JP2742049B2 - コーティングされた切削工具 - Google Patents
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Description
た切削工具に関する。より詳細には、本発明はコーティ
ングされた切削工具に関し、この切削工具のためのコー
ティング構成は、物理蒸着法(PVD)によって付着さ
れるIVB族の金属−アルミニウムの合金層と、PVD
によってIVB族−アルミニウムの合金層に付着される
アルミナの層とを含む。
酸化性、高い化学安定性、高い硬度及び優れた耐摩耗性
を示す。従って、アルミナは材料除去、例えば金属除去
などの用途における使用に望ましい特性を有する。これ
らの望ましい特性にもかかわらず、アルミナ切削工具の
使用は、アルミナの低い靱性及び貧弱な成形性のために
いくつかの欠点を有する。切削性能を向上させるため
に、ある製造者はクロミウムオキサイド(chromium oxi
de) 、マグネシウムオキサイド(magnesium oxide)、チ
タニウムオキサイド(titanium oxide) 、ニッケルオキ
サイド(nickel oxide) 及び耐熱金属カーバイド(refr
actory metal carbides)などの添加剤をアルミナベース
の切削工具に含んでいる。これらの添加剤の存在によ
り、性能特性が向上したアルミナ切削工具が得られてい
る。
益な特性を得る別の方法は、物理蒸着法(PVD)技術
によって、より強靱で成形がより容易である切削工具の
基体をアルミナコーティングすることである。このプロ
セスの結果として、アルミナコーティングの切削工具が
得られる。
性能レベルを達成するが、これらの工具には欠点があ
る。これに関して、以下の文献は非晶質アルミナコーテ
ィングの基体への付着に関する。
uttered hard materials based ontitanium and alumin
um for wear protection"(International Pulvermet.
Tagung.、DDR 、Dresden (1985)、pp. 181-196)という
タイトルの論説は、アルミナ、TiN及びTiAlNの
個別のコーティングのPVD(マグネトロンスパッタ
ー)付着を言及している。この論説は、これらのコーテ
ィングがCVDコーティングと同等の性能を、またTi
AlNの場合ではそれより優れた性能を有することを述
べている。
Evaluation of RF-Sputtered Aluminum Oxide and Tit
anium Carbide Thick Films Grown on Carbide Tools"
(ThinSolid Films 、79 (1981) 、pp. 91-100)という
タイトルの論説は、超硬工具(ISO P20)へのアルミナコ
ーティングのPVD付着を述べている。
al Stress in Sputter-Deposited Al2O3 Films"(Thin S
olid Films、97(1982)、pp. 333-337)というタイトルの
論説は、従来の高周波装置又は平面マグネトロン高周波
装置のいずれかによる超硬合金(ISO P20)、高速スチー
ル及びコーニングパイレックス(Corning Pyrex) ガラス
へのアルミナコーティングの付着を述べている。
lms Prepared by Ion Plating"[alumina on a WC cutt
ing tool]というタイトルの論説は、イオンめっきによ
ってWC基体にアルミナコーティングを付着し、アルフ
ァ−アルミナコーティングを形成することを言及してい
る。
出願番号S54−2982は、イオンめっき法を使用し
てアルミナ(又はアルミナ及びTiC)を基体に付着す
ることに関する。実施例IIは、切削工具(ISO P30 合
金)上のアルミナコーティングに関する。
欠点は、基体とアルミナコーティング又は層との間に適
切な付着が不足していることに関する。アルミナコーテ
ィングの付着を向上させる1つの方法は、中間層を提供
することである。以下の文献は、中間層の使用を述べて
いる。
rovement of RF-sputtered aluminacoatings as determ
