JP2734197B2 - 気相成長装置 - Google Patents

気相成長装置

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JP2734197B2
JP2734197B2 JP2316421A JP31642190A JP2734197B2 JP 2734197 B2 JP2734197 B2 JP 2734197B2 JP 2316421 A JP2316421 A JP 2316421A JP 31642190 A JP31642190 A JP 31642190A JP 2734197 B2 JP2734197 B2 JP 2734197B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、主にGaAsなどの化合物半導体膜を基板上
に成長させる有機金属気相成長(MOCVD)装置を対象と
したものであり、装置の構成として、成膜用基板が取り
付けられる面が水平になるように設置されるサセプタ
を、箱状または円筒状の反応容器内に入れて反応ガスを
導入し水平方向に流し、サセプタを加熱することにより
前記成膜用基板に薄膜を成長させる気相成長装置に関す
る。
〔従来の技術〕
第7図にこの種のMOCVD装置の従来の構成例を示す。
基板1が水平に取り付けられた円板状または角型板状に
形成された黒鉛製サセプタ2は、石英ガラスで成形され
た円筒状の反応容器3の内部に取り付けられ、この反応
容器の中に反応ガス(MOCVD装置では、水素ガスのバブ
リングによりガス化されたIII族元素のアルキル化物と
V族元素の水素化物との混合ガス、以降反応ガスと記
す)が反応容器3の端部に形成された反応ガス導入口6
から導入される。また高周波誘導加熱用コイル4が反応
容器3の外側に巻かれておりこれに高周波電流を通電す
ることにより黒鉛製サセプタ2を加熱する。
反応容器3の端部の反応ガス導入口6から導入された
反応ガスは、高温に加熱したサセプタ2に取り付けられ
た基板1の面上で熱分解し、基板面に分解したガス分子
が堆積して膜形成が行われる。基板面を通過したガスは
導入口と反対端に取り付けられた排気フランジ5の排気
口7から排出される。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述の装置には以下のような問題がある。
(1)成膜を行う場合、反応ガスが基板面上の上流側へ
の成膜に消費され、下流側では密度の減少を生じて基板
上に成長する膜の厚さが反応ガスの上流側と下流側とで
異なり、また、サセプタまわりの流路の断面形状から膜
の厚さが基板の中心部と左右とで異なってしまう欠点が
ある。
(2)良好な膜質を得るためには基板上付近において反
応ガスの流れが層流であることが望ましいが、反応容器
の反応ガス導入口から導入された反応ガスがサセプタ側
面にあたるため、サセプタ付近で反応ガスの流れが乱れ
てしまい、基板上付近で層流が得られない。
上記(1),(2)項の欠点を除去するため、例え
ば、特開昭57−132543号公報において、誘導加熱コイル
が巻かれた石英ガラス製反応容器内で誘導加熱されるサ
セプタを、回転楕円体の回転軸方向適宜の位置で適宜の
厚みに切り出した形状に形成して基板を面積が小さい方
の端面に取り付け、サセプタに当たったガスがサセプタ
の傾斜面に沿って層流状態を維持しつつ上昇し、基板面
を層流状態で通過するようにするとともに、サセプタを
回転楕円体の回転軸を中心として回転させることによ
り、基板面に良質の,かつ膜厚が均一な薄膜を形成す
る,回転駆動機構を備えた反応容器が開示されている。
しかし、この反応容器は、サセプタを誘導加熱すること
を前提としたものであり、反応容器内で誘導加熱領域内
にある回転機構部材はすべて石英ガラスで作られ、該公
報では、サセプタの下面側に軸が鉛直方向の石英ガラス
製傘歯車を取り付け、この傘歯車と噛み合う石英ガラス
製傘歯車を、反応容器内を水平に走る石英ガラス製の駆
動軸先端に取り付け、この駆動軸を反応容器の外部から
