JP2732778B2 - 被加熱食品の加熱方法 - Google Patents

被加熱食品の加熱方法

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JP2732778B2 JP5155872A JP15587293A JP2732778B2 JP 2732778 B2 JP2732778 B2 JP 2732778B2 JP 5155872 A JP5155872 A JP 5155872A JP 15587293 A JP15587293 A JP 15587293A JP 2732778 B2 JP2732778 B2 JP 2732778B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被加熱食品の加熱方法に
関し、特に容器内に収容された状態で加工食品として消
費者に供されるいわゆるレトルト食品の加熱方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】カレ
ーやおでんの具などの食品であって、いわゆるレトルト
パウチ(図2に示す)などの容器に収容されている食品
(以下、被加熱食品とする)は通常、加熱処理が施され
ている。なおレトルトパウチは両側のシート部材2,3
相互を三辺で張り合わせたものであり、一辺にレトルト
パウチ内に通じる開口部4を有している。この加熱処理
は、殺菌や調理などを目的として行われており、被加熱
食品が充填され密封されたレトルトパウチに対して行わ
れている。
【0003】被加熱食品を加熱する方法として従来から
用いられている方法には、例えば、蒸煮法がある。この
蒸煮法では、その熱源として蒸気や熱湯など比較的熱容
量の大きな熱源が用いられており、被加熱食品を所望の
加熱温度で所定の時間保持して殺菌を行っている。
【0004】しかしながら、この蒸煮法(レトルト殺
菌)による加熱では、レトルトパウチ内の食品を、外部
からの熱伝導により加熱するので、レトルトパウチの中
心部の温度を所望の温度まで上昇させるためには、非常
に長い時間が必要である。したがって、液体部分には過
剰な加熱殺菌が施されるのに対し、具の部分、特に中心
部分では殺菌が不足になりがちである。このように、液
体部分と具の中心部分とでは、熱履歴に著しい差がある
ため、従来にあっては加熱殺菌時間を短くすることが困
難であった。
【0005】このようなことから、例えば、特開平3−
139265号公報や特願平5−107078号公報に
開示されているようなジュール加熱による加熱方法が採
用されつつある。この加熱方法は、被加熱食品に通電し
て生じるジュール熱により、その被加熱食品を加熱する
方法であるので、被加熱食品を急速に、しかも均一に加
熱することができる。この加熱方法を利用できるレトル
トパウチとして、図3に示すようなレトルトパウチ10
0が製作されている。このレトルトパウチ100は、被
加熱食品に電極が接触する構造になっており、一旦密封
したレトルトパウチ100内の被加熱食品に通電して生
じたジュール熱で、その被加熱食品を加熱できるように
なっている。そして加熱が終了すると、その電極を取り
除きつつ、再びレトルトパウチ100を密封するように
なっている。このようなレトルトパウチ100を用いる
と、被加熱食品を良好に、つまり短時間で均一に加熱で
きるが、量産をするとなると、電極が取付けられたレト
ルトパウチ100を量産する必要があったり、レトルト
パウチ100を密封する工程が2工程になったりするな
ど、多くの課題を解決する必要がある。
【0006】以上のような問題点に鑑みてなされた本発
明は、ジュール加熱するための電極が取付けられていな
い容器を用いつつ、ジュール熱により被加熱食品を短時
間で加熱する加熱方法を提供することを目的としてお
り、容器に収容される被加熱食品を所望の温度で均一に
加熱する加熱方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、被加熱食品を収容する容器の開口部より当
該容器の内部に、少なくとも一対の電極を挿入する電極
挿入工程と、前記容器の内部に前記被加熱食品を充填す
る充填工程と、前記電極に通電して前記容器内の前記被
加熱食品を加圧しつつジュール加熱する加熱工程と、前
