JP2733805B2 - 回線多重化システムにおけるfaxデータ蓄積伝送方法 - Google Patents

回線多重化システムにおけるfaxデータ蓄積伝送方法

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JP2733805B2
JP2733805B2 JP3140591A JP14059191A JP2733805B2 JP 2733805 B2 JP2733805 B2 JP 2733805B2 JP 3140591 A JP3140591 A JP 3140591A JP 14059191 A JP14059191 A JP 14059191A JP 2733805 B2 JP2733805 B2 JP 2733805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のメディア情報を
1つの伝送路を用いて効率よく多重化伝送する回線多重
化システムにおいて、FAXデータを送信多重化装置も
しくは受信多重化装置で一旦蓄積し伝送するFAXデー
タ蓄積伝送方に関するものである。
【0002】
【従来の技術】音声及びFAXデータを含む複数のメデ
ィア情報を1つの伝送路を用いて効率的に多重化伝送す
る回線多重化システムが実用化されている。このような
システムの1つとして、リアルタイム伝送を必要する
メディア情報(例えば音声信号)以外のメディア情報を
システム内に一旦蓄積し、その後受信端末へ伝送する回
線多重化システムがある。メディア情報を送信端末から
受信端末まで伝送する場合における多少の伝送遅延の増
加を許容する代わりに、このシステムの利点としては、
送受信多重化装置間の回線におけるメディア情報の伝送
効率を上げ、また高度な伝送機能(例えば同報通信機能
等)を実現し付加価値的伝送ができること、等がげら
れる。
【0003】特に、FAX信号のリアルタイム伝送を行
わないシステムに対しては、FAXデータをシステム内
に一旦蓄積した後伝送する方(以下、FAXデータ蓄
積伝送方と呼ぶ)が近年盛んに実用化されている。図
1はこのFAXデータ蓄積伝送方を実現するための基
本的システム構成を表している。図中、1は送信FAX
端末、2は送信交換機、3は送信多重化装置、4は送信
バッファ、5は多重化装置間の回線、6は受信多重化装
置、7は受信バッファ、8は受信交換機、9は受信FA
X端末である。送信FAX端末1と送信多重化装置3と
の間に回線が確立した後で、まず送信FAX端末1から
送信交換機2を介して伝送されてきたFAXデータの一
部もしくは全部が一旦送信多重化装置3内の送信バッフ
ァ4に蓄積される。送信多重化装置3は、多重化装置間
の回線5の使用状態もしくは込み具合い等の負荷状態に
応じて適応的にFAXデータ伝送量を変え、回線5を介
して受信多重化装置6へFAXデータを多重化伝送す
る。回線5を介して受信したFAXデータの一部もしく
は全部は受信多重化装置6内の受信バッファ7に蓄積さ
れる。受信多重化装置6は、受信FAX端末9との間に
回線を確立した後で、蓄積されたFAXデータを受信交
換機8を介して受信FAX端末9へ伝送する。よって、
このFAXデータ蓄積伝送方では、送信FAX端末1
と送信多重化装置3との間の回線、送信多重化装置3と
受信多重化装置6との間のFAXデータ伝送のための回
線5上のチャンネル、及び受信多重化装置6と受信FA
X端末9との間の回線は順に別々に設定・確立される。
即ち、このFAXデータ蓄積伝送方は、音声信号の存
在しないときに代わりにFAXデータを伝送することに
より多重化装置間の回線の多重化効率を上げている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなFAXデー
タ蓄積伝送方を用いた回線多重化システムでは、FA
X画情報と同じように、FAX画情報を伝送する前にや
り取りされるFAX制御信号も送受信FAX端末間でリ
アルタイムに伝送されないので、次のような問題点、す
なわち、回線多重化システムは、送受信FAX端末に対
して、例えば用紙サイズ、解像度、符号化方式等のFA
通信の最適なFAX伝送機能をどのようにして知れば
よいかがある。
【0005】以下にこの問題点について補足し、それを
解決した従来技術と従来技術の問題点について説明す
る。通常のリアルタイムFAXデータ伝送システムで
は、送受信FAX端末は、画情報を伝送する前のFAX
制御信号のやり取りを行っている最中に各々が要求して
いる伝送機能の確認を行うことにより、最適な画情報
送機能を決定している。ところが、従来のFAXデータ
蓄積伝送方では、送信FAX端末と送信多重化装置と
の間の回線、送受信多重化装置間のFAXデータ伝送の
ためのチャンネル、及び受信多重化装置と受信FAX端
末との間の回線は順に別々に設定・確立されるので、シ
ステムは送受信FAX端末が要求している画情報伝送機
能を同時に認識することができない。
【0006】そこで、従来のシステムでは、送信FAX
端末と送信多重化装置間でのFAX画情報の伝送を行う
前のFAX制御信号のやり取りのときに、 (a) 送信多重化装置は可能な限り最高のFAX伝送機能
を用いて画情報を伝送することを送信FAX端末に対し
て要求し、一方(例えば受信多重化装置の如き)システ
ムは受信FAX端末が提供できないFAX機能に対して
機能変換を施すことにより受信FAX端末へ画情報を伝
送する方法、もしくは、 (b) 送信多重化装置は如何なるFAX端末も保有してい
る最低の伝送機能を用いて伝送することを送信FAX端
末に対して要求する方法、により、上記の問題点を解決
していた。
【0007】上記(a) の方法を用いると、例えば受信F
AX端末が要求するFAX伝送機能が送信FAX端末の
ものより劣っている場合には、欠点としてシステム内で
FAX伝送機能変換が必要となりシステムへの処理負
荷が増大してしまうこと、更にFAX機能によっては
(例えば解像度機能については)、システム内のバッフ
ァを非効率的に使用してしまったり、伝送に時間がかか
ったりしてしまうことが考えられる。また、上記(b) の
方法を用いると、例えば送受信FAX端末が共に高画情
伝送機能を保有している場合には、欠点として画情報
低伝送機能でFAX画情報を伝送しなければならず、双
方の端末が保有しているFAX伝送機能を十分活かしき
れないことがある。
【0008】従来技術の一具体例として、図1の構成に
おいて、自動手順のG.III FAXを対象としたFAX
データ蓄積伝送方を用いたシステムについて図を用
いて説明する。尚、説明を簡単にするために、決定すべ
画情報伝送機能としては解像度機能、即ち、線密度が
3.85/mmである標準解像度モードか線密度が7.71/mmで
あるファイン解像度モードを選択する機能のみを取り上
げる。図2はこのようなFAXデータ蓄積伝送方を実
現するためのシステムにおけるT.30制御信号の画情
報送信を行うまでのやり取りを示している。まず、送信
FAX端末1は、送信多重化装置との間に回線が設定さ
れると、T.30手順に則り、CNG信号(1100H
zトーン)を送出する。これに応じて送信多重化装置3
はCED信号(2100Hzトーン)を返送し、続けて
送信多重化装置3が保有する画情報のためのFAX伝送
機能を示すDIS信号を送出する。この時点では、送信
多重化装置3は、受信FAXの端末がファイン解像度モ
ードを有するか否かをまだ認識できていないので、仮に
有することを想定して送信FAX端末1に対してファイ
ン解像度モード受信可能であることをDIS信号(ファ
