JP2740825B2 - 感熱記録シート - Google Patents

感熱記録シート

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JP2740825B2 JP31849395A JP31849395A JP2740825B2 JP 2740825 B2 JP2740825 B2 JP 2740825B2 JP 31849395 A JP31849395 A JP 31849395A JP 31849395 A JP31849395 A JP 31849395A JP 2740825 B2 JP2740825 B2 JP 2740825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はファクシミリ、プリ
ンタ等の分野に用いられる感熱記録シートに関し、より
詳細には、機密保護を目的とした感熱記録シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ファクシミリ、プリンタ等の分野
では各種記録方式が用いられているが、特に感熱記録が
その簡便さから盛んに利用されている。この感熱記録に
用いられる感熱記録シートは、図4に示すように、支持
体1上に無色ないし淡色のロイコ染料、例えばクリスタ
ルバイオレットラクトン等の物質と、これを加熱時に発
色させる酸性物質、例えばフェノール性化合物等を含む
感熱記録層2を形成したものが一般に知られている。感
熱記録を行なうには、記録情報に応じて、選択的に発色
するサーマルヘッド5によって感熱記録層を加熱し、部
分的に発色させて感熱記録を行なうものである。
【0003】このような記録方式を用いる情報伝達シス
テムは便利さから著しい普及を見せているが、機密保護
の面では十分な対策がなく、重要な機密情報が漏洩する
危険性が極めて高く、第三者による肉眼での判読が困難
であり、しかも複写機による複写が不能であり、その上
簡単に必要に応じて特定の者のみが記録情報を読み出す
ことができる記録方式が要望されている。
【0004】このような機密保護を目的とした技術を開
示するものとして、特開昭62−14163号公報があ
り、ロイコ染料と顕色剤および減感剤を含有する乾式ト
ナーと、それによる画像形成方法を示している。しか
し、この乾式トナーにより形成された画像は完全には無
色にならないので、判読は可能であり、判読する際には
加熱状態に保持しておかねばならないから、可逆性のた
めに画像が定着できず、再び読む必要が生じた場合に
は、再度加熱状態にして読まねばならないという煩わし
さがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、第三者によ
る判読は困難であり、しかも複写不能であり、その上簡
単に必要に応じて特定の者のみが記録情報を読み出すこ
とができる感熱記録シートを提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、加熱によって発色する感熱記録層を支
持体上に形成した感熱記録シートにおいて、上記記録層
上に、温度に依存して透明度が可逆的に変化し、加熱に
よって発色記録後も不透明で、発色記録温度以下で加熱
することによって透明になる層を設けたことを特徴とす
る感熱記録シートを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明による機密保護感熱記録シ
ートは、記録情報が特定の者によって顕像処理するまで
は第三者は全く判読することができない構成になるもの
で、その構成は図1に示すように、支持体1上に発色物
質および顕色物質よりなる感熱記録層2を形成し、その
上に温度に依存して透明度が可逆的に変化する層3を設
けたもので、必要に応じて耐溶剤性層4を設けたもので
ある。
【0008】本発明で特徴となる温度に依存して透明度
が可逆的に変化する層3を図面によって説明すると、図
2において感熱体は例えばT0以下の常温では白濁不透
明状態にある。これをT1〜T2間の温度に加熱すると透
明になり、この状態でT0以下の常温に戻しても透明の
ままである。さらにT3以上の温度に加熱すると、最大
透明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次
にこの温度を下げて行くと、再び透明状態をとることな
く、最初の白濁不透明状態に戻る。なお、この不透明状
態のものをT1〜T2間の温度に加熱した後、常温、すな
わちT0以下の温度に冷却した場合には透明の状態をと
ることができる。また、前記、常温で透明になったもの
も再びT3以上の温度に加熱し、常温に戻せば、再び白
濁不透明状態に戻る。
【0009】従って、このような温度に依存して透明度
が可逆的に変化する層を用いることによって、本発明の
目的を達成することができる。
【0010】記録工程を図3に従って順次説明すると、
(a)は、本発明の感熱記録シートの構成で、支持体1
上に発色物質および顕色物質よりなる感熱記録層2を形
成し、その上に温度に依存して透明度が可逆的に変化す
る層3が設けられている使用前の状態で、常温(図2の
0以下)で3は不透明化している。次に(図3(b)
は記録時の状態で、記録情報に応じて選択的に発熱する
サーマルヘッド5によって、図3のT3以上の温度で加
熱することによって感熱記録層を発色させて感熱記録を
行なったもので、常温(図3のT0以下)で3は不透明
化されており、記録情報は、第三者による判読はできな
いために、情報の機密保護が保たれている。また、不透
明のために複写機による複写も不能である。次に図3
(c)は特定の者が記録情報を見るための工程であり、
図3(b)で得られた感熱記録シートを図3のT1〜T2
間の温度に加熱し、常温、すなわちT0以下の温度にす
れば、不透明層は透明層に変化して、鮮明な記録情報を
見ることができる。また、複写機等による複写も支障な
しに行なうことができる。
【0011】本発明において感熱記録層に用いられる発
色物質は特に限定はなく、従来から感熱材料に適用され
ているものが任意に適用できるが、無色ないし淡色のロ
イコ染料を単独または二種以上混合して使用するとよ
い。
【0012】このようなロイコ染料としては、例えば、
トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン
系、オーラミン系、スピロピラン系等の染料のロイコ化
合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具
体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げら
れる。
【0013】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−フタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラ
クトン)、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
エチルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ク
ロルフタリド、 3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリ
ド、 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラ
ン、 3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 2−{N−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミ
ノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、 2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−ク
ロルアニリノ)キサンチル}安息香酸ラクタム、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロ
ロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、 3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、 3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−