ined by the scratch test" (Jour. Adhesion Sci. Tec
hnol. 、Vol. 7、No. 8 、pp. 801-811 (1993))におい
て、著者は高速スチール基体(AISI M2) とRF−スパッ
ターによって付着されるアルミナコーティングとの間に
チタン又はチタニウムニトライド(titanium nitride)
中間層を使用した。全体的な結論は、チタン又はチタニ
ウムニトライドの中間層はアルミナコーティングの高速
スチール基体への付着を向上させるということであっ
た。
S57−120667は、切削工具に関連して、TiC
のベース層の上にアルミナの中間層をPVD付着するこ
とを言及している。外層はTiNである。この特許は6
層コーティング構成の言及もしており、これはプラズマ
CVDデバイスを使用し、外層としてアルミナを、中間
層としてTiC、アルミナ及びTiCOを含む。該特許
の実施例3は8層構成を含み、ここで外層はアルミナで
あり、中間層はTiC、アルミナ、TiCO及びTiC
Nを含む。
番号H4−308075は、イオンめっきによるアルミ
ナコーティングの基体への付着を述べている。アルミナ
は、基体の表面に直接付着が可能である。アルミナは、
基体上に先に形成された中間層に付着されることも可能
である。中間層はチタン、チタニウムカーバイド(tita
nium carbide)又はチタニウムニトライドとすることが
できる。
れたコーティング切削工具を提供することであり、ここ
でコーティング構成は、PVDによって付着されるIV
B族−アルミニウムの合金層と、PVDによってIVB
族−アルミニウムの合金層に付着されるアルミナの層と
を含む。
削工具を提供することであり、ここでコーティング構成
は、化学蒸着法(CVD)又はPVDのいずれかによっ
て基体に付着されるチタンベース組成物の少なくとも1
つの中間層と、PVDによってチタンベース組成物の最
上中間層に付着されるIVB族−アルミニウムの合金層
と、PVDによってIVB族−アルミニウムの合金層に
付着されるアルミナの層とを含む。
削工具を提供することであり、ここでコーティング構成
は、CVD又はPVDのいずれかによって基体に付着さ
れるチタンベース組成物の少なくとも1つの層と、PV
Dによってチタンベース組成物の最上中間層に付着され
るIVB族−アルミニウムの合金層と、PVDによって
IVB族−アルミニウムの合金層に付着されるアルミナ
の層と、CVD又はPVDのいずれかによってアルミナ
層に付着されるチタンベース組成物の少なくとも1つの
層とを含む。
削工具を提供することであり、ここでコーティング構成
は、PVDによって基体に付着されるIVB族−アルミ
ニウムの合金のベース層と、PVDによってIVB族−
アルミニウムの合金層に付着されるアルミナの外層とを
含む。
削工具を提供することであり、ここでコーティング構成
は、PVDによって基体に付着されるIVB族−アルミ
ニウムの合金のベース層と、CVD又はPVDのいずれ
かによってアルミナ層に付着されるチタンベース組成物
の少なくとも1つの層とを含む。
削工具を提供することであり、ここでコーティング構成
は、CVD又はPVDのいずれかによって基体に付着さ
れるチタンベース組成物の少なくとも1つの中間層と、
PVDによってチタンベース組成物の最上中間層に付着
されるIVB族−アルミニウムの合金層と、PVDによ
ってIVB族−アルミニウムの合金層に付着されるアル
ミナの外層とを含む。
削工具を提供することであり、ここでコーティング構成
は、PVDによって付着されるIVB族−アルミニウム
の合金層と、PVDによってIVB族−アルミニウムの
合金層に付着されるアルミナの層とを含み、ここでIV
B族−アルミニウム合金はチタン、ジルコニウム及びハ
フニウムのうちの1つ又はそれより多くを含む。
削工具を提供することであり、ここでコーティング構成
は、PVDによって付着されるIVB族−アルミニウム
の合金層と、PVDによってIVB族−アルミニウムの
合金層に付着されるアルミナの層とを含み、ここでIV
B族−アルミニウム合金は必要に応じてVB族元素、即
ちバナジウム、タンタル及びニオブのうちの1つ又はそ
れより多くを含む。
削工具を提供することであり、ここでコーティング構成
