JP2742294B2 - 斜孔を有する成形品の成形装置 - Google Patents

斜孔を有する成形品の成形装置

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JP2742294B2 JP11124389A JP11124389A JP2742294B2 JP 2742294 B2 JP2742294 B2 JP 2742294B2 JP 11124389 A JP11124389 A JP 11124389A JP 11124389 A JP11124389 A JP 11124389A JP 2742294 B2 JP2742294 B2 JP 2742294B2
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俊之 臼田
政明 相川
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エヌオーケー株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は斜孔を有する成形品の成形装置に関し、特
に、小型化することができる斜孔を有する成形品の成形
装置に関するものである。
〔従来技術およびその問題点〕 一般に、斜孔を有する成形品を成形するための成形装
置は第7図に示すように構成されている。
すなわち、この成形装置は、下型40と、この下型40に
対して当接離隔可能な上型41と、前記下型40の中央部に
位置するコア50およびエジェクタピン51と、前記上型41
の中央部に位置する中型42と、前記下型40と前記上型41
との間に形成されるキャビティ53内に、前記下型40およ
び上型41を貫通して出没可能となっている斜孔用コア4
4、45とを具えている。
前記上型41の中央部に位置する中型42には、前記上型
41が前記下型40に当接した際に形成されるキャビティ53
内に形成材料を注入するスプレー43が設けられており、
また、前記下型40の中央部に位置するコア50は、前記キ
ャビティ53内に出没可能になっており、このコア50をキ
ャビティ53内に突出させた状態で成形することによって
成形品52の中央部に孔54が形成されるようになってい
る。
さらに、前記エジェクタピン51は前記キャビティ53内
で成形された成形品52を突出させて外部に取り出すもの
である。
なお、前記斜孔用コア44、45はそれに連結しているシ
リンダ48、49の作動によって前記キャビティ53内に出没
するようになっている。
そして、上記のように構成される成形装置を用いて斜
孔を有する成形品を成形する場合には、まず、可動側の
上型41を固定側の下型40に当接させてそれらの間でキャ
ビティ53を形成するとともに、前記上型41および下型40
に設けられている斜孔用のコア44、45をシリンダ48、49
を作動させることによってキャビティ53内に突出させ
る。
次に、前記上型41の中央部に位置している中型42のス
ピルー43から前記キャビティ53内に成形材料を充填し、
成形材料が硬化するまで所定の時間保持する。
そして、成形材料が完全に硬化した後、前記斜孔用コ
ア44、45のシリンダ48、49を作動させて、前記斜孔用コ
ア44、45を前記キャビティ53内から抜き出して前記上型
41および下型40内に没入させるとともに、前記上型41を
下型40から離隔させて型開きし、前記下型40の中央部に
位置しているエジェクタピン51を作動させることによっ
てキャビティ53内で成形された成形品52を突出させて外
部に取り出し、このようにして斜孔46、47を有する成形
品52が成形されるようになっている。
しかしながら、上記のような従来の成形装置にあって
は、シリンダ48、49の作動によって斜孔用コア44、45を
キャビティ53内に出没させようになっていたために、成
形品に複数の斜孔を形成する場合には斜孔の数の分だけ
シリンダを設けなけらばならず、そのために、装置全体
が大型化してしまうなどの問題点を有していた。
また、シリンダを設けることによって装置全体が大型
化してしまうために、複数の斜孔を有する成形品を同時
に複数個成形する成形装置を得ることができず、複数個
の成形品を連続して成形する場合には、複数個の成形品
を同時に成形することができないために、作業効率が非
常に悪くなるとともに、生産性も著しく低下してしまう
などの問題点を有していた。
