JP2762994B2 - 切り屑排出機構付き転削工具 - Google Patents

切り屑排出機構付き転削工具

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JP2762994B2
JP2762994B2 JP8309769A JP30976996A JP2762994B2 JP 2762994 B2 JP2762994 B2 JP 2762994B2 JP 8309769 A JP8309769 A JP 8309769A JP 30976996 A JP30976996 A JP 30976996A JP 2762994 B2 JP2762994 B2 JP 2762994B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正面フライス等被
削材の平面加工に用いられる切り屑排出機構付き転削工
具に係り、特に、切削の結果生成する切り屑の排除性が
改良された切り屑排出機構付き転削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】切り屑排出機構付き転削工具は、正面フ
ライス等における切削の結果生成する切り屑の排除性を
向上させる目的で開発されたものである。以下、従来の
切り屑排出機構付き転削工具としてスローアウェイ式正
面フライスの一例を取り上げ、この正面フライスについ
て、図5および図6とともに説明する。
【0003】図5および図6において、符号1は工具本
体である。この工具本体1は一端に小径部が形成された
円筒状をなし、その先端部外周には、工具本体1の先端
および径方向外方に開放された複数個のチップ取付座2
が、周方向に沿って等間隔に形成されている。
【0004】チップ取付座2には、スローアウェイチッ
プ(以下、チップと略称する)3がクランプ機構4によ
り着脱自在に固定されている。更に、チップ3の工具本
体1の先端面から突出する一辺には正面切刃3aが、ま
た、工具本体1の外周面先端に突出する一辺には外周切
刃3bがそれぞれ設けられている。
【0005】また、図6に示すように、工具本体1の切
削回転方向前方は、工具本体1の先端および径方向外方
に向けそれぞれ円弧状に切り欠かれ、チップポケット5
を形成している。更に、上記工具本体1の先端面には、
上記各切刃3a、3bによって生成された切り屑を後述
の切り屑排出空間に誘導排出するための切り屑案内部材
6が埋め込まれ、皿小ネジ7により固定されている。こ
の切り屑案内部材6は、平板環状をなし、その外周には
上記チップ3と同数の鈎形片6aが円周方向に等間隔に
形成されている。
【0006】符号8は工具本体1の軸線を貫通する取付
孔である。この取付孔8には、工具本体1の前記小径側
から挿入されたアーバ9の軸部9aが嵌合され、更に、
工具本体1は締め付けボルト10により、アーバ9に固
定されている。また、アーバ9の軸部9aの後端部には
大径軸部9bが形成されており、この大径軸部9bには
ベアリング11が固定され、このベアリング11の外輪
には切り屑収納体12が嵌装されている。そして、切り
屑収納体12は、ベアリング11外輪に固定されたカバ
ー13とボルト14により結合され、工具本体1の軸線
を中心に回転自在となっている。
【0007】この切り屑収納体12は工具本体1および
外周切刃3bを覆う薄肉の中空円筒体で、切り屑収納体
12の内周面と前記工具本体1小径部の外周面との間に
は、チップポケット5により誘導された切り屑を収納す
る切り屑排出空間15が形成されている。更に、切り屑
収納体12の外周面には貫通孔12aが形成され、貫通
孔12aには連結パイプ16の一端が嵌合している。そ
して、連結パイプ16の他端にはダクトホース17の一
端が嵌合するとともに、ダクトホース17の他端は切り
屑排出空間15内の空気を吸引排出する吸引機(図示せ
ず)に接続されている。
【0008】一方、アーバ9の軸部9aと反対の側には
テーパシャンク9cが設けられ、このテーパシャンク9
cに工作機械の主軸18を固定することにより、工具本
体1が前記工作機械に装着される。
【0009】次に、上記構成を有する正面フライスを用
いた被削材Wの平面加工について以下に述べる。図5に
示すように、工具本体1を前記工作機械に装着した後、
被削材Wを、その被加工面が主軸18の軸線と直交する
ように作業台(図示せず)上に固定し、主軸18または
前記作業台を主軸18の軸線方向に移動させて被削材W
の表面に切込みを与えるとともに、主軸18または前記
作業台を主軸18の軸線と直交する方向に移動させる。
