JP2739510B2 - 多孔質膜の製造方法及びそれに用いられるミスト発生装置 - Google Patents

多孔質膜の製造方法及びそれに用いられるミスト発生装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な多孔質膜の製造方法に関するもので
あり、詳しくは表面の開孔率が高く、透水性能に優れた
多孔質膜の製造方法に関するものである。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 選択透過機能を有する多孔質膜を用いた物質分離方法
は、一般に膜分離技術と呼ばれ、海水の淡水化、電子工
業などに使用される純水の製造、食品工業のプロセス、
工業排水処理をはじめ様々な分野に幅広く利用されてい
る。
従来、多孔質膜の作成方法としては、素材ポリマーを
有機溶剤に溶解したポリマー溶液(ドープ)を流延など
により成型加工し、次いで前記有機溶剤と相溶性をもつ
該ポリマーの非溶剤からなる凝固浴に、このドープを浸
漬することによりゲル化させる、相転換法と呼ばれる方
法が好適に用いられている。この相転換法では、ドープ
の組成、凝固浴の組成、溶剤の蒸発工程などの諸因子を
検討することにより、分離の対象物質や分離の方式に応
じた多孔質膜の構造と孔径を広範に調節できるという利
点がある。
しかし、素材ポリマーがポリスルホン系ポリマーの場
合は、セルロースアセテート等に比較し、分子間凝集力
が強すぎるため孔系を制御するのが困難であった。特に
本発明の目的とする表面孔径が比較的大きい、具体的に
は表面に孔径0.05μm以上の微孔を有する多孔質膜につ
いては、従来より知られている製膜方法ではいくつかの
問題点が残されている。
例えば、抽出可能な物質をドープに混合し、製膜後に
抽出除去する方法が知られており、例えばポリスルホン
系ポリマーについては特開昭57−35906号公報に抽出物
としてポリエチレングリコールを使用することが開示さ
れている。しかし、抽出を完全に行うには多大の労力と
時間を要し、また条件によっては生成した微細孔が貫通
せず、抽出不十分となることがあり、濾過性能を低下さ
せるばかりかポリスルホン系ポリマー特有の耐熱性や機
械的強度を著しく減少させるなど不都合なことが多い。
また、相分離を起こす温度(臨界温度)以上の液温に
保持されたドープを、流延後臨界温度付近あるいはそれ
以下の温度に冷却し相分離を起こさせて製膜する方法が
知られており、例えば特開昭56−154051号公報や特開昭
59−58041号公報に開示されている。しかし、この方法
においては臨界温度が室温以上である場合には、製膜す
るまでの間、常に臨界温度以上にドープの液温を保持し
ておくことが必要となり、エネルギーコストが高くな
る。また、臨界温度が室温以下の場合には、流延後のド
ープを室温以下の臨界温度まで冷却するような設備が必
要となり、この場合も設備費やエネルギーコストが高く
なる。
また、凝固浴中に良溶剤や貧溶剤を添加することも知
られている。例えばポリスルホン系ポリマーについては
特開昭56−152704号公報や特開昭59−135239号公報をあ
げることができる。しかし、凝固浴に使用される液量が
一般的に大量であることと、本発明の目的とする多孔質
膜を得るには、その添加量が少なくとも50%以上、実際
には70%以上である必要があることから、工業化するの
はコストの点で困難である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記に述べた公知の製造方法の欠点を
克服するべく鋭意研究を重ねた結果、容易にかつ低コス
トで表面に孔径0.05μ以上の微孔を有する多孔質膜の製
造方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、膜を構成するポリマーの溶液から
なる製膜用原液を流延し、該ポリマーの非溶剤からなる
ミストを含んだ気体雰囲気を通過させた後、該ポリマー
の非溶剤、または非溶剤と溶剤の混合液からなる凝固浴
に導いてポリマーをゲル化させる多孔質膜の製造方法に
