記高濃度酸素ガスの使用との関
連において、炉内に導入される支燃ガス、通風ガス等を
合せた全非可燃性ガス量を、同じく炉内に導入される有
毒性排ガス量1容量部当り、4容量部以下、好ましくは
1.5容量部以下に保持する。この全非可燃性ガス量の規
定は、支燃ガスとして燃焼反応にとって不必要な窒素を
低減せしめた高濃度酸素ガスを用いることによって達成
することができる。更に、高濃度酸素ガスを用いる時に
は、有毒性ガスの燃焼により生成される微粉末は、水溶
性の高次酸化物(P2O5、As2O5、SiO2等)で、炉内に存
在する水や水滴によって容易に捕捉吸収されてガスから
分離される。また、支燃ガス中の酸素は、前記のように
有毒性ガスを微粉末としての高次酸化物に変換させる
他、水素等の他の可燃性ガスを水蒸気に変換させるが、
この水蒸気は冷却面と接触させることにより凝縮水とし
てガスから分離することができる。このようにして、炉
内に導入する全非可燃性ガス量を減少させることがで
き、燃焼炉からの燃焼排ガス量を著しく減少させること
ができる。さらに、前記のように、燃焼処理で生成した
微粉末を炉内において水により吸収捕捉させてガスから
分離することにより、燃焼排ガスに同伴される微粉末量
を減少させることができる。この場合、燃焼排ガス量が
少なくなるため、微粉末の湿式除塵率が高くなり、最終
的に系外に排出される微粉末の量も、従来法に比し極め
て減少させることができる。
以上の結果、燃焼炉燃焼排ガスの除塵処理は非常に容
易になり、その除塵設備は小型のものですむ。
なお、本明細書中で言う非可燃性ガスとは、燃焼炉に
供給される排ガス及びバーナー閉塞防止のためのカーテ
ン用ガス、及びパイロットバーナ用の可燃性ガス以外の
ガスをいい、即ち、支燃ガスに含まれる酸素及び窒素、
燃焼炉の通気に用いられる空気、バーナ閉塞防止のため
に用いられるカーテン用窒素、炉内に水を噴射する際に
用いる空気等が包含される。
本発明においては、有毒性排ガスの燃焼処理により生
成した燃焼ガスは、炉外へ排出される以前に、冷却処理
される。この冷却処理は、燃焼ガスを固体冷却面と接触
させることによって行うことができる。固体冷却面は、
例えば、冷却器あるいは熱交換器を配設し、これに冷却
ガス又は冷却水を流通させることによって形成すること
ができる。冷却器あるいは熱交換器は公知のものを使用
すればよく、例えば、冷却コイルを用いるものや、プレ
ート型熱交換器を用いることができる。固体冷却面は、
燃焼炉に後続して設置してもよいが、好ましくは燃焼炉
内に設置するのがよい。また、燃焼炉の炉壁を二重壁の
ジャケットとしてジャケット型熱交換器とすれば設置空
間が節約でき好ましい。これらの固体冷却面による冷却
処理により、燃焼ガス中に含まれる水蒸気は凝縮して水
に変換される。そして、この凝縮水は、有毒性ガスの燃
焼処理により生成した微粉末を捕捉吸収する。
本発明においては、さらに、燃焼ガスには、水滴を噴
射し、燃焼ガスに含まれる固体微粉末を捕捉吸収する。
この場合、燃焼ガスへの水滴の噴射は、スプレーノズル
やベンチュリースクラバー等を用いて行うことができ
る。
前記のようにして、燃焼ガスを冷却しかつ水滴と接触
させる時には、燃焼ガスに含まれる固体微粉末を効率よ
く捕捉吸収させることができるので、燃焼炉からの排ガ
ス中に含まれる固体微粉末量を著しく減少させることが
できる。
即ち、本発明の場合は、前記のように、支燃ガスとし
て高濃度酸素ガスを用いて有毒性ガスを燃焼処理してい
ることから、固体微粉末は高次酸化物となり、水溶性の
高いものとなっている。また、全非可燃性ガス量が少な
く規定されて、凝縮水及び噴射水滴との接触効率が高め
られている。酒従って、この固体微粉末は、前記のよう
にして燃焼ガスの冷却によって生成する凝縮水及び外部
から噴射される水滴によって、容易に捕捉吸収され、燃
焼ガスから除去され、これによって、燃焼炉排ガス中の
固体微粉末濃度は著しく減少する。
本発明で用いる燃焼バーナとしては、拡散型バーナの
使用が好ましい。拡散型バーナでは、燃焼炉の先端にお
いて有毒性ガスと支燃ガスとの混合が行われる。燃焼炉
に入る手前で有毒性ガスと支燃ガスとの混合を行う予混
合方式のバーナでは、その有毒性ガスが高反応性の場
合、その有毒性ガスと支燃ガスとがノズル内で反応し、
固形分を生成するため、ノズル閉塞の問題が生じるので
好ましくない。この拡散型バーナの基本構造は、有毒性
ガス流通路と支燃ガス流路をそれぞれ独立して有するも
のであり、必要に応じ、可燃性ガス流路や不活性ガス流
路を有し、また外周部に水冷ジャケットを有する。支燃