その結果、正面切刃3aおよび外周切刃3bにより被削
材Wの表面が切削される。
【0010】切削に伴い生じた切り屑は、チップ3のす
くい面と切り屑案内部材6の鈎形片6a端面との隙間部
分に誘導されてチップポケット5に排出され、チップポ
ケット5を介して切り屑排出空間15に誘導され、更に
連結パイプ16およびダクトホース17を介して前記吸
引機内に吸引、回収される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】一般に、切り屑排出機
構付き転削工具においては、切り屑排出空間15内にお
ける吸引力は貫通孔12aから離れるに従い低下し、工
具本体1を挟んで貫通孔12aと対向する位置で最低と
なる。従って、前記吸引機の吸引力が低いと、排除され
ない切り屑が切り屑排出空間15内の工具本体1を挟ん
で貫通孔12aと対向する位置を中心に滞留する可能性
があった。特に、連結パイプ16と前記吸引機との距離
が長い場合にはその傾向が著しかった。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、特に切削排出空間15内
における切り屑の排除性に優れた切り屑排出機構付き転
削工具を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸線を中心と
して回転する工具本体と、この工具本体の先端外周部に
設けられた切刃チップとを有し、前記工具本体の外周面
を覆う切り屑収納体を配設し、この切り屑収納体の内周
面と前記工具本体との間に切り屑排出空間を形成した切
り屑排出機構付き転削工具において、切り屑収納体に貫
通孔が設けられ、切り屑排出空間の空気を前記貫通孔
を介して切り屑収納体外に排出する空気排出機構が複数
個直列に連結されていて、空気排出機構として、吸気口
と排気口とを有し、空気供給源から供給される空気の作
用により吸気口側の空気を排気口から排出するエアージ
ェットポンプを用いていることを特徴とする。
【0014】
【作用】この転削工具を用いて被削材の表面に平面加工
を施す場合、各切刃により生成された切り屑は、直列に
設けられた複数個のエアージェットポンプにより強制的
に切り屑収納空間内に吸引誘導され、かつ順次加速さ
れ、空気とともに貫通孔から切り屑収納体外に排出され
る。そのため、切り屑排出空間内の工具本体に対して貫
通孔と反対側の吸引力の働きにくい領域の切り屑をも確
実に吸引排出できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図4とともに、
本発明の一実施例について更に詳しく説明する。なお、
各図において図5および図6と同一の構成を有するもの
については、同一の符号を賦してその説明を省略する。
【0016】図1および図2において符号1は工具本体
である。この工具本体1は、上記従来の正面フライスと
同様小径部を有する円筒体で、その先端部外周には、チ
ップ取付座2とチップポケット5が円周方向に沿って複
数個形成され、チップ取付座2には、正面切刃3a及び
外周切刃3bを備えたチップ3が,楔部材4aと、クラ
ンプねじ4bとから成るクランプ機構4によって、所定
位置に着脱自在に固定されている。
【0017】更に、上記工具本体1の先端面には、上記
各切刃3a、3bによって生成された切り屑を後述の切
り屑排出空間に誘導排出するための切り屑案内部材6
が、その表面を上記正面切刃3aより軸方向にわずかに
後退させて埋め込まれ、皿小ネジ7により固定されてい
る。切り屑案内部材6の形状を図4に示す。切り屑案内
部材6は平板状をなし、その外周には上記チップ3と同
数の鈎形片6aが円周方向に等間隔に形成されている。
また、その外径は上記外周切刃3bの旋回径よりわずか
に小径とされ、工具本体1先端面に固定された場合に、
図1および図2に示すように、鈎形片6aの外周面が、
チップ3の外周切刃3bから工具本体1の半径方向内側
にわずかに後退して位置するようになっている。
【0018】この鈎形片6aは、図2および図3に示す
ように、上記工具本体1に固定された場合、チップポケ
ット5を覆って後記切り屑排出空間を閉塞させるととも
に、その曲がり方向の先端面6bと上記チップ3のすく
い面との間にわずかの隙間を生じさせ、各切刃3a,3
bにより被削材表面から引き剥がされた切り屑がチップ
ポケット5に誘導されるよう、その形状が定められてい
る。
【0019】そして、上記鈎形片6aの先端部分には、
図3および図4に示すように、鈎形片6aの曲がり方向
と切り屑案内部材6の取り付け面側に向けて開放された
溝部6cが形成され、チップ3のすくい面と鈎形片6a
