JP2735704B2 - スロットマシン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゲーム開始に先立つ投
資価値の入力操作（例えばコインの投入操作）を行わな
くてもゲームの実行が可能となる再ゲーム機能をもった
スロットマシンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】特開昭６３−５７７８号公報には、コイ
ンを投入してゲームを行った結果、特定のシンボルが表
示窓に現れたときには、次回のゲームについてはコイン
の投入なしにゲームが実行できるようにしたスロットマ
シンが開示されている。このような再ゲーム機能を付加
することは、スロットマシンゲームに入賞とハズレの他
に引き分けに相当するランクを設定したことになり、ス
ロットマシンにギャンブル性だけでなく遊技性をもたせ
る上で有効である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載のスロットマシンを含め、従来の再ゲーム機能を
もったスロットマシンの場合、コインを投入せずに再ゲ
ームの実行ができるのは、再ゲーム実行の権利を獲得し
た直後、すなわち表示窓に再ゲーム実行可能であること
を表す特定シンボルが表示された直後のゲームに限定さ
れている。スロットマシンでは確率的にハズレがでるこ
とが多いため、「コインの投入」→「スタートレバーの
操作」→「シンボル確認」→「コインの投入」→・・・
という流れが通常のゲームの流れとして定着しており、
遊技者はこの流れにしたがってゲームを次々に繰り返し
てゆくことを考慮すると、再ゲームの権利を獲得した直
後にコインを投入せずにゲームを行うことが強制される
ということは、再ゲームのために通常のゲームの流れを
中断させることを意味する。したがって、通常のゲーム
の流れに沿ってスロットマシンを操作し、その流れを重
視する遊技者にとっては、時として再ゲームが強制され
ることは、操作を煩わしくさせるという一面があった。

【０００４】本発明はこのような従来技術の欠点を解決
するためになされたもので、通常のゲームの流れを妨げ
ることなく、任意の時点で再ゲームを行うことができる
ようにしたスロットマシンを提供することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、スロットマシンに再ゲームのクレジット機
能をもたせ、遊技者が希望する任意の時点で再ゲームを
行うことができるようにした。このため本発明のスロッ
トマシンは、ゲームを行って、再ゲームを可能とする再
ゲーム信号が得られた際には、この再ゲーム信号を逐次
カウント手段でカウントするとともにそのカウント値を
表示手段で表示し、そして再ゲームを実行する度に、カ
ウント手段のカウント値を減算するとともにスタート許
可信号を発生させる制御手段を有している。

【０００６】

【実施例】本発明を適用したスロットマシンの外観を示
す図１において、スロットマシンの本体２には前面パネ
ル３が開閉自在に軸着され、この前面パネル３にはリー
ル表示窓４が設けられている。このリール表示窓４を通
して本体２内の第１〜第３リール５〜７のシンボルを観
察することができる。前面パネル３にはコイン投入口８
が設けられている。このコイン投入口８は、ゲームの開
始に先立って遊技者が手元にあるコインを１〜３枚の範
囲で投入するときに用いられ、周知のようにそのコイン
の投入枚数に応じて入賞判定時に有効化される入賞ライ
ンの本数が決められる。コイン投入口８の奥には周知の
コイン選別器の他、適正なコインが投入されたときにそ
の枚数をカウントするコインカウンタが設けられてい
る。スタートレバー１０は、通常のゲーム処理ではコイ
ンを投入した後にその操作が有効化され、その操作によ
りリール５〜７が一斉に回転する。各リール５〜７ごと
にストップボタン１１〜１３が設けられ、リール５〜７
が回転しているときにストップボタン１１〜１３を押す
ことによって、これらを個別に停止させることができ
る。

【０００７】図１において、第１リール５は「☆」シン
ボルを表示窓４に出した状態で停止している。このよう
に、ゲームが終了した時点でいずれかのリールにより
「☆」シンボルが表示窓４に表示されたときにはサービ
ス入賞となり、コインを投入しなくても、全ての入賞ラ
インを有効化させた状態で１回の再ゲームを行うことが
可能な状態となる。サービス入賞によって得られた再ゲ
ームは任意の時点で実行させることができる。そして、
再ゲームの権利を行使しない状態のときにさらにサービ
ス入賞が得られると、その回数は積算されクレジット数
表示器１５で表示される。また、再ゲームを実行すると
きには、コインを投入する代わりに再ゲームボタン１６
を押した後、スタートレバー１０を操作すればよい。