記電極を前記容器から取出す電極取出し工程と、前記容
器の前記開口部を閉塞して前記被加熱食品が収容された
前記容器を密封する密封工程とを有することを特徴とす
る被加熱食品の加熱方法である。
【0008】
【作用】このような加熱方法にあっては、容器に充填し
た被加熱食品を、容器の開口部を閉塞する前に、加圧し
つつジュール加熱する。そして電極を取り出した後、容
器が密封される。したがって、容器内に収容される被加
熱食品に通電するための電極を、被加熱食品を収容する
容器に取り付ける必要はない。
【0009】
【実施例】次に、本発明に係る被加熱食品の加熱方法の
実施例を、図面に基づいて説明する。図1は、おでんの
具をレトルトパウチに連続的に充填すると共に加熱する
装置を示す図である。図示するように、この装置は、レ
トルトパウチ1を搬送する搬送ユニット11を有してい
る。搬送ユニット11は、駆動モータ(図示せず)によ
り作動され、設置された位置に沿って移動する環状の搬
送ベルト13を有しており、搬送ベルト13にはレトル
トパウチ1を保持する保持具15が等間隔で取り付けら
れている。
【0010】また搬送ベルト13は、保持具15の設置
間隔と動距離移動する毎に一定時間だけ停止するように
なっている。したがって、搬送ベルト13が停止する
と、各保持具15は、常に、搬送ベルト13に沿って設
定されている保持具15の設置間隔と等間隔の停止位置
20〜29に停止する。これらの停止位置に対応する位
置には、各種ユニットが設置されており、停止位置に停
止した保持具15や保持具15に保持されるレトルトパ
ウチ1に対して作業を行うようになっている。
【0011】次にこれらの停止位置に対応して設置され
る各ユニットを説明する。搬送ベルト13が停止したと
きの保持具15の停止位置のうちの一つの停止位置つま
り第1停止位置21に対応する位置には、第1停止位置
21に停止する保持具15にレトルトパウチ1を供給す
るレトルトパウチ供給ユニット31が設置されている。
このレトルトパウチ供給ユニット31は、レトルトパウ
チ送出口(図示せず)を有しており、この送出口からレ
トルトパウチ1を送出して、第1停止位置21に停止す
る保持具15に供給している。なお、レトルトパウチ1
が保持具15に保持されると、その両側のシート部材
2,3が開かれ開口部4が十分な大きさに拡げられる。
【0012】また、第1停止位置21に停止した保持具
15が次に停止する停止位置つまり第2停止位置22に
対応する位置には、図2に示すように、保持具15に保
持されるレトルトパウチ1に、一対の電極35,36を
挿入する電極挿入ユニット37が設置されている。ここ
で挿入される電極35,36は、この後、レトルトパウ
チ1に充填されるおでんの具や液状のだしなどを、通電
により加熱するための電極であり、図2に示すように、
L字形状になっている。このように、被加熱物であるお
でんの具を充填する前に電極35,36を挿入すると、
電極挿入時に電極35,36により具を突き刺して商品
価値を低下させるといった不具合の発生を防止すること
ができる。なお、レトルトパウチ1の開口部4は、前述
したように、予め十分に拡げられているので、容易にか
つ確実に電極35,36を挿入することができる。ま
た、レトルトパウチ1の開口部4を拡げる方法には、例
えば、一対の吸着部材(図示せず)により両シート部材
2,3をそれぞれ吸着して相互に離反させる方法等をは
じめ、種々の方法がある。
【0013】保持具15が第2停止位置22の次に停止
する第3停止位置23に対応する位置には、レトルトパ
ウチ1におでんの具を充填する第1充填ユニット41が
設置されている。おでんの具を充填する充填ユニットの
設置数は、充填される具やだしの種類の数に応じて適宜
変更する。なお本実施例では、この第1充填ユニット4
1と、第4停止位置24に対応して設置されるだしを充
填する第2充填ユニット43とを図示するのみであり、
他の充填ユニットは省略している。
【0014】この後、第5停止位置25や第6停止位置
26を通過する間に、レトルトパウチに挿入されている
電極に電源(図示せず)からの電流が通電され、生じる
ジュール熱により、具やだしがジュール加熱される。な
お、高い温度まで加熱する場合は、レトルトパウチを加
圧容器(図示せず)内で通電する。
