JP2733800B2 - 皮膚創傷包帯の包装体 - Google Patents

皮膚創傷包帯の包装体

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JP2733800B2 JP3510632A JP51063291A JP2733800B2 JP 2733800 B2 JP2733800 B2 JP 2733800B2 JP 3510632 A JP3510632 A JP 3510632A JP 51063291 A JP51063291 A JP 51063291A JP 2733800 B2 JP2733800 B2 JP 2733800B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明の背景 本発明は組織の保存及び配布の分野に関する。
医学の領域に於ては、火傷、潰瘍、または外科的切除
に依る皮膚創傷後の体液の喪失及び感染を予防しなが
ら、新しい皮膚の成長を助ける皮膚創傷の包帯の開発は
優先的な問題である。従来の包帯類は広い面積の創傷を
適切に保護することが出来ず、従って種々の代替え品が
開発されてきた。これらの中にはヒトの死体またはブタ
の皮膚の部分及び全層移植、及びヒトの同種移植及び自
己移植がある。自己移植を除いてその他の殆どは、免疫
抑制療法なしには結局は身体から拒絶されるので、不満
足であることが証明されている。自己移植は小面積には
有用であるが、従来の自己移植技術は身体の広い面積に
及ぶ大火傷には実用的ではない。皮膚創傷包帯として使
用する上皮細胞の培養シートは、現在マサチューセッツ
州、ケンブリッジのバイオサーフェイス テクノロジー
社(Biosurface Technology,Inc.)より入手可能であ
る。
現在、培養移植片は患者に使用する目的で、直接火傷
治療センターまたは病院の手術室に配送されている。各
移植片の包装では、培養上皮層はワセリン ガーゼの裏
打ち材に外科用クリップで取り付けられている。各培養
移植片はほぼ25cm2の大きさで、抗生物質を添加した少
量の無血清、炭酸水素ナトリウム緩衝剤処理培地を入れ
た浅い皿に個々に包装されている。移植片を入れた複数
の皿は、滅菌済み気密容器で出荷される。輸送容器は炭
酸水素ナトリウム緩衝剤処理培地が、適当なpHを維持す
るには10%炭酸ガスの含有を要するので、気密でなけれ
ばならない。
現在の輸送システムにとっての問題には、浅い組織培
養皿から滅菌輸送容器に移すときに培地がこぼれるこ
と、輸送中の容器の気密性の喪失、それに依って、移植
片が期間は不明だが塩基性pHの培養液中に保持されるこ
と、また輸送中の培養液の揺動する剪断力で、上皮がワ
セリン ガーゼ裏打ちから脱落することがある。
これらの移植片を皮膚創傷を包帯として使用するには
その他の実際的な困難がある。移植片の張力は、しばし
ば自身の重量に耐えられずに、端部を支えると裂けてし
まう程度である。この理由で、移植片は取扱を容易にす
るためガーゼに付着されている。一旦移植片自体が重ね
合わさると、元の平面形状に戻すことが非常に困難であ
り、ガーゼの裏打ちなしには元来不可能である。移植片
の取厚扱は細胞の生存度を大きく損なうので、最小限と
すべきである。
本発明の目的は、火傷及びその他の損傷から生じた皮
膚の創傷に適用する前に、包帯の生存度を最大限に維持
する様に、取扱を最小限とし、且つ取り外しを容易にす
ることを可能とする皮膚創傷包帯の保存及び配布の為
に、特別にデザインした容器を提供するにある。本発明
の目的は個々の移植片の為に密封可能な容器の提供及び
使用に依って達成された。本容器は一旦封をすると、気
密でこぼれることがない。更に、移植片が最小限の空間
に保存されるので、移植片を裏打ちから引き裂く剪断力
が減じられる。
本発明の要約 本発明は培養上皮細胞シートを含有する保護容器また