【０００８】上記スロットマシンの機能ブロックを示す
図２において、コインセンサー２０はコイン投入口８か
ら投入されたコインを１枚ずつ検出する。この検出信号
はコインカウンタ２１で計数され、その計数値に応じて
入賞判定時に参照される入賞ラインの本数が決まる。ま
た、コインセンサー２０はコインの投入を検知してスタ
ート許可信号を始動制御部２２に供給する。始動制御部
２２は、コインセンサー２０からのスタート許可信号を
受けた後、スタートレバー１０が操作されたときにスタ
ート信号を出力する。このスタート信号は、リール制御
部２４，乱数サンプリング部２５に入力される。リール
制御部２４は、スタート信号を受けてリールごとに設け
られたステッピングモータを一斉に駆動し、これにより
第１〜第３リール５〜７が一斉に回転を開始する。また
乱数サンプリング部２５は、前記スタート信号の入力に
より所定範囲内の乱数列中から１個の乱数をサンプリン
グし、その値を入賞判定部２６に入力する。

【０００９】入賞判定部２６は、乱数サンプリング部２
５から入力された乱数値に基づき、実行されたゲームに
ついての入賞の種類（ハズレ，サービス入賞も含む）を
決定する。このため入賞確率テーブル２７には、乱数サ
ンプリング部２５でサンプリング可能な全ての乱数をそ
の値ごとに大入賞，中入賞，小入賞，サービス入賞，ハ
ズレにグループ分けしたデータが格納されている。そし
て、入賞判定部２６はこの入賞確率テーブル２７を参照
し、乱数サンプリング部２５でサンプリングされた乱数
の値がどの入賞グループに属しているのかを判定する。
こうして決められた入賞の種類を表すデータはリール制
御部２４に入力される。

【００１０】ストップボタン１１〜１３が操作される
と、停止信号発生部２８からストップ信号がリール制御
部２４に供給され、リールの停止制御が開始される。こ
のリール停止制御は、入賞判定部２６で決められた入賞
の種類が満たされるようなシンボルの組み合わせが入賞
ライン上に現れるように行われる。リール５〜７が停止
すると、入賞判定部２６はリール制御部２４からのデー
タを参照してシンボルの組み合わせを確認する。この確
認の結果、大入賞，中入賞，小入賞が得られているとき
には、これらの入賞の種類を表す入賞信号がホッパー制
御部２９に入力される。ホッパー制御部２９は、入賞の
種類ごとに配当コインの枚数を対応づけた入賞配当テー
ブル３０を参照し、規定枚数の配当コインを払い出すよ
うにホッパー装置３１の駆動を制御する。

【００１１】入賞確認の結果、サービス入賞が得られて
いるときには、入賞判定部２６は再ゲーム信号を発生し
てこれをクレジット制御部３２に入力する。クレジット
制御部３２は再ゲーム信号が供給される度に、その個数
をクレジットカウンタ３３に積算する。このクレジット
カウンタ３３のカウント値は、クレジット数表示器１５
によって図１に示したようにデジタル表示される。再ゲ
ーム信号発生部３４は、再ゲームボタン１６が操作され
たときにクレジット制御部３２に再ゲームスタート信号
を入力し、これによりクレジット制御部３２は始動制御
部２２にスタート許可信号を与える。もちろん、クレジ
ットカウンタ３３が「０」であるときには、再ゲームボ
タンの操作は無効化される。

【００１２】上記スロットマシンの作用について、図３
のフローチャートを参照しながら説明する。通常の流れ
にしたがってゲームを行う場合には、コイン投入口８か
らコインを投入してスタートレバー１０を操作する。こ
れによりリール５〜７が回転し、ストップボタン１１〜
１３を操作することによってリール５〜７の停止制御が
行われる。リール５〜７が停止したとき、入賞が得られ
ている場合には本体２に内蔵されたホッパー装置３１が
作動してその入賞に対応した枚数の配当コインが受け皿
に払い出され、１回のゲームが終了する。また、ハズレ
の場合にはリール５〜７が停止した時点でゲームが終了
する。

【００１３】こうして通常のゲームを実行してゆく間に
サービス入賞が発生すると、入賞判定部２６からの再ゲ
ーム信号がクレジット制御部３２に入力され、その個数
が１個ずつクレジットカウンタ３３で計数される。クレ
ジットカウンタ３３のカウント値が「１」以上である
と、そのカウント値の回数分だけコインを投入せずに再
ゲームボタン１６を押してゲームを実行することが可能
となる。再ゲームボタン１６を押してゲームを開始する
時期としては、必ずしもサービス入賞を得た直後のゲー
ムに限られず、クレジットカウンタ３３のカウント値が
「１」以上であればいつでもよい。したがって、手持ち
のコインを利用して次々にゲームを行ってゆき、その間
にサービス入賞による再ゲームの権利が得られた場合に
はこれをクレジットしておき、手持ちコインを消費した
後に、まとめて再ゲームを行うこともできる。再ゲーム
ボタン１６を押してゲームを行った場合には、スタート
レバー１０を操作したときにクレジットカウンタ３３の
カウント値が「１」だけ減算される。そして、クレジッ
トカウンタ３３のカウント値が「０」になると、ゲーム
の開始にはコインの投入が必須となる。

