JP2738398B2 - 切屑排出機構付き転削工具 - Google Patents
切屑排出機構付き転削工具Info
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Description
削材の平面加工に用いられる切屑排出機構付き転削工具
に関する。
イス等による切削の結果生成する切屑の誘導性を向上さ
せる目的で開発されたものである。以下、従来の切屑排
出機構付き転削工具としてスローアウェイ式正面フライ
スの一例を取り上げ、この正面フライスについて、図2
および図3とともに説明する。
体である。この工具本体1は一端に小径部が形成された
円筒状をなし、その先端部外周には、工具本体1の先端
および径方向外方に開放された複数個のチップ取付座2
が、周方向に沿って等間隔に形成されている。
プ(以下、チップと略称する)3がクランプ機構4によ
り着脱可能に固定されている。更に、チップ3の工具本
体1の先端から突出する一辺には正面切刃3aが、ま
た、工具本体1の外周面先端に突出する一辺には外周切
刃3bがそれぞれ設けられている。
削回転方向前方は、工具本体1の先端および径方向外方
に向けそれぞれ円弧状に切り欠かれ、チップポケット5
を形成している。更に、上記工具本体1の先端には、上
記各切刃3a、3bによって生成された切屑を後述の切
屑排出空間に誘導排出するための切屑案内部材6が埋め
込まれ、皿小ネジ7により固定されている。この切屑案
内部材6は、平板環状をなし、その外周には上記チップ
3と同数の鈎形片6aが円周方向に等間隔に形成されて
いる。
孔である。この取付孔8には、工具本体1の前記小径側
から挿入されたアーバ9の軸部9aが嵌合され、軸部9
aには工具本体1をアーバ9に固定する締め付けボルト
10が螺合されている。一方、アーバ9の軸部9aの後
端部には大径軸部9bが形成され、この大径軸部9bに
はベアリング11が固定されている。このベアリング1
1の外輪には円筒状の切屑収納体固定部(以下、「固定
部」と称する)12aの上端部が嵌装されているととも
に、固定部12aは、ベアリング11外輪に固定された
カバー19にボルト20で固定され、工具本体1に対し
て相対回転可能となっている。
収納体可動部(以下、「可動部」と称する)12bが、
下方から固定部12aの内周面に沿って上下に摺動可能
に挿入され、可動部12bの先端が、チップ3の外周切
刃3bの切込み量より軸方向に後退する位置で、締め付
けネジ13により固定部12aに固定されている。更
に、前記先端部分の内周面は、上記外周切刃3bの旋回
径よりわずかに大きい程度に狭められている。
り、工具本体1および外周切刃3bを上方から覆う切屑
収納体12を形成し、この切屑収納体12の内周面と前
記工具本体1小径部の外周面との間には、チップポケッ
ト5により誘導された切屑を収納する切屑排出空間14
が形成されている。また、切屑収納体12にはその側面
を貫通する貫通孔15(排出口)が形成され、貫通孔1
5には連結パイプ16の一端が嵌合している。更に、連
結パイプ16の他端にはダクトホース17の一端が嵌合
するとともに、ダクトホース17の他端は切屑排出空間
14内の空気を吸引排出する吸引機(図示せず)に接続
されている。
テーパシャンク9cが設けられ、このテーパシャンク9
cに工作機械の主軸18を固定することにより、工具本
体1が前記工作機械に装着される。
削材の平面加工を行う場合には、まず、図2に示すよう
に、工具本体1を前記工作機械に装着した後、前記被削
材を、その被加工面が主軸18の軸線と直交するように
作業台上に固定し、主軸18または前記作業台を主軸1
8の軸線方向に移動させて前記被削材の表面に切込みを
与えるとともに、主軸18または前記作業台を主軸18
の軸線と直交する方向に移動させる。その結果、正面切
刃3aおよび外周切刃3bにより前記被削材の表面が切
削される。
い面と切屑案内部材6の鈎形片6a端面との隙間部分に
誘導されてチップポケット5に排出され、チップポケッ
ト5を介して切屑排出空間14に誘導され、更に連結パ