は包装体から成る皮膚創傷包帯の保存及び配布に有用な
製品として具体化される。保護容器とは皮膚創傷に適用
して複製増殖可能な培養上皮細胞の平面状の、粘着性シ
ートの表面支持材である。保護容器は上皮細胞シートを
収容した空間を覆う被覆で密封される。封を破って、被
覆を除くと、上皮細胞の平面状シートは支持体表面に垂
直にシートを持ち上げてはがすことが出来て、無傷で機
械的ストレスを最少限にて取り出される。保護容器は生
理食塩水または培養培地など上皮細胞保存媒体を含んで
良く、また冷却保持剤を含んでいても良い。上皮細胞の
平面状シートは、典型的には細胞数約10個未満の厚さで
あり、部分的に分化している。本シートは裏打ちシート
または細胞の平面状シートと容器の支持帯表面との間に
配置した基質にとり外せるように付着させることが出来
る。細胞は角質細胞が好ましく、裏打ちシートは石油系
ガーゼが好ましい。容器は側壁及び手で持ちやすい様
に、またカバーを取り除くのに不可欠な取っ手を有して
いるものが良い。
図面の簡単な説明 本発明の性状、目的及び特徴を充分理解する為に、以
下の詳細な説明及び添付図面を参照されたい。
第1図は本発明の製品の上面平面図であり、保護容器
内部に納められた上皮シートを示す。
第2図は、第1図の製品の線分2−2の断面図であ
る。
第3図は本発明の製品の保護容器から被覆を手で取り
外す方法を示す。
第4図は保護容器から創傷包帯を手で取り外す方法を
示す。
第5図は、創傷包帯を保護容器から患者に当てる操作
を図示する。
それぞれの図面中の同様な参照記号は、対応する部分
を示す。
詳細な説明 本発明は皮膚創傷の包帯の保存及び配布用の容器に関
する。容器は無傷で生存する培養上皮細胞シートを主要
製造施設に於ける保存、その後の火傷並びにその他の損
傷に依って生じた皮膚創傷を治療する外科施設への輸送
及び適用を容易にする。
培養ヒト上皮細胞シートは、皮膚創傷の回復に永久的
な自己移植材料として機能することが出来る。一時的な
同種移植材質としても、本シートは非常に有効な火傷の
包帯でもあり、慢性皮膚潰瘍及び中間層移植供与者側の
治癒を促進することが出来る。本シートはラインワルド
及びグリーン(Rheinwald and Green)の開発した培養
システムを用いて製造出来る。そのシステムでは上皮細
胞は組織培養皿またはフラスコの表面で迅速に分裂し、
最後には密に、相互結合した細胞の融合した適度な層状
のシートを形成する。融合した上皮の細胞培養生成物
は、ディスパーゼ(dispase)などの酵素処理で、一体
化した細胞シートとして取り外して、次いでワセリン
などの石油系ゼリーを浸潤させたガーゼに留めて、手術
室に輸送され、患者に使用される。培養上皮細胞シート
の製法の詳細は、米国特許第4,016,036、4,304,866、及
び4,456,687号を参照されたい。これらの記述をここに
参照として引用する。
細胞培養は融合に達した2日以内に移植片を調製する
に使用される。培養上清は培養フラスコより吸引し、細
胞シートは同面積の2枚に切断する。最終濃度2.5mg/ml
(約1.2U/ml)のディスパーゼII(ベーリンガーマンハ
イム社、Boehringer Mannheim)40mlをフラスコに添加
し、次いで滅菌プラスチック容器に移し、10%炭酸ガス
含有加湿空気中、37℃で培養する。培養移植片は約細胞
10個未満の厚さの上皮細胞層状シートを形成する。本シ
ートは典型的には、最終的に創傷表面に接して置かれる
表面層と下層の発芽力のある層を含む、部分的に分化し
た層に適度に層状化されている。
第1及び2図は全体として30で示される皮膚創傷包帯
を含む空間22を形成する保護容器20及び被覆21から成る
包装体10を示す。保護容器20は、上端が密封部17につな
がり、包帯保持材表面18により底面縁につながる側壁16
から成る。握り手19は側壁16から外方に広がっている。
