JP2740479B2 - 不飽和エーテル類の製造法および不飽和エーテル類製造用触媒 - Google Patents

不飽和エーテル類の製造法および不飽和エーテル類製造用触媒

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JP2740479B2 JP7238974A JP23897495A JP2740479B2 JP 2740479 B2 JP2740479 B2 JP 2740479B2 JP 7238974 A JP7238974 A JP 7238974A JP 23897495 A JP23897495 A JP 23897495A JP 2740479 B2 JP2740479 B2 JP 2740479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、グリコールエーテル類から不飽
和エーテル類(ビニル型エーテル類および/またはアリ
ル型エーテル類)を製造する新規な方法およびそれに用
いる触媒に関する。以下、本発明においていう不飽和エ
ーテル類とは、特に断りのない限り、ビニル型エーテル
類および/またはアリル型エーテル類を意味する。
【0002】不飽和エーテル類は、各種高分子材料、有
機合成品等の原料に用いられる有用化合物である。中で
も、ビニルエーテル類は、合成樹脂、接着剤、粘着剤等
の原料として、またグルタルアルデヒド等の有機合成品
の原料として、広範な用途のある有用な化合物である。
【0003】本発明は、グリコールエーテル類を、触媒
の存在下に、気相で分子内脱水反応させることによつ
て、直接一段反応で不飽和エーテル類に転化する方法を
提供する。本発明によれば、副原料を必要としないの
で、副原料由来の廃棄物の発生なしに、簡便かつ安全に
不飽和エーテル類を製造することができる。
【0004】グリコールエーテル類を、触媒を用いて気
相一段で直接不飽和エーテル類に転化する技術は、従来
皆無であつた。
【0005】グリコールエーテル類を原料として用いて
ビニル型エーテル類を製造する方法としては、グリコー
ルエーテルをエステル型中間体に転化した後それを分解
してビニル型エーテルにする、間接脱水法が知られてい
る。例えば、Can. J. Chem.Eng.,1977,Vol. 5
5,No.3,P341−346には、酢酸エステル中間
体を経る方法が報告されている。その方法は、次式に示
すように、グリコールエーテルおよび無水酢酸から、塩
化亜鉛を触媒として用いて、エステルを合成し、それを
気相で熱分解してビニル型エーテルおよび酢酸を得るも
のである。
【0006】
【化9】
【0007】しかし、この方法は、原料グリコールエー
テルと当量の無水酢酸が必要であり、生成ビニル型エー
テルと当量の酢酸が副生する等の問題があるため、工業
的実施が困難である。
【0008】また、ロシア特許(SU 1735264
Al)は、液相での間接脱水法、すなわち、グリコー
ルエーテルと当量以上の水酸化カリウム(KOH)およ
び硫酸水素カリウム(KHSO4)とが存在する水溶液
中での反応を開示している。これは、次式に示すよう
に、グリコールエーテルとKHSO4とを反応させて得
られる硫酸エステルをKOHの作用によつてビニルエー
テルと硫酸カリウムとに分解する反応に従う方法である
と理解できる。
【0009】
【化10】
【0010】したがつてこの方法は、グリコールエーテ
ルと当量以上の副原料を必要とする上に、多量の廃液と
多量の無機塩(硫酸カリウム)が発生することから、生
産性および経済性が低く、工業的実施が困難である。
【0011】不飽和エーテル類の中でビニル型エーテル
類については、現在次の2つが工業的製法として実施さ
れている。
【0012】1つは、次式で表される、アセタールの脱
アルコール反応による方法である。 CHCH(OR)→CH=CHOR+ROH 触媒としてNa交換ゼオライト(特昭62−8724
7号公報)やリン酸リチウム(特公昭63−45651
号公報)を用いる方法が開示されている。この方法は、
副原料や反応溶媒が不要である点で有利であるが、ビニ
ルエーテルと当量のアルコールが副生するため、それの
分離回収に多大な労力と費用を要する上に、原料アセタ
ールの入手が容易でなく、かつ高価であるという問題を
有する。もう1つの方法は、レッペ法として知られる次
式に示すとおりのアセチレンとアルコールとの付加反応
に従うものである。
【0013】HC≡CH+ROH→CH=CHOR この方法は、加圧下にアルカリ触媒を用いて液相で行わ
れているが、アセチレンが高圧下で分解爆発を起こす可
能性があり、反応の制御が複雑であるという問題を有す
る。特開平4−95040号公報および特開平4−19
8144号公報には、溶媒、触媒および反応圧力につい
て幾分か改善された方法が開示されている。しかし、こ
れらの方法では、高沸点溶媒の使用が必須である上に、
1.5〜1.9kg/cm の加圧のために高価な耐圧
反応装置を要する。またこの反応は、水分や原料濃度に
大きく影響されるので、高い反応速度を保つためには、
原料の供給に伴って系内に蓄積する水分を除去するとか
原料濃度を一定に維持するとか、というような煩雑な運
転管理を必要とする。
【0014】一方、アリル型エーテル類については、ア
リルアルコールとアルキルアルコールとを、硫酸やトル
エンスルフォン酸等のような酸触媒の存在下に、反応さ
せることにより合成できることが知られている。しか
し、この方法には、ジアルキルエーテルやジアリルエー
テルの副生が多く、目的とするアリル型エーテルの選択
率が低い、という問題がある。