【0015】また、第7停止位置27に対応する停止位
置には密封ユニット54が設置されている。この密封ユ
ニット54は、レトルトパウチ1の開口部4を密封する
ものであり、加熱が終了し電極35,36が取り出され
たレトルトパウチ1の開口部4を密封している。なお、
この密封ユニット54ではヒートシールが用いられてい
る。
【0016】そして、第8停止位置28に対応する位置
には、密封されたレトルトパウチ1を保持具15から取
り出し、次の包装工程や、出荷の工程に搬送する第2搬
送ユニットが設置されている。
【0017】なお、第1から第8までの各停止位置21
〜28は、相互に隣接する停止位置である必要はない。
したがって、本実施例においては相隣接して設定されて
いても、特にそのような位置設定に限られるものではな
く、例えば本実施例にはない工程を相互間に追加しても
よい。
【0018】このような装置により、レトルトパウチ内
に充填されるおでんの具やだしを加熱する手順を説明す
る。なお、この説明では、保持具15が第1停止位置2
1に停止した状態から説明を開始する。駆動モータ(図
示せず)により作動される搬送ベルト13が停止され、
保持具15が第1停止位置21に停止されると、レトル
トパウチ供給ユニット31の送出口から保持具15に、
レトルトパウチ1が供給される。次に、供給されたレト
ルトパウチ1の開口部4が十分に拡げられ、レトルトパ
ウチ1が搬送ベルト13により第2停止位置22まで移
動されると、電極挿入ユニット37によってレトルトパ
ウチ1の拡げられた開口部4に一対の電極35,36が
挿入される。このとき、レトルトパウチの開口部4を十
分に拡げることにより、電極35,36を容易にかつ確
実に挿入することができる。
【0019】そして、続く第3停止位置23および第4
停止位置24において、レトルトパウチに、おでんの具
やだしが充填される。このように、おでんの具やだしよ
りも先に電極を挿入しているので、おでんの具などの固
形物を電極で傷付けることなく加熱することができる。
【0020】この後、第5停止位置25および第6停止
位置26を通過する際に、レトルトパウチ1に装入され
ている電極35,36に、電源(図示せず)からの電流
が通電され、生じたジュール熱によりレトルトパウチ1
に収容されるおでんの具やだしが加熱される。
【0021】加熱後、レトルトパウチ1から電極35,
36を取り出されると、レトルトパウチ1の開口部4
が、密封ユニット54により密封され、第2搬送ユニッ
ト57により、次工程に搬送される。
【0022】
【発明の効果】このように、本発明によると、容器に充
填された被加熱食品を、容器の開口部を閉塞する前にジ
ュール加熱している。このようにすると、それぞれの容
器に電極を取り付ける必要がないので、用いる電極の数
を大幅に減少することができる。また通電加熱を用いる
ので、加熱時間を短縮することができ、良好な食感や舌
ざわりを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る加熱方法を実施する一装置の構
成を示す平面図である。
【図2】 レトルトパウチに電極を挿入した状態を示す
斜視図である。
【図3】 従来のレトルトパウチを示す斜視図である。
【符号の説明】
1…レトルトパウチ、 11…搬送ユニッ
ト、15…保持具、 20〜29…停止
位置、31…レトルトパウチ供給ユニット、 37…電
極挿入ユニット、41…第1充填ユニット、
43…第2充填ユニット、54…密封ユニット、
57…第2搬送ユニット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱食品を収容する容器の開口部より
    当該容器の内部に、少なくとも一対の電極を挿入する電
    極挿入工程と、前記容器の内部に前記被加熱食品を充填
    する充填工程と、前記電極に通電して前記容器内の前記
    被加熱食品を加圧しつつジュール加熱する加熱工程と、
    前記電極を前記容器から取出す電極取出し工程と、前記
    容器の前記開口部を閉塞して前記被加熱食品が収容され
    た前記容器を密封する密封工程とを有することを特徴と
    する被加熱食品の加熱方法。
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