JP2004042055A - プレートフィン型熱交換器のろう付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレートフィン型熱交換器のコア部の組立を効率的に行うことができるろう付け方法を提供する。
【解決手段】プレートフィン型熱交換器のコア部をチューブプレートとフィンを交互に積層してろう付けで一体に組み立てるに際し、コア部の加圧手段をコア部の全長または全幅を挟んで緊締する手段とこの緊締手段に張力を負荷する板バネで構成し、緊締手段を前記フィンと同じ材質とし、板バネは前記フィンより線膨張係数が小さな素材で構成したことを特徴とするプレートフィン型熱交換器のろう付け方法である。コア部に積層されるフィンがオーステナイト系ステンレス鋼で構成した場合に、板バネとして耐熱性炭素複合材を用いるのが望ましい。
【選択図】図3
【解決手段】プレートフィン型熱交換器のコア部をチューブプレートとフィンを交互に積層してろう付けで一体に組み立てるに際し、コア部の加圧手段をコア部の全長または全幅を挟んで緊締する手段とこの緊締手段に張力を負荷する板バネで構成し、緊締手段を前記フィンと同じ材質とし、板バネは前記フィンより線膨張係数が小さな素材で構成したことを特徴とするプレートフィン型熱交換器のろう付け方法である。コア部に積層されるフィンがオーステナイト系ステンレス鋼で構成した場合に、板バネとして耐熱性炭素複合材を用いるのが望ましい。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレートフィン型熱交換器のろう付け方法の改善に関し、さらに詳しくは、ステンレス鋼を使用したプレートフィンの積層組立体(以下、「コア部」という)の組立を効率的に行うことができるプレートフィン型熱交換器のろう付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
広い技術分野の産業機器用として、ガスまたは液体を加熱して所定の温度に昇温させる加熱器に各種の熱交換器が採用されている。特に、小型軽量で熱交換効率に優れる熱交換器として、化学プラントや燃料電池発電プラント等におけるステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器や、低温工業用プラントにおけるアルミニウム製のプレートフィン型熱交換器などが多用されている。
【0003】
図1はプレートフィン型熱交換器におけるコア部の構成を説明する図であり、同(a)はコア部の分解斜視図、同(b)はコア部の組立斜視図である。熱交換器の心臓部であるコア部4は、低温流体通路と高温流体通路を仕切る板状のチューブプレート1と、伝熱促進用のコルゲート型や各種の形状からなるフィン2が交互に積層され、また、チューブプレート1同士の間隔を保ち、流路を密封するためのスペーサーバー3が両側面に並べられた基本構造で構成されている。
【0004】
低温流体と高温流体のコア部内の流動方法は、基本的には向流型と直向流型に区分されるが、これらを組み合わせて種々の流動方法が構成される。図1(a)で示す矢印は、低温流体と高温流体が直交流する直向流型の流動を示し、図1(b)で示す矢印は、両流体が向流する流動を示している。
【0005】
低温流体と高温流体との熱交換用のコア部が組み立てられると、各流体の出入口としてヘッダータンクがコア部の所要端面に溶接加工によって取り付けられ、熱交換器の外観を構成することになる。ヘッダータンクは板材及び管材を曲げ加工や成形加工を施して組みたてられるが、チューブプレート1に比べて板厚が厚く、剛性の高い部材である。
【0006】
ヘッダー溶接後には、引き続いて製品検査として非破壊検査、水圧検査、気密検査及び外観寸法検査等が行われ、所定の品質特性を具備することを確認した後、熱交換器の単体製品として出荷される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したプレートフィン型熱交換器の心臓部であるコア部4の組立に際して、チューブプレート1とフィン2との間やチューブプレート1とスペーサーバー3との間に、使用する材質に応じて組成が選定されたシート状または粉状のろう材が配される。積層組立されたコア部4は、雰囲気調整された加熱炉に装入され、加圧されながらろう材の融点まで加熱され、ろう付け処理が行われて一体に製造される。
【0008】
図2は、プレートフィン型熱交換器のコア部が積層組立されるときの構成を示す外観図である。前述の通り、コア部4は、チューブプレート、フィン及びスペーサーバーが積層に構成されており、ろう付け中にコア部4を加圧するため、コア部4を挟むように緊締手段5が設けられている。その後、図2に示す構成ままで、コア部4は雰囲気調整炉に装入される。
