JPH0823595B2 - 原子力発電プラント - Google Patents

原子力発電プラント

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JPH0823595B2
JPH0823595B2 JP1210588A JP21058889A JPH0823595B2 JP H0823595 B2 JPH0823595 B2 JP H0823595B2 JP 1210588 A JP1210588 A JP 1210588A JP 21058889 A JP21058889 A JP 21058889A JP H0823595 B2 JPH0823595 B2 JP H0823595B2
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steam injector
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は原子炉それ自身または周辺装置に内蔵される
蒸気エネルギー,重力,核的フィードバックによって安
全な状態に自律できるようにポンプ装置を改良した原子
力発電プラントに関する。
〔従来の技術〕 従来の原子力発電プラント(沸騰水型原子炉)は第9
図に示す如く、炉心101を内蔵する原子炉圧力容器102
と、この原子炉圧力容器102を格納するドライウェル103
と圧力抑制プール104を有するウェットウェル105とで構
成される原子炉格納容器106と、タービン107と、このタ
ービン107に蒸気を送る主蒸気管108,主復水器109,復水
ポンプ110と原子炉圧力容器101内に給水する給水ポンプ
111,給水加熱器112,給水管113と炉心101の冷却材の再循
環流量を変化させる原子炉再循環系114と出力を制御す
る制御棒駆動系115と、原子炉をバルブにより隔離した
場合に作動する隔離時冷却系116と、原子炉停止後の残
留熱を除去する残留熱除去系と、事故時に作動する非常
用炉心冷却系(ECCS)等により構成されている。
非常用炉心冷却系は高圧炉心スプレイ系119と、残留
熱除去系と共用の低圧炉心スプレイ系120とで構成さ
れ、これは格納容器スプレイ121とも共用となってい
る。
非常用炉心冷却系は復水貯蔵タンク122または圧力抑
制プール104を水源とし、非常用ディーゼル発電機123か
ら供給される動力により遠心ポンプを回転させて炉心10
1に注水したり、原子炉格納容器106内にスプレイしたり
する。
また、事故時には原子炉の底部にほう酸水毒物注入系
(SLC)タンク124からSLCポンプ125によりほう酸水を注
入する。このSLCポンプも非常用ディーゼル発電機123か
ら動力の供給を受ける。つまり、事故時の炉心冷却は外
部からの送電が断たれた場合、非常用ディーゼル発電機
の信頼性に依存していることになる。
また、原子炉再循環系114は再循環ポンプ126とジェッ
トポンプ127により構成されており、事故時には再循環
ポンプ126が慣性力があるものの約5秒間ほどで停止す
るため、炉心冷却は冷却効率がやや低い自然循環に頼る
ことになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したように炉心101の冷却には軽水を使用し、発
電後の復水または炉水位の調整の通常運転時の原子炉圧
力容器102内への注入にはモータで駆動するポンプを使
用している。また、原子炉の通常の停止時には炉心101
の残存熱の除去が必要であり、この場合にもモータ駆動
のポンプを使用して注水を行っている。
とくに、仮想する原子炉の事故において、例えば配管
破断による冷却材喪失事故時の原子炉圧力容器102内へ
の緊急給水時には、従来はモータ駆動のポンプを使用し
たり、電源の不具合を考慮してディーゼルエンジンを使
用したポンプによっている。
しかしながら、緊急時にしか作動しない機器の場合に
は通常時のメンテナンスが負担となり、また、常用とし
て使用する機器の場合も含めて運転の動力が全体の効率