回転駆動してサセプタを回転させる構成が示されてい
る。しかし、このように、サセプタを反応容器内に配さ
れた歯車を介して回転駆動すると、歯面の摩耗によって
生じる石英粉が基板面に付着して膜質を低下させるとい
う問題が生じる。また、誘導加熱を前提とした反応容器
では、誘導加熱のために誘導加熱コイルに高周波電流を
供給する高周波電源として、容積が大きく、コストの高
い高周波電源を必要とし、経済面でも問題があった。
(3)成膜を行った場合、反応容器の内部が、反応生成
物の付着により汚れるため、反応容器を取外し洗浄を行
う必要があるが、反応容器は気密を保つ構造となってい
るため取付け取外しが大変な作業となる欠点がある。
(4)反応ガスが熱分解し反応生成物となって容器内部
に付着し、基板面上のより下流側において、成膜に与か
る未分解の反応ガス分子の量が減少するが、この未分解
ガス分子が有効に成膜に利用されていない欠点がある。
(5)反応容器は、成膜時に膜に不純物が入らないよ
う、また高温度に耐えるために高純度の石英ガラスを使
用しているが、石英ガラスは引張強度・衝撃強度が弱い
ため、反応容器の内部と外部との圧力差が大きくなった
場合、または誤って衝撃を与えた場合等に破損する欠点
がある。
また基板の大型化により反応容器も大きくする必要が
あるが、石英ガラスでは製作に限界が生じる欠点があ
る。
この発明の目的は、上述の問題点が解決された気相成長
装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、本発明においては、前記
各項の問題点に対応して次の手段を講ずるものとする。
(1)問題点第1項に対応して、本発明が対象とする構
成の気相成長装置、すなわち、成膜用基板が取り付けら
れる面が水平になるように設置されるサセプタを、箱状
または円筒状の反応容器内に入れて反応ガスを導入し水
平方向に流し、サセプタを加熱することにより前記成膜
用基板に薄膜を成長させる気相成長装置において、前記
サセプタを加熱する加熱手段を抵抗加熱ヒータとし、か
つこのヒータをサセプタとともにサセプタの基板取付け
面と垂直な軸まわりに回転可能な構造とするとともに、
さらに、問題点第2項および第3項に対応して、反応容
器内へ導入された反応ガスの全量を、少なくともサセプ
タ近傍の,サセプタより上流側からサセプタより下流側
にわたる範囲、所望の流路断面で流すように成形された
脱着可能な石英ガラス製内部容器を反応容器内に取付け
るとともに、反応容器と内部容器との間にH2ガス,N2
スまたは不活性ガスを流すようにする。
(2)問題点第4項に対応し、前記第1項の装置におい
て、石英ガラス製内部容器を、上面が反応ガスの下流側
ほどサセプタの上面へ近づくように上面に傾きをつけた
形状とする。
(3)問題点第5項に対応し、前記第1項または第2項
の装置において、反応容器を金属容器とする。
(4)さらに、前記第1項または第2項の装置におい
て、反応容器の金属容器化に伴う問題点解決のために、
反応容器の反応ガス導入口と内部容器の反応ガス導入口
とを、ばねを用いて導入口の全周にわたり互いに密に接
触させる構造とする。
〔作用〕
本発明が対象とする構成の気相成長装置に対して前述
の手段を講ずることにより、次のような作用もしくは効
果が生じる。
(1)手段第1項により、基板面が反応ガスの流れの方
向と同一方向の面内で回転し、基板面に形成された膜の
膜厚分布が、基板面の上流側,下流側の差を生ずること
なく大きく改善され、特に基板面周方向の膜厚分布の不
均一は実質完全に解消される。
また、サセプタの加熱手段として抵抗加熱ヒータを用
いるから、サセプタを誘導加熱する場合のような回転機
構部材の材質上の制約が少なくなり、反応容器内回転機
構の形成が構造的,材質的に容易となる。従って回転機
構に歯車を用いるときのような発塵の恐れをなくするこ
とが容易に可能になる。
さらに、サセプタを取り囲む誘導加熱コイルが存在し
ないから、ヒータの回転軸を、反応容器周壁を垂直に貫
通して導出することができ、回転機構を含む装置構成が
簡易化される。