の曲がり方向の先端面6bとの間の隙間部分の内側を拡
大させて、この隙間部分を通過する切り屑の詰まりを防
止している。
【0020】一方、工具本体1は、図1に示すように、
アーバ9の軸部9aを取り付け孔8を嵌合させ、工具本
体1の大径側端面より締め付けボルト10を上記アーバ
9の軸部9aの端面にねじ込むことにより、アーバ9と
同軸かつ一体的に固定されている。また、アーバ9の軸
部9aの反対側には、主軸18のテーパー穴18aと嵌
合させるためのテーパーシャンク9cが設けられ、この
テーパーシャンク9cの先端には、正面フライスと主軸
18とを強固に結合するための雌ねじ部(図示せず)が
形成されている。
【0021】更に、アーバ9の軸部9aの後端部には、
大径軸部9bが形成されており、この大径軸部9bには
止め輪19によりベアリング11が固定され、このベア
リング11の外輪には切り屑収納体12が嵌装されてい
る。そして、切り屑収納体12は、ベアリング11外輪
に反対側より嵌装されたカバー13と、ボルト14によ
り一体的に結合され、工具本体1と同軸上において相対
回転可能となっている。
【0022】この切り屑収納体12は、図1および図2
に示すように、工具本体1および外周切刃3bを覆う薄
肉の中空円筒体で、その内径は、切り屑収納体12の内
周面と前記工具本体1小径部の外周面との間に、チップ
ポケット5によって誘導された切り屑を収納するに十分
な容積の切り屑排出空間15が形成される程度とされて
いる。
【0023】しかも、上記ベアリング11近傍の内周面
は、工具本体1の小径部よりわずかに大きい程度に狭め
られ、その結果、切り屑排出空間15の密閉性およびベ
アリング11に対する防塵効果が高められている。ま
た、切り屑収納体12の先端面は、チップ3の外周切刃
3bの被削材に切り込まれる部分より軸方向にわずかに
後退し、かつこの先端部分の内周面は、上記外周切刃3
bの旋回径よりわずかに大きい程度に狭められている。
【0024】一方、上記切り屑収納体12外周面には貫
通孔12aが形成され、貫通孔12aには連結パイプ2
0が接続されている。そして、連結パイプ20のフラン
ジ部20aには上記切り屑排出空間12内の空気を吸引
排出する第一のエアージェットポンプ(空気排出機構)
22の吸気口22aが接続されている。
【0025】更に、第一のエアージェットポンプ22の
排気口22bには連結パイプ21が接続され、連結パイ
プ21のフランジ部21aには第一のエアージェットポ
ンプ22の排気を吸引排出する第二のエアージェットポ
ンプ(空気排出機構)の吸気口23aが接続されてい
る。また、第二のエアージェットポンプ23の排気口2
3bには、ダクトホース17の一端がはめ込まれてい
る。
【0026】このエアージェットポンプ22,23は、
円筒状をなす本体24に、その側壁部を周方向に一周す
る環状の空気室24aを設け、この空気室24aから本
体24の内周面先端側に向けてテーパー状をなす空気噴
出路24bを形成するとともに、前記内周面を空気噴出
路24bの開口部近傍にて最も縮径し、この開口部から
基端側および先端側に向けて徐々に拡径したもので、本
体24の基端部および先端部が、それぞれ前記吸気口2
2a,23aおよび排気口22b,23bとされてい
る。
【0027】また、空気室24aには給気口25が形成
され、給気口25にはニップル26が嵌入され、ニップ
ル26には、圧搾空気を供給する空気供給源(図示せ
ず)に接続されたエアーホース27の一端が、カップリ
ング28を介して接続されている。
【0028】次に、上記構成を有する正面フライスを用
い、被削材(図示せず)の平面加工を行う場合の手順に
ついて以下に述べる。まず、図1に示すように、アーバ
9のテーパーシャンク9cを主軸18のテーパー穴18
aに嵌合させた後、アーバ9を主軸18の軸線方向に引
き上げ、アーバ9を主軸キー18bを介して主軸18に
固定することにより、正面フライスを主軸18に装着す
る。
【0029】ついで、被削材をその被加工面が主軸18
の軸線と直交するように作業台(図示せず)上に固定す
る。そして、主軸18をその軸線回りに回転させ、主軸
18若しくは前記作業台を主軸18の軸線方向に移動さ
せて前記被削材表面に所定の切り込みを与えつつ、主軸
18若しくは前記作業台を主軸18の軸線と直交する方
向に移動させる。 一方、切削の開始とともに、前記空
気供給源からエアーホース27を介してエアージェット
ポンプ22,23に圧搾空気を供給する。
【0030】切削に伴い正面切刃3aにより前記被削材
表面から引き剥がされた切り屑は、切り屑案内部材6の
表面側より、チップ3のすくい面と切り屑案内部材6の
