JP2736191B2 - 原子炉の緊急炉心冷却系 - Google Patents

原子炉の緊急炉心冷却系

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JP2736191B2
JP2736191B2 JP3247792A JP24779291A JP2736191B2 JP 2736191 B2 JP2736191 B2 JP 2736191B2 JP 3247792 A JP3247792 A JP 3247792A JP 24779291 A JP24779291 A JP 24779291A JP 2736191 B2 JP2736191 B2 JP 2736191B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉の緊急炉心冷却系
に係り、特に軽水炉の非常時の高圧炉心注水系として好
適な蒸気インジェクタを使用した原子炉緊急炉心冷却系
に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントでは万一の原子炉系
配管破断による冷却材の流出にそなえて非常用炉心冷却
系設備(ECCS)を設けている。この設備は各々独立
した多重の系統からなっており、事故の際は自動的に起
動するように構成されている。従来、非常用炉心冷却設
備における原子炉の緊急冷却系に蒸気インジェクタを組
み込んだものが知られている。
【0003】すなわち、図4に示したように原子炉格納
容器1内に蒸気インジェクタ2を設置し、その蒸気イン
ジェクタ2に給水ライン3と、蒸気ライン4と、冷却水
吐出ライン5を接続する。給水ライン3は給水用制御
6および給水用弁7を通って原子炉格納容器1外に設
置した冷却用給水タンク8に接続し、蒸気ライン4は蒸
気供給用制御弁9を介して主蒸気ライン10に接続し、冷
却水吐出ライン5は吐出用逆止弁11を通して主給水管12
に接続し、この主給水管12を介して原子炉格納容器1内
に格納した原子炉圧力容器12に接続している。なお、図
中、符号14は炉心、15は圧力抑制プール、16は隔離冷却
プールをそれぞれ示している。蒸気インジェクタ2はた
とえば図5に示したような構造になっているものであ
る。
【0004】すなわち、図5に示した蒸気インジェクタ
は蒸気供給口21を有するケーシング22にニードル弁23
を有する蒸気噴出ノズル24を設け、この蒸気噴出ノズル
24に水吸込口25を隣接している。この蒸気噴出ノズル24
の下流側に蒸気・水混合ノズル26および昇圧用デフェー
ザ27を配設し、逆止弁28を介して吐出口29に連通してい
る。蒸気・水混合ノズル26のスロート部30には、オーバ
ーフロー配水管31に連通するオーバーフロー排水口32が
開口している。
【0005】そして、例えばニードル弁23をハンドル33
により蒸気噴出ノズル24から引き抜き、蒸気供給口21か
ら供給された蒸気が蒸気噴出ノズル24から噴出すると、
水吸込口25から吸い込まれる供給水(供給蒸気の飽和温
度よりも約70℃低い水温)により蒸気が凝縮されながら
蒸気・水混合ノズル26に流入し、スロート部30で高速水
流となる。つまり、スロート部30で駆動蒸気圧よりも高
く昇圧された高速水流となって冷却水吐出口から冷却水
が流出する構造になっている。
【0006】このように蒸気インジェクタ2は構造がそ
れほど複雑でなく、それ自身モータなどの動的機器を必
要としない利点がある。また、ケーシング22内にオーバ
ーフロー用逆止弁(図示せず)が設けられており、その
逆止弁から接続されているドレンラインは蒸気インジェ
クタが作動すると蒸気・水混合ノズル24が負圧になり、
その逆止弁は自動的に閉じ、負圧を必要としない利点が
ある。この蒸気インジェクタを用いた原子炉の緊急炉心
冷却系では、冷却材喪失時などにより緊急炉心冷却が必
要な場合、給水制御弁が開き蒸気インジェクタに水が供