【００１４】上記実施例は、１ゲームあたりの投資価値
の入力が、コインの投入によって行われる通常のスロッ
トマシンに本発明を適用した例であるが、本発明はコイ
ンの投入の代わりにクレジットカードを用いることが可
能なスロットマシンにも等しく適用できる。クレジット
カードの利用が可能なスロットマシンでは、クレジット
カードに磁気的あるいは電子的に書き込まれた手持ち価
値データの中から、毎回のゲームごとに投資価値を決め
てスロットマシンに入力し、入賞が得られれば手持ち価
値に配当価値が加算して記録され、ハズレの場合には手
持ち価値から投資価値分が減算される。このようなスロ
ットマシンにおいても、１ゲームの開始に先立って投資
価値入力用のボタン操作が必要であるから、クレジット
カードに手持ち価値が残されているうちは、「ボタン操
作」→「スタートレバーの操作」→「シンボル確認」→
「ボタン操作」→・・・という一定の流れのうちでゲー
ムを繰り返し、クレジットカードの手持ち価値がなくな
ってから、それまでに得られた再ゲームの権利をまとめ
て行使すればよい。

【００１５】以上、図示した実施例をもとに本発明につ
いて説明してきたが、いずれかのリールに「☆」シンボ
ルが出たときにサービス入賞とする以外に、例えば第１
〜第３リール５〜７のシンボルの組み合わせが「７−７
−ＢＡＲ」となったときにサービス入賞とする等、その
シンボルの組み合わせについては適宜設定することがで
きる。また、上記スロットマシンに再ゲームリセットボ
タンを付加し、再ゲームボタン１６を押した後でも、ス
タートレバー１０を操作する前であれば再ゲームリセッ
トボタンを押すことによって、コインを投入する通常の
ゲームに戻すようにすることもできる。さらに、クレジ
ットカウンタ３３のカウント値「１」に対して擬似的に
コイン１個の投入と同じ価値を与え、再ゲームボタン１
６を１回押すごとに入賞ラインの有効化本数を増やすよ
うにしたり、またクレジットカウンタ３３のリセットに
より、そのときのクレジットカウント値に対応した枚数
のコインを払い戻すようにしてもよい。その他、本発明
はＣＲＴにシンボルを映像表示するビデオタイプのスロ
ットマシンにも全く同様に用いることができる。

【００１６】

【発明の効果】上述したように、本発明のスロットマシ
ンにおいては、ゲームの開始に先立つ１ゲームあたりの
投資価値の入力操作を行わなくてもゲームの実行が可能
な再ゲームの権利をクレジットしておき、遊技者が任意
の時点で再ゲームを行うことができるようになっている
から、例えば手持ちのコインを消費してしまうまでは、
コインを投入する通常のゲームの流れに沿って順次にゲ
ームを繰り返してゆき、その後にクレジットされている
再ゲームをまとめて実行するという操作も可能になる。
したがって、特に通常のゲームの流れに習熟した遊技者
にとっても、操作性の点で煩わしさを与えることなく再
ゲームを実行させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスロットマシンの外観図である。

【図２】図１に示したスロットマシンの機能ブロック図
である。

【図３】本発明のスロットマシンによる処理を表したフ
ローチャートである。

【符号の説明】

４ 表示窓 ５〜７ リール １０ スタートレバー １５ クレジット数表示器 １６ 再ゲームボタン ３２ クレジット制御部 ３３ クレジットカウンタ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １ゲームあたりの投資価値の入力によっ
   て発生されたスタート許可信号を受けた後、さらにスタ
   ート操作信号の入力に応答してシンボル列の移動表示を
   開始させるスタート制御手段を備えるとともに、シンボ
   ル列の移動停止時にシンボル表示窓に特定のシンボルが
   現れるか、あるいは特定のシンボルの組み合わせが生じ
   たときには再ゲーム信号を発生させ、この再ゲーム信号
   に基づいて前記スタート許可信号を得て投資価値の入力
   がなくてもゲームの実行が可能となるスロットマシンに
   おいて、前記再ゲーム信号の個数をカウントするカウン
   ト手段と、このカウント手段のカウント値を表示する表
   示手段と、カウント手段により再ゲーム信号がカウント
   された状態で再ゲームの開始操作が行われたことに応答
   して前記カウント手段のカウント値を減算するととも
   に、前記スタート許可信号を発生させる制御手段とを備
   えたことを特徴とするスロットマシン。
2. 【請求項２】 前記カウント手段のカウント値「１」に
   対し、１ゲームを開始するために最小限必要なコイン１
   枚分の投資価値を与え、カウント値が２以上であるとき
   には、再ゲームに際して遊技者がコイン２枚分以上の投
   資価値を入力してゲームを開始することができるように
   したことを特徴とする請求項１記載のスロットマシン。