【0009】
雰囲気調整炉でのコア部のろう付け条件は、材質やろう材の組み合わせによって異なるが、通常、アルミニウム製のフィンでは真空度3.0×10−3Pa、温度570〜600℃であり、ステンレス鋼製のフィンでは真空度5×10−3Pa、温度1150〜1200℃である。このとき、コア部の締め付けが緩く加圧が不充分であると、チューブプレートとフィンとの間に密着不良を発生して、コア部の強度不足を生ずることになる。
【0010】
このため、プレートフィン型熱交換器のコア部の組立に際して、前記図2に示す緊締手段に加え、ウエイトを積載して荷重によってコア部を加圧したり、ピロー(空気マクラ)を装入して加圧した状態でろう付けを行っている。
【0011】
しかしながら、ウエイトを積載してその荷重によって加圧する方法では、ウエイトで消費される熱量が多くなるとともに、ウエイトを積載するコア部の容量が増大し、熱効率が著しく悪化することになる。
【0012】
一方、アルミニウム製のフィンでは真空雰囲気でのろう付けが必須となるが、ステンレス鋼製のフィンでは真空雰囲気でのろう付けが必須ではなく、不活性ガスで調整した大気圧雰囲気で処理することができる。このため、ピロー(空気マクラ)によって加圧する方法では、真空雰囲気でのろう付けに対応できるが、ステンレス鋼製のフィンのろう付けを大気圧雰囲気で処理する場合には、コア部の加圧手段として採用することができない。
【0013】
さらに、積層組立されたコア部を加圧する場合に、フィンの座屈強度は加熱温度によって変動し、常温時に比べ、高温になるとその強度は低下する。そのため、コア部の昇温にともなって圧下量を低減させるのが有効であるが、ウエイトを積載して加圧する方法では、コア部の昇温状況に応じて圧下量を調整するのは困難である。
【0014】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、プレートフィン型熱交換器のコア部の積層組立に際して、過大な熱容量を必要とせず、フィンの密着不良を発生することなく、コア部の強度が十分に確保することができる、プレートフィン型熱交換器のろう付け方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)及び(2)のプレートフィン型熱交換器のろう付け方法を要旨としている。
(1) プレートフィン型熱交換器のコア部をチューブプレートとフィンを交互に積層してろう付けで一体に組み立てるに際し、前記コア部の加圧手段をコア部の全長または全幅を挟んで緊締する手段とこの緊締手段に張力を負荷する板バネで構成し、緊締手段を前記フィンと同じ材質とし、板バネは前記フィンより線膨張係数が小さな素材で構成したことを特徴とするプレートフィン型熱交換器のろう付け方法である。
(2) 上記(1)のプレートフィン型熱交換器のろう付け方法では、コア部に積層されるフィンがオーステナイト系ステンレス鋼で構成され、フィンのろう付けが1150〜1200℃に加熱して処理されるのが望ましい。さらに、板バネとして耐熱性炭素複合材を用いるのが望ましい。
【0016】
本発明で規定する耐熱性炭素複合材は、優れた強度特性を持つ炭素繊維と炭素マトリックスからなる高温下で強度低下のない耐熱性を有する炭素繊維強化材料であり、例えば、CCコンポジットを採用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のろう付け方法が対象とするプレートフィン型熱交換器は、チューブプレート、フィン及びサイドバーを用いて、少なくとも2流体が流動する流体通路を積層したコア部の構成であれば、用途に応じて慣用されているいずれの材料、構成であっても採用できる。以下、本発明のプレートフィン型熱交換器のろう付け方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図3は、本発明のろう付け方法が適用されるコア部の加圧装置の構成を説明する平面図である。積層組立されたコア部4は、上板8及び底板9の間に保持され、ろう付け時には一定の圧力が加えられる。加圧手段としては、コア部4の全長または全幅を挟んで圧下する緊締手段5と、この緊締手段5に張力を負荷する板バネ6で構成されている。
【0019】
図3に示す緊締手段5としてタイバー5aが用いられており、一端を底板9に固定支持され、他端を板バネ6を通してナット5bで締結している。板バネ6は支点板7を支点として、タイバー5aに張力を負荷する構造であるから、タイバー5aをナット5bで緊締すると、コア部4に所定の圧下力が負荷されることになる。