は、PVDによって付着されるIVB族−アルミニウム
の合金層と、PVDによってIVB族−アルミニウムの
合金層に付着されるアルミナの層とを含み、ここでIV
B族−アルミニウムの合金層は組成濃度勾配を有する。
発明はすくい面及び逃げ面を含み、切削エッジがすくい
面及び逃げ面の接合部にあるコーティングされた切削工
具である。切削工具は、基体と、基体に接合されるコー
ティングとを更に含む。コーティングは、物理蒸着法に
よって付着されるチタン−アルミニウムの第1の層と、
物理蒸着法によってチタン−アルミニウムの第1の層に
直接付着されるアルミナの層とを有するコーティング構
成を有する。
逃げ面を含み、切削エッジがすくい面及び逃げ面の接合
部にあるコーティングされた切削工具である。切削工具
は、基体と、基体に接合されるコーティングとを更に含
む。コーティングは第1の層を含むコーティング構成を
有し、ここで第1の層はPVDによって付着され、次の
関係に従った組成を有する: (Tia Zrb Hfc Vd Tae Nbf Al
1-(a+b+c+d+e+f) )(Nx O1-X ) ここで、0≦a<1;0≦b<1;0≦c<1;0≦d
<1;0≦e<1;0≦f<1;0≦x≦1;及び0<
(a+b+c+d+e+f)<1である。このコーティ
ング構成は、第1の層に接合されるアルミナ層を更に含
む。
及び逃げ面を含み、切削エッジがすくい面及び逃げ面の
接合部にあるコーティングされた切削工具である。切削
工具は、基体と、基体に接合されるコーティングとを更
に含む。コーティングは、物理蒸着法によって付着され
るIVB族金属−アルミニウム合金の第1の層と、物理
蒸着法によってIVB族金属−アルミニウム合金の第1
の層に直接付着されるアルミナの層とを含むコーティン
グ構成を有する。
共通に示される本発明の切削工具の第1の特定の実施の
形態を示している。切削工具10は、すくい面12及び
逃げ面14を有する。切削エッジ16は、すくい面12
及び逃げ面14の接合部にある。
する基体を表しており、選択された実施の形態において
いくつかの又は全てのコーティング層は物理蒸着法によ
って付着される。多種のPVD技術が存在し、これらの
技術によって基体にコーティングを付着してコーティン
グされた切削工具を得ることができる。これらの技術
は、例えばイオンめっき、マグネトロンスパッター及び
アーク蒸着などのあらゆる高イオン濃度プロセスを含
む。
つかのコーティング層は化学蒸着法(CVD)によって
付着されることが可能である。満足のゆくCVD層を得
る多種のCVDプロセスが存在する。
8と、2層コーティング構成とを有する。
付着されるチタニウムアルミニウムニトライド (titani
um aluminum nitride)である。TiAlNベース層20
の厚さは1〜6μmの間である。TiAlN層を使用す
ることにより、タングステンカーバイド−コバルト基体
とTiAlNベースコーティングとの間に優れた金属接
合が存在する。
た、物理蒸着法技術によって付着されるアルミナの外層
22を有する。外層22の厚さは1〜6μmの間であ
る。TiAlNにおけるアルミニウムの存在は、チタニ
ウムアルミニウムニトライド層の表面上のアルミナ外部
コーティングにおけるアルミナ粒子の核生成の促進もす
る。
が、本発明は第1の特定の実施の形態のチタニウムアル
ミニウムニトライドの代わりに0.5μm未満の厚さを
有するチタン、アルミニウム又はチタン−アルミニウム
を含むことを出願人は考慮している。このような変更に
よって、基体と、PVDによって付着されるチタンアル
ミニウムのベースコーティングと、PVDによって付着
されるアルミナの外部コーティングとを有する切削工具
が作られる。
面32及び逃げ面34を有する。切削エッジ36は、す
くい面32及び逃げ面34の接合部にある。
削工具30は、物理蒸着法技術によって基体40の表面
に付着されるチタニウムアルミニウムニトライドのベー
ス層42を更に含む。ベース層42の厚さは1〜6μm
の間である。前述のように、このベース層は基体と金属
接合を形成する。
ムアルミニウムニトライド層42に付着されるチタン、
アルミニウム又はチタン−アルミニウムの仲介層44を
更に含む。仲介層44は、0.5μm未満の厚さを有す
る。
ルミニウム仲介層44の表面に付着されるアルミナの外