この発明は上記のような従来のもののもつ問題点を解
決したものであって、全体を小型化することができて一
つの成形品に同時に複数の斜孔が形成できるとともに、
複数の斜孔を有する成形品を同時に複数個成形すること
も容易な斜孔を有する成形品の成形装置を提供するもの
である。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するためにこの発明は、下型と、
この下型に当接離隔可能であるとともに、前記下型と協
働してキャビティを形成する上型と、前記下型または上
型のうちの少なくともいずれか一方に設けられ、前記キ
ャビティの中心を中心として水平方向に回動可能である
とともに、内周側の同心円上に、回動方向に対して一方
から他方にかけてテーパとなっているテーパ空所を内部
に有する断面T字形の長孔を所定の間隔ごとに複数穿設
しているピニオンと、該ピニオンの長孔内に移動可能に
設けられ、そのテーパ空所に一致するテーパ頭部を有す
るとともに、先端部が前記ピニオンを取り付けた上型ま
たは下型に設けた貫通孔を貫通して前記キャビティ内に
出没可能となっている斜孔用コアと、前記ピニオンに噛
合して往復動可能なラックとを具え、前記ラックの往復
動による前記ピニオンの回動時に、前記ピニオンの長孔
内の斜孔用コアが前記キャビティ内に出没する手段を採
用したものである。
〔作用〕
この発明は上記の手段を採用したことにより、斜孔を
有する成形品は、上型を下型に当接させて両者の間にキ
ャビティを形成するとともに、上型または下型のうちの
少なくともいずれか一方に設けられているピニオンをそ
れに噛合しているラックの往復動によって回動させ、そ
れによってピニオンの長孔内に設けられている斜孔用コ
アを長孔内のテーパ空所内を相対的に移動させることに
よって、上型または下型に設けられている貫通孔を介し
てキャビティ内に突出させ、その後、成形材料をキャビ
ティ内に充填して硬化して成形品を成形し、さらにその
後、再び、ラックの往復動によってピニオンを回動させ
てピニオンの長孔に設けられている斜孔用コアを長孔内
のテーパ空所を相対的に移動させることによって、キャ
ビティ内から抜き出して上型または下型内に没入させる
とともに、上型を下型から離隔させて型開きをすること
によって斜孔を有する成形品が成形されることとなる。
〔実施例〕
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明す
る。
第1図〜第5図にはこの発明による斜孔を有する成形
品の成形装置の一実施例が示されていて、第1図は全体
を示す概略断面図、第2図は第1図に示すものの要部の
断面図、第3図は第2図に示すものを下方から見た展開
図、第4図は第3図に示すもののA−A線に沿って見た
断面図、第5図は第1図に示すものの斜孔用コアを示す
説明図である。
すなわち、第1図〜第5図に示す斜孔を有する成形品
の成形装置は、下型1と、この下型1に対して当接離隔
可能に配設される上型11と、前記上型11の中央部に位置
する中型22と、前記下型1の中央部に位置するコア24お
よびエジェクタピン25とから構成されている。
前記下型1の下部および前記上型11の上部には環状の
凹所2、12が設けられており、この凹所2、12の内周側
には、前記上型11の前記下型1への当接時に両者の間に
形成されるキャビティ21内に貫通する貫通孔6、16が設
けられているとともに、この凹所2、12には内周側に軸
受け4、14を介したピニオン3、13が回動可能に設けら
れている。
さらに、前記ピニオン3、13の外周側にはラック5、
15が噛合した状態で設けられ、このラック5、15の先端
は図示しないシリンダ等の駆動部材に連結されている。
また、前記ピニオン3、13の内周側には、第2図、第
3図および第4図に示すように、前記下型1および上型
1の環状の凹所2、12に設けられている貫通孔6、16に
対応するとともに、回動方向に対して一方から他方にか
けてテーパとなっているテーパ空所8、18を内部に有す
る断面T字形の長孔7、17が所定の間隔ごとに複数穿設
されており、この長孔7、17内には第5図に示すよう
に、そのテーパ空所8、18のテーパ角度に一致するテー
パ角度の頭部9b、19bを有する斜孔用コア9、19が移動
可能に設けられている。
さらに、この斜孔用コア9、19の先端部9a、19aは前
記下型1および上型11の環状の凹所2、12に設けられて