【0015】また、ナトリウムメトキシドやナトリウム
エトキシ等のような金属アルコラートとアリルクロラ
イドとの反応による選択的アリル型エーテルの合成も良
く知られている。しかし、この方法には、生成アリル型
エーテルと当量の無機塩が副生するため、その分離や処
理に多大な労力と費用がかかるという問題がある。
【0016】以上のように、不飽和エーテル類の製造に
おける従来技術は工業的に満足できるものではなかつた
ので、溶媒や副原料を用いず、反応原料のみから直接一
段で不飽和エーテルを製造できる方法が強く望まれてい
た。
【0017】本発明の目的は、安価かつ容易に入手可能
なグリコールエーテル類を、副原料や溶媒を一切用いず
に、触媒の存在下に、直接一段で不飽和エーテル類に転
化することができる簡便かつ安全な不飽和エーテル類の
製造法および該方法において有用な触媒を提供すること
にある。
【0018】本発明者らは、前述の従来技術における種
々の問題点を解消し、簡便で安全かつ安価に不飽和エー
テル類を製造する方法を鋭意検討した結果、グリコール
エーテル類が、酸化物触媒の存在下に気相で分子内脱水
反応することによって、不飽和エーテル類に転化するこ
と、および、周期律表IVb、Vb、VIb、III
a、IVaおよびVa族元素からなる群より選ばれる少
なくとも1つの元素を含有して成る酸化物が該反応にお
いて優れた触媒能を発現すること、を見いだした。
【0019】斯くして、本発明によれば、グリコールエ
ーテル類を、触媒の存在下に、気相で分子内脱水反応さ
せることによって、不飽和エーテル類に転化することを
特徴とする不飽和エーテル類の製造方法が提供される。
【0020】本発明によれば、また、グリコールエーテ
ル類を気相で分子内脱水反応させることによって不飽和
エーテル類に転化する反応において有用な触媒として、
周期律表IVb、Vb、VIb、IIIa、IVaおよ
びVa族元素からなる群より選ばれる少なくとも1つの
元素を含有して成る酸化物が提供される。
【0021】以下に本発明を詳しく説明する。
【0022】本発明の方法は、次の一般式(6)および
/または一般式(7)で表される反応を気相で行うもの
である。
【0023】
【化11】
【0024】一般式(6)は、ビニル型エーテル類の製
造を目的とする場合の反応であり、原料グリコールエー
テル類としては、一般式(2):
【0025】
【化12】
【0026】(式中、Rは炭素数1〜7の炭化水素基お
よび炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基からなる群
より選ばれる1種であり、R’は独立して水素、メチル
基およびエチル基からなる群より選ばれる1種であり、
nは1または2である。)で表され、かつ、反応条件下
に蒸気として触媒層に供給可能な蒸気圧を有するもの、
が用いられる。その例として、(a)2−メトキシエタ
ノール、(b)2−エトキシエタノール、(c)2−イ
ソプロポキシエタノール、(d)2−ブトキシエタノー
ル、(e)2−イソブトキシエタノール、(f)2−ヘ
キシルオキシエタノール、(g)2−ベンジルオキシエ
タノール、(h)2−メトキシエチルオキシエタノー
ル、(i)2−(1H、1H−パーフルオロブチルオキ
シ)エタノールおよび(j)2−(1H、1H、2H、
2H−パーフルオロオクチルオキシ)エタノール等が挙
げられるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、原料(i)および(j)は下記化学式で表さ
れる。
【0027】 C37CH2OCH2CH2OH (i) C613CH2CH2OCH2CH2OH (j) これらのグリコールエーテル類は、本発明の触媒の存在
下での気相分子内脱水反応により、一般式(3):
【0028】
【化13】
【0029】(式中、R、R’およびnは前記(2)式
と同じである。)で表されるビニル型エーテル類に、高
収率で、長期にわたつて安定的に転化される。より具体
的にいえば、上記グリコールエーテル類(a)〜(j)
は、それぞれ、(a’)メチルビニルエーテル、
(b’)エチルビニルエーテル、(c’)イソプロピル
ビニルエーテル、(d’)ブチルビニルエーテル、
(e’)イソブチルビニルエーテル、(f’)ヘキシル
ビニルエーテル、(g’)ベンジルビニルエーテル、
(h’)メトキシエチルビニルエーテル、(i’)1
H、1H−パーフルオロブチルビニルエーテルおよび
(j’)1H、1H、2H、2H−パーフルオロオクチ
ルビニルエーテルに転化される。
【0030】一般式(7)は、アリル型エーテル類の製
造を目的とする場合の反応であり、原料グリコールエー
テル類としては、一般式(4):
【0031】
【化14】
【0032】(式中、Rは炭素数1〜7の炭化水素基の
中から選ばれる1種であり、R1は独立して水素または
メチル基である。)で表され、かつ、反応条件下に蒸気
として触媒層に供給可能な蒸気圧を有するもの、が用い
られる。その例として、(k)1−メトキシ−2−プロ
パノール、(l)1−メトキシ−2−ブタノール、
(m)1−エトキシ−2−プロパノールおよび(n)1
−エトキシ−2−ブタノール等が挙げられるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0033】これらのグリコールエーテル類は、本発明
の触媒の存在下での気相分子内脱水反応により、一般式
(5):
【0034】
【化15】
【0035】(式中、RおよびR1は前記(4)式と同
じである。)で表されるアリルエーテル類に、高収率で