ガスとしては、酸素富化空気又は酸素が用いられる。可
燃性ガスとしては、水素、メタン等が用いられる。
有毒性ガス流路と支燃ガス流路との間に可燃性ガス流
路を介在させる時には、バーナ出口直後における有毒性
ガスと支燃ガスとの拡散混合を防止し得るので、固体微
粉末のバーナ先端部への付着が防止される。即ち、この
場合には、バーナ先端部では、支燃ガスは可燃性ガスに
より全て消費されて、有毒性ガスまで拡散しないので、
バーナ先端部での有毒性ガスと酸素等の支燃ガスとの反
応を確実に防止することができる。前記可燃性ガスに代
えて窒素ガス等の不活性ガスを使用することによって
も、バーナ先端部での有毒性ガスと支燃ガスとの拡散混
合を防止し得るが、この場合には、バーナ先端部での有
毒性ガスと酸素等の支燃性ガスとの反応を完全には防止
し得ないので、有毒性ガスが高温度である場合や、長時
間の燃焼処理を行う場合には、バーナ先端部への固体微
粉末の付着を十分には防止することができず、しかも燃
焼効率が低下するという問題がある。従って、バーナ先
端部での有毒性ガスと支燃性ガスとの混合を防止するに
は、燃焼条件に応じ、可燃性ガス又は不活性ガスを適宜
選択するのがよい。
拡散型バーナの具体例を示すと、例えば、全体を4重
管構造とし、その中心部に位置する第1導管を有毒性ガ
スノズル、その外側に位置する第2導管を1次支燃ガス
ノズル、その外側に位置する第3導管を2次支燃ガスノ
ズルとしてそれぞれ形成し、その外側の第4導管をその
先端を封止し、冷却ジャケットとして形成したものや、
全体を3重管構造とし、中心部に位置する第1導管を有
毒性ガスノズル、その外側に位置する第2導管を支燃ガ
スノズルとしてそれぞれ形成し、その外側に位置する第
3導管をその先端を封止して冷却ジャケットとして形成
したもの、全体を4重管構造とし、その中心部に位置す
る第1導管を有毒性ガスノズル、その外側に位置する第
2導管を可燃性ガスノズル、その外側に位置する第3導
管を支燃ガスノズルとしてそれぞれ形成し、その外側に
位置する第4導管をその先端を封止して冷却ジャケット
として形成したもの、全体を4重管構造とし、その中心
部に位置する第1導管を可燃性ガスノズル、その外側に
位置する第2導管を有毒性ガスノズル、その外側に位置
する第3導管を可燃性ガスノズル、その外側に位置する
第4導管を支燃ガスノズルとしてそれぞれ形成したも
の、2重管の中心部に複数の導管を挿入した構造で、そ
の中心部の複数の導管を有毒性ガスノズルとして形成
し、それを包囲する導管を可燃性ガスノズル、その外側
に位置する導管を支燃性ガスノズルとして形成したも
の、及び各ノズルの先端部をそれぞれしぼった構造のバ
ーナ等が挙げられる。先端部をしぼったバーナは火炎が
集中し、着火及び燃焼が安定し、燃焼効率がよい。
更に、本発明において燃焼バーナを燃焼炉の天井部に
下向きに設置し、火炎を下方に向けて形成する。火炎を
下向きとすることにより火炎を集中化することができ、
高温で有毒性排ガスを完全燃焼することが可能であり、
燃焼スペースもコンパクト化できる。また、燃焼ガスへ
の水滴の噴射を、炉内下部で行うことにより火炎に対し
影響を与えることがなく、その上燃焼ガス中の固体微粉
末の吸収も効率よくなされる。
次に本発明を図面により説明する。第1図は、本発明
の方法を実施するための燃焼炉の1例についての説明断
面図を示す。
この燃焼炉は、その本体を形成する筒体1の天井部に
バーナ5が配設され、また筒体1の底部には燃焼ガス排
出管13が下向きに配設されている。筒体1の周壁は内壁
15と外壁16とから構成される2重壁構造になり、2重壁
間の空隙部11には冷却水が流通されるようになってい
る。即ち、下端部の導管7から冷却水が導入され、この
冷却水は2重壁の空隙部11を通った後、上端部の導管12
を通して導出される。このような冷却水の流通により、
内壁15は冷却面を形成する。バーナ5を前記のように下
向きにし、下向きの火炎を形成する。
また、燃焼炉(筒体)1の下部壁には、スプレーノズ
ル30が配設されている。このスプレーノズル30は、炉内
に水滴を噴射し、燃焼ガスに衝突させて、燃焼ガスを急
冷するとともに、燃焼ガス中の固体微粉末を除去するた
めに設けられたものである。即ち、燃焼ガスを急冷する
ことにより、ガス中の水蒸気が、固体微粉末を核として
凝縮して水滴化し、固体微粉末を水滴中に取込み除去す
るものであり、また、固体微粉末と噴射水滴とが衝突す
ることにより、固体微粉末が水滴中に取込まれ除去され
る。