層46を最後に含む。外層46の厚さは1〜6μmの間
である。仲介層におけるアルミニウムの存在は、チタン
アルミニウム層44の表面上のアルミナ外層におけるア
ルミナ粒子の核生成の促進を助長する。
工具の別の実施の形態を参照すると、切削工具50はす
くい面52と、逃げ面54と、すくい面及び逃げ面(5
2、54)の接合部にある切削エッジ56とを含む。
ンベース組成物の2つの中間層60、62があり、中間
層60(例えば、チタニウムニトライド)は基体の表面
に付着される。中間層60、62は、化学蒸着法(CV
D)又はPVDのいずれかによって付着可能である。中
間層60は、1〜4μmの間の厚さを有する。中間層6
2(例えば、チタニウムカーボニトライド (titanium c
arbonitride))は、1〜4μmの間の厚さを有する。
ニウムアルミニウムニトライド)の層64は、PVDに
よって中間層62の表面に付着される。層64は、1〜
6μmの間の厚さを有する。
ン−アルミニウム合金層64の表面に付着される。層6
6は、1〜6μmの間の厚さを有する。
工具の更に別の実施の形態を参照すると、切削工具70
はすくい面72と、逃げ面74と、すくい面及び逃げ面
(72、74)の接合部にある切削エッジ76とを含
む。切削工具70は基体78を更に含む。
ンベース組成物の2つの中間層80、82があり、中間
層80(例えば、チタニウムニトライド)は基体の表面
に付着される。中間層80、82は、化学蒸着法(CV
D)又はPVDのいずれかによって付着可能である。中
間層80は、1〜4μmの間の厚さを有する。中間層8
2(例えば、チタニウムカーボニトライド)は、1〜4
μmの間の厚さを有する。
ニウムアルミニウムニトライド)の層84は、PVDに
よって中間層82の表面に付着される。層84は、1〜
6μmの間の厚さを有する。
ン−アルミニウム合金層84に付着される。層86は、
1〜6μmの間の厚さを有する。
0は、CVD又はPVDのいずれかによってアルミナ層
86に付着される。外層88(例えば、チタン)は0.
5μm未満の厚さを有する。外層90(例えば、チタニ
ウムニトライド)は1〜4μmの間の厚さを有する。外
層88は、アルミナ層86の表面に直接付着される。
削工具の更なる実施の形態を参照すると、切削工具10
0はすくい面102と、逃げ面104と、すくい面及び
逃げ面(102、104)の接合部にある切削エッジ1
06とを含む。切削工具100は基体108を更に含
む。
ンベース組成物の2つの中間層110、112があり、
中間層110(例えば、チタニウムニトライド)は基体
の表面に付着される。中間層110、112は、CVD
又はPVDのいずれかによって付着可能である。中間層
110は、1〜4μmの間の厚さを有する。中間層11
2(例えば、チタニウムカーボニトライド)は、1〜4
μmの間の厚さを有する。
ば、チタニウムアルミニウムニトライド)の層114
は、PVDによって中間層112に付着される。層11
4は、1〜4μmの間の厚さを有する。第2のチタン−
アルミニウム合金(例えば、チタニウムアルミニウムニ
トライド)の層116は、PVDによってチタン−アル
ミニウム合金層114に付着される。層116は、1〜
4μmの間の厚さを有する。好ましくは、第2のチタン
−アルミニウム合金層は第1のチタン−アルミニウム合
金層よりも高いアルミニウム含量を有する。
タン−アルミニウム合金層116に付着される。層11
8は、1〜6μmの間の厚さを有する。
削工具の更なる実施の形態を参照すると、切削工具12
0はすくい面122と、逃げ面124と、すくい面及び
逃げ面(122、124)の接合部にある切削エッジ1
26とを含む。切削工具120は基体128を更に含
む。
ンベース組成物の2つの中間層130、132があり、
中間層130は基体の表面に付着される。中間層13
0、132は、CVD又はPVDのいずれかによって付
着可能である。中間層130(例えばチタニウムニトラ
イド)は、1〜4μmの間の厚さを有する。中間層13
2(例えばチタニウムカーボニトライド)は、1〜4μ
mの間の厚さを有する。
ば、チタニウムアルミニウムニトライド)の第1の層
は、PVDによって中間層132(例えばチタニウムカ
ーボニトライド)に付着される。層134は、1〜4μ