同じく手段第1項により、例えば、石英ガラス製内部
容器を、ガス流路の断面が方形となるように形成して、
該方形の底面をサセプタの基板取付け面と同一平面とな
るように反応容器内に取り付けることが可能になり、反
応ガスの流れが反応容器の断面形状とは関係なく、基板
面を完全な層流状態で通過することができ、膜質が大き
く改善される。
また、ガスの流路(流線)がサセプタ位置で変形する
ことがなく、ガスの流速が流路の垂直全断面にわたって
等しくなり、ガス密度が基板の左右方向に変化しない。
さらに基板上の流路の厚みも基板の左右方向に同じであ
るから、成膜に与かるガス量も左右方向に差を生じな
い。従って基板の左右方向に膜厚の不均一が生じない。
従って、基板をサセプタ,加熱ヒータとともに回転させ
ることにより、膜厚が基板の上流側,下流側,左右方向
の別なく実質完全に均一化された膜を形成することがで
きる。
さらに、反応容器と内部容器との間にH2ガス,N2ガス
または不活性ガスをいわゆるスイープガスとして流すこ
とにより、反応生成物が反応容器に付着せず内部容器の
みに付着することになる。そして、これらスイープガス
の圧力を内部容器内とほぼ同じにすると、内部容器が複
数の容器部分から構成される場合の各部分相互間の気密
性や、内部容器と反応容器相互の接合部の気密性は厳密
でなくとも、反応ガスの内部容器外への洩れ量、あるい
はスイープガスの反応ガス内への混入量は極めて少なく
なり、かつスイープガスが反応ガス中に混入した場合に
も、スイープガスとして、反応ガス中のキャリアガスと
同じH2ガスまたはN2ガス,不活性ガスを用いることによ
り、膜質へのスイープガスの影響は無視できるから、内
部容器を、反応容器への取付け,取外しの容易さに重点
を置いて形成することが可能になり、洗浄作業が著しく
容易になる。
また、反応ガスは反応容器より天井の低い内部容器内
へ導入され、導入された反応ガスが効率よく熱分解され
るから、成膜に使用する反応ガスの量が少なくてすみ、
原料を有効に利用することができる。
(2)手段第2項により、石英ガラス製内部容器を、上
面が反応ガスの下流側ほどサセプタの上面へ近づくよう
に上面に傾きをつけた形状とすると、基板面の上流側で
分解せず、未分解状態で下流側へ移動するガス分子が移
動とともに基板面へ近づき、上面が水平な内部容器と比
べてより効果的に加熱,分解されて基板面下流側の成膜
に寄与し、反応ガスがより有効に成膜に利用される。
(3)手段第1項により、サセプタを加熱する加熱手段
を抵抗加熱ヒータとしたので、手段第3項に示すよう
に、反応容器を金属容器とすることが可能になり,反応
容器の内部と外部との圧力差が大きくなったり、多少の
機械的,あるいは熱的衝撃を受けても容器が破壊する恐
れがなくなる。成膜で一般に使用される反応ガスは人体
に危険であり、反応容器を金属容器とすることにより、
装置の安全性が著しく向上する。
(4)手段第4項により、内部容器と接合され反応容器
内へ導入された反応ガスを内部容器内へ流入させる反応
容器側接合部が簡易化され、金属容器を、耐熱強度保持
に必要とする冷却が全体にわたり一様に行われる容器と
することができる。
〔実施例〕
第1図は本発明の基礎となる例を示すものである。図
において、第7図と同一機能部材には同一符号が付され
ている。石英ガラスで成形され軸線方向を水平にして置
かれた円筒状の反応容器3の内部には、中空鉛直軸28の
先端に、ここではモリブデン製円板の下面にシースによ
り保護,絶縁された抵抗加熱線を円板状に成形した加熱
体が固定されてなり、あるいは黒鉛を円板状に成形して
なる抵抗加熱ヒータ8が支持され、この抵抗加熱ヒータ
8と一体化されたサセプタ2の水平な上面に基板1が取
り付けられる。
反応容器3の内部は、水冷されるシールケーシング11
内部の軸封じ材12により気密に保たれ、また、中空鉛直
軸28は、ベアリングケース9内のベアリング10により、
その軸線まわり回転自在に支持され、モータ14により、
ギア13を介して回転駆動される。抵抗加熱ヒータ8への