おいて、該非溶剤からなるミストが、製膜用原液が凝固
浴に導入される直前の気体雰囲気を外部の気体雰囲気か
ら遮蔽すると共に、遮蔽内部の気体雰囲気の温度を凝固
浴より低く制御することによって発生させられた、該内
部の気体雰囲気中に存在する凝固浴を構成する非溶剤蒸
気の凝縮によるものであることを特徴とする多孔質膜の
製造方法であり、更には凝固浴上に配置され、外部の気
体雰囲気から遮蔽すると共に、遮蔽内部の気体雰囲気の
温度を凝固浴より低く制御するための冷却用ジャケット
を有し、該内部に凝固浴を構成する非溶剤のミストを発
生させるようにした上記記載の多孔質膜の製造方法に用
いられるミスト発生装置を提供するものである。
本発明でいう膜を構成するポリマーとは、セルロース
系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポリスル
ホン系ポリマーなど、あるいはこれらのコポリマーな
ど、要は相転換法で製膜できればどのようなポリマーで
あってもかまわない。また、本発明は互いに相溶性のあ
る2種類以上のポリマーをブレンドして用いることを妨
げない。その中でも、耐熱性、耐薬品性が優れている点
で、ポリスルホン系ポリマーを使用することが望まし
い。ポリスルホン系ポリマーとしては、下記式(1)〜
(2)の構造を有する芳香族ポリスルホン系ポリマーが
代表的なものであるが、ベンゼン核に置換基を有してい
ても構わない。
本発明における製膜用原液は上記のポリマーを適当な
溶剤に溶解することにより調製される。ここで用いられ
るポリマー濃度は、5〜30重量%、好ましくは10〜20重
量%である。溶剤には該ポリマーの良溶剤を適宜選択し
て使用できるが、その溶剤は凝固浴に使用する該ポリマ
ーの非溶剤と相溶性のあるもの、望ましくは任意の割合
で混合するものを選ぶ必要がある。また、良溶剤は単独
もしくは適宜混合して使用されると共に、相転換を効果
的に行うためや流延などの工程を容易にする目的で、無
機塩、低分子有機物、高分子添加剤などの該ポリマーの
膨潤剤、非溶剤を上記良溶剤に対し添加することが好適
に行われる。
本発明では凝固浴として該ポリマーの非溶剤を適宜選
択して使用でき特に限定はないが、工業的には水を用い
るのが取扱いの容易さやコストの点で望ましい。また、
該非溶剤に該ポリマーの良溶剤や貧溶剤を混合して使用
してもかまわない。
本発明の製造方法は、製膜用原液を該ポリマーの非溶
剤からなるミストを含んだ気体雰囲気を通過させた後、
凝固浴に浸漬する方法において、非溶剤のミストを含ん
だ気体雰囲気を作る手段に特徴を有し、製膜用原液が通
過する凝固浴上の気体雰囲気を外部の気体雰囲気から遮
蔽すると共に、その内部を凝固浴より低い温度に制御す
ることによって凝固浴中の非溶剤蒸気が可飽和になった
状態にし、内部に非溶剤のミストを発生させるものであ
る。また、この方法は非溶剤ミストの濃度を気体雰囲気
の温度によって容易にコントロールできる点でも優れて
いる。このことによって、目的である表面に孔径0.05μ
以上の微孔を有する多孔質膜を作成できる。その効果が
発現する機構については詳しくはわからないが、次のよ
うに考えられる。上記気体雰囲気中には、該ポリマーの
非溶剤が気体である蒸気と液体であるミストの形で存在
しており、ここを通過する製膜用原液は、その表面から
非溶剤を蒸気とミストの状態で吸収するため極めて表面
でゲル化が進行すると思われる。しかし、この場合のゲ
ル化は凝固浴中でのゲル化とは明らかに様子が異なるも
のである。すなわち、気体雰囲気からの非溶剤供給量は
凝固浴中に比べて圧倒的に少ないためゲル化の進行速度
が遅いこと、および凝固浴中でのゲル化が良溶剤と非溶
剤の入れ換わりによって進行するのに対し、気体雰囲気
では非溶剤が入ってくるのみであるから、表面構造の多
孔度は高くなり、孔径0.05μ以上の微孔が開孔するもの
と思われる。
また、ミストを発生させる具体的な手段としては、ど
のようなものであってもよいが、その一実施態様として
ジャケット式ミスト発生装置が用いられる。ジャケット
に通す冷媒としては、気体、液体いずれでもよいが、例