イプ16およびダクトホース17を介して前記吸引機内
に吸引、回収される。
切屑排出機構付き転削工具において、可動部12bの上
下位置を決定する場合には、予め工具本体1を前記工作
機械に装着した後、締め付けネジ13を緩め、可動部1
2bの先端と外周切刃3bの先端との高さの差が次回切
削時における外周切刃3bの切込み量以上となるよう可
動部12bの上下位置を調節し、更に締め付けネジ13
を締めて可動部12bを固定部12aに固定する方法が
採られていた。
が、可動部12bの先端と外周切刃3bの先端との高さ
の差を誤って外周切刃3bの切込み量より小さく設定し
てしまうおそれがあり、このような場合には、可動部1
2bの先端が加工中前記被削材に対して干渉し、前記被
削材の加工面に欠陥が生じることがあった。しかも、使
用する外周切刃3bの切込み量に応じてその都度可動部
12bの上下位置を調節しなければならないため、調節
作業が煩雑であるという問題もあった。
を高めるには、可動部12b先端の内周と工具本体1の
外周との距離は可能な限り小さいことが望ましい。しか
しながら、可動部12b先端の内周と工具本体1に取り
付けられたチップ3とのクリアランスが小さくなるた
め、工具本体1を切屑収納体12から取り外さなければ
チップ3の交換ができない他、工具本体1を切屑収納体
12から取り外す際に、チップ3が可動部12bの先端
に接触して破損することがあった。本発明は、このよう
な実情に鑑みて、切込み量の変化に関わらず切屑収納体
の位置調整を行う必要がなく、チップ交換の容易な切屑
排出機構付き転削工具を提供することを目的とする。
回転する工具本体と、この工具本体の先端外周部に前記
工具本体の先端から突出して設けられたスローアウェイ
チップとを有し、前記工具本体を切屑収納体で覆い、こ
の切屑収納体の内周面と前記工具本体との間に切屑排出
空間を形成するとともに、前記切屑収納体には前記切屑
排出空間に連通する排出口が設けられた切屑排出機構付
き転削工具において、 前記工具本体の先端には前記工具
本体の径方向外方に突出して切屑を前記切屑排出空間に
誘導する切屑案内部が設けられ、しかも前記スローアウ
ェイチップの先端と前記切屑収納体の先端との高さの差
が、前記スローアウェイチップの最大切込み量以上で、
かつ前記スローアウェイチップの先端と前記工具本体の
径方向外方に突出した前記切屑案内部の上端との高さの
差が、前記スローアウェイチップの先端と前記切屑収納
体の先端との高さの差以上とされていることを特徴とす
るものである。
距離の部位が前記スローアウェイチップの軸線からの最
大距離以上とされ、かつ前記切屑収納体の先端は前記切
屑案内部の前記最大距離の部位より前記軸線からの距離
が大きいようにしてもよい。
ては、チップの先端と切屑収納体の先端との高さの差
が、前記チップの最大切込み量以上とされているので、
前記チップの切込み量に応じてその都度前記切屑収納体
の先端の位置を調節する必要がない。
本体の基端側に前記切屑収納体の先端が位置するため、
前記工具本体を前記切屑収納体に取り付けたままでも前
記チップの交換が可能である。
離の部位がスローアウェイチップの軸線からの距離以上
とされ、かつ切屑がこの切屑案内部に沿って前記切屑排
出空間に誘導されるため、切屑の誘導性を低下させず
に、前記切屑収納体の内周と前記工具本体に取り付けら
れた前記チップとのクリアランスを大きくすることがで
きる。
スローアウェイ式正面フライスの一例を取り上げ、この
正面フライスについて、図1に基づき説明する。なお、
本発明は、切屑排出機構付き転削工具のうち、特に工具
本体および切屑収納体の先端部における改良に関するも
のであるため、その他の部分については従来技術と同様
であるから説明を省略する。
の工具本体1は、上記従来の正面フライスと同様小径部
を有する円筒体で、その先端部外周には、チップ取付座
2とチップポケット(図示せず)が円周方向に沿って複
数個形成され、チップ取付座2には、正面切刃3a及び
外周切刃3bを備えたチップ3がクランプ機構(図示せ
ず)によって、所定位置に着脱自在に固定されている。