を考慮すると損失になる課題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、
構造上駆動部のうち例えば原子炉圧力容器から排出され
る蒸気を蒸気源として、その蒸気の潜熱を利用し熱エネ
ルギーを圧力に変換して冷却水を原子炉圧力容器内に注
入し、必要な場合に他の動力源を使用することなく確実
に原子炉圧力容器内に冷却水の強制循環をはかることが
できる自律性原子力発電プラントを提供することにあ
る。
また、本発明は原子炉それ自身または周辺装置に内蔵
される蒸気エネルギー,重力,核的フィードバックによ
って冷却材事故ないしは異常過渡などの事象においても
動力および操作員の操作を必要とすることなく、安全な
状態に自律できる原子力発電プラントを提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記課題を次の(1)〜(3)項によって解
決することにある。
(1)炉心を内蔵した原子炉圧力容器に蒸気インジェク
タを接続し、この蒸気インジェクタの給水側に給水系配
管を接続するとともに蒸気側に蒸気の吸込管を接続し、
前記給水系配管を通して前記蒸気インジェクタに給水
し、原子力発電プラント系統で発生する蒸気を蒸気源と
し、この蒸気源から前記吸引管を通して前記蒸気インジ
ェクタに蒸気を供給し、この蒸気インジェクタの吐出水
を前記原子炉圧力容器内のダウンカマーに噴出させるこ
とを特徴とする。
(2)炉心を内蔵した原子炉圧力容器内に蒸気インジェ
クタを接続し、この蒸気インジェクタの給水側に給水系
配管を接続するとともに蒸気側に蒸気の吸込管を接続
し、前記給水系配管を通して前記蒸気インジェクタに給
水し、原子力発電プラント系統内で発生する蒸気を蒸気
源とし、この蒸気源から前記吸引管を通して前記蒸気イ
ンジェクタに蒸気を供給し、この蒸気インジェクタの吐
出水をジェットポンプのノズルから噴出させることを特
徴とする。
(3)タービンから抽気した蒸気を駆動エネルギー源と
し、タービン復水器で冷却された復水を水源として蒸気
インジェクタによって炉心へ給水することを特徴とす
る。
〔作用〕
原子炉圧力容器に蒸気インジェクタを接続する。この
蒸気インジェクタは原子力発電プラント系統内で発生す
る蒸気、例えば主蒸気管からの蒸気と給水系配管からの
給水を利用することにより作動する。蒸気インジェクタ
の吐出側は原子炉圧力容器内のダウンカマーに噴出させ
て炉心への冷却材の自然循環量を助長させる。
また、この蒸気インジェクタの吐出水を原子炉圧力容
器内のジェットポンプのノズルから噴出させて炉心の再
循環を行う。
さらに、原子炉圧力容器内に蒸気インジェクタを設
け、この蒸気インジェクタは例えば原子炉圧力容器上部
の気相部からの蒸気と給水系配管からの給水とを利用す
ることにより作動する。この蒸気インジェクタの吐出水
を原子炉圧力容器内のジェットポンプのノズルから噴出
させて炉心の再循環を行う。
また、タービンから抽気した蒸気を駆動エネルギー源
とし、タービン復水器で冷却された復水を水源として蒸
気インジェクタによって炉心へ給水する。
〔実施例〕
次に、図面を参照しながら本発明に係る原子力発電プ
ラントの各々の実施例を説明するが、その前に本発明の
全体構造を示す第1図と、その主要部となる蒸気インジ
ェクタについて第2図を参照しながら説明する。
第1図中符号1は炉心を示し、この炉心1は原子炉圧
力容器2内に配置されている。この原子炉圧力容器2は
ドライウェル3と圧力抑制プール4およびウェットウェ
ル5を有する原子炉格納容器6内に格納されている。
原子炉圧力容器2内の炉心1で加熱された水蒸気は主
蒸気管8内を通ってタービン7へ送られ、タービン7で
仕事をして主復水器9に送られる。主復水器9の出口側
には給水用蒸気インジェクタ10が接続され、この給水用
蒸気インジェクタ10の吐出側には逆止弁11が接続され、
逆止弁11の出口側には原子炉圧力容器2内へ冷却水を供
給する給水系配管の給水管13が接続されている。
給水用蒸気インジェクタ10のドレン側にはドレン流量
調節弁12が接続されている。給水管13の上流側の原子炉