長期にわたって安定的に転化される。より具体的にいえ
ば、上記グリコールエーテル類(k)〜(n)は、それ
ぞれ、(k′)3−メトキシ−1−プロペン、(l′)
3−メトキシ−1−ブテン、(m′)3−エトキシ−1
−プロペンおよび(n′)3−エトキシ−1−ブテンに
転化される。
【0036】触媒活性は、長時間連続で反応に使用して
も殆ど低下しない。また仮に、コーキング等によって劣
化しても、空気を通してコークを燃焼すれば活性は回復
する。
【0037】グリコールエーテル類は、脱水反応に一般
的に使用される強酸性触媒を用いての高温気相反応にお
いては、エーテル結合部の開裂が起こり易く、グリコー
ルエーテル類のアルコキシル部分由来のアルコールやア
ルカノール部分由来のアルデヒドやケトンが多量に副生
するため、目的とする不飽和エーテル類は殆ど生成しな
い。しかしながら、本発明の触媒を用いた場合には、目
的とする不飽和エーテル類が生成する。特に、ケイ素お
よびアルカリ金属元素を含有して成る酸化物を触媒とし
て用いた場合には、エーテル結合の開裂が抑えられ、グ
リコールエーテルの気相分子内脱水反応が選択的に進行
し、目的とする不飽和エーテル類が極めて高収率で生成
する。
【0038】本発明の方法に用いる触媒は、周期表IV
b、Vb、VIb、IIIa、IVaおよびVa族元素
からなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含有し
て成る酸化物である。該元素の好ましいものとしては、
B、Al、Si、P、Sb、Zr、Nb、W等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0039】好ましい触媒は、周期表IVb、Vb、V
Ib、IIIa、IVaおよびVa族元素からなる群よ
り選ばれる少なくとも1つの元素と共に、アルカリ金属
元素を含有して成る酸化物である。
【0040】より好ましい触媒は、該アルカリ金属元素
の含有量が、周期表IVb、Vb、VIb、IIIa、
IVaおよびVa族元素からなる群より選ばれる少なく
とも1つの元素に対する原子比で表して、0を超え2以
下の範囲、好ましくは0を超え1以下の範囲である酸化
物である。
【0041】特に好ましい触媒は、ケイ素およびアルカ
リ金属元素を含有して成る酸化物であり、好ましくは、
一般式(1): MaSibcd (1) (式中、Mはアルカリ金属元素、Siはケイ素、XはT
i、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、A
l、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、PおよびS
bからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素、Oは
酸素を表す。また添字a、b、cおよびdは、a=1の
ときb=1〜500、c=0〜1の範囲をとり、dは
a、bおよびcの値および各種構成元素の結合状態によ
り定まる数値である。)で表される酸化物である。
【0042】触媒調製法は、特に限定されるものではな
く、従来公知のあらゆる方法が適用できる。その例とし
ては、触媒成分元素の酸化物あるいは水酸化物を、水や
アルコール等のような成型助剤と共に混練し、成型し、
乾燥したのち焼成する方法、触媒成分元素の塩類(硝酸
塩、炭酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物等)の水溶液
に塩基を加えて析出させた沈澱を、ろ過し、乾燥したの
ち焼成する方法、あるいは、上記水溶液を担体(シリカ
ゲル、アルミナ、シリコンカーバイド等)に担持または
混合して、乾燥したのち焼成する方法、等が挙げられ
る。本発明の触媒の焼成温度は、用いる触媒原料の種類
にもよるが、300〜1000℃の範囲であり、好まし
くは400〜800℃の範囲である。
【0043】本発明の特に好ましい触媒であるケイ素お
よびアルカリ金属元素を含有して成る酸化物の調製法
も、特に限定されるものではなく、通常行われる方法が
とられる。ケイ素の原料としては、酸化ケイ素、ケイ
酸、ケイ酸塩類(アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類
金属ケイ酸塩等)、ケイ素含有モレキュラシーブス(ア
ルミノシリケート、シリコアルミノホスフェート等)お
よび有機ケイ酸エステルなどが用いられる。アルカリ金
属元素の原料としては、酸化物、水酸化物、ハロゲン化
物、塩類(炭酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、
硫酸塩等)および金属などが用いられる。さらに、必要
に応じて加えられる第3成分Xの原料としては、酸化
物、水酸化物、ハロゲン化物、塩類(炭酸塩、硝酸塩、
カルボン酸塩、リン酸塩、硫酸塩等)および金属などが
用いられる。
【0044】該触媒の調製法の具体的な例としては、
アルカリ金属元素源およびケイ素源を水中に溶解もしく
は懸濁させ、撹拌下加熱濃縮し、乾燥し、成型したのち
焼成することによって触媒を得る方法、アルカリ金属
元素源の水溶液中に酸化ケイ素成型体を浸し、加熱乾固
し、乾燥したのち焼成することによって触媒を得る方
法、各種ケイ酸塩あるいはケイ素含有酸化物に、アル
カリ金属元素源の水溶液を混合し、乾燥し、成型したの
ち焼成することによって触媒を得る方法、ケイ素含有
モレキュラシーブスに、アルカリ金属元素をイオン交換
法によりドープし、乾燥し、成型したのち焼成すること
によって触媒を得る方法、等を挙げることができる。