給され、蒸気ラインから供給される蒸気が凝縮して、給
水を昇圧して炉心に注入し、炉心冷却が行なわれる。
【0007】また、低圧で注入する緊急炉心冷却系には
図6に示すような構成の重力落下式炉心冷却系が知られ
ている。重力落下式炉心冷却系プール17を原子炉格納用
容器1内の炉心14より高い位置に設置し、原子炉圧力容
器13と逆止弁18を有する冷却ライン19で結んでいる。
子炉圧力容器13の上方には主蒸気ライン10が接続し、主
蒸気ライン10に複数個の減圧弁20が取付けられる。圧力
抑制プール15と逆止弁18の上流側冷却ライン19との間に
分岐し合流した状態で均圧ライン34が結ばれ、均圧ラ
イン34には均圧ライン用制御弁35が設けられている。こ
の重力落下式炉心冷却系は、重力を駆動力としているた
め、ポンプなどの動的な機器が不必要で、構造も簡単で
ある。この重力落下式緊急炉心冷却系では、配管破断な
どの事故が起きた場合、減圧弁20が開いて原子炉圧力容
器13内の圧力を下げ、重力落下による冷却水が炉心に流
入され冷却を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸気イ
ンジェクタ2を用いた原子炉の緊急炉心冷却系では、蒸
気インジェクタ2が起動するためには、流入した蒸気が
接触して凝縮が起こる界面が必要である。界面を形成す
るためには冷却水の蒸気インジェクタ2への供給がなく
てはならないので、ポンプなどの駆動系が別途必要であ
る。蒸気インジェクタを用いた原子炉の冷却系は、冷
却材喪失時などにより緊急炉心冷却が必要な場合、蒸気
インジェクタ2を駆動する蒸気供給用制御弁9及び給水
用制御弁7が確実に開いて給水タンク8内の水が流入し
なければならない。そのため、これらの起動に必要な系
を用意しなければ蒸気インジェクタが作動しないとい
う課題がある。
【0009】また、重力落下式緊急炉心冷却系では、減
20の開放により原子炉圧力容器13内の圧力を急速に
大気圧まで減圧して重力落下式炉心冷却系プール17から
重力落下による冷却水が冷却ライン19を通して炉心14
注入されるようにしなくてはならないので、事故時に開
く信頼性の高い大容量の減圧弁20を従来のBWRの約2
倍の台数程度多く用いなければならないという課題であ
る。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、蒸気インジェクタの起動系をもち、高圧から
低圧にわたって高い信頼性をもって事故時に炉心に注水
出来る原子炉の緊急炉心冷却を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は原子炉格納
容器内に格納された原子炉圧力容器と、この原子炉圧力
容器内に配置された炉心よりも高い位置でかつ前記原子
炉格納容器内に設置された重力落下式炉心冷却系プール
と、この重力落下式炉心冷却系プールの下方に設置され
た圧力抑制プールと、前記原子炉格納容器のドライウエ
ル内にに設置された蒸気インジェクタと、この蒸気イン
ジェクタの蒸気流入口と前記原子炉圧力容器とを結ぶ蒸
気供給ラインと、前記蒸気インジェクタの給水口と前記
重力落下式炉心冷却系プールとを結ぶ給水ラインと、前
記蒸気インジェクタの冷却水吐出口と前記原子炉圧力容
器とを結ぶ冷却水吐出ラインと、前記蒸気インジェクタ
のドレン口と前記圧力抑制プールとを結ぶドレンライン
と、このドレンラインに設けられたドレン用逆止弁と
記蒸気供給ラインの減圧弁と前記給水ラインの制御弁と
制御する制御装置とを具備したことを特徴とする。
【0012】第2の発明は原子炉格納容器内に格納され
た原子炉圧力容器と、この原子炉圧力容器内に配置され
た炉心よりも高い位置でかつ前記原子炉格納容器内に設
置された重力落下式炉心冷却系プールと、この重力落下
式冷却系プールの下方に設置された圧力抑制プールと、
前記原子炉格納容器のドライウエル内に設置された蒸気