圧力容器2内のダウンカマーには再循環用インジェクタ
14が設けられてる。
この再循環用インジェクタ14の吐出側はジェットポン
プ側に位置している。なお、符号15は炉心1の出力を制
御する制御棒駆動系を示している。16は崩壊熱除去系
で、原子炉をバルブによって隔離した際に作動するもの
である。17は非常用炉心冷却系(ECCS)で、原子炉の事
故時に作動するものである。
非常用炉心冷却系17は復水貯蔵タンク18を水源とし、
非常用蒸気インジェクタ19により原子炉圧力容器2内に
注水する。復水貯蔵タンク18は非常用蒸気インジェクタ
19よりも上方に設置し、かつタンク18内の水はチラー20
により20〜30℃に冷却し、非常用蒸気インジェクタ19の
作動特性を確実にする。
非常用蒸気インジェクタ19のドレン水はドレン流量調
節弁21を介して格納容器スプレイ22へと導く。また、崩
壊熱除去系16は隔離復水器23と隔離復水駆動用蒸気イン
ジェクタ24によって原子炉隔離後の崩壊熱により発生す
る蒸気を凝縮復水し、再び原子炉圧力容器2に注入す
る。
隔離復水駆動用蒸気インジェクタ24の吐出水を給水管
13に接続しておくと、原子炉隔離後も再循環用蒸気イン
ジェクタ14を作動させることができるため、炉心1を強
制循環により冷却することができるので、燃料棒の被覆
管表面温度を十分低く抑えることができる。
隔離復水器23は隔離復水器プール25内に設置され、プ
ール水により冷却される。隔離復水器プール25内で発生
した蒸気は冷却塔駆動用蒸気インジェクタ26に導かれ、
冷却塔27のドレンと混合凝縮して高い吐出圧を得て、冷
却塔27の上部からスプレイして大気との熱交換を行う。
本発明では後述する如く蒸気の他にも制御棒駆動系15
とほう酸水毒物注入系28および補機冷却系にも蒸気イン
ジェクタを用いている。蒸気インジェクタは以下に説明
するように、動力として原子炉圧力容器内または原子炉
格納容器などに内蔵される蒸気エネルギーにより駆動さ
れ、商用または非常用の交流電源を必要としない。
沸騰水型原子炉は出力が上昇すると炉心のボイド率が
高くなり中性子減速が少なくなり、核分裂反応が低下す
るという核的フィードバックによる自律性を有してい
る。
上述の通り、複数個の蒸気インジェクタを有する各種
のシステムを設置することによって原子炉それ自身また
は周辺装置に内蔵される蒸気エネルギー,重力,核的フ
ィードバックにより、いかなる事象においても安全な状
態に自律することを特徴とする沸騰水型原子力プラント
の構成が可能となる。
ここで、第2図(a),第2図(b)を用いて蒸気イ
ンジェクタの作動原理について説明する。すなわち、蒸
気インジェクタは蒸気ノズル29から蒸気の超音速流を噴
出させると混合ノズル30から水を吸い込み、蒸気は凝縮
界面上で凝縮され、水に運動エネルギー(運動量)を伝
達する。凝縮は主ノズルスロート31まで終了し、水の高
速流を得る。
これをディフューザ32で減速昇圧(ベルヌーイの定
理)して元の蒸気圧力よりも高い吐出圧を得る。起動時
は吐出逆止弁33が閉じているので、オーバーフロー逆止
弁33aからドレン水を流出させる。吐出圧が充分に高く
なると、吐出側逆止弁33が開き、オーバーフロー逆止弁
33aは自動的に閉じる。なお、第2図(b)は蒸気イン
ジェクタの長さと圧力との関係を示している。
次に、第2図(c)を用いて蒸気インジェクタの作動
特性について説明する。質量流量をm,面積をA,流速をu,
圧力をp,密度をρ,比体積をv,エンタルピーをh,マスフ
ラックス(質量流速)をG,圧力損失係数をξとすると、
蒸気インジェクタの各特性パラメータは次式で表わされ
る。添字sは蒸気,wは水,式中*印は全圧を示す。ま
た、添字O,N,T,Dは第2図(c)に示す各位置に対応し
ている。
蒸気出口流速uso=[2(1−ξ)(hs−hso)]1/2 給水流速uoww/Awo・ρ)=Gwo スロート流速uTD/(AT・ρ)=GT 吐出水温TDwhwshs)/・Cp 蒸気インジェクタはこの蒸気凝縮により蒸気の圧力の
数倍の圧力の水を吐出する。蒸気インジェクタは機械工