【0020】
通常、炭素材は高温強度を有することから、上記の加圧装置のうち支点板7、上板8及び底板9は炭素材が用いられる。コア部4が炭素材との溶融反応を防止するため、コア部4と上板8及び底板9の間にアルミシートを装入するのが望ましい。
【0021】
前述の通り、コア部を構成するフィンの座屈強度は加熱温度によって変動するため、高温でろう付けする場合には、コア部への加圧を低減する必要がある。このため、本発明のろう付け方法では、タイバー5aはフィンと同材質とし、板バネ6はフィンより線膨張係数が小さな素材で構成している。
【0022】
このように構成することによって、タイバー5aと板バネ6、支点板7、上板8及び底板9との熱膨張差によって、板バネ6の張力をそれ程低減させることなく、高温下におけるコア部への加圧を低減することができる。すなわち、雰囲気の温度上昇とともに、タイバーの熱膨張を利用して締め付け力を低下させ、高温におけるコア部内に積層されたフィンの座屈を防止するようにしている。
【0023】
本発明のろう付け方法は、ステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器に適用するのが望ましい。ろう付け条件が真空雰囲気に限定されず、大気雰囲気でも適用可能であり、広範囲に採用できるからである。フィン母材としては、JISで規定するSUS304、SUS304L、SUS316、SUS316L、SUS321及びSUS310S等オーステナイト系ステンレス鋼が望ましい。高温強度の確保が容易であるため、熱交換器の設計圧力及び設計温度を広範囲にできる。
【0024】
ステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器では、ろう材としては、ニッケルろう、銀ろう、銅ろう、パラジウムろう等の使用が可能である。ろう付け条件としては、真空度は5×10−3Pa〜大気圧で、加熱温度は1150〜1200℃とすることができる。
【0025】
本発明がステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器を対象とする場合には、上記板バネを炭素繊維と炭素マトリックスから構成される耐熱性炭素複合材、例えば、CCコンポジットで構成するのが望ましい。後述する実施例で示すように、フィン母材であるステンレス鋼(オーステナイト系)と最適な線膨張係数差を有するとともに、ヤング率も3000〜4500kgf/mm2と低い値であり、ろう付け処理の間、安定した張力をタイバーに負荷し続けることができる。
【0026】
【実施例】
図1に示すステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器のコア部を、図3に示す圧下装置を用いて製造した。使用したフィンはSUS304製のコルゲートフィンであり、その線膨張係数は1.96×10−5/℃であった。圧下装置のうちタイバーは、フィンと同材質のSUS304製とし、板バネは線膨張係数が8.4×10−6/℃であるCCコンポジットとした。
【0027】
ろう材は市販のニッケルろうを用いて、ろう付け条件は5×10−3Paの真空雰囲気と大気雰囲気とし、温度1180℃で60分保持し、コア部の積層一体化を図った。得られたプレートフィン型熱交換器を非破壊検査、水圧検査及び気密検査を行ったが、フィンの密着不良は見られなかった。さらに、試験操業を行ったが、本発明のろう付け法で製造されたプレートフィン型熱交換器は、安定した運転が可能であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明のろう付け方法によれば、プレートフィン型熱交換器のコア部を積層させ一体に組み立てるに際して、過大な熱容量を必要とせず、フィンの密着不良を発生することなく、コア部の強度が十分に確保することができる。これにより、さらに小型軽量で熱交換効率に優れた熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレートフィン型熱交換器のコア部の構成を説明する図であり、同(a)はコア部の分解斜視図であり、同(b)はコア部の組立斜視図である。
【図2】プレートフィン型熱交換器のコア部が積層組立されるときの構成を示す外観図である。
【図3】本発明のろう付け方法が適用されるコア部の加圧装置の構成を説明する平面図である。
【符号の説明】
1:チューブプレート、 2:フィン
