JP2738657B2 - ハニカム状蓄熱体 - Google Patents
ハニカム状蓄熱体Info
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Description
ニカム構造体を組み合わせてなり、貫通孔に排ガスと被
加熱ガスとを交互に通過させて排ガス中の廃熱を回収す
るハニカム状蓄熱体に関し、特に高温および腐食性の排
ガスに対して好適に使用できるハニカム状蓄熱体に関す
るものである。
解炉のような一般産業用に用いられる燃焼加熱炉におい
て、燃焼ガスの廃熱を利用し、燃焼用空気を予熱して熱
効率を高めるために使用される蓄熱体としては、特開昭
58−26036号公報に記載の如くセラミック球を利
用するもの、または特開平4−251190号公報に記
載の如くハニカム状の構造体を利用するもの等が知られ
ていた。
焼排ガスと球状またはハニカム状の蓄熱体とを接触させ
て蓄熱体中に燃焼排ガスの熱を蓄熱させ、次に低温の被
加熱ガスと蓄熱した蓄熱体とを接触させて被加熱ガスを
加熱することにより、燃焼排ガスの廃熱を効率よく利用
している。
た蓄熱体のうち、セラミック球を使用する場合には、セ
ラミック球の通気抵抗が大きくなりセラミック球と通気
ガスとの接触面積が小さいため、効果的に熱交換を行う
ことができず、蓄熱体を大きな構成とする必要がある問
題があった。一方、蓄熱体をハニカム状とした場合、体
積に比し幾何学的比表面積が大きいため、コンパクトな
大きさで効果的な熱交換を行うことができる。しかしな
がら、従来のハニカム構造体は単一のハニカム構造体か
ら構成されているため、耐熱衝撃性の点および耐腐食性
の点で問題があった。
を解消するために、複数のハニカム構造体を組み合わせ
てなり、貫通孔に排ガスと被加熱ガスとを交互に通過さ
せて排ガス中の廃熱を回収するハニカム状蓄熱体も提案
されている。しかしながら、このハニカム状蓄熱体は、
複数の直方体形状のハニカム構造体を単に積み重ねて構
成することが多いため、ハニカム構造体中を流れる排ガ
スの速度が例えば10m/sのような速度となると、ハ
ニカム構造体の一部が脱落したりハニカム構造体が振動
を受け破損する恐れがある問題があった。また、熱衝撃
や腐食により破損する可能性もあり、ハニカム構造体が
破損した場合は、破損したハニカム構造体の破片が燃焼
室に飛び込み製品に悪影響を与えたり、ハニカム構造体
の貫通孔を塞ぎ圧損を上昇させてハニカム状蓄熱体に悪
影響を与える問題もあった。
排ガスによるハニカム構造体の脱落がなく、また万一ハ
ニカム構造体が破損しても製品への悪影響のないハニカ
ム状蓄熱体を提供しようとするものである。
体は、複数のハニカム構造体を組み合わせてなり、貫通
孔に排ガスと被加熱ガスとを交互に通過させて排ガス中
の廃熱を回収するハニカム状蓄熱体において、ハニカム
構造体を固定するセラミックス製外囲いを設けることを
特徴とするものである。
複数のハニカム構造体の外周に設けたセラミックス製外
囲いが、複数のハニカム構造体を所定の位置に固定す
る。そのため、排ガスの流速が速くてもハニカム構造体
の脱落はない。また、ハニカム構造体の一部が破損して
もハニカム状蓄熱体としての形状を保つことができ、ハ
ニカム構造体の破片が燃焼室へ飛び込んだり貫通孔を塞
いだりすることも防止できる。
のは、ハニカム状蓄熱体が曝される排ガスは高温かつ腐
食性の排ガスであることが多いため、耐熱性および耐腐
食性を有するセラミックスから構成することが有効なた
めである。また、セラミックス製外囲いの形状は特に限
定するものでないが、板状のセラミックスを並べたも
の、一体型の枠を枠を重ねたもの、角柱を積み重ねたも
のを使用することが有効である。さらに、外囲いのセラ
ミックスの材質としては、ハニカム状蓄熱体の使用温
度、使用条件によって異なるが、SiC、コージェライ
ト、Si含浸SiCを用いることが好ましく、中でもS
i含浸SiCは熱伝導率が優れているため温度分布がつ
きづらく十分な耐熱衝撃性を得ることができるためさら
に好ましい。また、Si含浸SiCは耐食性に優れてい
るため、腐食性ガスの多い所でも十分使用に耐える。
カム構造体の構成についても本発明では特に限定するも
のでないが、少なくとも高温の排ガスに接する面の外周
部分のハニカム構造体の形状が中心部分のハニカム構造
体の形状よりも小さい構成をとると、耐熱性が向上し好
ましいとともに、高温の排ガスに接する側を耐腐食性セ
ラミックスからなるハニカム構造体で構成するととも
に、低温の被加熱ガスに接する側を主結晶相がコージェ
ライトからなるハニカム構造体で構成すると、耐腐食性
が向上し好ましい。
成を示す図であり、図1(a)はハニカム状蓄熱体1の
排ガス流通部1aの一例の構成を示し、図1(b)はハ
ニカム状蓄熱体1の一例の構成を示している。まず、ハ
ニカム状蓄熱体1の排ガス流通部1aは、図1(a)に
