JP2739304B2 - ゴム組成物およびシール材 - Google Patents
ゴム組成物およびシール材Info
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Description
ル材に関し、詳細には耐摩耗性、自己潤滑性を有するゴ
ム組成物、および空気圧シリンダ、電磁弁などに用いら
れるパッキンなどのシール材に関する。
空気圧シリンダ、電磁弁などにおいては、回転や往復運
動などの運動部分(ピストンなど)の摺動性を損なうこ
となく、運動部分を作動させる作動液体または作動気体
を密封するために、パッキンなどのシール材が用いら
れ、運動部分とシール材との接触部分にグリースなどの
潤滑剤が塗布されている。
常、アクリロニトリルゴム(NBR)が用いられている
が、NBRは摩擦係数が高いために、運動部分の摺動な
どにより潤滑剤が消耗されると、作動不良、振動、きし
み、鳴きなどを引き起こす。また、NBRは耐摩耗性、
耐久性が低く寿命が短い。従って、グリース給油が困難
な箇所、屋外設備、地中埋設などのメンテナンスが困難
な箇所、長期寿命と確実な作動が要求される箇所に、か
かるシール材を適用するのは好ましくなく、潤滑のため
に設計が複雑になるという問題がある。
タイプ、固体潤滑材混入タイプなどの配合技術が開発さ
れているが、前者では摩擦係数および物性が経時変化
し、後者では摩擦係数低減効果が少なく、ゴム弾性も損
なわれるという問題がある。
水素化アクリロニトリルゴム(H−NBR)も用いられ
ているが、後述の比較例3に示すように、H−NBR
は、NBRと同様に摩擦係数が高く、自己潤滑性が低い
ために、上述の作動不良などの問題がある。
化モリブデン、四フッ化エチレンなどの潤滑剤を混合し
て、これらのゴムに自己潤滑性を付与することも行われ
ているが、ゴム弾性、ゴム強度が低下するなどのゴム本
来の物性が損なわれるという問題がある。
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、水素化アクリロ
ニトリルゴム(H−NBR)、二硫化モリブデンおよび
脂肪酸アマイドを特定範囲の配合比で混合することによ
り、ゴム本来の物性を保持したまま、耐摩耗性を向上さ
せ、自己潤滑性を付与できることを見出した。
部に対して、二硫化モリブデン1〜100重量部および
脂肪酸アマイド0.1〜10重量部を含有するゴム組成
物、および本発明のゴム組成物からなるシール材に関す
る。
5〜40g/100gのものが好ましく、特に10〜3
5g/100gさらに20〜30g/100gのものが
好ましい。また、結合アクリロニトリル量は、好ましく
は30%以上、より好ましくは40%以上である。
0、好ましくは炭素数30〜60の飽和または不飽和の
脂肪酸の第一アマイドが挙げられる。具体的には、ステ
アリン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド、
オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、パルミチン酸
アマイド、ラウリン酸アマイド、ベヘン酸アマイドなど
のモノアマイド類、メチレンビスステアリン酸アマイ
ド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビス
ラウリン酸アマイド、ジステアリルアジピン酸アマイ
ド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスベ
ヘン酸アマイド、ジオレイルアジピン酸アマイドなどの
ビスアマイド類が例示される。また、脂肪酸アマイドは
置換基を有していてもよく、N−ステアリルステアリン
酸アマイド、N−オレイルステアリン酸アマイド、N−
ステアリルエルカ酸アマイドなどの炭素数1〜100、
好ましくは炭素数30〜60程度の飽和または不飽和炭
化水素一価基が置換した置換アマイド類、メチロールス
テアリン酸アマイド、メチロールベヘン酸アマイドなど
のメチロールが置換したメチロールアマイド類が例示さ
れる。本発明においては、ビスアマイド類が特に好まし
い。
重量部に対して、二硫化モリブデン1〜100重量部、
好ましくは10〜90重量部、および脂肪酸アマイド
0.1〜10重量部、好ましくは1〜8重量部を含有す
ることを特徴とする。H−NBR100重量部に対し
て、二硫化モリブデンが1重量部未満であれば、耐摩耗
性が低下し、また100重量部を超えると、常態時の伸
び、引張強さが減少し、圧縮永久ひずみが増大する。一
方、H−NBR100重量部に対して、脂肪酸アマイド
が0.1重量部未満であれば、自己潤滑性が充分に付与
されず、例えば空気圧シリンダのピストンの摺動による
摩擦が増大して、動作不良などを引き起こすおそれがあ
る。また、脂肪酸アマイドが10重量部を超えると、圧
縮永久ひずみが増大する。
老化防止剤、安定剤、滑剤、充填剤などの各種の添加剤
を必要に応じて配合することが可能である。
ム本来の物性が損なわれることなく、耐摩耗性、自己潤
滑性が付与される。
成物からなるものであり、従来のNBRまたはH−NB
Rを主成分とするシール材と同様に、常套手段により調
製することができる。例えば空気圧シリンダ用のパッキ
ンなどのリング状のシール材は、次のようにして調製さ
れる。まず、本発明のゴム組成物をロールなどにて混練
し、各成分を均一に分散させた後、ロールにて圧延し、
紐状に切断する。この紐状のゴム組成物をリング状の金
型に入れ、加熱プレスしてリング状のシール材を得る。
性を有する本発明のゴム組成物からなるので、例えば空
気圧シリンダのパッキンとして用いた場合には、グリー
スなどの潤滑剤を必要とせずに、ピストンの摺動による
摩擦抵抗の増大を抑えるとともに、耐摩耗性に優れ、パ
ッキンの寿命を延ばすことができる。また、ゴム弾性な
どのゴム本来の物性が損なわれず、空気圧シリンダの気
密性を保持することができる。