鈎形片6a端面との隙間部分に誘導されてチップポケッ
ト5に排出される。また、外周切刃3bにより前記被削
材表面から引き剥がされた切り屑は、切り屑案内部材6
の外周側より、チップ3すくい面と切り屑案内部材6の
鈎形片6a端面間の隙間部分に誘導されて、チップポケ
ット5内に排出される。
【0031】このように、チップポケット5内には新た
な切り屑が次々と排出され、チップポケット5により誘
導されて切り屑排出空間15に押し上げられる。ところ
で、エアージェットポンプ22,23においては、エア
ーホース27から供給された圧搾空気が空気室24aか
ら空気噴出路24bを介して本体24の先端側に高速で
噴出し、かつこの空気の噴出部が縮径されているので、
該噴出部の圧力が低下する。しかも、噴出する空気の慣
性力により本体24基端側の空気が引っ張られるため、
吸気口22a,23a側の空気が大量に吸引され、排気
口22b,23b側へと排出される。
【0032】その結果、本実施例の正面フライスにおい
ては、図1中に矢印で示すような、切り屑排出空間15
から貫通孔12aおよびエアージェットポンプ22,2
3を経て切り屑収納体12外へと向かう気流が形成され
る。しかも、エアージェットポンプ22,23が直列に
配置されているので、第一のエアージェットポンプ22
により吸引された空気は更に第二のエアージェットポン
プ23により加速され、大きな吸引力が得られる。従っ
て、切り屑排出空間15に誘導された切り屑は、これら
エアージェットポンプ22,23の作用により貫通孔1
2aへと強制的に吸引され、前記気流によりダクトホー
ス17内を搬送された後、空気とともに切り屑収納体1
2外に排出される。
【0033】一方、切り屑排出空間15内の空気がエア
ージェットポンプ22,23により吸引されるため、切
り屑排出空間21内の圧力は外気と比して陰圧となる。
その結果、切り屑収納体12先端部分の内周面と、工具
本体1外周面との間に形成された隙間から空気が切り屑
排出空間15内へと吹き込み、前記隙間からの前記被削
材表面や工作機械周辺への切り屑の落下が防止される。
【0034】その結果、前記被削材の表面における切り
屑の堆積や、前記工作機械上や機械周辺における切り屑
の飛散が積極的に防止され、従って、加工時の切刃欠損
や加工面悪化が発生せず、前記被削材や機械の熱変形に
よる精度劣化の心配もなく、切り屑の侵入による前記工
作機械の精度や寿命の低下も起こりえない。特に、第一
のエアージェットポンプ22により吸引された空気が第
二のエアージェットポンプ23により加速されるため、
ダクトホース26が多少長い場合でも、切り屑の搬送が
可能である。
【0035】しかも、前記空気排出機構23としてエア
ージェットポンプを用いたため、切り屑排出空間21内
の空気を大量に吸引できるという効果がある。また、エ
アージェットポンプにおいては単に空気を供給するだけ
で吸引力が発揮されるので簡単かつ安価に設置でき、か
つ回転機構がないので切り屑等の噛み込みによる故障が
なく、保守も容易である。
【0036】なお、本実施例においては、スローアウェ
イ式正面フライス工具について説明したが、本発明の転
削工具はこれに限るものではなく、超硬チップを工具本
体にロウ付けした一体型の正面フライス工具や、シェル
エンドミルにも十分適用可能なものである。
【0037】第一のエアージェットポンプ22と第二の
エアージェットポンプ23とを離間させ、両者間をダク
トホース17で連結した構成としてもよい。この場合、
ダクトホース17内に常時一定以上の気流が形成される
よう第一のエアージェットポンプ22と第二のエアージ
ェットポンプ23間の間隔を調節することにより、長距
離のダクトホース17内における切り屑の搬送が可能と
なっている。すなわち、切り屑はまず第一のエアージェ
ットポンプ22の作用により貫通孔12aへと強制的に
吸引されてダクトホース17に排出され、第二のエアー
ジェットポンプ23の作用により再度吸引されてダクト
ホース17内を第二のエアージェットポンプ23まで搬
送され、第二のエアージェットポンプ23の排気口23
b側へと排出される。この場合、排気口23bに更にダ
クトホース17を連結し、切り屑の搬送距離を更に延長
してもよい。
【0038】また、貫通孔12a,12bの開口位置
は、各切刃3a,3bによって生成された切り屑が、工
具本体1の遠心力によって飛散する位置とするのが最も
望ましい。更に、その個数も1箇所に限らず、複数箇所
に設ければより切り屑吸引効果を高めることが出来る。
【0039】更に、上記実施例においては、一つの貫通