学便覧に記載の通り、戦前は蒸気機関車に用いられてい
たが、最近ではより高性能なものが開発され、本発明の
構成が可能となった。
さて、再循環用蒸気インジェクタ14について、第1図
の主要部を拡大した第3図を用いて第1の実施例を説明
する。炉心1の冷却材の再循環流量を変化させる再循環
用蒸気インジェクタ14は原子炉圧力容器2内ダウンカマ
ーに複数個設置され、給水管13から150〜210℃の温水の
供給を受ける。
すると、再循環用蒸気インジェクタ14内の水ノズル先
端(図示せず)はベルヌーイの定理により圧力が低下
し、原子炉圧力容器2内の上部気相部つまり第3図に示
すようにスチームドーム34に開口する蒸気吸込管35によ
り蒸気を吸い込む。
蒸気が再循環用蒸気インジェクタ14に達すると、蒸気
凝縮現象が開始され、再循環用蒸気インジェクタ14の吐
出側に高圧水を生ずる。この吐出水はジェットポンプノ
ズル36に導かれ、ジェットポンプ37の駆動水となる。
第3図は本発明の第1の実施例を示したもので、第1
図の原子炉圧力容器2内および給水管13系統の要部を拡
大した縦断面図である。すなわち、この第1の実施例で
は蒸気吸込管35はスチームドーム34の気相部に開口して
いるが、ドライヤー38の下部でもよい。給水管13は途中
で分岐し、流量調節弁39を介して給水スパージャ40へも
給水を送り込む。この流量調節弁39を開くと、再循環用
蒸気インジェクタ14の給水量が減少し、炉心1の再循環
流量が低下するので、原子炉の付加追従運転または周波
数追従運転のための出力制御を行うことができる。
また、給水喪失などの各種異常過渡事象または冷却材
喪失事故の場合には隔離復水機23と隔離復水駆動用蒸気
インジェクタ24で原子炉隔離後の崩壊熱により発生する
蒸気を凝縮復水し、給水管13へ注水する。このシステム
では原子炉隔離後も再循環用蒸気インジェクタ14が作動
し、炉心1を強制循環により冷却することができるの
で、燃料棒の被覆管の表面温度を充分低く抑えることが
できる。
本実施例における蒸気インジェクタは原子力発電プラ
ント系統内で発生する蒸気を蒸気源とし、この蒸気源は
原子炉圧力容器に接続された主蒸気管となっている。
第4図は本発明の第2の実施例を示したものである。
すなわち、第4図に示す通り、タービン7から抽気した
蒸気を駆動エネルギー源とし、復水器9で冷却された復
水を水源として給水用蒸気インジェクタ10を用いて給水
することを特徴としている。この系統は従来例ではモー
タ駆動または蒸気タービン駆動の給水ポンプ111を用い
ていた。
事故時に原子炉圧力容器2が主蒸気遮断弁64の閉によ
り隔離されると、この系統は停止(トリップ)する。こ
の第2の実施例でもこの点は同じで主蒸気遮断弁64が閉
じると給水用蒸気インジェクタ10はトリップするので、
この系統は必ずしも自律型の系統とは云い難い。
しかしながら、平常運転時はタービンから抽気した蒸
気を駆動エネルギー源として原子炉への給水を行うため
プラント効率が向上する。また給水用蒸気インジェクタ
10自信で蒸気凝縮により水温を上昇させるため、従来例
で必要であった給水加熱器112が不要となるなど、系統
の簡素化にも大いに貢献する。
タービンから抽気した蒸気は、蒸気流量調節弁65によ
り流量・圧力を調節し、給水用蒸気インジェクタ10の吐
出圧・吐出流量を制御する。これによって再循環蒸気イ
ンジェクタ14の吐出流量・吐出圧が変化し、炉心1の再
循環流量をコントロールすることができる。
なお、この第2の実施例では、タービンバイパス弁66
を開くと、復水貯蔵タンク18を水源としてしばらくの
間、原子炉圧力容器2内への給水を行うことができる。
この実施例においては、平常運転時には原子炉圧力容
器2内の蒸気エネルギーによって駆動される再循環用蒸
気インジェクタ14の吐出水をジェットポンプ37のノズル
から噴出させることによって炉心1の再循環を行うこと
ができる。
この再循環用蒸気インジェクタ14は原子炉圧力容器2
内に設けたことを特徴としており、駆動水はタービン7