インジェクタと、この蒸気インジェクタの蒸気流入口と
前記原子炉圧力容器とを結ぶ蒸気供給ラインと、前記蒸
気インジェクタの給水口と前記重力落下式炉心冷却系プ
ールとを結ぶ給水ラインと、前記蒸気インジェクタの冷
却水吐出口と前記原子炉圧力容器とを結ぶ冷却水吐出ラ
インと、前記蒸気インジェクタのドレン口と前記圧力抑
制プールとを結ぶドレンラインと、前記圧力抑制プール
内に設置された給水循環ポンプと、この給水循環ポンプ
の吐出側と前記重力落下式冷却プールとを結ぶ給水循環
ラインと、この給水循環ラインに設けた給水循環用逆止
を具備したことを特徴とする。
【0013】第3の発明は原子炉格納容器内に格納され
た原子炉圧力容器と、この原子炉圧力容器内に配置され
た炉心よりも高い位置でかつ前記原子炉格納容器内に設
置された重力落下式炉心冷却系プールと、この重力落下
炉心冷却系プールの下方に設置された圧力抑制プール
と、前記原子炉格納容器のドライウエル内に設置された
蒸気インジェクタと、この蒸気インジェクタの蒸気流入
口と前記原子炉圧力容器とを結ぶ蒸気供給ラインと、前
記蒸気インジェクタの給水口と前記重力落下式炉心冷却
系プールとを結ぶ給水ラインと、前記蒸気インジェクタ
の冷却水吐出口と前記原子炉圧力容器とを結ぶ冷却水吐
出ラインと、前記蒸気インジェクタのドレン口と前記圧
力抑制プール、または前記重力落下式炉心冷却プール
を結ぶドレンラインと、前記原子炉格納容器のドライウ
エル内に設置された蓄圧給水タンクと、この蓄圧給水タ
ンクと前記蒸気インジェクタの給水口とを結びかつ前記
給水ラインに設けた給水用逆止弁の出口側と合流する蓄
圧ラインと、この蓄圧ラインに設けた起動用制御弁と、
前記減圧弁と前記起動用制御弁とを制御する制御装置と
を具備したことを特徴とする。
【0014】
【作用】第1の発明においては、図1に示すようにたと
えば緊急時に、まず、給水用制御弁6を開とし、重力落
下式炉心冷却系プール17から給水ライン3を通して蒸気
インジェクタに給水する。次いで減圧弁20から開放さ
れた蒸気を蒸気インジェクタに取り入れ蒸気インジ
ェクタを起動する。重力落下式炉心冷却系プール17の
冷却水を蒸気インジェクタ2および冷却水吐出ライン5
を通して原子炉圧力容器13内の炉心14に昇圧して注入
し、炉心14を冷却する。これにより高圧から低圧まで広
い圧力範囲で冷却水を炉心14に注入することできる。
水用制御弁6と減圧弁20は制御装置38により開閉操作さ
れる。
【0015】第2の発明においては、図2に示すように
通常運転時に重力落下式炉心冷却系プールから蒸気イ
ンジェクタのドレンライン36を通じて圧力抑制プール
15に流れ込む水量だけ圧力抑制プール15から給水循環
ンプ42冷却水を重力落下炉心冷却系プール17に汲み
上げる。緊急時には減圧弁20から開放された蒸気を蒸気
インジェクタに取り入れ蒸気インジェクタを起動す
る。重力落下式炉心冷却系プール17の冷却水を給水ライ
ン3,蒸気インジェクタ2および冷却水吐出ライン5を
通して原子炉圧力容器13内の炉心14に昇圧して注入す
る。よって、常に重力により蒸気インジェクタに給水
することで、蒸気インジェク2を駆動するための給水ポ
ンプなどの動的機器と、緊急時に作動する制御弁を省略
することができる。その他の作用は第1の発明と同様で
ある。
【0016】第3の発明においては、図3に示したよう
緊急時にまず起動用制御弁46を開とし、蓄圧給水タン
47から蓄圧ライン45を通して蒸気インジェクタに起
動用水を供給し、次いで減圧弁20を開とし、この減圧弁
20から開放された蒸気を蒸気インジェクタに取り入
れ、蒸気インジェクタを起動する。この起動により
力落下式炉心冷却系プール17の水を給水ライン3,蒸気
インジェクタ2および冷却水吐出ライン5を通して原子
炉圧力容器13内の炉心14に昇圧して炉心14に注入する。
このようにして、緊急冷却用には重力落下式炉心冷却系