孔12aに対しエアージェットポンプ22,23を2個
装着した場合について説明したが、エアージェットポン
プ22,23の個数を、ダクトホース17の長さおよび
エアージェットポンプ22,23の吸引力に応じてそれ
以上とすることももちろん可能である。また、ダクトホ
ース17の末端に集塵機を設け、エアージェットポンプ
22,23により搬送された切り屑を前記集塵機にて強
制的に吸引してもよい。尚、直列に接続された二つのエ
アージェットポンプ22,23はホースを介して接続さ
れていてもよい
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転削工具
によれば、加工時に切刃によって生成される切り屑は切
り屑排出空間に誘導排出された後、直列に接続された複
数個のエアージェットポンプにより、強制的に貫通孔か
ら切り屑収納体の外部に逐次排出される。特に複数個の
エアージェットポンプが直列に設けられているため、切
り屑は順次加速され、高い切り屑排除性が付与されると
共に長いダクトホースを接続しても切り屑の搬送が可能
になっている。従って、被削材表面や工作機械上、ある
いは工作機械周辺における切り屑の滞留や飛散がダクト
ホースの長短に係わらず防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例を示す工具の断面図であ
る。
【図2】 本発明の第一実施例を示す工具の底面図であ
る。
【図3】 本発明の第一実施例を示す工具刃先部分の拡
大図である。
【図4】 本発明における切り屑案内部材の平面図であ
る。
【図5】 従来の転削工具の一例を示す工具の断面図で
ある。
【図6】 従来の転削工具の一例を示す工具の底面図で
ある。
【符号の説明】
1 工具本体 2 チップ取付座 3 スローアウェイチップ(チップ) 3a 正面切刃 3b 外周切刃 4 クランプ機構 4a 楔部材 4b クランプねじ 5 チップポケット 6 切り屑案内部材 6a 鈎形片 6b 鈎形片の曲がり方向の先端面 6c 溝部 7 皿小ネジ 8 取付孔 9 アーバ 9a アーバの軸部 9b 大径軸部 9c テーパーシャンク 10 締め付けボルト 11 ベアリング 12 切り屑収納体 12a 貫通孔 13 カバー 14 ボルト 15 切り屑排出空間 16,20,21 連結パイプ 17 ダクトホース 18 主軸 18a テーパー穴 18b 主軸キー 19 止め輪 20a,21a フランジ部 22 第一のエアジェットポンプ(空気排出機構) 22a,23a 吸気口 22b,23b 排気口 23 第二のエアジェットポンプ(空気排出機構) 24 本体 24a 空気室 24b 空気噴出路 25 給気口 26 ニップル 27 エアーホース 28 カップリング W 被削材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 武史 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社 筑波製作所 内 (56)参考文献 特開 昭47−31278(JP,A) 特開 平3−79214(JP,A) 特公 昭51−10918(JP,B2) 特公 昭50−37431(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23Q 11/00 B23C 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線を中心として回転する工具本体と、
    この工具本体の先端外周部に設けられた切刃チップとを
    有し、前記工具本体の外周面を覆う切り屑収納体を配設
    し、この切り屑収納体の内周面と前記工具本体との間に
    切り屑排出空間を形成した切り屑排出機構付き転削工具
    において、 前記切り屑収納体に貫通孔が設けられ、前記切り屑排
    出空間の空気を前記貫通孔を介して前記切り屑収納体外
    に排出する空気排出機構が複数個直列に連結されてい
    て、 前記空気排出機構として、吸気口と排気口とを有し、空
    気供給源から供給される空気の作用により前記吸気口側
    の空気を前記排気口から排出するエアージェットポンプ
    を用いたことを特徴とする 切り屑排出機構付き転削工
    具。
JP8309769A 1996-11-20 1996-11-20 切り屑排出機構付き転削工具 Expired - Lifetime JP2762994B2 (ja)

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