クシミリ情報フィールドFIFの第15ビットが“1”
に設定される信号)により通知する。送信FAX端末1
は、もしファイン解像度モードを要求したければ、送信
多重化装置3に対してDCS信号によってファイン解像
度モードの使用を決定したことを通知する。その後、通
常のT.30の手順を踏むことにより、送信多重化装置
3はFAX画情報を受信する。即ち、送信多重化装置3
は常にファイン解像度モードでFAX画情報を受け付け
なくてはならない。一般に標準解像度モードに比べてフ
ァイン解像度モードは線密度が2倍であるから、蓄積伝
送すべき符号化情報量も2倍となる。例えば、受信FA
X端末がファイン解像度モードを有していなかった場合
には、従来の送信多重化装置3はFAXデータ蓄積用バ
ッファ容量及び多重化装置間のFAX画情報の伝送時間
を2倍も消費してしまっていることになる。従って、送
信FAX端末が要求している解像度モード機能を低下さ
せることなく、FAXデータのバッファ必要蓄積容量の
低減化及び伝送時間の短縮化を実現するためには、送信
多重化装置3は、FAX画情報を受け付ける前に受信F
AX端末が有する伝送機能を認識しなくてはならない。
【0009】以上のように従来技術には、システム内で
画情報伝送機能変換が必要となりシステムへの処理負
荷が増大してしまうこと、システム内のバッファを非効
率的に使用してしまったり伝送に時間がかかったりして
しまうこと、送受信FAX端末が保有している伝送機能
を十分活かしきれないことという欠点があった。
【0010】本発明は、このような従来方の欠点を解
決し、かつ送受信FAX端末に対して最適な画情報伝送
機能で送信FAX端末から受信FAX端末まで画情報を
伝送できるFAXデータ蓄積伝送方を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、FAX
データ蓄積伝送方を用いた回線多重化システムにおい
て、送信端末から発呼があると送受信端末間に回線を一
旦確立し、送信端末と受信端末が共にFAX端末である
場合には、FAX画情報の伝送が行われる前に専用の制
御信号を送受信FAX端末間で取り交わさせ、FAX画
情報の最適なFAX伝送機能を送受信端末間で決定さ
せ、送信多重化装置もしくは受信多重化装置がそのFA
制御信号を検出した最適な伝送機能を認識した後、送
信多重化装置と受信FAX端末間の回線を一旦切断し、
検出されたFAX制御信号から得られたFAX画情報の
伝送機能を用いて送信FAX端末から受信端末へのFA
X画情報をその最適な画情報伝送機能で蓄積伝送する
ところにある。
【0012】
【実施例1】以下に図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。図3は本発明のFAX蓄積伝送方を用いた回線多
重化システムにおける多重化装置の概略構成図である。
図中、15はトランク、16はトランクインターフェー
ス部、17は音声符号化・復号化部、18はFAX符号
化・復号化部、19はFAX判定部、20は割当制御
部、21はFAXデータ蓄積部、22はベアラインター
フェース部、23はベアラ回線、24はFAX伝送機能
監視部である。尚、システム基本構成は図1に基づく。
【0013】トランクインターフェース部16は、割当
制御部20からの制御信号に従い、トランク15と音声
符号化・復号化部17もしくはFAX符号化・復号化部
18とを割り当てる。即ち、トランク15に入力された
信号を音声符号化・復号化部17及びFAX符号化・復
号化部18へそれぞれ出力し、逆に音声符号化・復号化
部17及びFAX符号化・復号化部18からの信号をト
ランク15に出力し端末へ伝送する。同時に、それらの
割当状態を割当制御部20へ送出する。また、トランク