mの間の厚さを有する。第2のチタン−アルミニウム合
金(例えば、チタニウムアルミニウムニトライド)の第
2の層136は、PVDによって第1のチタン−アルミ
ニウム合金層134に付着される。層136は、1〜4
μmの間の厚さを有する。好ましくは、第2のチタン−
アルミニウム合金層は第1のチタン−アルミニウム合金
層よりも高いアルミニウム含量を有する。
2のチタン−アルミニウム合金層136の表面に付着さ
れる。層138は、1〜6μmの間の厚さを有する。チ
タンベース組成物の一対の外層140、142は、CV
D又はPVDのいずれかによってアルミナ層138に付
着される。PVDによって付着される場合、外層140
(例えば、チタン)はアルミナ層138の表面に直接付
着される。外層140は0.5μm未満の厚さを有す
る。外層142(例えば、チタニウムニトライド)は1
〜4μmの間の厚さを有する。CVDによって付着され
る場合、外層140はチタニウムカーボニトライドとす
ることができ、1〜4μmの間の厚さを有しうる。
実施の形態のための基体はタングステンカーバイド−コ
バルトベースの超硬合金である。しかし、基体は種々の
超硬合金、サーメット、セラミック、工具スチール、等
軸晶系ボロンニトライド (cubic boron nitride)ベース
のサーメット及びセラミック、ダイヤモンドベースの組
成物、これらの組み合わせ及び複合材料からなる群から
選択可能である。
好ましいアルミナ層は、任意の既知の結晶相のアルミナ
から成る実質的に結晶質のアルミナを含む。これらの結
晶相は、アルファ(α)アルミナ、ガンマ(γ)アルミ
ナ、デルタ(δ)アルミナ、シータ(θ)アルミナ、カ
ッパ(κ)アルミナ又はイータ(η)アルミナ及びカイ
(χ)アルミナを含む。マッサルスキ(Massalski)(編集
者) の Binary alloyphase diagrams、American Societ
y for Metals 、Metals Park 、Ohio (1990)、p. 185を
参照のこと。しかし、非晶質アルミナのみの層又は結晶
質アルミナと組み合わせた層は本発明の範囲内であるこ
とを、出願人は考慮する。
ルミニウム合金は、最も好ましくはチタン−アルミニウ
ム又はチタニウムアルミニウムニトライドのいずれかを
含む。
層又は外層のチタンベース組成物のために最も好適な組
成は、チタニウムカーバイド、チタニウムニトライド、
チタニウムカーボニトライド及びこれらの固溶体のうち
の1つ又はそれより多くを含む。
合金に関しては、あらゆる1つ又はそれより多くのこれ
らの層が濃度勾配を有することができ、出願人はこれを
代わりの実施の形態として考察している。例えば、ベー
ス層20がチタン−アルミニウム合金(例えば、チタニ
ウムアルミニウムニトライド)である図2の実施の形態
において、このチタン−アルミニウム合金の組成は以下
の関係によって表されることができる: (Tia Al1-a N) ここで、0<a<1であり、組成は層の厚さに沿って変
化する。この関係は、上の実施の形態と関連して前述し
たチタン−アルミニウム合金の他の層にも適用できる。
好ましくは、チタン−アルミニウム合金のアルミニウム
含量はアルミナ層に向かって増加する。
ホフマンら(Hofmann et al.)の米国特許第5,330,
853号("Multilayer Ti-Al-N Coating for Tools")
、オモリら(Omori et al.)のヨーロッパ特許出願番号
0 448 720 A1("Surface-Coated Hard Memb
er for Cutting and Abrasion-Resistant Tools") 及び
イケダら(Ikeda et al.)の日本特許出願番号1−151
953("Abrasion Resistant Film") は種々のコーティ
ング構成を述べており、ここでコーティング層は濃度勾
配を有している。これらの文献に開示される技術は、濃
度勾配を有するチタン−アルミニウム合金の層の用途に
適切であると出願人は考察している。
層の組み合わせは1つの連続層とすることが可能である
と考察している。基体の表面からの距離に従って組成が
変わる適切な連続層を提供できるように、種々の元素の
含量が変えられる。この1つの連続層の組成は、以下の