【0045】なお、触媒に第3成分Xを含有させるに
は、アルカリ金属元素源および/またはケイ素源として
X成分を始めから含有するものを用いる方法とか、触媒
調製途中でX成分源を個別に添加する方法とか、を採る
ことができる。
【0046】また該触媒は、公知の担体(例えば、アル
ミナ、シリコンカーバイド等)に担持または混合して用
いることもできる。
【0047】該触媒の焼成温度は、用いる触媒原料の種
類にもよるが、300〜1000℃の広い範囲をとるこ
とができ、好ましくは400〜800℃の範囲である。
【0048】本発明の方法は、固定床流通型および流動
床型のいずれの型の反応器でも使用できる。反応は、原
料グリコールエーテル類が、気相状態を維持し得る反応
温度および反応圧力下で行う。反応圧力は通常、常圧ま
たは減圧であるが、加圧も可能である。反応温度は、原
料の種類および他の反応条件によっても異なるが、30
0〜600℃、好ましくは350〜500℃の範囲が適
当である。反応温度が300℃より低いと、原料グリコ
ールエーテル類の転化率が大幅に低下し、600℃より
高いと、目的とする不飽和エーテル類の選択率が著しく
低下する。グリコールエーテル類を含有する原料ガス
は、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭化水素等のような反
応に不活性な物質で希釈することによっておよび/また
は反応系を減圧にすることによって、グリコールエーテ
ル類の分圧を5〜600mmHgに調整されて触媒層に
供給される。原料グリコールエーテルの空間速度(GH
SV)は、原料の種類および他の反応条件によっても異
なり、1〜1000h-1、好ましくは10〜500h-1
の範囲である。
【0049】以下、実施例により、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらにより何等限定されるもので
はない。
【0050】なお、実施例中の転化率、選択率および単
流収率は、次の定義に従う。
【0051】
【数1】
【0052】
【実施例】実施例1 (触媒調製)酸化ケイ素30.0gに水20gを加え混
練した後、空気中120℃で20時間乾燥した。得られ
た固体を9〜16メッシュに破砕し、空気中500℃で
2時間焼成することによって、触媒を得た。
【0053】(反応)この触媒10mlを、内径10m
mのステンレス製反応管に充填した後、該反応管を37
0℃の溶融塩浴に浸漬し、該反応管内に、2−エトキシ
エタノールの分圧が38mmHgとなるまで窒素で希釈
した原料ガスを、2−エトキシエタノールの空間速度7
5h-1で供給し、常圧で反応を行った。供給開始1時間
後の反応生成物を、ガスクロマトグラフにより分析した
結果、2−エトキシエタノールの転化率、エチルビニル
エーテルの選択率および単流収率は、それぞれ、31.
7モル%、4.2モル%および1.3モル%であった。
【0054】実施例2 (触媒調製)実施例1において酸化ケイ素を五酸化ニオ
ブ30gに変え、焼成温度を700℃に変えた他は実施
例1と同様にして、触媒を調製した。
【0055】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
00℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行つ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、49.7モル%、12.3モル%および6.1
モル%であった。
【0056】実施例3 (触媒調製) 硝酸セシウム7.8gおよびリン酸第2アンモニウム
4.2gを水40gに溶かした溶液中に、五酸化ニオブ
26.6gを加え、湯浴上で加熱混合しながら濃縮乾固
した。次いで、空気中120℃で20時間乾燥し、9−
16メッシュに破砕後、空気中500℃で2時間焼成す
ることによって、酸素を除く原子比でCs
なる組成の触媒を調製した。
【0057】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
20℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、12.2モル%、46.3モル%および5.6
モル%であった。
【0058】実施例4 (触媒調製) 実施例3において五酸化ニオブを酸化ジルコニウム2
4.7gに変えた他は実施例3と同様にして、酸素を除
く原子比でCsZrなる組成の触媒を調製
した。
【0059】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
50℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、19.5モル%、65.1モル%および12.
7モル%であった。
【0060】実施例5 (触媒調製)硝酸アルミニウム(9水塩)20gおよび
オルトリン酸(85重量%含有)6.2gを水100g
に溶解した溶液中に、28重量%アンモニア水147m
lを室温にて約2時間かけて滴下した。得られた沈澱を
ろ過し、十分洗浄後、空気中120℃で20時間乾燥し
た。得られた固体を9〜16メッシュに破砕し、空気中
500℃で2時間焼成することによって、酸素を除く原
子比でAl11なる組成の触媒を調製した。
【0061】(反応)この触媒を用いて、反応温度を3
00℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、95.8モル%、17.2モル%および16.