加熱電流の供給は、ここには特に図示していないが、中
空鉛直軸28の内側を通る導体を介して行われる。
有機金属化合物膜の原料ガスとして、水素キャリアガ
スのバブリングによりガス化されたIII族元素のアルキ
ル化物とV族元素の水素化物との混合ガスを、反応ガス
導入口6から反応容器3内へ導入すると、混合ガスは反
応容器3内を水平に流れ、サセプタ2および基板1によ
り加熱されてそれぞれ分解し、分解したガス同志が反応
して基板上に堆積し、あるいは基板上で反応して化合物
膜を形成する。この膜形成を、中空鉛直軸28を回転駆動
しつつ行うことにより、基板面上の上流側と下流側とで
膜の厚さが平均化され、基板面上の上流側と下流側との
別なく、膜厚均一性の良好な膜が形成される。膜形成に
与った後の反応ガスは排出口7から外部へ排出される。
第2図は請求項第1項の一実施例を示す。石英ガラス
製反応容器3はかまぼこ型の形状に形成され、その底面
は平面に、また上部は断面が半円形に形成されている。
反応ガス導入口6から内部へ向かって流路断面が次第に
横方向に広がる扇状のガス導入部3aが形成され、このガ
ス導入部3aが、以下に説明する内部容器と反応容器3と
のガス流路の接合部を形成している。
内部容器100は、反応容器3の底面上に置かれる,石
英ガラス板からなる内部容器部分15と、上面がサセプタ
2の上面と同一高さとなるような厚みを有する,石英ガ
ラス板からなる内部容器部分16と、内部容器部分15上に
載置され断面方形のガス流路を形成する,石英ガラスで
成形されたカバー状内部容器17とからなる。そして、内
部容器100と反応容器3との間の空間には、反応容器3
の底面に形成されたガス導入口3bから、H2ガス,N2ガス
あるいは不活性ガスがスイープガスとして導入され、排
出口7から反応ガスとともに外部へ排出される。内部容
器100内の反応ガス圧力および内部容器100と反応容器3
との間の空間のスイープガス圧力は、ともにTorrオーダ
の真空圧であるから、内部容器部分は反応容器3の底面
上に載置するのみで載置時点の位置を保持し、また、
〔作用〕の項で述べたように、内部容器部分相互間およ
び反応容器のガス導入部3aと内部容器100との接合部に
厳密な気密性を必要としない。従って、反応容器3内へ
の内部容器の取付け,取外しは極めて容易に行うことが
できる。
装置をこのように構成し、反応ガスをガス導入部3aを
通して内部容器100内へ導入すると、サセプタ2の上面
と内部容器部分16の上面とは同一平面内にあるから、反
応ガスは層流状態を維持して基板面を通過し、基板面に
膜質の良好な膜を形成する。また、ガス流路の垂直断面
は、サセプタ近傍の,サセプタより上流側から下流側に
わたる範囲、同一方形断面となっているため、この範囲
内の流路断面中いずれの部位のガス密度も等しく、ま
た、流路の厚みも基板の左右方向に差がないから、基板
面に形成される膜の厚さは基板の左右方向に差を生じな
い。従って、膜形成を、中空鉛直軸28を回転駆動しつつ
行うことにより、基板上の膜厚分布が実質完全に均一化
された膜形成が可能になる。
また、この装置構成では、成膜時の反応生成物が反応
容器に付着しないから、内部容器のみを洗浄すればよ
く、また、この内部容器は、その構成と取付け方法とか
ら、極めて容易に反応容器外部へ取り出すことができ
る。また、洗浄後の再取付けも極めて容易である。
さらに、図にみられるように、内部容器は天井が低
く、未分解状態のまま外部へ排出される反応ガス量が少
なくなるため、導入された反応ガスが効率よく成膜に利
用され、原料を有効に使用することができる。
第3図は請求項第2項の一実施例を示す。内部容器は
天井が流れの方向に低くなるように上面が2〜5°傾い
て形成され、サセプタ上面あるいは基板面上の上流側で
分解されて未分解ガスが少なくなったガスも、下流側へ
進むにつれて基板面に近づき、上面が水平な内部容器と
比べてより多くの未分解ガスが分解し、基板面下流側の
成膜に寄与する。
第4図は請求項第4項の一実施例を示す。内部容器10
1は、第2図,第3図における反応容器3のガス導入部3