(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、 ベンゾイルロイコメチレンブルー、 6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピ
リロスピラン、 6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピ
リロスピラン、 3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)
フタリド、 3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)
フタリド、 3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)
フタリド、 3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−
メチルフェニル)フタリド、 3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフル
オラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル
−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチ
ルアミノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニル
アミノ)フルオラン、 3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェ
ニルエチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフ
ェニルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニル
エチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、 2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p
−n−ブチルアニリノ)フルオラン、 3−(N−ベンジル−N−ジクロヘキシルアミノ)−
5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロ
モフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−
4’,5’−ベンゾフルオラン等。
【0014】本発明においては、さらに必要に応じ、熱
可融性物質を添加してもよく、このものの具体例として
は、例えば、テレフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシフ
タル酸ジメチル、アセナフテン、ジメチルナフタレン、
ジベンゾフラン、9−フルオレン等がある。
【0015】発色性物質を加熱によって発色させる顕色
物質の具体例としては、例えば、以下に示すようなもの
が挙げられる。
【0016】没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピル
サリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−
ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メ
チルベンジルサリチル酸、4,4’−イソプロピリデン
ジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−
クロロフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス
(2,6−ジブロモフェノール)、4,4’−イソプロ
ピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,
4’−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノー
ル)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジメ
チルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス
(2−tert−ブチルフェノール)、4,4’−se
c−ブチリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシ
リデンビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデン
ビス(2−メチルフェノール)、4−tert−ブチル
フェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシ
ジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、
3,5−キシレノール、チモール、メチル−4−ヒドロ
キシベンゾエート、4−ヒドロキシアセトフェノン、ノ
ボラック型フェノール樹脂、2,2’−チオビス(4,
6−ジクロロフェノール)、カテコール、レゾルシン、
ヒドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、フロロ
グリシンカルボン酸、4−tert−オクチルカテコー
ル、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシジ
フェニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロ
キシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ
安息香酸−p−クロルベンジル、p−ヒドロキシ安息香
酸−o−クロルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p
−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オク
チル、安息香酸、サリチル酸亜鉛、1−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−
ヒドロキシ−6−ナフトエ亜鉛酸、4−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェ
ニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィド、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−ジ−
tert−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−ter
t−ブチルサリチル酸錫、酒石酸、シュウ酸、マレイン
酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸、4−ヒドロキ
シフタル酸、ホウ酸等。
【0017】温度に依存して透明度が変逆的に変化する
層は、樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分
とするもので、好ましい樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル;塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル〜酢
酸ビニル〜ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル〜酢
酸ビニル〜マレイン酸共重合体、塩化ビニル〜アクリレ
ート共重合体等の塩化ビニル共重合体;塩化ビニリデ
ン;塩化ビニリデン〜塩化ビニル共重合体;塩化ビニリ
デン〜アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系
共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレー
トまたはポリメタクリレートあるいはアクリレート〜メ
タクノリレート共重合体;シリコーン樹脂等が挙げられ
る。これらは単独であるいは2種以上混合して使用され
る。
【0018】一方、有機低分子物質は図2の温度T0
3を選定することに応じて適宜選択すればよいが、3
0〜200℃、特に50〜150℃程度のものが好まし
い。このような有機低分子物質としてはアルカノール;
アルカンジオール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲ
ンアルカンジオール;アルキルアミン;アルカン;アル
ケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケ
ン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケ
ン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノまたはジカ
ルボン酸またはこれらのエステル、アミド、またはアン
モニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこ
れらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩;アリ
ルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド、または
アンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれ
らのエステル、アミド、またはアンモニウム塩;チオア
ルコール;チオカルボン酸またはそれらのエステル、ア
ミド、またはアンモニウム塩;チオアルコールのカルボ
ン酸エステル等が挙げられる。これらは単独でまたは2
種以上混合して使用される。これらの化合物の炭素数は
10〜60、好ましくは10〜38、特に10〜30が
好ましい。エステル中のアルコール基部分は飽和してい
ても飽和していなくてもよく、またハロゲン置換されて
いてもよい。いずれにしても有機低分子物質は分子中に
酸素、窒素、硫黄およびハロゲンの少なくとも1種、例
えば−OH、−COOH、−CONH、−COOR、−
NH−、−NH2、−S−、−S−S−、−O−、ハロ
ゲン等を含む化合物であることが好ましい。
【0019】さらに具体的にはこれら化合物にはラウリ
ン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、
アラキン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸
メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン酸オク
タデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン酸テト
ラデシル、ベヘン酸ドコシル等の高級脂肪酸のエステル
等がある。また、溶媒としてはテトラヒドロフラン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等
の有機溶剤が挙げられる。
【0020】なお、感熱体中の有機低分子物質と樹脂母
材との割合は重量比で1:0.5〜1:16程度が好ま
しい。樹脂母材の比率がこれ以下になると、有機低分子
物質を樹脂母材中に保持した膜を形成することが困難と
なり、一方、これ以上になると、有機低分子物質の量が
少ないため、不透明化が困難となる。
【0021】感熱記録層上に、温度に依存して透明度が
可逆的に変化する層を設ける際に、有機溶剤を用いるた
めに、有機溶剤の接触によって発色するような感熱記録
層の場合には、感熱記録層上に耐溶剤性層を設ける必要
がある。耐溶剤性層としては、水溶性の樹脂層が好まし
く、例えばポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニ
ル等を用いることができる。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する。
なお、以下において部および%はいずれも重量基準であ
る。
【0023】実施例1 〔A液〕 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ) −6−メチル−7−アニリノフルオラン 10部 ヒドロキシエチルセルロースの10%水溶液 10部 水 30部 〔B液〕 5−ヒドロキシフタル酸ジメチル 30部 ヒドロキシエチルセルロースの10%水溶液 30部 水 90部 〔C液〕 4,4’−イソプロピリデンジフェノール 10部 炭酸カルシウム 30部 メチルセルロース5%水溶液 40部 水 120部 以上のようにして得られたA液、B液およびC液を混合
し、坪量50g/m2の上質紙上に乾燥付着量が5g/
2となるよう塗布乾燥して感熱発色層を設け、その上
に耐溶剤性層として、ポリビニルアルコール5%水溶液
を塗布乾燥した。次に ステアリン酸 5部 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体 20部 (UCC社製VYHH) トルエン 25部 テトラヒドロフラン 50部 よりなる成分を混合し、均一に溶解し、これをワイヤー
バーで塗布して、厚さ50μmの不透明層を設けた。以
上によって作製した感熱記録シートは不透明状態にあ
り、これを用いてサーマルヘッドによって、200℃で
情報を記録したところ、常温では表面が不透明のために
記録した情報を判読することができなかった。このもの
を60℃に加熱したところ表面は透明になって、黒色の
鮮明な印字が現れ、常温に冷却しても透明のままであっ
た。また、60℃に加熱するまでは、複写機による複写
はできなかった。
【0024】実施例2 〔A液〕 クリスタルバイオレットラクトン 10部 メチルセルロースの10%水溶液 10部 水 30部 〔B液〕 テレフタル酸ジメチル 30部 メチルセルロースの10%水溶液 30部 水 30部 〔C液〕 p−ビドロキシ安息香酸ベンジル 10部 炭酸カルシウム 30部 メチルセルロース5%水溶液 40部 水 120部 以上のようにして得られたA液、B液およびC液を混合
し、坪量50g/m2の上質紙上に乾燥付着量が6g/
2となるよう塗布乾燥して感熱発色層を設け、その上
に耐溶剤性層として、ポリビニルアルコール5%水溶液
を塗布乾燥した。次に ベヘン酸 5部 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体 20部 (UCC社製VYHH) テトラヒドロフラン 75部 よりなる成分を混合し、均一に溶解し、これをワイヤー
バーで塗布して、厚さ70μmの不透明層を設けた。以
上によって作製した感熱記録シートを実施例1と同様に
記録を行なったところ十分な機密保護が保たれ、顕像化
によって、濃青色の印字が鮮明に現れた。また、このも
のを130℃に加熱したところ全面が青色に発色し、記
録情報は全く判読できなくなり、シュレッダーによる切
断の必要もなく、処理することができた。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明による感熱記録シー
トは温度に依存して透明度が可逆的に変化する層を設け
たために、第三者による判読は困難であり、しかも複写
不能であり、その上簡単に必要に応じて特定の者のみが
記録情報を読み出すことができるという特有の効果があ
る。また、例えば、プリペイドカードやクレジットカー
ドなどのカード類、電車、バス、地下鉄等の乗車券、回
数券あるいは定期券等の素材として本発明に係る感熱記
録シートを用いると、これらのカード等の改ざんを防止
することができると共に不正乗車等の不正行為を未然に
防ぐことができるといった多くの利点を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱記録シートの一実施例の構成断面
図。
【図2】温度に依存して透明度が可逆的に変化する層の
原理の説明図。
【図3】本発明の感熱記録シートの記録工程の説明図。
【図4】従来の感熱記録シートの構成断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 感熱記録層 3 温度に依存して透明度が可逆的に変化する層 4 耐溶剤性層 5 サーマルヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/18 E B41J 3/20 109E

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱によって発色する感熱記録層を支持
    体上に形成した感熱記録シートにおいて、上記記録層上
    に、温度に依存して透明度が可逆的に変化し、加熱によ
    って発色記録後も不透明で、発色記録温度以下で加熱す
    ることによって透明になる層を設けたことを特徴とする
    感熱記録シート。
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