5モル%であった。
【0062】実施例6 (触媒調製)硝酸セシウム1.95gを水10gに溶解
した溶液中に、酸化タングステン23.2gを加えて混
練し、空気中120℃で20時間乾燥後、空気中500
℃で2時間焼成することによって、酸素を除く原子比で
Cs110なる組成の触媒を調製した。
【0063】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
30℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、12.9モル%、38.1モル%および4.9
モル%であった。
【0064】実施例7 (触媒調製)実施例6において酸化タングステンを三酸
化アンチモン14.6gに変えた他は同様にして、酸素
を除く原子比でCs1Sb10なる組成の触媒を調製し
た。
【0065】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
30℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、37.2モル%、20.8モル%および7.7
モル%であった。
【0066】実施例8 (触媒調製)実施例6において硝酸セシウム3.9gを
水20gに溶かした溶液に三酸化モリブデン28.8g
を加えて混練した他は同様にして、酸素を除く原子比で
Cs1Mo10なる組成の触媒を調製した。
【0067】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
30℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、44.3モル%、11.3モル%および5.0
モル%であった。
【0068】実施例9 (触媒調製)実施例6において硝酸セシウム3.9gを
水20gに溶かした溶液に二酸化チタン16.0gを加
えて混練した他は同様にして、酸素を除く原子比でCs
1Ti10なる組成の触媒を調製した。
【0069】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
30℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、15.7モル%、15.3モル%および2.4
モル%であった。
【0070】実施例10 (触媒調製) 硝酸セシウム19.5gおよびホウ酸4.9gを水10
0gに溶解した溶液中に、酸化ケイ素30.0gを加
え、湯浴上で加熱混合しながら濃縮乾固した。次いで、
空気中120℃で20時間乾燥し、9−16メッシュに
破砕後、空気中500℃で2時間焼成することによっ
て、酸素を除く原子比でCsSiなる組成
の触媒を調製した。
【0071】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
10℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、28.2モル%、71.4モル%および20.
1モル%であった。
【0072】実施例11 (触媒調製)硝酸リチウム3.45gを水50gに溶解
し、90℃で加熱、撹拌しながら、酸化ケイ素30gを
加え、加熱濃縮後、空気中120℃で20時間乾燥し
た。得られた固体を9〜16メッシュに破砕し、空気中
500℃で2時間焼成することによって、酸素を除く原
子比でLi1Si10なる組成の触媒を調製した。
【0073】(反応)この触媒10mlを、内径10m
mのステンレス製反応管に充填した後、該反応管を45
0℃の溶融塩浴に浸漬し、該反応管内に、2−エトキシ
エタノールの分圧が38mmHgとなるまで窒素で希釈
した原料ガスを、2−エトキシエタノールの空間速度7
5h-1で供給し、常圧で反応を行った。供給開始1時間
後の反応生成物を、ガスクロマトグラフにより分析した
結果、2−エトキシエタノールの転化率、エチルビニル
エーテルの選択率および単流収率は、それぞれ、15.
5モル%、22.8モル%および3.5モル%であった。
【0074】実施例12−15 (触媒調製)実施例11において硝酸リチウム3.45
gを、硝酸ナトリウム4.25g(実施例12)、硝酸
カリウム5.06g(実施例13)、硝酸ルビジウム7.
38g(実施例14)および硝酸セシウム9.75g
(実施例15)にそれぞれ変更した他は実施例11と同
様にして、表−1に記載の触媒(酸素を除く原子比で表
記)を調製した。
【0075】(反応)これらの触媒を用いて、反応温度
を変えた他は実施例11と同様にして反応を行った。供
給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化率、エ
チルビニルエーテルの選択率および単流収率を表−1に
示した。
【0076】 表−1 ---------------------------------------------------------------------- 実施例 触媒 反応温度 転化率 選択率 単流収率 番号 (℃) (モル%) (モル%) (モル%) ---------------------------------------------------------------------- 12 Na1Si10 450 14.3 38.3 5.5 13 K1Si10 450 70.5 79.6 56.1 14 Rb1Si10 420 41.5 85.8 35.6 15 Cs1Si10 420 72.5 84.4 61.2 ----------------------------------------------------------------------実施例16 (触媒調製)水酸化セシウム2.50gを水40gに溶
解した溶液中に、球状シリカゲル(5−10メッシュ)
30gを2時間浸漬した。次いで、湯浴上で加熱乾固
し、空気中120℃で20時間乾燥後、空気中500℃
で2時間焼成することによって、酸素を除く原子比でC
1Si30なる組成の触媒を調製した。
【0077】(反応)この触媒を用い、反応温度を42
0℃に変更した他は実施例11と同様にして50時間連
続反応を行った。供給開始1時間、20時間および50
時間後の2−エトキシエタノールの転化率、エチルビニ
ルエーテルの選択率および単流収率を表−2に示した。
【0078】 表−2 --------------------------------------------------------------------- 経過時間 転化率(モル%) 選択率(モル%) 単流収率(モル%) ---------------------------------------------------------------------- 1 83.8 91.7 76.8 20 81.7 92.3 75.4 50 80.8 93.4 75.5 ----------------------------------------------------------------------実施例17−19 実施例16の触媒を用い、反応条件を表−3に示す値に
変更した他は実施例11と同様にして反応を行った。供
給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化率、エ
チルビニルエーテルの選択率および単流収率を表−3に
示した。
【0079】 表−3 ---------------------------------------------------------------------- 実施例 原料分圧 空間速度 反応温度 転化率 選択率 単流収率 番号 (mmHg) (1/h) (℃) (モル%)(モル%) (モル%) ---------------------------------------------------------------------- 17 76 150 450 82.0 89.7 73.6 18 38 25 410 84.7 92.5 78.3 19 38 150 430 80.8 91.9 74.3 ----------------------------------------------------------------------実施例20 (触媒調製)実施例16において水酸化セシウム2.5
0gを水酸化カリウム0.561gに変更した他は同様
にして、酸素を除く原子比でK1Si50なる組成の触媒
を調製した。
【0080】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
20℃に変えた他は実施例11と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、65.8モル%、82.1モル%および54.