水滴噴射は、スプレーノズル30の代りにガス排出口に
ベンチュリースクラバーを配置して行ってもよい。ベン
チュリースクラバーでは、ストローより圧力水を噴射し
て形成した微細水滴と燃焼ガス中の固体微粉末が衝突
し、固体微粉末は水滴中に捕集され、上記スプレーノズ
ルと同様に燃焼ガス中から除去される。
また、燃焼炉には、図示されてはいないが、パイロッ
トバーナや、パイロットバーナの点火を確認されるため
の火炎検知装置(紫外線検知装置)が配設されている。
次に、第1図に示した装置を用いて本発明を実施する
場合の具体例について説明する。
先ず、パイロットバーナ(図示されず)で水素ガスを
空気で燃焼させて水素炎を形成するとともに、スプレー
ノズル30から水滴を炉内に噴射し、さらに、導管7から
冷却水を導入し、これを導管12により導出させる。
次に、拡散型バーナ5の先端封止の第4導管24に水を
装入して水冷ジャケットを形成し、第3導管23に2次酸
素、第2導管22に1次酸素及び第1導管21に有毒性排ガ
スを導入し、これらのガスをバーナ先端から噴出させ、
パイロットバーナの水素炎で着火し、燃焼させる。この
ようにして有毒性排ガスを燃焼処理することにより、固
体微粉末を含む燃焼ガスが生成されるが、この燃焼ガス
は、炉壁に形成された冷却面によって冷却されるととも
に、スプレーノズル30から噴射される水滴によって冷却
される。燃焼ガスに含まれる固体微粉末は、燃焼ガスの
冷却により凝縮した凝縮水及びスプレーノズル30から噴
射される水滴によって捕捉吸収される。そして、固体微
粉末を捕捉吸収した水は、炉底部の開口部から排出管13
を通って炉外へ燃焼排ガスとともに排出される。
前記のように炉壁内面に冷却面を形成して有毒性排ガ
スを燃焼処理する場合、燃焼バーナ側から、燃焼ガス排
出口側へ向うように導管32から空気を導入して炉内ガス
を流してもよい。排出口へ向う炉内ガスの線速度は、1m
/秒以下、好ましくは0.05m/秒以下、さらに好ましくは
0.01m/秒以下にするのがよい。このような非常に遅い炉
内の線速度では、固体微粉末の炉内の滞留時間が長くな
り、固体微粉末は炉内に存在する水と長く接触し、効率
よく燃焼ガスから除去される。
前記のような有毒性排ガスの燃焼処理においては、生
成した固体微粉末の大部分を炉内において捕捉すること
ができる。
〔発明の効果〕
本発明では、高酸素濃度の支燃ガスを用いたことか
ら、有毒性排ガスの処理により生成する微粉末は、高次
酸化物となって可溶性を示し、取扱いの容易なものであ
り、燃焼排ガスから容易に分離することができる上、燃
焼炉に導入される全非可燃性ガス量を、同じく燃焼炉に
導入される有毒性排ガス量の4倍以下に保持したことに
より、燃焼炉からの燃焼排ガス量は著しく少なくなり、
燃焼排ガスの処理が非常に容易となる。即ち、炉内の非
可燃性ガスを有毒性排ガス量の4倍以下とすることによ
り燃焼排ガス量が著しく減少され、燃焼により生ずる毒
性微粉末が前記のように炉内において容易に湿式除塵さ
れ、系外に排出される燃焼排ガス中に含有される微粉末
量も減少され(一般には、排ガス1m3当り1〜5g以
下)、最終工程における除塵にフィルターを用いる場
合、除塵フィルターの寿命が延びる等工業的に極めて有
利となる。この場合、フィルターは、一般には炉外へ配
設されるが、場合によっては、燃焼炉の下端部に配設す
ることも可能である。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 第1図に示した装置を用い、有毒性ガスの燃焼処理を
行った。この場合、有毒性ガスとしては、ホスフィン
(PH3)5容量%、アルシン(AsH3)1容量%及び残部
水素ガスからなるガスを用いた。
第1図に示した装置において、導管7から冷却水を導
入し、導管12から冷却水を導出して、炉壁に冷却面を形
成するとともに、パイロットバーナで水素を燃焼させて
水素炎を形成し、そして、スプレーノズル30から水を噴
出させて、炉内に水滴を分散させた。
次に、前記有毒性排ガスを燃焼処理するために、バー
ナの導管22を通して1次酸素(100%O2)、導管23を通
して2次酸素(100%O2)をそれぞれ炉内に導入すると
ともに、導管21を通して前記有毒性排ガスを炉内に導入
して燃焼させた。また、先端封止の導管24には水を装入
して水冷ジャケットを形成した。
次に、具体的操作条件を示す。
〔燃焼条件〕