関係によって表される: (Tix Al1-x )(Ny O1-y ) ここで、0<x<1及び0≦y≦1であり、チタン−ア
ルミニウム合金層のアルミニウム及び酸素の含量はアル
ミナ層に向かって増加する。
ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タンタル及び
ニオブの元素のうち1つ又はそれより多くを含むコーテ
ィング構成を有する切削工具を本発明が含むことを、出
願人は更に考察する。これに関して、チタン−アルミニ
ウム合金層の組成は以下の関係によって表される: (Tia Zrb Hfc Vd Tae Nbf Al
1-(a+b+c+d+e+f) )(N) ここで、0<a<1;0≦b<1;0≦c<1;0≦d
<1;0≦e<1;0≦f<1;0≦x≦1;及び0<
(a+b+c+d+e+f)<1である。組成は、層の
厚さに沿って変わりうる。
合金のコーティング構成が1つの連続層を含む実施の形
態において、この組成は以下の関係によって表される: (Tia Zrb Hfc Vd Tae Nbf Al
1-(a+b+c+d+e+f) )(Nx O1-X ) ここで、0≦a<1;0≦b<1;0≦c<1;0≦d
<1;0≦e<1;0≦f<1;0≦x≦1;及び0<
(a+b+c+d+e+f)<1である。組成は、層の
厚さに沿って変わりうる。
チタンの全て又は一部分をジルコニウム及び/又はハフ
ニウムに代えられることが可能である切削工具を含むこ
とを考察しており、例えばこれらの層の組成を以下の関
係によって表すことができる: (Tia Zrb Hfc )(N) ここで、0≦a<1;0≦b<1;0≦c<1;及びa
+b+c<1である。組成は、層の厚さに沿って変わり
うる。
連続層を含む状況において、組成は以下の関係によって
表される: (Tia ,Zrb ,Hfc )(Nx ,O1-X ) ここで、0<a≦1;0<b≦1;0<c≦1;a+b
+c=1及び0≦x≦1である。
ここに援用される。
示される本発明の仕様又は実施を考慮して当業者に明ら
かであろう。仕様及び実施例は例示のみであると考慮さ
れ、本発明の範囲及び趣旨は請求の範囲によって示され
る。
特定の実施の形態の等角図である。
具の断面図であり、基体、ベース層及び外層を示してい
る。
あり、基体、ベース層、中間層及び外層を示している。
図であり、基体、2つの中間層、IVB族−アルミニウ
ムの合金層及びアルミナの外層を示している。
あり、基体、2つの中間層、IVB族−アルミニウムの
合金層、アルミナ層及び2つの外層を示している。
あり、基体、2つの中間層、IVB族−アルミニウムの
合金層、IVB族−アルミニウムの合金のもう1つの層
及びアルミナの外層を示している。
あり、基体、2つの中間層、IVB族−アルミニウムの
合金層、IVB族−アルミニウムの合金のもう1つの
層、アルミナ層及び2つの外層を示している。
ジ 18、40、58、78、108、128 基体 20、42 ベース層 22、46、66、86、118、138 アルミナ
層 60、62、80、82、110、112、130、1
32 中間層 44、64、84 チタン−アルミニウム合金層 88、90、140、142 外層 114、134 第1のチタン−アルミニウム合金層 116、136 第2のチタン−アルミニウム合金層
Claims (33)
- 【請求項1】 コーティングされた切削工具であって、 すくい面と、逃げ面と、前記すくい面及び逃げ面の接合
部にある切削エッジと、基体と、前記基体に接合される
コーティングとを含み、 前記コーティングは、物理蒸着法によって付着されるチ
タン−アルミニウム合金の第1の層と、物理蒸着法によ
って前記チタン−アルミニウム合金の第1の層に直接付
着されるアルミナの層とを含むコーティング構成を有す
る、 コーティングされた切削工具。 - 【請求項2】 前記チタン−アルミニウム合金の第1の
層の組成が以下の関係によって表され、ここで0<a<
1である、請求項1に記載のコーティングされた切削工
具。 (Tia Al1-a N) - 【請求項3】 前記アルミニウムの含量が前記アルミナ
層に向かって増加する、請求項2に記載のコーティング
された切削工具。 - 【請求項4】 前記チタン−アルミニウム合金の第1の
層がチタニウムアルミニウムニトライドを含む、請求項