具本体1および外周切刃3bを覆う薄肉の中空円筒体
で、その内径は、切屑収納体12の内周面と前記工具本
体1小径部の外周面との間に、後述する切屑案内板21
によって誘導された切屑を収納するに十分な容積の切屑
排出空間14が形成される程度とされている。更に切屑
収納体12の先端部は先端方向に向けて漸次縮径されて
いる。
刃3a、3bによって生成された切屑を切屑排出空間1
4に誘導排出するための切屑案内板21(切屑案内部)
が、その表面をチップ3の先端より軸方向にわずかに後
退させて埋め込まれている。切屑案内板21は平板状L
字状をなし、その一端21aは工具本体1の先端面から
径方向外方、すなわち切屑排出空間14内に突出してい
る。
外周切刃3bの先端と切屑収納体12の先端との高さの
差Bが、外周切刃3bの最大切込み量C以上で、かつ外
周切刃3bの先端と切屑案内板の一端21aとの高さの
差Aが、前記高さの差B以上とされている。すなわち、
A≧B≧Cなる関係が成立している。
て、切屑案内板21の軸線Oからの最大距離、すなわち
切屑案内板の一端21aの軸線Oからの距離が工具本体
1に取り付けられたチップ3の軸線Oからの最大距離以
上で、かつ切屑収納体12先端の内径が切屑案内板21
の軸線Oからの最大距離より大きく設定されている。す
なわち、回転時における工具本体1に取り付けられたチ
ップ3の最大径の位置と切屑案内板21の最大径の位置
との距離をD、工具本体1に取り付けられたチップ3の
最大径の位置と切屑収納体12先端の内周面との距離を
Eとすると、0≦D<Eなる関係が成立している。
削材(図示せず)の平面加工を行った場合、切削に伴い
切刃3a,3bにより前記被削材表面から引き剥がされ
た切屑は、切屑案内板21の作用により前記チップポケ
ット内に誘導される。そして、工具本体1の切削回転に
伴う遠心力により切屑案内板21の上面を径方向外方に
移動し、切屑案内板の一端21aから切屑排出空間14
に排出される。ここで、切屑排出空間14内の空気は、
上記従来の切屑排出機構付き正面フライスと同様図示し
ない吸引機により吸引されているため、切屑排出空間1
4に排出された切屑は、空気とともに前記吸引機内に吸
引、回収される。
への切屑の落下が防止され、前記被削材の表面における
切屑の堆積や、前記工作機械上や機械周辺における切屑
の飛散に伴う、切刃3の欠損や加工面の平滑度および加
工精度の低下が防止される。
周切刃3bの先端と切屑収納体12の先端との高さの差
Bが、外周切刃3bの最大切込み量C以上とされ、かつ
外周切刃3bの先端と切屑案内板の一端21aとの高さ
の差Aが、前記の差B以上とされているため、外周切刃
3bの切込み量に応じて切屑収納体12先端の高さを調
節する必要がない。
み量より小さく設定されることは構造上起こり得ず、そ
の結果、前記被削材と切屑収納体12先端との干渉に伴
い加工面に欠陥が生じることもない。しかも、切屑収納
体12先端の位置調節に要する手間が省かれる。また、
チップ3の最大切込み量より切屑収納体12の先端の方
が上方(基端側)に位置するため、工具本体1を切屑収
納体12に取り付けたままでもチップ3の交換が可能で
ある。
内板21の最大径がチップ3の最大径以上で、かつ切屑
が工具本体1から切屑案内板21に沿って切屑排出空間
14に誘導されるため、切屑の誘導性を低下させずに、
切屑収納体12の内周と工具本体1に取り付けられたチ
ップ3とのクリアランスを大きくすることができる。そ
の結果、工具本体1を切屑収納体12から取り外す際、
工具本体1に取り付けられたチップ3が切屑収納体12
の先端にぶつかりにくくなるという効果もある。
ウェイ式正面フライス工具について説明したが、本発明
の転削工具はこれに限るものではなく、超硬チップを工
具本体にロウ付けした一体型の正面フライス工具や、シ
ェルエンドミルにも十分適用可能なものである。
機構付き転削工具においては、チップの切込み量に応じ
て切屑収納体先端の位置を調節する必要がない。従っ
て、被削材と前記切屑収納体先端との干渉に伴う加工面
における欠陥の発生が防止されるとともに、前記切屑収