プール17から蒸気インジェクタ2を通して給水すること
で、蒸気インジェクタ駆動用の給水ポンプなどの動的機
器を省略することがきる。減圧弁20と起動用制御弁46
の開閉は制御装置38により行う。その他の作用は第1の
発明と同様である。
【0017】
【実施例】図1を参照しながら本発明に係る原子炉の緊
急炉心冷却系の第1の実施例を説明する。図中、図4お
よび図6と同一部分には同一符号を付して重複する部分
の説明は省略する。
【0018】すなわち、図1において、蒸気インジェク
タ2には給水口と結ぶ給水ライン3、蒸気流入口と結ぶ
蒸気供給ライン4、冷却水吐出口と結ぶ冷却水吐出ライ
ン5およびドレンライン36が接続されている。給水ライ
ン3は給水用制御弁6を通して重力落下式炉心冷却系プ
ール17に、蒸気ライン4は減圧弁20を通して原子炉圧力
容器13に、冷却水吐出ライン5は吐出用逆止弁11を通
て原子炉圧力容器13に、ドレライン36はドレン用逆止弁
37をして圧力抑制プール15にそれぞれ結ばれている。
給水用制御弁6と減圧弁20は制御装置38に信号線39,40
を介してそれぞれ接続している。
【0019】配管破断等により緊急炉心冷却が必要な場
合、原子炉圧力容器13内の水位の低下により、まず給水
用制御弁6が開き蒸気インジェクタ2に給水ライン3
を通て水を供給する。次いでタイマーなどを持つ制御
装置38に接続した給水用制御弁6と連動した減圧弁20が
開き、蒸気インジェクタ2に蒸気が供給されると、蒸気
インジェクタ2内部で蒸気の凝縮が起こり、蒸気インジ
ェクタ2が作動し、供給水を供給蒸気圧以上、つまり、
原子炉圧力容器13内の圧力以上に昇圧する。この昇圧に
よって吐出用逆止弁11が開くため炉心14に注水でき
る。一方、蒸気インジェクタ2が作動する蒸気インジェ
クタ2内の蒸気・水混合ノズルは負圧になり、ドレン用
逆止弁37によりドレンライン36は閉じる。なお、実プラ
ントの施工においては蒸気インジェクタの起動特性を
良くするため、蒸気インジェクタ2は原子炉格納容器1
内のドライウエルのなるべく低い位置に設置し、重力落
下式炉心冷却系プール17との水頭差を大きくすることが
重要である。
【0020】第1の実施例によれば、原子炉の緊急炉心
冷却系としての蒸気インジェクタを起動するために必
要な系統をもち、重力落下式炉心冷却系プール17の圧力
より高い圧力で、原子炉圧力容器13内の圧力以上に昇圧
した冷却水を炉心14に注入出来るので、高圧から低圧ま
で広い圧力範囲で炉心注水が可能となり、高い信頼性の
要求される減圧弁の数も大幅に減らすことができ、より
いっそう原子炉の安全性が高まる。また、原子炉の緊急
炉心冷却系の構成も簡単で、かつ、従来技術を利用でき
るのでコスト的にも優れ、原子炉の緊急冷却系として好
適するものである。
【0021】つぎに図2を参照しながら本発明の第2の
実施例を説明する。図2において、蒸気インジェクタ2
には給水口と結ぶ給水ライン3、蒸気流入口と結ぶ蒸気
供給ライン4、冷却吐出口と結ぶ冷却水吐出ライン5と
ドレンライン36が接続されている。給水ライン3は給水
用逆止弁41を通て重力落下式冷却系プール17に、蒸気
供給ライン4は減圧弁20を通して原子炉圧力器13に、
冷却水吐出ライン5は吐出用逆止弁11を通て原子炉圧
力容器13に、ドレンライン36はドレン用逆止弁37を
て圧力抑制プール15にそれぞれ結ばれている。圧力抑制
プール15内には給水循環ポンプ42が設置されている。こ
の給水循環ポンプ42は重力落下式炉心冷却系プール17に
給水循環ライン43によって結ばれている。給水循環ライ
ン43には給水循環用逆止弁44が接続されている。また、
原子炉が通常運転時は、常に前記蒸気インジェクタ
供給されている冷却水がドレンライン36から圧力抑制プ
ール15に流れ、圧力抑制プール15から重力落下式炉心冷
却系プール17まで循環ポンプ42で圧力抑制プール水をく
みあげる閉じた系で循環している。この閉じた系で循環