示すように、直方体形状のハニカム構造体2を、一方向
に貫通孔3から構成される流路が揃うように積み重ねて
構成されている。各ハニカム構造体2は、主結晶相がア
ルミナ、ジルコニア、ムライト、SiC、Si3 N4 、
コージェライト、アルミニウムチタネートから選ばれた
一つの材料からなると好ましい。また、図1(b)に示
すように、ハニカム状蓄熱体1は、排ガス流通部1aの
外周にハニカム構造体2を固定するセラミックス製外囲
い5を設けて構成している。
状蓄熱体1の排ガス流通部1aの外周に設ける外囲い5
の一例の構成を示す図である。図2に示す例では、バス
ケット11内に小型のセラミックス板12を複数はめ込
んで外囲い5を構成している。セラミックス板12の高
さは、排ガス流通部1aの高さとほぼ同じ高さに構成す
るとともに、セラミックス板12の幅は、複数のセラミ
ックス板12を並べて排ガス流通部1aの各辺の幅とな
るよう構成している。図3に示す例では、一体型のセラ
ミックス製の枠13を積み重ねて外囲い5を構成してい
る。枠13の高さは、複数の枠13を積み重ねて排ガス
流通部1aの高さとほぼ同じ高さとなるよう構成してい
る。また、枠13は一体型であるため、積み重ねるだけ
で外囲い5を形成できる。
クス板15を固定して枠を形成し、この枠を積み重ねて
外囲い5を形成している。止め具14は、図4(b)に
その一例を示すように、L字形の止め具本体21にL字
形の溝部22を形成して構成している。そのため、L字
形の溝部22の一辺に一方のセラミックス板15を差し
込み、他方の辺に他方のセラミックス板15を差し込む
ことで、外囲い5を形成できる。図5に示す例では、両
端に穴16を開けた角柱17を井桁形状に組み、穴16
に棒18を差し込むことで外囲い5を構成している。本
例では、外囲い5が排ガス流通部1aの外周全体に形成
することができないが、複数のハニカム構造体2からな
る排ガス流通部1を固定するには十分であり、本願発明
の外囲い5となりうる。
の内部の空間に図1に示す構成の排ガス流通部1aを設
けることで、本発明のハニカム状蓄熱体を構成してい
る。また、外囲い5はセラミックスから構成され、セラ
ミックスの材質としてはSiC、コージェライト、Si
含浸SiCを用いることが好ましく、中でもSi含浸S
iCを使用することがさらに好ましい。このように外囲
い5をセラミックスで構成することで、外囲い5自体に
耐熱性、耐腐食性を持たすことができ、それにより高温
の排ガスや腐食性の排ガス中でも本発明のハニカム状蓄
熱体を使用することができる。なお、外囲い5のセラミ
ックスの材質は、ハニカム状蓄熱体の使用温度や使用条
件に応じて使い分けることが好ましい。その使い分け
は、以下の表1を参照して行うことが好ましい。
1を複数のハニカム構造体2を組み合わせて好ましくは
積み重ねて構成される排ガス流通部1aの外周に所定の
外囲い5を設けたことであり、ハニカム構造体2の構成
はどのようであっても良いが、以下の構成をとると耐熱
性、耐腐食性の点でさらに好ましい。
ス流通部1aの好適例を示す図である。図6に示す例に
おいて、ハニカム状蓄熱体1の排ガス流通部1aは、中
心部分32とこの中心部分32の外周全体に形成された
外周部分33とから構成されている。中心部分32は、
例えばコージェライトからなる直方体形状のハニカム構
造体34を、一方向に貫通孔35から構成される流路が
揃うよう複数個積み重ねて構成されている。外周部分3
3は、中心部分32のハニカム構造体34の形状よりも
小さい形状を有し、中心部分32と同じように一方向に
貫通孔37から構成される流路が揃うよう複数個積み重
ねて構成されている。図6に示す構成の排ガス流通部1
aでは、特に耐熱性を良好にすることができる。
ス流通部1aの他の好適例を示す図である。図7に示す
例において、ハニカム状蓄熱体1の排ガス流通部1a
は、主結晶相がアルミナ、ジルコニア、ムライト、Si
C、Si3 N4 から選ばれた一つの材料からなる直方体
形状の耐腐食性ハニカム構造体42と、主結晶相がコー
ジェライトからなる直方体形状のコージェライトハニカ
ム構造体43とを、一方向に貫通孔44から構成される
流路が揃うように積み重ねて構成されている。図7に示
す構成の排ガス流通部1aでは、特に耐腐食性を良好に
することができる。
た熱交換体を燃焼加熱炉の燃焼室に設置した例を示す図
である。図8に示す例において、51は燃焼室、52−
1、52−2は本発明のハニカム状蓄熱体、53−1、
53−2はハニカム状蓄熱体52−1、52−2から構
成される熱交換体、54−1、54−2は熱交換体53
−1、53−2に設けた燃料投入口である。図8に示す
例において、2個の熱交換体53−1、53−2を設け
たのは、一方が高温の排ガスを流すことにより蓄熱を行
っているとき、同時に他方が低温の被加熱ガスを加熱で
きるよう構成して、熱交換を効率的に行うためである。