被覆21は密封部17で保護容器20に密封されて、創傷包帯
30の液体非浸透性の空間22を形成する。被覆21は加熱、
接着、またはその他の当該技術に既知の手段に依って、
密封部17に取り付けられる。空間22は生理食塩液または
培養培地を含むことが出来、そのいずれかまたは双方に
冷却保存剤が添加されても良い。
皮膚創傷包帯30は、移植片10の胚芽層が、被覆21に対
して上を向く様に接着性基質シートまたは裏打ち13の上
に配置した上皮細胞10の培養、粘着性シートから成る。
移植片10はクリップ14で基質シート13に脱離可能な様に
付着させる。基質シート13は、石油系ガーゼから成るの
が好ましい。ガーゼは移植片10を皮膚創傷に当てる前の
取扱を容易にし、以後は皮膚創傷面上の移植片10に脱離
可能に重ねる包帯として作用する。
保護容器20は、例えば熱可塑性材料、好ましくは光学
的に透明なプラスチックのシートを真空成型して作ら
れ、ポリエチレン テレフタレート グリコールが現在
好ましい材料である。被覆21は最も好ましくはポリオレ
フィンから成り、保護容器にシート シール可能な樹脂
でシールする。包装体は使用前に、例えばガンマ放射線
の2.5〜3.0メガラドに照射して滅菌する。包装体は冷凍
または非冷凍上皮細胞シートの保存または輸送に使用さ
れる。現在好ましい冷凍及び解凍技術記録の詳細は、本
出願と同日出願の米国出願(代理人整理番号BTP003)に
開示され、その開示は本出願中に参照として引用した。
第3、4、及び5図は本発明の製品の使用を図示し
た。被覆21は図示する様に片手の母指と人差指との間に
掴む。同時に、取っ手19を掴み、被覆21は保護容器20の
密封部17に於ける契合から、皮膚創傷包帯30を完全に露
出する様に手で取り外される。第4図に示す様に、包帯
30は、基質シート13を保持し、ピンセット25を用いて支
持体表面18から、垂直に静かに持ち上げるか、または剥
す。包帯をこの方法で包装体から分離する方式は、壊れ
易い移植片10にかかる引き裂き力を最小限にとどめ、移
植片としての至適有効性を維持するに役立つ。第5図は
培養移植片10の局所適用を示す。保護容器20から取り外
した後に、包帯30は裏返して接着基質シート13が最上に
なる様に、シート10の発芽力のある層を下方に向ける。
この位置で包帯30は創傷面に移植片の発芽力のある層が
面する様に移して、外側は接着基質または裏打ちシート
13で保護する。
上記は例示の目的のみで提示し、以下に定義する本出
願の発明の範囲の限定を意図するものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 米国特許4206844(US,A)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密封する表面を形成する第1の包装材料; 前記密封する表面と密封する様に契合される第2の包装
    材料、前記第2の包装材料は、前記第1包装材料と共
    に、液体非浸透性の密閉体を形成し、前記第1及び第2
    の包装材料の1つが包帯支持表面を形成し、前記第1及
    び第2の包装材料の1つが窪みを形づくり、他方がシー
    ト状からなり; 皮膚創傷に適用することにより複製増殖可能な上皮細胞
    の平面状の、培養された、粘着性シートからなる創傷包
    帯が、前記密閉体内の前記支持表面上で上皮細胞保存培
    地中に支持され; 前記密封契合を破いて前記第1及び第2の包装材料を分
    離し、前記平面状の、培養シートの全面を実質的に露出
    させる手段よりなり、前記平面状の培養シートを前記支
    持体表面に対して垂直に持ち上げて剥がし、前記密閉体
    から無傷で取り出せる皮膚創傷包帯(skin wound dress
    ing)の包装体。
