JP2736428B2 - 超高弾性黒鉛繊維の製造方法 - Google Patents

超高弾性黒鉛繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超高弾性黒鉛繊維の新規な製造方法特にホウ
素処理を用いた黒鉛化方法に関するものである。
〔従来の技術〕
炭素繊維は比強度,比弾性に優れ、ゴルフシヤフト、
釣竿などのスポーツレジヤー分野や宇宙航空用途を主体
に軽量構造材としてその利用範囲の拡大には目覚しいも
のがある。特に2000℃以上の高温で焼成される黒鉛繊維
は弾性率が高く高弾性の求められる釣竿の穂先等に使用
されてそのメリツトは大きい。しかしながらさらに高い
弾性率を得るためには、より高温で焼成することが必要
であり、コストがかかることや焼成炉の寿命が低下する
等様々な問題点を有している。このような問題点を解決
するためにホウ素処理によつて弾性率を向上させること
が古くから提案されている。
特公昭47−50331号公報には、黒鉛るつぼに一旦ホウ
素を浸透させ、その中に炭素繊維を入れ、るつぼごと黒
鉛化する方法が例示されている。しかしながらこの方法
は処理能力に劣る点で工業的には不向きである。
特公昭48−9801号公報には原料繊維をホウ素化合物の
溶媒溶液に浸漬させた後、黒鉛化する方法が示されてい
るが、この方法では溶媒に不溶のホウ素化合物は使用で
きないこと、また弾性率の向上効果を持たせる量のホウ
素を含浸させるためには、長時間の浸漬時間を必要とす
る等の問題点が残されている。
また特開昭58−8126号公報にはメソ相ピツチ誘導繊維
をホウ素化合物と接触させ、2000〜2400℃で黒鉛化する
方法が示されているが、接触方法や用いるホウ素化合物
によつては弾性率向上効果が小さかつたり、引張強度の
低下等、他の物性に悪影響を及ぼすことがある。
また他にも原料繊維中にホウ素化合物の微粉末を混入
させる方法や、黒鉛化炉内にホウ素含有ガスを導入する
方法等も知られているが、やはり引張強度の低下や効果
不十分等の問題を有している。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は上記のような問題点を解決し、弾性率
向上効果が大きく連続的に短時間で処理が可能で、しか
も得られた黒鉛繊維の引張強度が良好であるホウ素処理
方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の要旨は黒鉛繊維用の原料炭素繊維を不活性雰
囲気中2000℃以上の処理温度でホウ素の存在下連続的に
黒鉛化して黒鉛繊維を製造するに際して、ホウ素あるい
は分子中に酸素を含まないホウ素化合物(以下、ホウ素
化合物等と略称する)の固体粉末と原料炭素繊維をホウ
素化合物等が実質的に溶融を起さない処理温度で直接接
触させながら同時に黒鉛化することにある。
従来の技術では繊維内に多量のホウ素を短時間に導入
することが不可能であるため弾性率の向上効果が小さ
く、この効果を高めるためには数十時間にも及ぶホウ素
導入処理が必要であり、実際上連続的な処理は不可能で
あつた。その点本発明では、直接ホウ素化合物等の粉末
を原料炭素繊維に接触させ同時に黒鉛化を行なうため短
時間で処理が行なえ、その効果も高い。また連続処理に
おいては焼成中に伸長も付与することができるため、さ
らに高弾性の黒鉛繊維を製造することが可能である。但
し、この場合分子中に酸素を含むホウ素化合物は黒鉛化
の際、繊維にダメージを与え引張強度を低下させたり、
あるいは極端な場合切断を引き起こすため、酸素を含ま
ない化合物を選択する必要がある。
また本発明では、繊維とホウ素化合物等の粉末を接触
させたまま高温にさらすため融点が処理温度以上の物質
を使用しなければ処理後の過剰のホウ素化合物等の除
去、回収が不可能となる。このような条件にあうものと
しては、ホウ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素等が挙げられ
る。中でも窒化ホウ素は融点が約3000℃であるため黒鉛
化温度を高くできる点、本発明に適した化合物であるホ
ウ素化合物等の固体粉末と原料炭素繊維を接触させなが
ら黒鉛化する方法としては相当量の粉末が付着すれば方
法を問わないが、具体的には以下のような方法が挙げら
れる。
まず第一にホウ素化合物等の固体粉末を分散させた
水、有機溶剤等の液体中に原料炭素繊維を浸漬させ付着
させた後該液体を蒸発させ、しかる後に黒鉛化する方法
である。この場合用いる液体は、水、アルコール等粉末
の分散性のよいものであればどのようなものでもよく、
ホウ素化合物等を溶解する必要はない。むしろ溶解させ
ると溶媒を蒸発する過程でホウ素化合物等が大粒子とし
て析出することがあり、かえつて好ましくない。また分
散させるホウ素化合物等の液体に対する割合は比較的高
い方が付着量を多くすることができ、具体的には10重量
%以上好ましくは20重量%以上がよい。さらに液体中に
粉末を均一に分散させるために分散液を撹拌したり、超
音波振動を与えたりすることも効果がある。
また原料炭素繊維を水、有機溶剤等の液体中に一旦浸
漬し該繊維を湿潤させた後、ホウ素化合物等の固体粉末
を付着させさらに該液体を蒸発させた後に黒鉛化する方
法も用いることができる。
用いる液体は次の工程でホウ素化合物等の粉末が効果
的に付着するような、ホウ素化合物等と親和性がよく、
比較的粘度の高いものがよい。また付着力を高めるため
粘着性物質を溶解したものを用いてもよい。またホウ素
化合物等の粉末を付着する方法としては湿潤した繊維を