aをその構成要素として取り込んで形成されている。こ
の内部容器101の構造を第5図に分解斜視図で示す。内
部容器部分16には下面側に突起16bが形成され、この突
起16bを内部容器部分15の孔15aに挿入することにより孔
16aと15aとの中心が一致する。また、内部容器部分15の
下面側にも孔15aと同心にリング状の突起15bが形成さ
れ、この突起15bを反応容器3の開口31(第4図)に挿
入することにより孔15aと開口31との中心が一致する。
これにより、抵抗加熱ヒータ8,サセプタ2および基板1
は内部容器101に接触することなく回転することができ
る。
ところで、第2図,第3図におけるガス導入部3aの役
目を果たす,石英ガラスで成形された内部容器部分18
は、反応容器3の反応ガス導入口6側に、第6図に示す
ような構造の反応ガス導入口18aを形成され、この反応
ガス導入口18aを、反応容器3の反応ガス導入口6を形
成するガス導入フランジ20のテーパ面とばね21により密
着させる構造として反応容器側の構造簡易化を図るとと
もに、反応容器3をAl材を用いて断面方形に形成し、そ
れぞれの壁面に、冷却管19aをジグザグに沿わせた冷却
板19を密着状態に取り付け、反応容器3を冷却不足部分
なく一様に冷却する構造としている。反応容器を冷却す
る理由は、Alの軟化温度が石英ガラスよりも低く、サセ
プタを加熱する際の強度低下を防止するためである。
〔発明の効果〕
本発明においては、本発明が対象とする気相成長装置
を上述のように構成したので、以下のような効果が奏せ
られる。
(1)請求項1の装置では、基板面が反応ガスの流れの
方向と同一方向の面内で回転し、基板面に形成された膜
の膜厚分布が、基板面の上流側,下流側の差を生ずるこ
となく大きく改善され、特に基板面周方向の膜厚分布の
不均一は実質完全に解消される。
また、サセプタの加熱手段として抵抗加熱ヒータを用
いるから、サセプタを誘導加熱する場合のような回転機
構部材の材質上の制約が少なくなり、反応容器内回転機
構の形成が構造的,材質的に容易となる。従って回転機
構に歯車を用いるときのような発塵の恐れをなくするこ
とが容易に可能になる。
さらに、サセプタを取り囲む誘導加熱コイルが存在し
ないから、ヒータの回転軸を、反応容器周壁を垂直に貫
通して導出することができ、回転機構を含む装置構成が
簡易化される。
加えて、例えば、石英ガラス製内部容器を、ガス流路
の断面が方形となるように形成して、該方形の底面をサ
セプタの基板取付け面と同一平面となるように反応容器
内に取り付けることが可能になり、反応ガスの流れが反
応容器の断面形状とは関係なく、基板面を完全な層流状
態で通過することができ、膜質が大きく改善される。ま
た、基板の左右方向にガス密度,ガス流量の差を生じな
いから、基板をサセプタ,加熱ヒータとともに回転させ
ることにより、膜厚が基板の上流側,下流側,左右方向
の別なく実質完全に均一化された膜を形成することがで
きる、等、膜質,膜厚の制御が容易になる。
また、反応容器と内部容器との間にH2ガス,N2ガスま
たは不活性ガスをいわゆるスィープガスとして流すこと
により、反応生成物が反応容器に付着せず内部容器のみ
に付着し、かつ、スイープガスの圧力を内部容器内の反
応ガス圧力とほぼ等しくすることにより、内部容器が複
数の容器部分から構成される場合の各部分相互間の気密
性や、内部容器と反応容器相互の接合部の気密性は厳密
でなくとも、反応ガスの内部容器外への洩れ量、あるい
はスイープガスの反応ガス内への混入量は極めて少なく
なり、かつスイープガスが反応ガス中に混入した場合に
も、スイープガスとして、反応ガス中のキャリアガスと
同じH2ガスまたはN2ガス,不活性ガスを用いることによ
り、膜質へのスイープガスの影響は無視できるから、内
部容器を、反応容器への取付け,取外しの容易さに重点
を置いて形成することが可能になり、洗浄作業が著しく
容易になる。また、これにより、装置の運転効率が向上
する。
さらに、反応ガスは反応容器より天井の低い内部容器
内へ導入され、導入された反応ガスが効率よく熱分解さ