0モル%であった。
【0081】実施例21 (触媒調製)実施例16において水酸化セシウム2.5
0gを炭酸セシウム0.81gに変更した他は同様にし
て、酸素を除く原子比でCs1Si100なる組成の触媒を
調製した。
【0082】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
20℃に変えた他は実施例11と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、80.3モル%、85.0モル%および68.
3モル%であった。
【0083】実施例22 (触媒調製)実施例16において水酸化セシウム2.5
0gを炭酸セシウム0.41gに変更した他は同様にし
て、酸素を除く原子比でCs1Si200なる組成の触媒を
調製した。
【0084】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
30℃に変えた他は実施例11と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、69.8モル%、84.2モル%および58.
8モル%であった。
【0085】実施例23 (触媒調製) 実施例16において水酸化セシウム2.50gを、水酸
化ナトリウム0.33gおよびび水酸化カリウム0.4
7gに変更した他は同様にして、酸素を除く原子比でN
Si30なる組成の触媒を調製した。
【0086】(反応)この触媒を用いて、実施例11と
同じ反応を行った。供給開始1時間後の2−エトキシエ
タノールの転化率、エチルビニルエーテルの選択率およ
び単流収率は、それぞれ、62.2モル%、77.7モル
%および48.3モル%であった。
【0087】実施例24 (触媒調製) リン酸水素2ナトリウム(12水和物)17.9gを水
100gに溶かした溶液中に、酸化ケイ素30gを加
え、湯浴上で加熱混合しながら濃縮乾固した。次いで、
空気中120℃で20時間乾燥し、9−16メッシュに
破砕後、空気中400℃で2時間焼成することによっ
て、酸素を除く原子比でNaSiなる組成
の触媒を調製した。
【0088】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
20℃に変えた他は実施例11と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、23.8モル%、59.4モル%および14.
1モル%であった。
【0089】実施例25−34 (触媒調製) 硝酸セシウム9.75gおよびリン酸第2アンモニウム
5.28gを水100gに溶かした溶液中に、酸化ケイ
素30gを加え、湯浴上で加熱混合しながら濃縮乾固し
た。次いで、空気中120℃で20時間乾燥し、9−1
6メッシュに破砕後、空気中500℃で2時間焼成する
ことによって、酸素を除く原子比でCsSi10
なる組成の触媒を調製した。
【0090】(反応)この触媒を用いて、実施例11と
同反応条件下に、2−エトキシエタノール(実施例2
5)、2−メトキシエタノール(実施例26)、2−ブ
トキシエタノール(実施例27)、2−ノルマルヘキシ
ルオキシエタノール(実施例28)、2−イソプロポキ
シエタノール(実施例29)、2−イソブトキシエタノ
ール(実施例30)、2−ベンジルオキシエタノール
(実施例31)、2−メトキシエチルオキシエタノール
(実施例32)、2−(1H、1H−パーフルオロブチ
ルオキシ)エタノール(実施例33)および2−(1
H、1H、2H、2H−パーフルオロオクチルオキシ)
エタノール(実施例34)の反応を行った。供給開始1
時間後の原料の転化率、ビニルエーテルの選択率および
単流収率を表−4に示した。
【0091】 表−4 ---------------------------------------------------------------------- 実施例 原料グリコールエーテル 転化率 選択率 単流収率 番号 (モル%) (モル%) (モル%) ---------------------------------------------------------------------- 25 2-エトキシエタノール 38.5 89.6 34.5 26 2-メトキシエタノール 52.2 91.0 47.5 27 2-ブトキシエタノール 84.6 88.2 74.6 28 2-ノルマルヘキシルオキシエ 95.8 96.6 92.5 タノール 29 2-イソプロポキシエタノール 54.4 93.8 51.0 30 2-イソブトキシエタノール 42.1 95.3 40.1 31 2-ベンジルオキシエタノール 46.4 86.7 40.2 32 2-メトキシエチルオキシエタ 44.2 92.7 41.0 ノール 33 2-(1H、1H-パーフルオロブチル 53.2 92.4 49.2 オキシ)エタノール 34 2-(1H、1H、2H、2H-パーフルオロ 64.4 93.7 60.3 オクチルオキシ)エタノール ----------------------------------------------------------------------実施例35−38(アリル型エーテルの製造) 実施例25の反応原料を、1−メトキシ−2−プロパノ
ール(実施例35)、1−エトキシ−2−プロパノール
(実施例36)、1−メトキシ−2−ブタノール(実施
例37)および1−エトキシ−2−ブタノール(実施例
38)に変更した他は、同触媒および同反応条件で反応
を行った。ビニル型エーテルおよびアリル型エーテルの
両型の不飽和エーテルが生成した。供給開始1時間後の
原料の転化率、生成不飽和エーテルの選択率および単流
収率を表−5に示した。
【0092】 実施例39 (触媒調製) 硝酸セシウム3.25g、リン酸第2アンモニウム0.
44gおよび酸化ケイ素30gを用い、実施例16と同
様にして、酸素を除く原子比でCsSi30
なる組成の触媒を調製した。
【0093】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
30℃とした他は、実施例11と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、70.4モル%、88.3モル%および62.