15からの呼の制御情報(交換機のためのシグナル)は
割当制御部20へ、逆に割当制御部20からの呼の制御
情報(交換機のためのシグナル)はトランク15へ送出
する。音声符号化・復号化部17では、割当制御部20
からの制御信号に従い、トランクインターフェース部1
6から入力された信号をパケット(音声符号化最小単位
に等しい)化し有音/無音検出を行い、有音と判断され
たパケット(もしベアラ容量に余裕のある場合には無音
と判定されたパケットも有音パケットと見なす)に対し
ては適切なビットレートで音声符号化してベアラインタ
ーフェース部22へ渡す。一方、符号化情報が相手多重
化装置から伝送されてきた場合には、要求されたビット
レートでベアラインターフェース部22から入力された
信号を復号化し、また符号化情報が伝送されてこなかっ
た場合には雑音挿入等の適切な補間処理により無音パケ
ットを再生して、トランクインターフェース部16へ渡
す。同時に、符号化・復号化状態を割当制御部20へ送
出する。ベアラインターフェース部22では、割当制御
部20からの制御信号に従い、音声符号化・復号化部1
7からの音声パケット、FAXデータ蓄積部21からの
FAXデータパケット、及び割当制御部20からの割当
制御信号を多重化し、ベアラ回線23に出力して相手側
多重化装置へ伝送する。一方、ベアラ回線23から入力
された多重化信号から取り出した割当制御信号を割当制
御部20へ出力する。さらに、割当制御部20からの制
御信号に従って、音声符号化・復号化部17及びFAX
データ蓄積部21へ各々音声パケット及びFAXデータ
パケットを送出する。
【0014】FAX符号化・復号化部18では、割当制
御部20からの制御信号に従い、トランクインターフェ
ース部16からの信号を復号化しその復号化信号をFA
X判定部19及びFAX伝送機能監視部24へ送出す
る。FAX判定部19においてトランクインターフェー
ス部16から入力された信号がFAX信号と判定された
場合には、FAX符号化・復号化部18は、割当制御部
20からの制御信号に従って、そのFAX信号と判定さ
れた信号を蓄積に適したフォーマットに変換し、必要で
あれば符号化し直し、FAXデータ蓄積部21へ出力す
る。逆に、FAXデータ蓄積部21より入力されたFA
X信号を、そのFAX信号に付加されてきたFAX伝送
機能情報に基づいたフォーマットに変換し、必要ならば
符号化し直し、トランクインターフェース部16へ出力
する。同時に、FAX符号化・復号化状態を割当制御部
20へ送出する。送受信端末がFAX端末である場合に
は、通常、FAX画情報を伝送する前にFAX制御信号
のやり取りが行われるが、FAX判定部19では、FA
X符号化・復号化部18から送出された復号信号にその
FAX制御信号が現れたか否かでFAX信号の有無を検
出し、割当制御部20へ検出状態を送出する。FAX画
情報の伝送前のFAX制御信号のやり取りの最中にFA
X画情報の伝送機能が決定されるが、FAX伝送機能監
視部24では、復号化されたFAX制御信号からこの決
定された画情報伝送機能を検出し、割当制御部20へそ
の検出情報を送出する。
【0015】割当制御部20では、FAX判定部19か
ら出力された検出状態に従い、例えばある一定時間の間
FAX制御信号が検出された場合にはトランクインタ
ーフェース部16に対して該当トランクを音声符号化・
復号化部17から切り放すことを要求する。次に、FA
X伝送機能監視部24においてFAX端末間で決定され
画情報伝送機能を検出した後、割当制御部20は、ベ
アラインターフェース部22に対して送信多重化装置3
から受信FAX端末9までの回線を切断する要求を送出
する。さらに、FAX伝送機能監視部24で検出した
情報伝送機能でトランクインターフェース部16からの