  2. 【請求項2】前記保存培地が生理食塩液である請求項1
    の包装体。
  3. 【請求項3】前記保存培地が培養培地である請求項1の
    包装体。
  4. 【請求項4】平面状シートが、約10細胞未満の厚さで、
    皮膚創傷に接触する発芽力のある層を形成する請求項1
    の包装体。
  5. 【請求項5】更に前記支持体表面と前記平面状シートと
    の間に接着性基質シートが配置され、前記発芽力のある
    層の面が前記基質に面しない請求項4の包装体。
  6. 【請求項6】前記基質シートが石油系ガーゼである請求
    項1の包装体。
  7. 【請求項7】前記基質シートが離脱可能な様に前記平面
    状シートに付着し、前記基質シートが皮膚創傷に適用し
    た際に、離脱可能な被覆として有用である請求項1の包
    装体。
  8. 【請求項8】前記密封材が透明高分子材料である請求項
    1の包装体。
  9. 【請求項9】前記密封内に凍結保護剤が配置され、密封
    材の中では前記シートが凍結した請求項1の包装体。
  10. 【請求項10】前記第1及び第2の包装材料のいずれか
    の要素を成し、前記支持体表面に平行な平面で外方に広
    がっている握り手を含む請求項1の包装体。
  11. 【請求項11】前記表皮細胞が角質細胞である請求項1
    の包装体。
  12. 【請求項12】皮膚創傷包帯包装体に於て、第1の包装
    材料が密封表面を形成し、第2の包装材料が前記封入表
    面と密封を形成する様に契合し、前記第2包装材料が、
    前記第1包装材料と共に、液体不浸透性の密封を形成
    し、前記第1及び第2の包装材料の1つが包帯支持体表
    面を形成し、前記第1及び第2の包装材料の1つが窪み
    を、他方がシート状材料から成り、創傷包帯が皮膚創傷
    に適用されて複製増殖可能な上皮細胞の平面状の、培養
    された、粘着性シートから成り、また前記支持体表面に
    向き合わない様に前記皮膚創傷に接する発芽力のある層
    を形成し、前記包帯が前記支持体表面と前記培養シート
    との間に配置した接着性基質上に、前記支持体表面に平
    行に前記密封内に保持された前記包帯、また前記第1及
    び第2の包装材料の前記密封契合を破いて分離し、また
    前記平面状の、培養シートを実質的に全体を露出させ、
    かくして前記平面状の培養シートを前記密封から、前記
    支持体表面に垂直に前記培養シートを持ち上げて剥し、
    無傷で取り外し得ることから成る皮膚創傷包帯の包装
    体。
  13. 【請求項13】皮膚創傷包帯に於て、第1の包装材料が
    密封表面を形成し、第2の包装材料が前記密封表面と密
    封する様に契合し、前記第2包装材料が、前記第1包装
    材料と共に、液体非浸透性の密封を形成し、前記第1及
    び第2の包装材料の1つが包帯支持基質を形成し、前記
    第1及び第2の包装材料の1つが窪みを、他方がシート
    状材料から成り、創傷包帯が皮膚創傷に解凍後に適用し
    て複製増殖可能な上皮細胞の平面状の、培養された、粘
    着性凍結シートで、前記密封が凍結保護剤内に前記支持
    基質に平行に密封支持され、また前記第1及び第2の包
    装材料の前記密封契合を破いて分離し、また前記平面状
    シートを実質的に全体を露出させ、かくして前記平面状
    シートを前記密封から、前記支持体表面に垂直に前記シ
    ートを持ち上げ剥して無傷で取り外し得ることから成る
    皮膚創傷包帯の包装体。
  14. 【請求項14】前記密封表面及び前記第2包装材料が接
    着結合されている請求項1、12または13の包装体。
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