3:スペーサーバー、 4:コア部
5:緊締手段、 5a:タイバー
5b:ナット、 6:板バネ
7:支持板、 8:上板
9:底板
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレートフィン型熱交換器のろう付け方法の改善に関し、さらに詳しくは、ステンレス鋼を使用したプレートフィンの積層組立体(以下、「コア部」という)の組立を効率的に行うことができるプレートフィン型熱交換器のろう付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
広い技術分野の産業機器用として、ガスまたは液体を加熱して所定の温度に昇温させる加熱器に各種の熱交換器が採用されている。特に、小型軽量で熱交換効率に優れる熱交換器として、化学プラントや燃料電池発電プラント等におけるステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器や、低温工業用プラントにおけるアルミニウム製のプレートフィン型熱交換器などが多用されている。
【0003】
図1はプレートフィン型熱交換器におけるコア部の構成を説明する図であり、同(a)はコア部の分解斜視図、同(b)はコア部の組立斜視図である。熱交換器の心臓部であるコア部4は、低温流体通路と高温流体通路を仕切る板状のチューブプレート1と、伝熱促進用のコルゲート型や各種の形状からなるフィン2が交互に積層され、また、チューブプレート1同士の間隔を保ち、流路を密封するためのスペーサーバー3が両側面に並べられた基本構造で構成されている。
【0004】
低温流体と高温流体のコア部内の流動方法は、基本的には向流型と直向流型に区分されるが、これらを組み合わせて種々の流動方法が構成される。図1(a)で示す矢印は、低温流体と高温流体が直交流する直向流型の流動を示し、図1(b)で示す矢印は、両流体が向流する流動を示している。
【0005】
低温流体と高温流体との熱交換用のコア部が組み立てられると、各流体の出入口としてヘッダータンクがコア部の所要端面に溶接加工によって取り付けられ、熱交換器の外観を構成することになる。ヘッダータンクは板材及び管材を曲げ加工や成形加工を施して組みたてられるが、チューブプレート1に比べて板厚が厚く、剛性の高い部材である。
【0006】
ヘッダー溶接後には、引き続いて製品検査として非破壊検査、水圧検査、気密検査及び外観寸法検査等が行われ、所定の品質特性を具備することを確認した後、熱交換器の単体製品として出荷される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したプレートフィン型熱交換器の心臓部であるコア部4の組立に際して、チューブプレート1とフィン2との間やチューブプレート1とスペーサーバー3との間に、使用する材質に応じて組成が選定されたシート状または粉状のろう材が配される。積層組立されたコア部4は、雰囲気調整された加熱炉に装入され、加圧されながらろう材の融点まで加熱され、ろう付け処理が行われて一体に製造される。
【0008】
図2は、プレートフィン型熱交換器のコア部が積層組立されるときの構成を示す外観図である。前述の通り、コア部4は、チューブプレート、フィン及びスペーサーバーが積層に構成されており、ろう付け中にコア部4を加圧するため、コア部4を挟むように緊締手段5が設けられている。その後、図2に示す構成ままで、コア部4は雰囲気調整炉に装入される。
【0009】
雰囲気調整炉でのコア部のろう付け条件は、材質やろう材の組み合わせによって異なるが、通常、アルミニウム製のフィンでは真空度3.0×10−3Pa、温度570〜600℃であり、ステンレス鋼製のフィンでは真空度5×10−3Pa、温度1150〜1200℃である。このとき、コア部の締め付けが緩く加圧が不充分であると、チューブプレートとフィンとの間に密着不良を発生して、コア部の強度不足を生ずることになる。
【0010】
このため、プレートフィン型熱交換器のコア部の組立に際して、前記図2に示す緊締手段に加え、ウエイトを積載して荷重によってコア部を加圧したり、ピロー(空気マクラ)を装入して加圧した状態でろう付けを行っている。
【0011】
しかしながら、ウエイトを積載してその荷重によって加圧する方法では、ウエイトで消費される熱量が多くなるとともに、ウエイトを積載するコア部の容量が増大し、熱効率が著しく悪化することになる。
【0012】