2モル%であった。
【0094】実施例40 (反応)実施例39の触媒を用いて、2−エトキシエタ
ノールを2−メトキシエタノールに変更した他は実施例
39と同様にして反応を行った。供給開始1時間後の2
−エトキシエタノールの転化率、メチルビニルエーテル
の選択率および単流収率は、それぞれ、72.7モル
%、92.1モル%および67.0モル%であった。
【0095】実施例41 (触媒調製) 硝酸セシウム9.75gおよび硝酸ジルコニル(2水和
物)2.67gを水100gに溶かした溶液中に、酸化
ケイ素30gを加え、湯浴上で加熱混合しながら濃縮乾
固した。次いで、空気中120℃で20時間乾燥し、9
−16メッシュに破砕後、空気中500℃で2時間焼成
することによって、酸素を除く原子比でCsSi10
Zrなる組成の触媒を調製した。
【0096】(反応)この触媒を用いて、実施例11と
同じ反応を行った。供給開始1時間後の2−エトキシエ
タノールの転化率、エチルビニルエーテルの選択率およ
び単流収率は、それぞれ、57.3モル%、86.4モル
%および49.5モル%であった。
【0097】実施例42 (触媒調製) 硝酸カリム5.06gおよび五塩化ニオブ4.05gを
水100gに溶かした溶液中に、酸化ケイ素30gを加
え、湯浴上で加熱混合しながら濃縮乾固した。次いで、
空気中120℃で20時間乾燥し、9−16メッシュに
破砕後、空気中500℃で2時間焼成することによっ
て、酸素を除く原子比でKSi10Nbなる組
成の触媒を調製した。
【0098】(反応)この触媒を用いて、実施例11と
同じ反応を行つた。供給開始1時間後の2−エトキシエ
タノールの転化率、エチルビニルエーテルの選択率およ
び単流収率は、それぞれ、62.3モル%、83.1モル
%および51.8モル%であった。
【0099】実施例43 (触媒調製) メタタングステン酸アンモニウム水溶液(三酸化タング
ステン基準で50重量%含有)4.64gおよび水酸化
セシウム7.5gを水100gと混合し、得られた溶液
中に、酸化ケイ素30gを加え、湯浴上で加熱混合しな
がら濃縮乾固した。次いで、空気中120℃で20時間
乾燥し、9−16メッシュに破砕後、空気中500℃で
2時間焼成することによって、酸素を除く原子比でCs
Si10なる組成の触媒を調製した。
【0100】(反応)この触媒を用いて、実施例11と
同じ反応を行った。供給開始1時間後の2−エトキシエ
タノールの転化率、エチルビニルエーテルの選択率およ
び単流収率は、それぞれ、62.1モル%、87.3モル
%および54.2モル%であった。
【0101】実施例44 (触媒調製) 硝酸セシウム9.75gを水100gに溶かした溶液中
に、リン酸アルミニウム1.53gおよび酸化ケイ素3
0gを加え、湯浴上で加熱混合しながら濃縮乾固した。
次いで、空気中120℃で20時間乾燥し、9−16メ
ッシュに破砕後、空気中500℃で2時間焼成すること
によって、酸素を除く原子比でCsSi10Al
2525なる組成の触媒を調製した。
【0102】(反応)この触媒を用いて、実施例11と
同じ反応を行った。供給開始1時間後の2−エトキシエ
タノールの転化率、エチルビニルエーテルの選択率およ
び単流収率は、それぞれ、65.8モル%、85.1モル
%および56.0モル%であった。
【0103】実施例45 (触媒調製) 硝酸セシウム4.87gおよびリン酸第2アンモニウム
0.33gを水40gに溶解した溶液中に、球状シリカ
ゲル(5−10メッシュ)30gを2時間浸漬した。そ
の後、湯浴上で加熱乾固し、空気中120℃で20時間
乾燥後、空気中700℃で2時間焼成することによっ
て、酸素を除く原子比でCsSi20なる組
成の触媒を調製した。
【0104】(反応)この触媒を用いて、反応温度を4
30℃とした他は、実施例11と同様にして反応を行っ
た。供給開始1時間後の2−エトキシエタノールの転化
率、エチルビニルエーテルの選択率および単流収率は、
それぞれ、78.7モル%、94.1モル%および74.