いる貫通孔6、16を介して前記下型1と前記上型11との
間で形成されるキャビティ21内に突出するようになって
いる。
また、前記中型22には前記下型1と上型11との間で形
成されるキャビティ21内に成形材料を注入する際のスプ
ルー23が設けられている。
なお、前記下型1の中央部に設けられているコア24は
前記キャビティ21内で成形される成形品26に孔27を形成
するものであり、前記エジェクタピン25は前記キャビテ
ィ21内で成形された成形品26をキャビティ21内から突出
させるものである。
次に前記のものの作用について説明する。
まず、可動側の上型11を固定側の下型1に当接させる
とともに、上型11の中央部に位置している中型22を所定
の位置に移動させて前記下型1、上型11および中型22と
の間でキャビティ21を形成する。
この場合、前記下型1の中央部に位置しているコア24
を前記キャビティ21内に突出させるとともに、エジェク
タピン25も所定の位置に移動させ、さらに、前記下型1
および上型11に設けられているピニオン3、13をそれに
噛合しているラック5、15を作動させることによって回
動させる。
そして、それによって前記ピニオン3、13の長孔7、
17内に設けられている斜孔用コア9、19を前記下型1お
よび上型11の貫通孔6、16を介して前記キャビティ21内
に突出させておく。
次に、上記のように斜孔用コア9、19およびコア24を
突出させた状態のキャビティ21内に、前記上型11の中央
部に位置している中型22のスプルー23から成形材料を注
入して前記キャビティ21内を成形材料で充填し、成形材
料が完全に硬化するまで所定の時間保持する。
そして、成形材料が完全に硬化した時点で、前記上型
11および下型1に設けられているピニオン3、13をそれ
に噛合しているラック5、15を往復動させることによっ
て回動させ、それによってピニオン3、13の長孔7、17
内の斜孔用コア9、19が長孔7、17のテーパ空所8、18
内を相対的に移動してキャビティ21内から徐々に抜け出
して下型1および上型11内に没入することとなる。
そして、その後、前記上型11および中型22を下型1か
ら離隔させることによって型開きするとともに、下型1
の中央部に位置しているコア24をキャビティ21内から抜
き出して下型1内に没入させる。
さらにその後、下型1の中央部に位置しているエジェ
クタピン25を作動させてキャビティ21内に成形された成
形品26を上方に突出して外部に取り出し、このようにし
て斜孔10、20を有する成形品26が形成されることとな
る。
上記のようにこの発明によれば、下型1および上型11
に設けたピニオン3、13の長孔7、17内に斜孔用コア
9、19を設けてラック5、15の往復動によりピニオン
3、13を回動させることによって斜孔用コア9、19をキ
ャビティ21内に出没させることができることになるの
で、従来のように斜孔用コアにそれぞれシリンダを設け
る必要がなくなり、それによって装置全体を小型化する
ことができて同時に複数の斜孔を一つの成形品に形成す
ることが容易となる。
さらに、この発明による成形装置を一連に複数配設す
ることによって複数の斜孔を有する成形品を同時に複数
個成形することも容易になるものである。
また、第6図にはこの発明による斜孔を有する成形品
の成形装置の他の実施例が示されている。
すなわち、この実施例に示す成形装置は、前記第1図
〜第5図に示す実施例によるものと同一の構成を有する
成形装置を一連に配設したものであって、この実施例に
よる成形装置は、2つの成形装置で一対としてそれぞれ
の一対の成形装置の間にそれぞれ一つのラック35、36を
配設し、このラック35、36の往復動によってそれぞれの
成形装置のピニオン31、32、33、34を同時に回動させる
ように構成したものである。
なお、前記ラック35、36はシリンダ37によって同時に
往復動するようになっている。
そして、この実施例による成形装置を用いて成形品に
斜孔を形成する場合には、シリンダ37を作動させること
によってラック35、36を往復動させ、それによってそれ
ぞれの成形装置のピニオン31、32、33、34を同時に回動
させてそれぞれの長孔内に設けられている斜孔用コアを
上型と下型との間に形成されるキャビティ内に突出させ
るとともに、キャビティ内に成形材料を充填して成形品
を成形し、その後再び、シリンダ37を作動させることに