一方、アルミニウム製のフィンでは真空雰囲気でのろう付けが必須となるが、ステンレス鋼製のフィンでは真空雰囲気でのろう付けが必須ではなく、不活性ガスで調整した大気圧雰囲気で処理することができる。このため、ピロー(空気マクラ)によって加圧する方法では、真空雰囲気でのろう付けに対応できるが、ステンレス鋼製のフィンのろう付けを大気圧雰囲気で処理する場合には、コア部の加圧手段として採用することができない。
【0013】
さらに、積層組立されたコア部を加圧する場合に、フィンの座屈強度は加熱温度によって変動し、常温時に比べ、高温になるとその強度は低下する。そのため、コア部の昇温にともなって圧下量を低減させるのが有効であるが、ウエイトを積載して加圧する方法では、コア部の昇温状況に応じて圧下量を調整するのは困難である。
【0014】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、プレートフィン型熱交換器のコア部の積層組立に際して、過大な熱容量を必要とせず、フィンの密着不良を発生することなく、コア部の強度が十分に確保することができる、プレートフィン型熱交換器のろう付け方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)及び(2)のプレートフィン型熱交換器のろう付け方法を要旨としている。
(1) プレートフィン型熱交換器のコア部をチューブプレートとフィンを交互に積層してろう付けで一体に組み立てるに際し、前記コア部の加圧手段をコア部の全長または全幅を挟んで緊締する手段とこの緊締手段に張力を負荷する板バネで構成し、緊締手段を前記フィンと同じ材質とし、板バネは前記フィンより線膨張係数が小さな素材で構成したことを特徴とするプレートフィン型熱交換器のろう付け方法である。
(2) 上記(1)のプレートフィン型熱交換器のろう付け方法では、コア部に積層されるフィンがオーステナイト系ステンレス鋼で構成され、フィンのろう付けが1150〜1200℃に加熱して処理されるのが望ましい。さらに、板バネとして耐熱性炭素複合材を用いるのが望ましい。
【0016】
本発明で規定する耐熱性炭素複合材は、優れた強度特性を持つ炭素繊維と炭素マトリックスからなる高温下で強度低下のない耐熱性を有する炭素繊維強化材料であり、例えば、CCコンポジットを採用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のろう付け方法が対象とするプレートフィン型熱交換器は、チューブプレート、フィン及びサイドバーを用いて、少なくとも2流体が流動する流体通路を積層したコア部の構成であれば、用途に応じて慣用されているいずれの材料、構成であっても採用できる。以下、本発明のプレートフィン型熱交換器のろう付け方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図3は、本発明のろう付け方法が適用されるコア部の加圧装置の構成を説明する平面図である。積層組立されたコア部4は、上板8及び底板9の間に保持され、ろう付け時には一定の圧力が加えられる。加圧手段としては、コア部4の全長または全幅を挟んで圧下する緊締手段5と、この緊締手段5に張力を負荷する板バネ6で構成されている。
【0019】
図3に示す緊締手段5としてタイバー5aが用いられており、一端を底板9に固定支持され、他端を板バネ6を通してナット5bで締結している。板バネ6は支点板7を支点として、タイバー5aに張力を負荷する構造であるから、タイバー5aをナット5bで緊締すると、コア部4に所定の圧下力が負荷されることになる。
【0020】
通常、炭素材は高温強度を有することから、上記の加圧装置のうち支点板7、上板8及び底板9は炭素材が用いられる。コア部4が炭素材との溶融反応を防止するため、コア部4と上板8及び底板9の間にアルミシートを装入するのが望ましい。
【0021】
前述の通り、コア部を構成するフィンの座屈強度は加熱温度によって変動するため、高温でろう付けする場合には、コア部への加圧を低減する必要がある。このため、本発明のろう付け方法では、タイバー5aはフィンと同材質とし、板バネ6はフィンより線膨張係数が小さな素材で構成している。
【0022】
このように構成することによって、タイバー5aと板バネ6、支点板7、上板8及び底板9との熱膨張差によって、板バネ6の張力をそれ程低減させることなく、高温下におけるコア部への加圧を低減することができる。すなわち、雰囲気の温度上昇とともに、タイバーの熱膨張を利用して締め付け力を低下させ、高温におけるコア部内に積層されたフィンの座屈を防止するようにしている。
【0023】