1に記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項5】 前記チタン−アルミニウム合金の第1の
層がチタンアルミニウムを含む、請求項1に記載のコー
ティングされた切削工具。 - 【請求項6】 物理蒸着法によって付着されるチタン−
アルミニウムの第2の層を更に含み、前記チタン−アル
ミニウム合金の第1の層が前記チタン−アルミニウムの
第2の層に直接付着される、請求項5に記載のコーティ
ングされた切削工具。 - 【請求項7】 前記チタン−アルミニウム合金の第2の
層の組成が以下の関係によって表され、ここで0<a<
1である、請求項6に記載のコーティングされた切削工
具。 (Tia Al1-a N) - 【請求項8】 前記チタン−アルミニウム合金の第2の
層がチタニウムアルミニウムニトライドである、請求項
6に記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項9】 前記チタン−アルミニウム合金の第2の
層が、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タンタ
ル及びニオブの元素のうち1つ又はそれより多くを更に
含む、請求項6に記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項10】 前記チタン−アルミニウム合金の第1
の層が、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タン
タル及びニオブの元素のうち1つ又はそれより多くを更
に含む、請求項1に記載のコーティングされた切削工
具。 - 【請求項11】 前記基体が、超硬合金、サーメット、
セラミック、工具スチール、等軸晶系ボロンニトライド
ベースのサーメット及びセラミック及びダイヤモンドベ
ースの組成物からなる群から選択される、請求項1に記
載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項12】 前記基体が、タングステンカーバイド
−コバルトベースの超硬合金である、請求項1に記載の
コーティングされた切削工具。 - 【請求項13】 前記チタン−アルミニウム合金の第1
の層が前記基体に直接付着される、請求項1に記載のコ
ーティングされた切削工具。 - 【請求項14】 前記基体と前記チタン−アルミニウム
合金の第1の層との間にチタンベース合金の少なくとも
1つの中間層を更に含む、請求項1に記載のコーティン
グされた切削工具。 - 【請求項15】 前記チタンベース合金が、チタニウム
ニトライド、チタニウムカーバイド、チタニウムカーボ
ニトライド及びこれらの固溶体のうち1つ又はそれより
多くを含む、請求項14に記載のコーティングされた切
削工具。 - 【請求項16】 前記アルミナ層に付着されるチタンベ
ース合金の少なくとも1つの外層を更に含む、請求項1
4に記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項17】 前記アルミナ層に付着されるチタンベ
ース合金の少なくとも1つの外層を更に含む、請求項1
に記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項18】 前記チタンベース合金が、チタニウム
ニトライド、チタニウムカーバイド、チタニウムカーボ
ニトライド及びこれらの固溶体のうち1つ又はそれより
多くを含む、請求項17に記載のコーティングされた切
削工具。 - 【請求項19】 前記チタン−アルミニウム合金の第1
の層の前記組成が前記層の厚さに沿って変わる、請求項
1に記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項20】 物理蒸着法によって付着されるチタン
−アルミニウム合金の第2の層を更に含み、前記チタン
−アルミニウム合金の第1の層は前記チタン−アルミニ
ウム合金の第2の層に直接付着され、前記チタン−アル
ミニウム合金の第2の層の前記組成は前記層の厚さに沿
って変わる、請求項19に記載のコーティングされた切
削工具。 - 【請求項21】 前記チタン−アルミニウムの前記第1
の層と前記第2の層との接合部において、前記チタン−