FAX信号を受信し蓄積に適したフォーマットに変換し
必要であれば符号化し直して、検出した画情報伝送機能
情報と共にFAXデータ蓄積部21へ送出するように、
FAX符号化・復号化部18を制御する。同時にFAX
符号化・復号化状態を監視する。
【0016】一方、ベアラ回線23の負荷状態に応じて
決定したビットレートの情報を基に音声符号化・復号化
部17を制御し、同時に音声符号化・復号化部17から
の音声符号化状態を監視する。さらに、FAXデータ蓄
積部21に対して、FAX符号化・復号化部18からの
FAX信号の蓄積を制御し、同時にその蓄積状態を監視
する。そして、ベアラインターフェース部22に対し
て、音声パケット及びFAXデータパケットをベアラ回
線23の容量へ割り当てるための割当制御信号を送出
し、同時にベアラインターフェース部22での割当状態
を監視する。尚、トランクインターフェース部16から
の呼の制御情報(交換機のためのシグナル)を割当制御
情報の一部としてベアラインターフェース部22を介し
て受信多重化装置へ伝送し、逆にベアラインターフェー
ス部22からの呼の制御情報(交換機のためのシグナ
ル)をトランクインターフェース部16を介して送信交
換機へ伝送する。
【0017】FAXデータ蓄積部21では、割当制御部
20からの制御信号に従って、FAX符号化・復号化部
18からのFAX信号及び割当制御部20からのそのF
AX信号に対応する割当制御情報及び画情報伝送機能情
報を一旦蓄積し、ベアラインターフェース部22へ送出
する。逆に、ベアラインターフェース部22からのFA
Xデータパケットを一旦蓄積し、FAX信号をFAX符
号化・復号化部18へ、またそのFAXに対応する割当
制御情報及び画情報の伝送機能情報を割当制御部20
へ、各々送出する。同時に、割当制御部20に対してF
AXデータの蓄積状態を送出する。
【0018】具体的一例として、本発明のFAX蓄積伝
送方を用いた回線多重化システムにG.III FAX端
末(CCITT勧告のT.30自動手順端末)が接続さ
れている場合について説明する。
【0019】図4,図5,図6は、本発明のFAX蓄積
伝送方を用いた回線多重化システムにおけるFAX
御信号及びFAXデータの伝送シーケンスを示してい
る。尚、同図のシーケンスにおいて、送信FAX端末か
ら、送信交換機、送信多重化装置、受信多重化装置、受
信交換機を経て、受信FAX端末へFAXデータが伝送
されるものとする。
【0020】図4において、まず、一般的な手順により
送受信FAX端末間に回線多重化システムを介して回線
を確立する。呼の制御信号に対して送信多重化装置3と
受信多重化装置6はトランスペアレントな伝送を行うも
のとする。送信FAX端末がオフフックすると送信交換
機2はこれを検知し送信FAX端末1に受信FAX端末
電話番号の送出を要求するアンサートーンを送出する。
送信FAX端末が受信FAX端末電話番号(同図中では
電話番号と略す)を送出すると、これを受信した送信交
換機2は受信交換機8に対して起動信号(SZ)を送出
する。受信交換機8はこれを検知すると送信交換機2に
対して選択信号(SS)の送出を要求する接続応答信号
(ANS)を送出する。送信交換機から選択信号(S
S)を検知すると、受信交換機8は受信FAX端末9に
対してコーリングを行い、同時に送信端末に対してはリ
ングバックトーン(Ring Back Tone)を送出する。受信
FAX端末9がオフフックすると、これを検出した受信
交換機8は送信交換機2に受信FAX端末9が応答した
ことを示す応答信号(ACK)を送出する。以上により
送受信FAX端末1,9間に回線が確立したことにな
る。これ以降は送受信交換機2,8は信号をトランスペ
アレントに伝送することになる。
【0021】次に、送受信端末1,9が自動手順のG.