量部を示す。)を用いて、後述の試験に応じた試料形状
とした。試料は、各ゴム組成物の所定量をニーダーおよ
びオープルロールで混練し、165℃、10分間でプレ
ス加硫し、150℃、4時間のオーブン加硫を行って調
製した。
例により得られた試料を用いて実験を行った。なお、常
態物性、圧縮永久ひずみ(120℃×70時間)の各項
目については、JIS K6301により測定した。硬
さについてはJIS K6301のA型により測定し
た。また、摩耗量、始動抵抗(ピストンを動かし始める
ときに要する力)、摺動抵抗(ピストンが動いていると
きの力)、挿入力(ピストンを溝に組み込む際に要する
力)の項目については、以下の試験方法により測定し
た。
とした。 試料を図1に示す試験機に取り付けた。図1におい
て、試料1は空気圧シリンダ2の下方先端部に取り付け
られており、試料1と金属板3との接触荷重は空気圧シ
リンダ2の推力により負荷される。クランク軸4の回転
駆動により金属板3を往復運動させて、試料1の摩耗量
を測定した。詳細な試験条件は次の通りである。
試験後の試料重量(g)、Sは試料の比重、Aは試料の
底面積(mm2 )である。〕
り、例えば摩耗量が1.0mmの場合、試料の1/8が
摩耗したことになる。
とした。 始動抵抗は図2に示す試験機により、摺動抵抗、挿入
力は図3に示す試験機によりそれぞれ測定した。なお、
図2,3における試験機のピストンおよびシリンダの部
分を断面図で示す。
に取り付け、ピストン6をシリンダの溝7内で60分間
放置した後、矢符の方向に動かし始めるときに要する力
を始動抵抗として測定した。また、図3において、試料
5をピストン8の周面に取り付け、ピストン8を矢符の
方向に降下させて、ピストン8をシリンダの溝9に組み
込む際に要する力を挿入力として測定し、ピストン8が
溝9内を摺動しているときの力を摺動抵抗として測定し
た。なお、測定にはオートグラフを用い、ピストン5,
8の降下速度を10mm/分として、室温下で潤滑剤を
用いずに測定し、溝7,9の直径、深さなどはJIS
B2401に従った。
6,8:結合アクリロニトリル量44%、ヨウ素価25
g/100g 実施例4、比較例4:結合アクリロニトリル量36%、
ヨウ素価28g/100g 実施例5,6:結合アクリロニトリル量36%、ヨウ素
価11g/100g b)アクリロニトリル量31% c)t−ブチルパーオキシ−m−ジイソプロピルベンゼ
ン d)N,N’−m−フェニレンジマレイミド e)硫黄0.7重量部、チウラム系架橋助剤3重量部、
チアゾール系架橋助剤3重量部 f)置換ジフェニルアミン
量部に対して、二硫化モリブデンが1重量部未満であれ
ば(比較例2,3)、始動抵抗、摺動抵抗、摩耗量が増
大し、100重量部を超えた場合(比較例5)、常態物
性における伸び、引張強さが減少することが判る。ま
た、H−NBR100重量部に対して、脂肪酸アマイド
であるエチレンビスベヘン酸アマイドが0.1重量部未
満であれば(比較例1,3,4)、始動抵抗、摺動抵
抗、挿入力が増大し、10重量部を超えた場合(比較例
8)、圧縮永久ひずみが増大することが判る。さらに、
H−NBRの代わりにNBRを用いた場合には(比較例
7)、磨耗量、圧縮永久ひずみが増大するだけでなく、
常態物性が低下し、二硫化モリブデンの代わりにポリテ
トラフルオロエチレンを用いた場合には(比較例6)、
磨耗量が増大することが判る。
ゴム本来の物性が損なわれることなく、耐摩耗性、自己
潤滑性が付与される。
性を有する本発明のゴム組成物からなるので、例えば空
気圧シリンダのパッキンとして用いた場合には、グリー
スなどの潤滑剤を必要とせずに、ピストンの摺動による
摩擦抵抗の増大を抑えるとともに、耐摩耗性に優れ、パ
ッキンの寿命を延ばすことができる。また、ゴム弾性な
どのゴム本来の物性が損なわれず、空気圧シリンダの気
密性を保持することができる。
設備、地中埋設などのメンテナンスが困難な箇所、長期
寿命と確実な作動が要求される箇所にシール材を適用で
き、潤滑剤の給油を考慮する必要がなく、設計が単純に
なるという効果を奏する。
である。
断面図である。
機の部分断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 水素化アクリロニトリルゴム100重量
部に対して、二硫化モリブデン1〜100重量部および
エチレンビスベヘン酸アマイド0.1〜10重量部を含
有するゴム組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の組成物からなるシール
材。
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JP7189598A JP2739304B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | ゴム組成物およびシール材 |
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JPH0940807A JPH0940807A (ja) | 1997-02-10 |
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JP7189598A Expired - Fee Related JP2739304B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | ゴム組成物およびシール材 |
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-
1995
- 1995-07-25 JP JP7189598A patent/JP2739304B2/ja not_active Expired - Fee Related
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