直接粉末の中に導く方法やブロワー等で粉末を吹き上げ
その中を湿潤した繊維を走行させる方法等がある。これ
らの方法は繊維束全体に比較的均一にホウ素化合物等を
付着できるため効果的である。
また原料炭素繊維束を複数本横一列に配置し実質的に
シート状となし、該シート状原料炭素繊維上にホウ素化
合物等の固体粉末を堆積させ連続的に黒鉛化する方法も
用いることができる。この方法は水、有機溶剤等の液体
を用いる必要がない点簡便な方法である。原料炭素繊維
束をシート状とせず、それぞれの束を独立させ、その上
にホウ素化合物等の粉末を堆積させることも可能である
が、黒鉛化処理中にホウ素化合物等の粉末が炉内に落下
し大量に滞留すると繊維とのすれ等を引き起こし羽毛等
の原因になる。その点繊維束をシート状にすれば粉末の
落下を防止することができる。
上記処理方法は、実際には黒鉛化炉内を一度通過させ
れば良好な物性の黒鉛繊維を得ることができるが、一旦
黒鉛化炉を通過した後折り返してシート状繊維束の反対
面にホウ素化合物等の粉末を再び堆積させ、再度黒鉛化
炉内を通過させるとさらに均一な処理が施された黒鉛繊
維となすことができる。
本発明に基づく処理で使用されたホウ素化合物等の粉
末は処理後に回収され再度利用される。また、本発明に
基づく処理は排ガス中に含まれるホウ素濃度が比較的低
いため排ガス処理の面でも有利である。
本発明に用いられる原料炭素繊維はポリアクリロニト
リル、レーヨン、ピツチ等の前駆体を通常の方法で焼成
したものである。
本発明中の黒鉛化処理時間は、比較的短時間で効果が
あることに特徴があるが、処理時間を長くすればさらに
物性は向上する。具体的には1分以上、好ましくは3分
以上の処理時間が好適である。
〔実施例〕
以下実施例によつて本発明を具体的に説明する。スト
ランド強度と弾性率はJIS−R7601に記載の方法で測定し
た。
実施例1 弾性率30t/mm、フイラメント数12000本の炭素繊維束
を30重量%の窒化ホウ素粉末を含むエタノール分散液中
に浸漬した後、エタノールを蒸発させ引き続いて2400℃
の黒鉛化炉内に導入し3分間処理を行つた。得られた黒
鉛繊維のストランド強度は405kg/mm2、ストランド弾性
率は52.0t/mm2であつた。
実施例2 実施例1に用いたものと同じ炭素繊維束20錘を横一列
に配置し、実質的にシート状となし、その上に窒化ホウ
素粉末を堆積させ、引き続き2400℃の黒鉛化炉で3分間
処理を行つた。得られた黒鉛繊維のストランド強度は40
8kg/mm2、弾性率は51.9t/mm2であつた。
比較例1 実施例1に用いたものと同じ炭素繊維束をホウ素処理
することなく2400℃の黒鉛化炉で3分間処理を行つた。
得られた黒鉛繊維のストランド強度は390kg/mm2、弾性
率は43.0t/mm2であつた。
比較例2 実施例1で用いたものと同じ炭素繊維束をジボランを
含む雰囲気の黒鉛化炉中2400℃で3分間処理を行つた。
得られた黒鉛繊維のストランド強度は375kg/mm2、弾性
率は46.5t/mm2であつた。
比較例3 実施例1で用いたものと同じ炭素繊維束をガラス管に
巻き取り、2重量%のほう酸水溶液中に24時間浸漬した
後、乾燥し、2400℃の黒鉛化炉で3分間処理を行つた。
得られた黒鉛繊維のストランド強度は295kg/mm2、弾性
率は49.6t/mm2であつた。またこの繊維には多くの束切
れや毛羽がみられた。
実施例3 黒鉛化温度及び用いるホウ素あるいはホウ素化合物の
種類を変えた事以外は、実施例2と同じ条件で処理を行
つた。各条件及び黒鉛繊維の物性を表1に示した。
〔発明の効果〕 本発明に基づく処理を施すことによつて従来のホウ素
処理方法に比べて、極めて短時間で、高強度、高弾性の
黒鉛繊維を得ることが可能となる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料炭素繊維を不活性雰囲気中2000℃以上
    の処理温度でホウ素の存在下連続的に黒鉛化して黒鉛繊
    維を製造するに際してホウ素あるいは分子中に酸素を含
    まないホウ素化合物の固体粉末と原料炭素繊維を該ホウ
    素あるいはホウ素化合物が実質的に溶融を起こさない処
    理温度で直接接触させながら黒鉛化することを特徴とす
    る超高弾性黒鉛繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】ホウ素あるいはホウ素化合物の固体粉末を
    分散させた液体中に原料炭素繊維を浸漬させ付着させた
    後該液体を蒸発させ、しかる後に黒鉛化することを特徴
    とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】原料炭素繊維を液体中に一旦浸漬し該原料
    炭素繊維を湿潤させた後、ホウ素あるいはホウ素化合物
    の固体粉末を付着させさらに該液体を蒸発させた後に黒
    鉛化することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】原料炭素繊維束を複数本横一列に配置して
    シート状となし、該シート状原料炭素繊維上にホウ素あ
    るいはホウ素化合物の固体粉末を堆積させ連続的に黒鉛
    化することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】ホウ素化合物が窒化ホウ素であることを特
    徴とする請求項1記載の製造方法。
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