している冷却水は、蒸気インジェクタの起動時にその
インジェクタにおいて、蒸気との凝縮界面を連続的に形
成するものであるため、大量の流量を必要としない。し
たがって、給水循環ポンプ42の容量は小さくてよく、揚
程も高々圧力抑制プール15から隔離冷却プール16までな
ので小型で消費電力の低いものが使用でき、そのうえ、
通常時のみ作動し、原子炉が緊急冷却が必要なときは作
動する必要がないため、信頼性の極度に高いものを使用
する必要はない。
【0022】配管破断等により緊急炉心冷却系が必要な
場合、原子炉圧力容器13内の水位の低下により減圧弁8
が開いて、蒸気インジェクタ2に蒸気が供給される。重
力により給水ライン3を通して常に供給水の流量がある
ため、蒸気の凝縮が起こり、蒸気インジェクタ2が作動
し、供給水を供給蒸気圧以上、すなわち、原子炉圧力容
器2内の圧力以上に昇圧し、よって吐出用逆止弁11が開
くため炉心14に注水できる。一方、蒸気インジェクタ2
が作動すると蒸気インジェクタ内部の蒸気・水混合ノ
ズルは負圧になり、ドレン用逆止弁37によりドレンライ
ン36は閉じる。なお、実プラントの施工においては蒸気
インジェクタの起動特性を良くするため、蒸気インン
ッジェクタ原子炉格納容器1内のドライウエルのな
るべく低い位置に設置し、重力落下式炉心冷却系プール
17との水頭差を大きくすることが重要である。
【0023】第2の実施例によれば、緊急炉心冷却系と
しての蒸気インジェクタを起動するために高い信頼性
が要求される蒸気インジェクタを駆動するための給水ポ
ンプ等の動的機器と、緊急時に高度な制御により作動す
る制御弁を省略できる。一方、重力落下式炉心冷却系
ール17の圧力より高い圧力で原子炉圧力容器13内の圧力
以上に昇圧した冷却水を炉心14に注入できるので、高圧
から低圧まで広い圧力範囲で炉心14への注水が可能とな
り、高い信頼性の要求される減圧弁の数も大幅に減らす
ことができる。
【0024】つぎに図3を参照しながら本発明の第3の
実施例を説明する。図3において、蒸気インジェクタ2
には給水口と結ぶ起動用蓄圧ライン45、同じく給水口を
結ぶ給水ライン3、蒸気流入口と結ぶ蒸気供給ライン
4、冷却水吐出口と結ぶ冷却水吐出ライン5およびドレ
ンライン36が接続されている。蓄圧ライン45は給水ライ
ン3に設けた給水用逆止弁41の出口側と合流している。
蓄圧ライン45は起動用制御弁46を通て蓄圧給水タンク
47、給水ライン3は給水用逆止弁41を通して重力落下
式炉心冷却系プール17,蒸気供給ライン4は減圧弁20
を通して原子炉圧力容器13の上部に、冷却水吐出ライン
5は吐出用逆止弁11を通て原子炉圧力容器13の下部
、ドレンライン36はドレン用逆止弁37をして重力落
下式炉心冷却系プール17それぞれ結ばれている。ドレ
ンライン36はドレン用逆止弁37を通して第1の実施例の
ように圧力抑制プール15に直結してもよいが、本実施例
のようにドレンライン36を重力落下式炉心冷却系プール
17に直結するとドレン水を重力落下式炉心冷却系プール
17に回収できる利点がある。減圧弁20と起動用制御46は
信号線40,48により制御装置38にそれぞれ接続してい
る。蓄圧給水タンク47から蒸気インジェクタ2の起動用
水を供給することにより、重力落下式炉心冷却プール17
のプール水を原子炉圧力容器圧以上に昇圧することが可
能となる。
【0025】すなわち、配管破断等により緊急炉心冷却
が必要な場合、原子炉圧力容器13内の水位の低下によ
り、まず蒸気インジェクタ2の起動用制御弁46が開
蒸気インジェクタ2に蓄圧給水タンク47から蓄圧ライン
45を通て起動用水を供給し、次いでタイマーなどの制
御装置38で前記制御弁46と連動した減圧弁20が開き、蒸
気インジェクタ2に蒸気が供給されると蒸気インジュク
タ2は起動する。そして、蒸気インジェクタ2の内部で
蒸気の凝縮が起り、蒸気インジェクタ2が作動し重力落