アルミニウム合金の第1の層の前記組成は前記チタン−
アルミニウム合金の第2の層の前記組成と実質的に同一
である、請求項20に記載のコーティングされた切削工
具。 - 【請求項22】 前記アルミナは実質的に結晶質のアル
ミナを含み、前記結晶質アルミナは、アルファ(α)ア
ルミナ、ガンマ(γ)アルミナ、デルタ(δ)アルミ
ナ、シータ(θ)アルミナ、カッパ(κ)又はイータ
(η)アルミナ及びカイ(χ)アルミナであるアルミナ
の結晶相のうち1つ又はそれより多くを含む、請求項1
に記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項23】 コーティングされた切削工具であっ
て、 すくい面と、逃げ面と、前記すくい面及び逃げ面の接合
部にある切削エッジと、基体と、前記基体に接合される
コーティングとを含み、 前記コーティングは第1の層を含むコーティング構成を
有し、ここで前記第1の層はPVDによって付着され、
ここで0≦a<1;0≦b<1;0≦c<1;0≦d<
1;0≦e<1;0≦f<1;0≦x≦1;及び0<
(a+b+c+d+e+f)<1である以下の関係によ
る組成と、前記第1の層に接合されるアルミナ層とを含
む、 コーティングされた切削工具。 (Tia Zrb Hfc Vd Tae Nbf Al
1-(a+b+c+d+e+f) )(Nx O1-X ) - 【請求項24】 前記範囲が、d=0、e=0、f=0
及びx=1である組成を有しPVDによって付着される
第1の層を含む、請求項23に記載のコーティングされ
た切削工具。 - 【請求項25】 前記第1の層がb=0及びc=0であ
る組成を有する、請求項24に記載のコーティングされ
た切削工具。 - 【請求項26】 前記アルミニウム及び酸素の含量が前
記アルミナ層に向かって増加する、請求項23に記載の
コーティングされた切削工具。 - 【請求項27】 コーティングされた切削工具であっ
て、 すくい面と、逃げ面と、前記すくい面及び逃げ面の接合
部にある切削エッジと、基体と、前記基体に接合される
コーティングとを含み、 前記コーティングは、物理蒸着法によって付着されるI
VB族−アルミニウム合金の第1の層と、物理蒸着法に
よって前記IVB族−アルミニウム合金の第1の層に直
接付着されるアルミナの層とを含むコーティング構成を
有する、 コーティングされた切削工具。 - 【請求項28】 前記IVB族−アルミニウム合金の第
1の層の組成は以下の関係によって表され、ここで0≦
a<1;0≦b<1;0≦c<1;及びa+b+c<1
である、請求項27に記載のコーティングされた切削工
具。 (Tia Zrb Hfc Al1-(a+b+c) )(N) - 【請求項29】 物理蒸着法によって付着されるIVB
族金属−アルミニウム合金の第2の層を更に含み、前記
IVB族金属−アルミニウム合金の第1の層は前記IV
B族金属−アルミニウム合金の第2の層に直接付着され
る、請求項28に記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項30】 前記IVB族金属−アルミニウム合金
の第2の層の組成は以下の関係によって表され、ここで
0≦a<1;0≦b<1;0≦c<1;及びa+b+c
<1である、請求項29に記載のコーティングされた切
削工具。 (Tia Zrb Hfc Al1-(a+b+c) )(N) - 【請求項31】 前記IVB族金属−アルミニウム合金
の第2の層が、バナジウム、タンタル及びニオブの元素
のうち1つ又はそれより多くを更に含む、請求項29に
記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項32】 前記IVB族金属−アルミニウム合金
の第1の層が、バナジウム、タンタル及びニオブの元素
のうち1つ又はそれより多くを更に含む、請求項27に
記載のコーティングされた切削工具。 - 【請求項33】 前記基体が、超硬合金、サーメット、
セラミック、工具スチール、等軸晶系ボロンニトライド
ベースのサーメット及びセラミック及びダイヤモンドベ
ースの組成物からなる群から選択される、請求項27に
記載のコーティングされた切削工具。
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