よってラック35、36を往復動させ、それによってそれぞ
れの成形装置のピニオン31、32、33、34を同時に回動さ
せてそれぞれの長孔内に設けられている斜孔コアをキャ
ビティ内から抜き出すことによって成形品に斜孔を形成
することとなる。
この場合、それぞれの一対の成形装置のピニオン31、
32、および33、34を一つのラック35および36によって回
動させるようになっているために、それぞれの一対の成
形装置におけるそれぞれのピニオン31、32および33、34
の回動方向がそれぞれ逆回転となるので、斜孔用コアを
配設する長孔内のテーパ空所のテーパの向きを一方のピ
ニオン31、33に対して他方のピニオン32、34を逆方向に
形成し、それぞれのピニオン31、32および33、34におい
て回動方向が逆になっても斜孔用コアのキャビティ内へ
の突出とキャビティ内からの抜け出しがそれぞれ同一に
なるようにしておくことが必要になるものである。
なお、前記実施例においては、斜孔用コアを上型と下
型との両方に設けたが、これに限定することなく、上型
のみに設けてもよいものであり、また、下型のみに設け
てもよいものである。
〔発明の効果〕
この発明は前記のように構成したことにより、装置全
体を小型化することができて、一つの成形品に複数の斜
孔を同時に形成することが容易となり、さらに、複数の
成形装置を一連に配設することができて複数の斜孔を有
する成形品を同時に複数個成形することが容易となるの
で、作業効率が著しく向上するとともに、生産性も向上
することになるなどのすぐれた効果を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による成形装置の一実施例を示す概略
断面図、第2図は第1図に示すものの要部断面図、第3
図は第2図に示すものを下方から見た展開図、第4図は
第3図に示すもののA−A線に沿って見た断面図、第5
図は第1図に示す斜孔用コアを示す説明図、第6図はこ
の発明による成形装置を一連に配設した他の実施例を示
す概略断面図、第7図は従来の成形装置を示す概略断面
図である。 1、40……下型 2、12……凹所 3、13、31、32、33、34……ピニオン 4、14……軸受け 5、15、35、36……ラック 6、16……貫通孔 7、17……長孔 8、18……テーパ空所 9、19、44、45……斜孔用コア 10、20、46、47……斜孔 11、41……上型 21、53……キャビティ 22、42……中型 23、43……スプルー 24、50……コア 25、51……エジェクタピン 26、52……成形品 27、54……孔 37、48、49……シリンダ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下型(1)と、この下型(1)に当接離隔
    可能であるとともに、前記下型(1)と協働してキャビ
    ティ(21)を形成する上型(11)と、前記下型(1)ま
    たは上型(11)のうちの少なくともいずれか一方に設け
    られ、前記キャビティ(21)の中心を中心として水平方
    向に回動可能であるとともに、内周側の同心円上に、回
    動方向に対して一方から他方にかけてテーパとなってい
    るテーパ空所(8)(18)を内部に有する断面T字形の
    長孔(7)(17)を所定の間隔ごとに複数穿設している
    ピニオン(3)(13)と、該ピニオン(3)(13)の長
    孔(7)(17)内に移動可能に設けられ、そのテーパ空
    所(8)(18)に一致するテーパ頭部(9b)(19b)を
    有するとともに、先端部(9a)(19a)が前記ピニオン
    (3)(13)を取り付けた上型(11)または下型(1)
    に設けた貫通孔(6)(16)を貫通して前記キャビティ
    (21)内に出没可能となっている斜孔用コア(9)(1
    9)と、前記ピニオン(3)(13)に噛合して往復動可
    能なラック(5)(15)とを具え、前記ラック(5)
    (15)の往復動による前記ピニオン(3)(13)の回動
    時に、前記ピニオン(3)(13)の長孔(7)(17)内
    の斜孔用コア(9)(19)が前記キャビティ(21)内に
    出没することを特徴とする斜孔を有する成形品の成形装
    置。
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