から抽気した蒸気エネルギー源とし、復水器9で冷却さ
れた復水を水源として給水用蒸気インジェクタ10によっ
て供給し、また蒸気源は原子炉圧力容器2内上部の気相
部となっている。
前述した各実施例では第3図に示したように炉心1の
冷却材の再循環流量を変化させる再循環用蒸気インジェ
クタ14は原子炉圧力容器2内に設置した場合を説明した
が、第5図に示した第3の実施例のように複数個の再循
環用蒸気インジェクタ14を原子炉圧力容器2の外側に設
置してもよい。
第3の実施例では蒸気流量調節弁67によって再循環用
蒸気インジェクタ14に供給する蒸気の圧力・流量を変化
させることが可能となるため、再循環流量の制御が極め
て容易となる。起動時の信頼性を高くするため、オーバ
ーフロー用逃がし弁68を介して圧力抑制プールのオーバ
ーフロー水をドレンすることもできる。また、再循環用
蒸気インジェクタ14が外置となっているため、定期点検
時のメンテナンスも容易にできる。
第6図は本発明の第3の実施例を示したものである。
すなわち、この実施例では第5図に示したジェットポン
プノズル36の代わりにダウンカマーに直接水をノズルか
ら噴出させる再循環助長ノズル69を再循環用蒸気インジ
ェクタ14の吐出側に接続してなるものである。
この第3の実施例では炉心1の冷却を自然循環に頼っ
ている中小型炉の場合に特に効果的である。すなわち、
第7図に示す通り、炉心の自然循環流量を助長し炉心の
冷却を効率よく行えるほか、事故時には、ダウンカマー
にジェットポンプのような流れの障害物がないため、自
然循環力が大きいというメリットがある。
第7図はこの原子炉の特性を原子炉出力と炉心流量と
の関係で示している。最初のa点で運転していても、炉
心流量が増すとb点に動作点が移動し、出力が増すこと
を示している。タービン負荷が減少した場合は、逆に再
循環助長ノズルへの流量を減らし、c点に動作点を移動
させ出力を下げることができる。
このような動作点の移動は、再循環用蒸気インジェク
タ14への供給蒸気を制御している流量調節弁67の開度の
変更のみで行えるため、自然循環方式の沸騰水型原子炉
において負荷の変動に対し、速い応答でしかも燃料に負
担をかけずに対応できるという効果がある。
これからの原子力プラントに要求される自動周波数制
御運転またはガバナーフリー運転に対して優れた対応が
できる沸騰水型原子力プラントを提供することになる。
再循環助長ノズル69は、第8図(a)に示す通り円環ス
リット状ノズル70、同図(b)で示す円筒状ノズル71、
または同図(c)で示すノズル72を用いてもよい。
なお、本発明の各々の実施例では沸騰水型原子力発電
プラントについて説明したが、原子炉圧力容器の代わり
に蒸気発生器からの蒸気を利用すれば、加圧水型原子力
発電プラント,重水型発電プラントにも適用することが
できる。
また、蒸気インジェクタの蒸気を流入する蒸気ノズル
29と水を供給する混合ノズル30との位置関係を逆にする
こともできる。
〔発明の効果〕
本発明によれば複数個の蒸気インジェクタを使用して
それぞれ実施例で示したような系統を構成し、原子炉圧
力容器または周辺装置に内蔵される蒸気エネルギー,重
力,核的フィードバックによって安全な状態に自律する
安全性を有する。また炉心から発生する余剰の蒸気を用
いて蒸気インジェクタを作動させて原子炉圧力容器内の
ダウンカマーへの流入,流出や原子炉給水系などに高い
圧力で給水することができる。
よって、外部からの動力の供給を行うことなく、また
可動部がなく、交流電源を必要としない蒸気インジェク
タを用いることによって各々系統への給水を行うことが
でき、系統の大幅簡素化と原子炉建屋の小型化をはかる
ことができ、しかも建設とメンテナンスのコストを下げ
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る原子力発電プラントの第1の実施
例を一部ブロックで示す配置系統図、第2図(a)は第
1図における蒸気インジェクタの作動原理を説明するた
めの概略的断面図、第2図(b)は第2図(a)の圧力
特性を示す曲線図、第2図(c)は第2図(a)の作動