たように、予めハニカム状蓄熱体52−1に蓄熱した熱
交換体53−1に被加熱ガスである空気を供給すると同
時に燃料投入口54−1から燃料を投入するとともに、
熱交換体53−2には燃焼室51内の高温の排ガスを通
過させる。この状態で、空気は予熱され燃料とともに燃
焼室51へ供給されるとともに、熱交換体53−2のハ
ニカム状蓄熱体52−2は蓄熱される。
と反対方向にガスを流れるようにして、熱交換体53−
2に被加熱ガスである空気を流し燃料投入口24−2か
ら燃料を投入するとともに、熱交換体53−2には燃焼
室51内の高温の排ガスを通過させる。以上の工程を連
続的に繰り返すことにより、熱交換を行うことができ
る。
によれば、組み合わせて構成した複数のハニカム構造体
の外周にセラミックス製外囲いを設けたため、複数のハ
ニカム構造体を所定の位置に固定でき、排ガスの流速が
速くてもハニカム構造体の脱落はない。また、ハニカム
構造体の一部が破損してもハニカム状蓄熱体としての形
状を保つことができ、ハニカム構造体の破片が燃焼室へ
飛び込んだり貫通孔を塞いだりすることも防止できる。
例の構成を示す図である。
外周に設ける外囲いの一例の構成を示す図である。
外周に設ける外囲いの他の例の構成を示す図である。
外周に設ける外囲いのさらに他の例の構成を示す図であ
る。
外周に設ける外囲いのさらに他の例の構成を示す図であ
る。
適例を示す図である。
の好適例を示す図である。
を燃焼加熱炉の燃焼室に設置した例を示す図である。
カム構造体、3 貫通孔、5 外囲い
Claims (6)
- 【請求項1】複数のハニカム構造体を組み合わせてな
り、貫通孔に排ガスと被加熱ガスとを交互に通過させて
排ガス中の廃熱を回収するハニカム状蓄熱体において、
ハニカム構造体を固定するセラミックス製外囲いを設け
ることを特徴とするハニカム状蓄熱体。 - 【請求項2】前記ハニカム構造体を貫通孔方向に積み重
ねて使用する請求項1記載のハニカム状蓄熱体。 - 【請求項3】少なくとも高温の排ガスに接する面の外周
部分のハニカム構造体の形状が中心部分のハニカム構造
体の形状よりも小さいことを特徴とする請求項1または
2記載のハニカム状蓄熱体。 - 【請求項4】高温の排ガスに接する側を耐腐食性セラミ
ックスからなるハニカム構造体で構成するとともに、低
温の被加熱ガスに接する側を主結晶相がコージェライト
からなるハニカム構造体で構成した請求項1または2記
載のハニカム状蓄熱体。 - 【請求項5】前記セラミックス製外囲いが、SiC、コ
ージェライト、Si含浸SiCの少なくとも1つを主結
晶相とする材料から構成される請求項1〜4のいずれか
1項に記載のハニカム状蓄熱体。 - 【請求項6】前記セラミックス製外囲いの形状が、板状
体を並べたもの、一体型の枠を重ねたもの、角柱を積み
重ねたもののいずれかである請求項1〜4のいずれか1
項に記載のハニカム状蓄熱体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32209494A JP2738657B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | ハニカム状蓄熱体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32209494A JP2738657B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | ハニカム状蓄熱体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08178564A JPH08178564A (ja) | 1996-07-12 |
JP2738657B2 true JP2738657B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=18139855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32209494A Expired - Fee Related JP2738657B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | ハニカム状蓄熱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2738657B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP32209494A patent/JP2738657B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08178564A (ja) | 1996-07-12 |
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