下式炉心冷却系プール17からの供給水を供給蒸気圧以
上、すなわち、原子炉圧力容器13内の圧力以上に昇圧す
ることによって吐出用逆止弁11が開くため炉心14に注水
できる。一方、蒸気インジェクタ2が作動する蒸気イン
ジェクタ2の内部の蒸気・水混合ノズルは負圧になり、
蒸気インジェクタドレン用逆止弁37によりドレンライン
36は閉じる。なお、実プラントの施工においては蒸気イ
ンジェクタ2の起動特性を良くするため、ドレン水を圧
力抑制プール15へ排出する場合、蒸気インジェクタ2は
原子炉格納容器1内のドライウエルのなるべく低い位置
に設置し、重力落下式炉心冷却系プール17との水頭差を
大きくすることが重要であるが、本実施例では起動用蓄
圧ライン45を設けることにより設置場所の自由度が増
し、配置設計上のメリットが生ずる。
【0026】この第3の実施例によれば、緊急炉心冷却
系として蒸気インジェクタを起動するために必要な系
統をもち、重力落下炉心冷却系プール17の圧力より高い
圧力で、原子炉圧力容器13内の圧力以上に昇圧した冷却
水を炉心14に注入できるので、高圧から低圧まで広い圧
力範囲で炉心注水が可能となり、高い信頼性の要求され
る減圧弁の数も減らすことが、よりいっそう原子炉の安
全性が高まる。また、原子炉の緊急炉心冷却系の構成も
簡単で、かつ、従来からある技術を利用しているのでコ
スト的にも優れ、原子炉の緊急冷却系として好適であ
る。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば重力落下式炉心冷却系プ
ールに接続する給水ラインから重力により蒸気インジェ
クタに給水することで蒸気インジェクタ起動用給水ポン
プなどの動的機器を省略できる。また、減圧弁から開放
される蒸気を蒸気インジェクタに取り入れ、その蒸気イ
ンジェクタを起動させることで重力落下式炉心冷却系プ
ールの冷却水を原子炉圧力器内の圧力以上に昇圧して炉
心に注入出来るので、高圧から低圧まで広い圧力範囲で
冷却水を注入することができ、急速な減圧を必要としな
いため高い信頼性の要求される減圧弁の数を減らすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉の緊急炉心冷却系の第1の
実施例を示す系統図。
【図2】本発明に係る原子炉の緊急炉心冷却系の第2の
実施例を示す系統図。
【図3】本発明に係る原子炉の緊急炉心冷却系の第3の
実施例を示す系統図。
【図4】従来の原子炉の緊急炉心冷却系の第1の例を示
す系統図。
【図5】図4における蒸気インジェクタの1例を示す縦
断面図。
【図6】従来の原子炉の緊急炉心冷却系の第2の例を示
す系統図。
【符号の説明】
1…原子炉格納容器、2…蒸気インジェクタ、3…給水
ライン、4…蒸気供給ライン、5…冷却水吐出ライン、
6…給水用制御弁、7…給水用止弁、8…冷却水用給水
タンク、9…蒸気供給用制御弁、10…主蒸気ライン、11
…吐出用逆止弁、12…主給水管、13…原子炉圧力容器、
14…炉心、15…圧力抑制プール、16…隔離冷却プール、
17…重力落下炉心冷却系プール、18…逆止弁、19…冷
却ライン、20…減圧弁、21…蒸気供給口、22…ケーシン
グ、23…ニードル弁、24…蒸気噴出ノズル、25…水吸込
口、26…蒸気噴出ノズル、27…昇圧用デフューザ、28…
逆止弁、29…吐出口、30…スロート部、31…オーバーフ
ロー配水管、32…オーバーフロー排水口、33…ハンド
ル、34…均圧ライン、35…均圧ライン用制御弁、36…ド
レンライン、37…ドレン用逆止弁、38…制御装置、39,
40,48…信号線、41…給水用逆止弁、42…給水循環ポン
プ、43…給水循環ライン、44…給水循環用逆止弁、45…