特性を説明するための概念図、第3図は第1図の要部を
拡大して線図的に示す縦断面図、第4図は本発明の第2
の実施例を一部ブロックで示す縦断面図、第5図は本発
明の第3の実施例を示す縦断面図、第6図は本発明の第
4の実施例を示す縦断面図、第7図は第3および第4の
実施例における作用効果を説明するための原子炉出力と
炉心流量との関係を示す特性図、第8図(a)から同図
(c)まではそれぞれ第3および第4の実施例における
ノズルの例を示す縦断面図、第9図は従来の原子力発電
プラントを一部ブロックで示す配管系統図である。 〔符号の説明〕 1……炉心、2……原子炉圧力容器、3……ドライウェ
ル、4……圧力抑制プール、5……ウェットウェル、6
……原子炉格納容器、7……タービン、8……主蒸気
管、9……主復水器、10……給水用蒸気インジェクタ、
11……逆止弁、12……ドレン流量調節弁、13……給水
管、14……再循環用蒸気インジェクタ、15……制御棒駆
動系、16……崩壊熱除去系、17……非常用炉心冷却系、
18……復水貯蔵タンク、19……非常用蒸気インジェク
タ、20……チラー、21……ドレン流量調節弁、22……格
納容器スプレイ、23……隔離復水器、24……隔離復水駆
動用蒸気インジェクタ、25……隔離復水器、26……冷却
塔駆動用蒸気インジェクタ、27……冷却塔、28……ほう
酸水毒物注入系(SLC)、29……蒸気ノズル、30……混
合ノズル、31……主ノズルスロート、32……ディフュー
ザ、33……吐出側逆止弁、33a……オーバーフロー逆止
弁、34……スチームドーム、35……蒸気吸込管、36……
ジェットポンプノズル、37……ジェットポンプ、38……
ドライヤー、39……流量調節弁、63,64……主蒸気遮断
弁、65……蒸気流量調節弁、66……タービンバイパス
弁、67……蒸気流量調節弁、68……オーバーフロー用逃
がし弁、69……再循環助長ノズル、70……円環状スリッ
トノズル、71……円筒状ジェットポンプ、72……多ノズ
ル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 利根川 礼 東京都千代田区内幸町1丁目1番7号 日 本原子力事業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−55493(JP,A) 特開 平3−75593(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉心を内蔵した原子炉圧力容器に蒸気イン
    ジェクタを接続し、この蒸気インジェクタの給水側に給
    水系配管を接続するとともに蒸気側に蒸気の吸込管を接
    続し、前記給水系配管を通して前記蒸気インジェクタに
    給水し、原子力発電プラント系統で発生する蒸気を蒸気
    源とし、この蒸気源から前記吸引管を通して前記蒸気イ
    ンジェクタに蒸気を供給し、この蒸気インジェクタの吐
    出水を前記原子炉圧力容器内のダウンカマーに噴出させ
    ることを特徴とする原子力発電プラント。
  2. 【請求項2】炉心を内蔵した原子炉圧力容器内に蒸気イ
    ンジェクタを設け、この蒸気インジェクタの給水側に給
    水系配管を接続するとともに蒸気側に蒸気の吸込管を接
    続し、前記給水系配管を通して前記蒸気インジェクタに
    給水し、原子力発電プラント系統内で発生する蒸気を蒸
    気源とし、この蒸気源から前記吸引管を通して前記蒸気
    インジェクタに蒸気を供給し、この蒸気インジェクタの
    吐出水をジェットポンプのノズルから噴出させることを
    特徴とする原子力発電プラント。
  3. 【請求項3】タービンから抽気した蒸気を駆動エネルギ
    ー源とし、タービン復水器で冷却された復水を水源とし
    て蒸気インジェクタによって炉心へ給水するように構成
    したことを特徴とする原子力発電プラント。
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