えば簡便には凝固浴より十分低い温度の水を用いればよ
い。
本発明における気体雰囲気の気体は製膜用原液及び凝
固浴に対して不活性な気体から適宜選択できるが、なか
でも空気が取扱いの容易さやコストの点で望ましい。
本発明においてミストを構成する非溶剤は、該膜素材
ポリマーの非溶剤から適宜選択したものを1種、もしく
は2種以上を混合して使用できるが、前述したような簡
単な方法で目的の気体雰囲気を作り得る点で、凝固浴中
の非溶剤と同じものであることが望ましい。
[発明の効果] 本発明によれば、非溶媒ミストを含んだ気体雰囲気を
生成する手段が非常に簡便かつ低コストな方法であり、
表面に孔径0.05μ以上の微孔を有する多孔質膜を容易に
製造できる。かくして得られた膜は除菌用、蛋白質など
の有価物の分離精製などに用いられる精密濾過膜とし
て、あるいは血漿分離など、血漿から特定成分を分離す
る血液処理膜として用いることができる。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例1 ポリエーテルスルホン、ビクトレックス(Victrex)4
800P(アイシーアイ(ICI)社製商品名)12重量部、平
均分子量90万のポリエチレンオキサイド2重量部を2−
ピロリドン86重量部を溶解し、製膜用原液とした。
第1図に示した連続平膜製膜機において60℃の温水か
らなる凝固浴の上部を、温度制御用ジャケットを備えた
カバーで覆い、ジャケットに10℃の水を循還させて内部
を冷却し、水のミストを発生させた。
上記製膜用原液をポリエステル不織布上に厚み300μ
mに流延し、水ミストを発生させたカバー内を通過させ
て凝固浴に浸漬した。このようにして得られた膜の表面
構造を走査型電子顕微鏡で観察したところ、孔径0.1〜
0.5μmの微孔が開孔していた。また、この膜の純水透
過性能は25.3ml/cm2・min・kg/cm2であった。
比較例1 カバーのジャケットに60℃の水を循還させた以外は実
施例1と同様の方法で製膜した。このときカバー内部に
水ミストの発生は認められなかった。得られた膜の表面
構造を走査型電子顕微鏡で観察したが、孔径0.05μm以
上の微孔は開孔していなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に用いた連続平膜製膜装置を
示す概略図である。 1……製膜用原液、2……製膜用原液溜め、3……ナイ
フコーター、4……不織布ロール、5……不織布、6…
…シャケット式カバー、7……ジャケット入口、8……
ジャケット出口、9……凝固浴、10……巻取りロール、
11……プーリー、12……支持ロール、13……ロール。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜を構成するポリマーの溶液からなる製膜
    用原液を流延し、該ポリマーの非溶剤からなるミストを
    含んだ気体雰囲気を通過させた後、該ポリマーの非溶
    剤、または非溶剤と溶剤の混合液からなる凝固浴に導い
    てポリマーをゲル化させる多孔質膜の製造方法におい
    て、該非溶剤からなるミストが、製膜用原液が凝固浴に
    導入される直前の気体雰囲気を外部の気体雰囲気から遮
    蔽すると共に、遮蔽内部の気体雰囲気の温度を凝固浴よ
    り低く制御することによって発生させられた、該内部の
    気体雰囲気中に存在する凝固浴を構成する非溶剤蒸気の
    凝縮によるものであることを特徴とする多孔質膜の製造
    方法。
  2. 【請求項2】ミストと凝固浴を構成する非溶剤が水であ
    る請求項1記載の多孔質膜の製造方法。
  3. 【請求項3】凝固浴上に配置され、外部の気体雰囲気か
    ら遮蔽すると共に、遮蔽内部の気体雰囲気の温度を凝固
    浴より低く制御するための冷却用ジャケットを有し、該
    内部に凝固浴を構成する非溶剤のミストを発生させるよ
    うにした請求項1記載の多孔質膜の製造方法に用いられ
    るミスト発生装置。
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