納体先端の位置調節に要する手間が省かれる。また、前
記 チップの最大切込み量よりも前記切屑収納体の先端の
方が上方に位置するため、工具本体を前記切屑収納体に
取り付けたままでも前記チップを交換することができ
る。
切屑収納体の内周と前記工具本体に取り付けられた前記
チップとのクリアランスを大きくすることが可能である
ため、前記工具本体を前記切屑収納体から取り外す際、
前記工具本体に取り付けられた前記チップと前記切屑収
納体の先端との接触が防止される。
図である。
る。
内板の最大径との距離 E 回転する工具本体におけるチップの最大径と切屑収
納体先端の内周面との距離
Claims (2)
- 【請求項1】 軸線を中心に回転する工具本体と、この
工具本体の先端外周部に前記工具本体の先端から突出し
て設けられたスローアウェイチップとを有し、前記工具
本体を切屑収納体で覆い、この切屑収納体の内周面と前
記工具本体との間に切屑排出空間を形成するとともに、
前記切屑収納体には前記切屑排出空間に連通する排出口
が設けられた切屑排出機構付き転削工具において、 前記工具本体の先端には前記工具本体の径方向外方に突
出して切屑を前記切屑排出空間に誘導する切屑案内部が
設けられ、しかも前記スローアウェイチップの先端と前
記切屑収納体の先端との高さの差が、前記スローアウェ
イチップの最大切込み量以上で、かつ前記スローアウェ
イチップの先端と前記工具本体の径方向外方に突出した
前記切屑案内部の上端との高さの差が、前記スローアウ
ェイチップの先端と前記切屑収納体の先端との高さの差
以上とされていることを特徴とする切屑排出機構付き転
削工具。 - 【請求項2】 前記切屑案内部の前記軸線から最大距離
の部位が前記スローアウェイチップの軸線からの最大距
離以上とされ、かつ前記切屑収納体の先端は前記切屑案
内部の前記最大距離の部位より前記軸線からの距離が大
きいことを特徴とする請求項1記載の切屑排出機構付き
転削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9257397A JP2738398B2 (ja) | 1997-04-10 | 1997-04-10 | 切屑排出機構付き転削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9257397A JP2738398B2 (ja) | 1997-04-10 | 1997-04-10 | 切屑排出機構付き転削工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1029129A JPH1029129A (ja) | 1998-02-03 |
JP2738398B2 true JP2738398B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=14058180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9257397A Expired - Lifetime JP2738398B2 (ja) | 1997-04-10 | 1997-04-10 | 切屑排出機構付き転削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2738398B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5689893B2 (ja) * | 2010-10-27 | 2015-03-25 | 富士重工業株式会社 | 切削工具用カバー、切削用ホルダ及び切削装置 |
-
1997
- 1997-04-10 JP JP9257397A patent/JP2738398B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1029129A (ja) | 1998-02-03 |
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