(1)有毒性排ガス(導管21) 流 量:12Nl/分 線速度:5m/秒 (2)1次酸素(導管22) 流 量: 6Nl/分 線速度:1.4m/秒 (3)2次酸素(導管23) 流 量:10Nl/分 線速度:1.5m/秒 〔冷却面形成条件〕 (1)水量(導管7):20/分 〔水滴形成条件〕 (1)噴水量(スプレーノズル30):12/分 〔炉内ガス条件〕 (1)炉内供給非可燃性ガス量(1次酸素+2次酸素) :16Nl/分 (2)非可燃性ガス/有毒性排ガス容積比:約1.3 (3)上方から下方への炉内ガス線速度:0.58cm/秒 燃焼後の水蒸気を除いた残存ガスベース 前記のようにして有毒性排ガスを燃焼処理した結果、
炉底部から排出される燃焼排ガス中にはホスフィン及び
アルシンは全く検出されなかった。また、燃焼排ガス中
に含まれる固体微粉末(P2O5及びAs2O5等)を測定し、
この測定量と全有毒性ガス処理量に基づく固体微粉末生
成量とから、炉内における固体微粉末除去率を算出した
結果、P2O5等の除去率98.3%及びAs2O5率の除去率96.9
%の成績が得られた。
比較例1 実施例1において、2次酸素10Nl/分に代え空気量を5
0Nl/分にし、非可燃性ガス/有毒性排ガス容積比=4.7
とした以外は、同様にして実験を行った。この場合、炉
底部から排出される燃焼排ガス中にはホスフィン及びア
ルシンは、それぞれ3ppm、0.5ppm検出された。As2O3
除去率は92.5%及びP2O3等除去率は93.1%にそれぞれ低
下した。
実施例2 実施例1において、有毒性排ガスとしてホスフィン
(PH3)3容量%と水素ガス97容量%との混合物を用
い、下記の操作条件を用い、それ以外は同様にして実験
を行った。
〔燃焼条件〕
(1)有毒性排ガス(導管21) 流 量:21Nl/分 線速度:8.75m/秒 (2)1次酸素(導管22) 流 量:4Nl/分 線速度:0.9m/秒 (3)2次酸素(導管23) 流 量:10Nl/分 線 速:1.5m/分 〔炉内ガス条件〕 (1)炉内供給非可燃性ガス量(1次酸素+2次酸素) :14Nl/分 (2)非可燃性ガス/有毒性排ガス容積比:約0.7 (3)炉内ガス線速度:0.33cm/秒 前記のようにして燃焼処理した結果、炉底部から排出
される燃焼排ガス中のホスフィンは全く検出されず、燃
焼排ガス中のP2O5濃度測定より求めたP2O5除去率は99.1
%であった。
実施例3 実施例1において、有毒性排ガスとしてホスフィン5
容量%と水素ガス95容量%との混合物を用い、下記の操
作条件を用い、それ以外は同様にして実験を行った。
〔燃焼条件〕
(1)有毒排ガス(導管21):12Nl/分 (2)酸素(導管22):4Nl/分 (3)空気(導管23):16Nl/分 〔炉内ガス条件〕 (1)炉内供給非可燃性ガス量(酸素+空気+通風ガ
ス) :16Nl/分 (2)非可燃性ガス/有毒性排ガス容積比:1.7 (3)炉内ガス線速度:0.81cm/秒 前記のようにして燃焼処理を行った結果、燃焼排ガス
中にはホスフィンは検出されなかった。
比較例2 実施例3において、導管22から空気:10Nl/分、導管23
から空気:35Nl/分をそれぞれ導入した以外は同様にして
実験を行った結果、燃焼排ガス中にはホスフィン12ppm
が検出された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するための燃焼炉の説明断
面図である。 1……炉本体、5……燃焼バーナ、15……冷却面、13…
…ガス排出管、30……スプレーノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 宗和 神奈川県横浜市保土ケ谷区今井町220― 17 (72)発明者 小島 千秋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 金子 邦雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 森 芳文 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 石川 秀人 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−152517(JP,A) 特開 昭62−134414(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天井部に下向きの拡散型バーナを有する燃
    焼炉内に有毒性排ガス及び支燃ガスを該バーナを介して
    導入して燃焼させる方法において、 (i)該支燃ガスとして60vol%以上の酸素濃度を有す