III FAX端末であるので、T.30におけるFAX
御信号のやり取りが始まる。送信FAX端末1からトー
ナル信号としてCNG信号(1100Hzのトーン)が
送出され、これを受信FAX端末9が受信するとCED
信号(2100Hzのトーン)を送出する。尚、これら
のトーンは多重化装置3,6間では音声符号化されて伝
送される。続けて受信FAX端末は自分の保有する画情
伝送機能を表すためにDIS信号を送出する。送受信
多重化装置3,6は、送受信FAX端末1,9間で伝送
されるFAX制御信号をFAX符号化・復号化部18で
復号化しFAX判定部19及びFAX伝送機能監視部2
4において検出する。受信多重化装置は、このDIS
信号の先頭に付加されるプリアンブルを認識することに
より、FAX信号を検出したと見なし、即ち送信端末が
FAX端末であることを認識する。また、FAX信号を
検出したこと及び受信FAX端末9の保有する画情報
送機能を表すためにDIS信号を送信多重化装置へ送
出する。但し、この送信多重化装置3へ伝送されるDI
S信号は、送受信多重化装置3,6間において音声符号
化されて伝送されても、他の独自の方法(例えばパケッ
ト化する等)で伝送されてもよい。受信多重化装置6か
らのDIS信号を受信した送信多重化装置3は、受信F
AX端末9が行っていたT.30手順を肩代りし、受信
FAX端末9が保有する画情報伝送機能を示すDIS信
号を送信FAX端末に対して送出する。送信FAX端末
1は、受信したDIS信号から得られる受信FAX端末
9の保有する画情報伝送機能と自分の保有する伝送機能
とを比較することにより、最終的な伝送機能を決定し、
決定した画情報伝送機能の情報を乗せたDCS信号を送
出する。このDCS信号を送信多重化装置3内のFAX
伝送機能監視部24が検出し、この画情報伝送機能でF
AX画情報を伝送することになる。尚、FAXデータ蓄
積部21へFAX画情報を蓄積する前には、蓄積に適し
たフォーマットに変換し、必要ならば再符号化を行う。
【0022】一方、送受信多重化装置3,6において、
受信FAX端末からDIS信号のプリアンブルを検出し
た後は、送受信多重化装置3,6間のベアラ回線23に
割り当てられていたT.30制御信号を伝送していた
線多重化システムの音声用チャンネルは、送信多重化装
置3における音声用チャンネル切断信号(DSCSP)の
送出及び受信多重化装置6からの音声チャンネル切断応
答信号(ACK SP の検出により切断される。さらに、
受信多重化装置6は、受信FAX端末9との間の回線を
切断する処理を次のように行う。まず、送信端末が執り
行っていたT.30プロトコルを、送信端末の代わりに
受信多重化装置6が受信FAX端末9との間で行う。か
くして、FAXデータ伝送準備が完了すると、受信多重
化装置6は任意の画情報を送出したあと画情報及びFA
Xデータの終了を表すFAX制御信号(MPS,EO
P,MCF及びDCM)のやり取りを行うことにより、
受信FAX端末9を正常終了させて、通常の方法により
受信多重化装置6と受信FAX端末9間の回線を切断す
る。
【0023】受信FAX端末9が行っていたT.30手
順を肩代りして送信FAX端末1からのDCS信号を検
出した後、送信多重化装置3は、通常のT.30手順を
送信FAX端末1との間で執り行う。その後、DCS信
号から得られるFAX伝送機能情報を含むFAXデータ
の一部または全部をFAXデータ蓄積部21に蓄積し
図に示すように他の符号化信号と一緒に多重化し受
信多重化装置6へ伝送する。受信多重化装置6は送信多
重化装置3から受信したFAXデータの一部または全部
を一旦蓄積する。次に、該当する受信FAX端末に対し
て再発呼して回線を確立し、蓄積されたFAXデータを
伝送する。伝送が終了すると、図6に示す如き手順によ
り回線を切断する。
【0024】以上のシステムでは、FAX信号検出を受
信多重化装置6で行った例を示したが、この検出を送信
多重化装置3で行うことも可能であることも言及してお
く。尚、FAX信号検出をDIS信号の先頭に付随する
プリアンブルの検出により行ったが、例えばDCS信号
の先頭に付加されるプリアンブルを検出するなどT.3
0手順中の任意の制御信号の検出により行うことも可能
である。また、FAX伝送機能検出後の受信多重化装置
と受信FAX端末との間の回線を切断する方法として受
信FAX端末を正常終了させることにより行ったが、受
信多重化装置がFAX信号検出後T.30手順を強制的
に中断することにより回線切断する方法も考えられる。