れるから、成膜に使用する反応ガスの量が少なくてす
み、原料を有効に利用することができる。
(2)請求項2の装置では、基板面の上流側で分解せ
ず、未分解状態で下流側へ移動するガス分子が移動とと
もに基板面へ近づき、上面が水平な内部容器と比べてよ
り効果的に加熱,分解されて基板面下流側の成膜に寄与
し、反応ガスがより有効に成膜に利用される。
(3)請求項3の装置では、反応容器を金属容器とする
ことが可能になり,反応容器の内部と外部との圧力差が
大きくなったり、多少の機械的,あるいは熱的衝撃を受
けても容器が破壊する恐れがなくなる。成膜で一般に使
用される反応ガスは人体に危険なため、反応容器を金属
容器とすることにより、装置の安全性が著しく向上す
る。また、基板の大型化に対応した大型反応容器の製作
が容易となる。
(4)請求項4の装置では、内部容器と接合され反応容
器内へ導入された反応ガスを内部容器内へ流入させる反
応容器側接合部が簡易化され、金属容器を、耐熱強度保
持に必要とする冷却が全体にわたり一様に行われる容器
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基礎となる例を示す装置の縦断面図、
第2図は請求項第1項の一実施例を示す装置の断面図で
あって、同図(b)は縦断面図,同図(a)は同図
(b)のA−A線に沿う断面図、第3図は請求項第2項
の一実施例を示す装置要部の縦断面図、第4図は請求項
第4項の一実施例を示す装置の断面図であって、同図
(b)は縦断面図,同図(a)は同図(b)のB−B線
に沿う断面図、第5図は第4図に示す装置に用いられた
内部容器の構造を示す分解斜視図、第6図は第4図に示
す装置における反応容器,内部容器それぞれの反応ガス
導入口同志の結合構造を示す装置要部の縦断面図、第7
図は本発明が対象とする気相成長装置の従来の構成例を
示す縦断面図である。 1:基板(成膜用基板)、2:サセプタ、3:反応容器、6,18
a:反応ガス導入口、8:抵抗加熱ヒータ、20:ガス導入フ
ランジ、100,101:内部容器。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成膜用基板が取り付けられる面が水平にな
    るように設置されるサセプタを、箱状または円筒状の反
    応容器内に入れて反応ガスを導入し水平方向に流し、サ
    セプタを加熱することにより前記成膜用基板に薄膜を成
    長させる気相成長装置であり、前記サセプタを加熱する
    加熱手段を抵抗加熱ヒータとし、かつこのヒータをサセ
    プタとともにサセプタの基板取付け面と垂直な軸まわり
    に回転可能な構造とした気相成長装置であって、 反応容器内へ導入された反応ガスの全量を、少なくとも
    サセプタ近傍の,サセプタより上流側からサセプタより
    下流側にわたる範囲、所望の流路断面で流すように成形
    された脱着可能な石英ガラス製内部容器を反応容器内に
    取付けるとともに、反応容器と内部容器との間にH2
    ス,N2ガスまたは不活性ガスを流すようにしたことを特
    徴とする気相成長装置。
  2. 【請求項2】請求項第1項に記載の気相成長装置におい
    て、石英ガラス製内部容器を、上面が反応ガスの下流側
    ほどサセプタの上面へ近づくように上面に傾きをつけた
    形状としたことを特徴とする気相成長装置。
  3. 【請求項3】請求項第1項または第2項に記載の気相成
    長装置において、反応容器を金属容器としたことを特徴
    とする気相成長装置。
  4. 【請求項4】請求項第1項または第2項に記載の気相成
    長装置において、反応容器を金属容器とするとともに、
    反応容器の反応ガス導入口と内部容器の反応ガス導入口
    とを、ばねを用いて導入口の全周にわたり互いに密に接
    触させるようにしたことを特徴とする気相成長装置。
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