本発明のろう付け方法は、ステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器に適用するのが望ましい。ろう付け条件が真空雰囲気に限定されず、大気雰囲気でも適用可能であり、広範囲に採用できるからである。フィン母材としては、JISで規定するSUS304、SUS304L、SUS316、SUS316L、SUS321及びSUS310S等オーステナイト系ステンレス鋼が望ましい。高温強度の確保が容易であるため、熱交換器の設計圧力及び設計温度を広範囲にできる。
【0024】
ステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器では、ろう材としては、ニッケルろう、銀ろう、銅ろう、パラジウムろう等の使用が可能である。ろう付け条件としては、真空度は5×10−3Pa〜大気圧で、加熱温度は1150〜1200℃とすることができる。
【0025】
本発明がステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器を対象とする場合には、上記板バネを炭素繊維と炭素マトリックスから構成される耐熱性炭素複合材、例えば、CCコンポジットで構成するのが望ましい。後述する実施例で示すように、フィン母材であるステンレス鋼(オーステナイト系)と最適な線膨張係数差を有するとともに、ヤング率も3000〜4500kgf/mm2と低い値であり、ろう付け処理の間、安定した張力をタイバーに負荷し続けることができる。
【0026】
【実施例】
図1に示すステンレス鋼製のプレートフィン型熱交換器のコア部を、図3に示す圧下装置を用いて製造した。使用したフィンはSUS304製のコルゲートフィンであり、その線膨張係数は1.96×10−5/℃であった。圧下装置のうちタイバーは、フィンと同材質のSUS304製とし、板バネは線膨張係数が8.4×10−6/℃であるCCコンポジットとした。
【0027】
ろう材は市販のニッケルろうを用いて、ろう付け条件は5×10−3Paの真空雰囲気と大気雰囲気とし、温度1180℃で60分保持し、コア部の積層一体化を図った。得られたプレートフィン型熱交換器を非破壊検査、水圧検査及び気密検査を行ったが、フィンの密着不良は見られなかった。さらに、試験操業を行ったが、本発明のろう付け法で製造されたプレートフィン型熱交換器は、安定した運転が可能であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明のろう付け方法によれば、プレートフィン型熱交換器のコア部を積層させ一体に組み立てるに際して、過大な熱容量を必要とせず、フィンの密着不良を発生することなく、コア部の強度が十分に確保することができる。これにより、さらに小型軽量で熱交換効率に優れた熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレートフィン型熱交換器のコア部の構成を説明する図であり、同(a)はコア部の分解斜視図であり、同(b)はコア部の組立斜視図である。
【図2】プレートフィン型熱交換器のコア部が積層組立されるときの構成を示す外観図である。
【図3】本発明のろう付け方法が適用されるコア部の加圧装置の構成を説明する平面図である。
【符号の説明】
1:チューブプレート、 2:フィン
3:スペーサーバー、 4:コア部
5:緊締手段、 5a:タイバー
5b:ナット、 6:板バネ
7:支持板、 8:上板
9:底板
Claims (3)
- プレートフィン型熱交換器の積層組立体(コア)をチューブプレートとフィンを交互に積層してろう付けで一体に組み立てるに際し、前記積層組立体の加圧手段を積層組立体(コア)の全長または全幅を挟んで緊締する手段とこの緊締手段に張力を負荷する板バネで構成し、緊締手段を前記フィンと同じ材質とし、板バネは前記フィンより線膨張係数が小さな素材で構成したことを特徴とするプレートフィン型熱交換器のろう付け方法。
- 上記積層組立体(コア)に積層されるフィンがオーステナイト系ステンレス鋼で構成され、フィンのろう付けが1150〜1200℃に加熱して処理されることを特徴とする請求項1に記載のプレートフィン型熱交換器のろう付け方法。
- 上記板バネが耐熱性炭素複合材であることを特徴とする請求項1または2に記載のプレートフィン型熱交換器のろう付け方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002199937A JP2004042055A (ja) | 2002-07-09 | 2002-07-09 | プレートフィン型熱交換器のろう付け方法 |
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