    る酸素ガスを用いること、 (ii)生成した燃焼ガスを固体冷却面と接触させ、該燃
    焼ガスに含まれる水蒸気を凝縮させること、 (iii)該燃焼ガスに水滴を噴射して燃焼ガス中に含ま
    れる固体微粉末を該水滴に捕捉吸収させること、 (iv)該炉内に導入される全非可燃性ガス量を、該有毒
    性排ガス導入量1容量部当り、4容量部以下に保持する
    こと、 (v)該水滴を噴射して固体微粉末を捕捉吸収させた後
    の燃焼ガスを炉外へ排出させること、 を特徴とする有毒性排ガスの燃焼処理方法。
  2. 【請求項2】該燃焼炉内壁に固体冷却面が形成されてい
    る請求項1の方法。
  3. 【請求項3】炉内ガスの線速度が0.05m/秒以下である請
    求項2の方法。
  4. 【請求項4】該酸素ガスが濃度100%の酸素ガスである
    請求項1〜3のいずれかの方法。
JP63255614A 1988-07-29 1988-10-11 有毒性排ガスの燃焼処理方法 Expired - Fee Related JP2742562B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63255614A JP2742562B2 (ja) 1988-10-11 1988-10-11 有毒性排ガスの燃焼処理方法
US07/386,639 US5123836A (en) 1988-07-29 1989-07-31 Method for the combustion treatment of toxic gas-containing waste gas

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63255614A JP2742562B2 (ja) 1988-10-11 1988-10-11 有毒性排ガスの燃焼処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02103311A JPH02103311A (ja) 1990-04-16
JP2742562B2 true JP2742562B2 (ja) 1998-04-22

Family

ID=17281191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63255614A Expired - Fee Related JP2742562B2 (ja) 1988-07-29 1988-10-11 有毒性排ガスの燃焼処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2742562B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102059029A (zh) * 2010-11-25 2011-05-18 东南大学 高湿烟气中细颗粒物的脱除方法及其装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW342436B (en) * 1996-08-14 1998-10-11 Nippon Oxygen Co Ltd Combustion type harm removal apparatus (1)
JP4828722B2 (ja) * 2001-05-21 2011-11-30 ルネサスエレクトロニクス株式会社 除害装置
DE102004047440B4 (de) * 2004-09-28 2007-11-08 Centrotherm Clean Solutions Gmbh & Co.Kg Anordnung zur Reinigung von toxischen Gasen aus Produktionsprozessen
GB2515017B (en) * 2013-06-10 2017-09-20 Edwards Ltd Process gas abatement
JP7109721B2 (ja) * 2017-02-10 2022-08-01 イーアイエム リサーチ ピーティーワイ リミテッド ガスデストラクションのための方法および装置
CN110345498B (zh) * 2019-08-02 2024-05-24 上海盛剑环境系统科技股份有限公司 一种燃烧式pou设备的腔体喷管

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62134414A (ja) * 1985-12-04 1987-06-17 Nippon Sanso Kk 半導体製造排ガスの燃焼方法及び同燃焼装置