蓄圧ライン、46…起動用制御弁、47…蓄圧給水タンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−75593(JP,A) 特開 平1−136097(JP,A) 特開 平2−73198(JP,A) 特開 平3−100496(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉格納容器内に格納された原子炉圧
    力容器と、この原子炉圧力容器内に配置された炉心より
    も高い位置でかつ前記原子炉格納容器内に設置された重
    力落下式炉心冷却系プールと、この重力落下式炉心冷却
    系プールの下方に設置された圧力抑制プールと、前記原
    子炉格納容器のドライウエル内に設置された蒸気インジ
    ェクタと、この蒸気インジェクタの蒸気流入口と前記原
    子炉圧力容器とを結ぶ蒸気供給ラインと、前記蒸気イン
    ジェクタの給水口と前記重力落下式炉心冷却系プールと
    を結ぶ給水ラインと、前記蒸気インジェクタの冷却水吐
    出口と前記原子炉圧力容器とを結ぶ冷却水吐出ライン
    と、前記蒸気インジェクタのドレン口と前記圧力抑制プ
    ールとを結ぶドレンラインと、このドレンラインに設け
    られたドレン用逆止弁と、前記蒸気供給ラインの減圧弁
    と前記給水ラインの制御弁とを制御する制御装置とを具
    備したことを特徴とする原子炉の緊急炉心冷却系。
  2. 【請求項2】 原子炉格納容器内に格納された原子炉圧
    力容器と、この原子炉圧力容器内に配置された炉心より
    も高い位置でかつ前記原子炉格納容器内に設置された重
    力落下式炉心冷却系プールと、この重力落下式冷却系プ
    ールの下方に設置された圧力抑制プールと、前記原子炉
    格納容器のドライウエル内に設置された蒸気インジェク
    タと、この蒸気インジェクタの蒸気流入口と前記原子炉
    圧力容器とを結ぶ蒸気供給ラインと、前記蒸気インジェ
    クタの給水口と前記重力落下式炉心冷却系プールとを結
    ぶ給水ラインと、前記蒸気インジェクタの冷却水吐出口
    と前記原子炉圧力容器とを結ぶ冷却水吐出ラインと、前
    記蒸気インジェクタのドレン口と前記圧力抑制プールと
    を結ぶドレンラインと、前記圧力抑制プール内に設置さ
    れた給水循環ポンプと、この給水循環ポンプの吐出側と
    前記重力落下式冷却系プールとを結ぶ給水循環ライン
    と、この給水循環ラインに設けた給水循環用逆止弁と
    具備したことを特徴とする原子炉の緊急炉心冷却系。
  3. 【請求項3】 原子炉格納容器内に格納された原子炉圧
    力容器と、この原子炉圧力容器内に配置された炉心より
    も高い位置でかつ前記原子炉格納容器内に設置された重
    力落下式炉心冷却系プールと、この重力落下式炉心冷却
    系プールの下方に設置された圧力抑制プールと、前記原
    子炉格納容器のドライウエル内に設置された蒸気インジ
    ェクタと、この蒸気インジェクタの蒸気流入口と前記原
    子炉圧力容器とを結ぶ蒸気供給ラインと、前記蒸気イン
    ジェクタの給水口と前記重力落下式炉心冷却系プールと
    を結ぶ給水ラインと、前記蒸気インジェクタの冷却水吐
    出口と前記原子炉圧力容器とを結ぶ冷却水吐出ライン
    と、前記蒸気インジェクタのドレン口と前記圧力抑制プ
    ール、または前記重力落下式炉心冷却プールとを結ぶド
    レンラインと、前記原子炉格納容器のドライウエル内に
    設置された蓄圧給水タンクと、この蓄圧給水タンクと前
    記蒸気インジェクタの給水口とを結びかつ前記給水ライ
    ンに設けた給水用逆止弁の出口側と合流する蓄圧ライン
    と、この蓄圧ラインに設けた起動用制御弁と前記減圧弁
    と前記起動用制御弁とを制御する制御装置とを具備した
    ことを特徴とする原子炉の緊急炉心冷却系。
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