【0025】
【実施例2】実施例1では、決定したFAX伝送機能の
検出を送信多重化装置3で行った例を示したが、この検
出を受信多重化装置6で行うことも可能である。即ち、
送信FAX端末1から送出されるDCS信号を音声符号
化して受信多重化装置6まで伝送し、受信多重化装置6
においてDCS信号を検出することにより、送受信FA
X端末1に対して最適な画情報伝送機能を用いる。
【0026】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、FAXデータ蓄積伝送方を用いた回線多重化シ
ステムにおいて、送信端末から発呼があると送受信端末
間に回線を一旦確立し、送信端末と受信端末が共にFA
X端末である場合には、FAX画情報の伝送が行われる
前にFAX専用の制御信号を送受信FAX端末間で取り
交わさせ、FAX画情報の最適な画情報伝送機能を決定
させ、送信多重化装置もしくは受信多重化装置がその
AX制御信号を検出し、決定された最適な画情報伝送機
能を認識した後、送信多重化装置と受信FAX端末間の
回線を一旦切断し、送信FAX端末からのFAX画情報
をその最適な画情報伝送機能で蓄積・伝送することによ
り、従来のFAX蓄積伝送方を用いた回線多重化シス
テムにおける、(1) システム内でFAX画情報の伝送機
能を変換する必要から処理負荷を増大させてしまうこ
と、(2) システム内のFAXデータ蓄積用のバッファを
非効率的に使用してしまうこと、及び(3) 送受信FAX
端末が保有する画情報伝送機能を十分に活かせないこと
の如き欠点を全て克服し、かつ送受信FAX端末に対し
て最適なFAX画情報の伝送機能をシステムが検する
ことができるので、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のFAX蓄積伝送方を用いた基本的なシ
ステム構成図である。
【図2】従来のFAX蓄積伝送方を用いたシステムに
おける送信端末と送信多重化装置間の信号のやり取りを
表した図である。
【図3】本発明のFAX蓄積伝送方を用いた回線多重
化システムの概要構成図である。
【図4】本発明のFAX蓄積伝送方を用いた回線多重
化システムにおける具体的な伝送シーケンス例を説明し
た図である。
【図5】本発明のFAX蓄積伝送方を用いた回線多重
化システムにおける具体的な伝送シーケンス例を説明し
た図である。
【図6】本発明のFAX蓄積伝送方を用いた回線多重
化システムにおける具体的な伝送シーケンス例を説明し
た図である。
【符号の説明】
1 送信FAX端末 2 送信交換機 3 送信多重化装置 4 送信バッファ 5 多重化装置間の回線 6 受信多重化装置 7 受信バッファ 8 受信交換機 9 受信FAX端末 15 トランク 16 トランクインターフェース部 17 音声符号化・復号化部 18 FAX符号化・復号化部 19 FAX判定部 20 割当制御部 21 FAXデータ蓄積部 22 ベアラインターフェース部 23 ベアラ回線 24 FAX伝送機能監視部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声及びFAXデータを含む複数のメデ
    ィア情報を1つの伝送路を用いて多重化し伝送する回線
    多重化システムを用いて、 送信端末から伝送されてきたFAXデータの一部もしく
    は全部を一旦送信多重化装置が蓄積し、蓄積された該F
    AXデータを受信多重化装置へ伝送し、伝送されてきた
    前記FAXデータの一部もしくは全部を該受信多重化装
    置が蓄積し受信端末へ送出するFAXデータ蓄積伝送方
    において、 該送信端末から発呼があると前記送信端末から該受信端
    末までに一旦回線を設定し、 前記送信端末と前記受信端末が共にFAX端末である場
    合に、FAX画情報の伝送が行われる前に前記送受信端
    末間において取り交わされるFAX制御信号の内該F
    AX画情報の伝送機能を決定する制御信号を、前記送信
    多重化装置もしくは前記受信多重化装置が検出した後、
    前記送信多重化装置と前記受信端末間の回線を一旦切断
    し、その検出された該制御信号から得られた該FAX画情報
    の伝送機能を用いて、 該回線多重化システムが前記送信
    端末から前記受信端末へ前記FAX画情報を蓄積・伝送
    ることを特徴とするFAXデータ蓄積伝送方
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