1モル%であった。
【0105】実施例46 実施例16の触媒10mlをステンレス製反応管に充填
した後、該反応管を420℃の溶融塩浴に浸した。次い
で、該反応管内を真空ポンプで減圧し、2−エトキシエ
タノールを出口圧50mmHgおよび空間速度100h
-1の条件で供給した。反応を100時間連続して行っ
た後、原料供給を停止し、窒素を導入して解圧し、次い
で24時間空気を流通して触媒上に析出している炭素状
物質を燃焼させて除くことによって、触媒を再生した。
その後、再び前述の反応条件に戻し、100時間連続反
応を行った。供給開始より1時間、20時間および10
0時間ならびに再生後1時間、20時間および100時
間の各時点での2−エトキシエタノールの転化率、エチ
ルビニルエーテルの選択率および単流収率を表−6に示
した。
【0106】 表−6 ------------------------------------------------------------------ 経過時間 転化率(モル%) 選択率(モル%) 単流収率(モル%) ------------------------------------------------------------------ 1 86.2 92.1 79.4 20 81.2 93.8 76.2 100 80.1 94.6 75.8 再生後 1 86.9 92.6 80.5 20 82.1 94.5 77.6 100 80.7 95.1 76.7 ------------------------------------------------------------------ 上記の実施例によって例証されるように、本発明によれ
ば、副原料を一切用いること無く、グリコールエーテル
類から直接一段反応で連続的に不飽和エーテル類(ビニ
ル型エーテル類および/またはアリル型エーテル類)を
製造することができる。本発明による不飽和エーテル類
の製造方法は、副原料を使用しないので簡便であり、し
かも副原料由来の廃棄物の発生がないので、安全であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 23/24 B01J 23/24 X 27/182 27/182 M C07C 41/18 C07C 41/18 43/16 43/16 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表IVb、Vb、VIb、III
    a、IVaおよびVa族元素からなる群より選ばれる少
    なくとも1つの元素を含有して成る酸化物からなる触媒
    の存在下に、グリコールエーテル類を気相で分子内脱水
    反応させることによつて不飽和エーテル類に転化するこ
    とを特徴とする不飽和エーテル類の製造法。
  2. 【請求項2】 前記触媒が、アルカリ金属元素を含有し
    て成る酸化物である請求項1に記載の不飽和エーテル類
    の製造法。
  3. 【請求項3】 前記触媒が、ケイ素およびアルカリ金属
    元素を含有して成る酸化物であることを特徴とする、請
    求項1〜2のいずれか1項に記載の不飽和エーテル類の
    製造法。
  4. 【請求項4】 前記触媒が、一般式(1): MSi (1) (式中、Mはアルカリ金属元素、Siはケイ素、XはT
    i、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、A
    l、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、PおよびS
    bからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素、Oは
    酸素を表す。また添字a、b、cおよびdは、a=1の
    ときb=1〜500、c=0〜1の範囲をとり、dは
    a、bおよびcの値および各種構成元素の結合状態によ
    り定まる数値である。)で表される酸化物である請求項
    〜3のいずれか1項に記載の不飽和エーテル類の製造
    法。
  5. 【請求項5】 前記グリコールエーテル類が、下記一般
    式(2): 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜7の炭化水素基および炭素数1
    〜8のパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる
    1種であり、R’は独立して水素、メチル基およびエチ
    ル基からなる群より選ばれる1種であり、nは1または
    2である。)で表されるグリコールエーテル類であり、
    前記不飽和エーテル類が、下記一般式(3): 【化2】 (式中、R、R’およびnは前記(2)式と同じであ
    る。)で表されるビニル型エーテル類である、請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の不飽和エーテル類の製造
    法。
  6. 【請求項6】 前記グリコールエーテル類が、下記一般
    式(4): 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜7の炭化水素基の中から選ばれ
    る1種であり、Rは独立して水素またはメチル基であ
    る。)で表されるグリコールエーテル類であり、前記不
    飽和エーテル類が、下記一般式(5): 【化4】 (式中、RおよびRは前記(4)式と同じである。)
    で表されるアリル型エーテル類である、請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の不飽和エーテル類の製造法。
  7. 【請求項7】 グリコールエーテル類を気相で分子内脱
    水反応させることによつて不飽和エーテル類に転化する
    際に用いる触媒であって、該触媒が周期律表のIVb、
    Vb、VIb、IIIa、IVaおよびVa族元素から
    なる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含有して成
    る酸化物であることを特徴とする不飽和エーテル類の製
    造用触媒。
  8. 【請求項8】 前記触媒が、アルカリ金属元素を含有し
    て成る酸化物であることを特徴とする請求項7に記載の
    不飽和エーテル類の製造用触媒。
  9. 【請求項9】 前記触媒が、ケイ素およびアルカリ金属
    元素を含有して成る酸化物であることを特徴とする、請
    項7まは8項に記載の不飽和エーテル類の製造用触
    媒。
  10. 【請求項10】 前記触媒が、一般式(1): MSi (1) (式中、Mはアルカリ金属元素、Siはケイ素、XはT
    i、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、A
    l、Ga、In、Tl、Ge、Sn、pb、PおよびS
    bからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素、Oは
    酸素を表す。また添字a、b、cおよびdは、a=1の
    ときb=1〜500、c=0〜1の範囲をとり、dは
    a、bおよびcの値および各種構成元素の結合状態によ
    り定まる数値である。)で表される酸化物である請求
    7〜9のいずれか1項に記載の不飽和エーテル類の製造
    用触媒。
  11. 【請求項11】 前記グリコールエーテル類が、下記一
    般式(2): 【化5】 (式中、Rは炭素数1〜7の炭化水素基および炭素数1
    〜8のパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる
    1種であり、R’は独立して水素、メチル基およびエチ
    ル基からなる群より選ばれる1種であり、nは1または
    2である。)で表されるグリコールエーテル類であり、
    前記不飽和エーテル類が、下記一般式(3): 【化6】 (式中、R、R’およびnは前記(2)式と同じであ
    る。)で表されるビニル型エーテル類である、請求項7
    〜10のいずれか1項に記載の不飽和エーテル類の製造
    用触媒。
  12. 【請求項12】 前記グリコールエーテル類が、下記一
    般式(4): 【化7】 (式中、Rは炭素数1〜7の炭化水素基の中から選ばれ
    る1種であり、Rは独立して水素またはメチル基であ
    る。)で表されるグリコールエーテル類であり、前記不
    飽和エーテル類が、下記一般式(5): 【化8】 (式中、RおよびRは前記(4)式と同じである。)
    で表されるアリル型エーテル類である、請求項7〜10
    いずれか1項に記載の不飽和エーテル類の製造用触
    媒。
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