FR2591509B1 (fr) * 1985-12-17 1989-10-27 Labo Electronique Physique Dispositif antipollution pour l'elimination des gaz toxiques utilises dans l'elaboration des materiaux semiconducteurs du groupe iii-v.

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102059029A (zh) * 2010-11-25 2011-05-18 东南大学 高湿烟气中细颗粒物的脱除方法及其装置
CN102059029B (zh) * 2010-11-25 2013-12-25 东南大学 高湿烟气中细颗粒物的脱除方法及其装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02103311A (ja) 1990-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3467275B2 (ja) 排ガス浄化装置
JP5347183B2 (ja) ガス流からフッ素を除去するための方法及び装置
US5891404A (en) Exhaust gas treatment unit
US7790120B2 (en) Apparatus and method for controlled decomposition oxidation of gaseous pollutants
EP0160524B1 (en) Apparatus for burning exhaust gases containing gaseous silane
EP0221899B1 (en) Process for removing oxides of nitrogen and sulfur from combustion gases
JP2688655B2 (ja) 有毒性ガスの燃焼処理法及び装置
KR101285041B1 (ko) 배기 가스 스트림을 처리하는 방법
GB2043854A (en) Waste fluid combustion method
KR20060048185A (ko) 반응하여 고체 생성물을 형성할 수 있는 기체를 연소시키기위한 버너 및 방법
US7521035B1 (en) Method for regenerating a residual substance that contains sulfur and an atomizing burner suited for carrying out said method
US3960507A (en) Apparatus for removing nitrogen oxides from a contaminated gas containing the same
JP2742562B2 (ja) 有毒性排ガスの燃焼処理方法
JP3174335B2 (ja) 液体廃棄物の処理方法
US4256721A (en) Combustion method and apparatus
KR100830797B1 (ko) 기체 스트림으로부터 유해물질의 제거방법
JPS6015569B2 (ja) 二酸化珪素を熱分解的に製造するための装置
JP2881210B2 (ja) 有毒性排ガスの処理方法及び装置
JP2756505B2 (ja) 廃棄物の熱分解方法及び装置
US5817909A (en) Purification of waste/industrial effluents comprising organic/inorganic pollutants
JPH02126014A (ja) 有毒性ガスの燃焼処理方法及び装置
JPH0748119A (ja) 高分散性ケイ酸の製造方法および該方法を実施するための装置
GB1602621A (en) Thermal cracking of sulphuric acid
RU2542357C1 (ru) Способ сжигания жидких органических радиоактивных отходов и установка для его осуществления
JP2688655C (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees