JP2731448B2 - 光記録再生装置 - Google Patents

光記録再生装置

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JP2731448B2
JP2731448B2 JP2109575A JP10957590A JP2731448B2 JP 2731448 B2 JP2731448 B2 JP 2731448B2 JP 2109575 A JP2109575 A JP 2109575A JP 10957590 A JP10957590 A JP 10957590A JP 2731448 B2 JP2731448 B2 JP 2731448B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光記録再生装置に関する。
(従来の技術) 半導体レーザからの光を対物レンズで絞り込んで光デ
ィスクに照射することにより、この光ディスク(もしく
は光磁気ディスク)に対して情報の記録・再生・消去を
行う光記録再生装置が知られている。
従来の光記録再生装置は、概要、第4図に示すように
構成されている。
第4図において、光磁気ディスク2は、ターンテーブ
ル上に載置された状態で、スピンドルモータ1により回
転される。
この光磁気ディスク2の下方の法線方向には、光磁気
ディスク2の下面に対して平行に横架されたシャフト3
が配置されており、このシャフト3に光ピックアップ50
がシーク可能に配設されている。
通常の光記録再生装置では、この1台の光ピックアッ
プ50によって、光磁気ディスク2に対する情報の記録・
再生・消去の3つの動作を行っている。
なお、情報の記録・消去時には、電磁石7により、光
磁気ディスク2に対して外部から垂直磁界が印加され
る。
また、従来の光ピックアップ50は、概要、第2図に示
すように構成されている。
第2図において、半導体レーザ(LD)10からの光は、
カップリングレンズ11により平行光化された後、ビーム
整形プリズムと一体化されたビームスプリッタ12に入射
される。
このとき、ビーム整形プリズムにより、平行ビームの
径が拡大される。
ビームスプリッタ12で反射された光は、偏向プリズム
13により反射されて対物レンズ14に入射される。
対物レンズ14に入射された光は、約1μmの微小なス
ポットに絞り込まれ、光磁気ディスク2に照射されて、
この光磁気ディスク2に対する情報の記録・再生・消去
が行われる。
ここで、対物レンズ14は、周知のように、アクチュエ
ータ15により、そのフォーカシンク方向及びトラッキン
グ方向に駆動されて、光磁気ディスク2に対するフォー
カシング制御及びトラッキング制御が行われる。
一方、光磁気ディスク2からの反射光は、再び、対物
レンズ14、及び偏向プリズム13を通り、ビームスプリッ
タ12を透過して、検出光学系へ入射される。
この検出光学系では、集光レンズ16及びシリンダーレ
ンズ17により、公知の非点収差法によって、フォーカス
検出が行われる。
また、この検出光学系では、サンプルサーボ方式によ
り、この検出光学系に入射された光量の大小に基づい
て、トラック検出が行われる。
検出光学系に入射された光は、集光レンズ16及びシリ
ンダーレンズ17を透過した後、1/2波長板18によりその
偏光面が45゜回転され、さらに、ウォーラストンプリズ
ム19によりP偏光と、S偏光の2つの光束に分離され
る。
分離された各光束は、2つの受光素子20,21によって
それぞれ受光され、公知の差動検出法によって、光磁気
情報信号として再生される。
ここで、受光素子20は、その受光面が4分割された4
分割受光素子で構成されており、上記の非点収差法によ
りフォーカス検出を行っている。
また、上述したトラック検出は、各受行素子20,21の
受光量の和によって検出される。
(発明が解決しようとする課題) ところで、前記従来の光記録再生装置における半導体
レーザ10は、通常、その再生時の発光出力が約5mWにな
り、また、記録・消去時にはより高い発光パワーを必要
としているため、約35mWの出力で発光されている。
また、この半導体レーザ10は、第7図に示すように、
その環境温度に依存して、その波長が変動する特性を有
している。
具体的には、この種の半導体レーザ10では、0.2〜0.2
5[nm/℃]程度、その環境温度に依存して、その波長が
変動する特性を有している。
さらに、この種の半導体レーザ10の発光パワーを変え
ることは、その駆動電流を変えることに等しい。
従って、この半導体レーザ10の発光パワーの切り換え
時には、その発熱量が変化し、半導体レーザ10自体の温
度も変化するため、この発光パワーの切り換えに伴っ
て、その波長が変化する。
このため、この種の光記録再生装置では、その再生時
と、記録・消去時とで、半導体レーザ10から発せられる
光の波長が異なることになる。
従って、この種の光記録再生装置では、その光学系に
色収差があると、半導体レーザ10から発せられる光束の
波長変化に伴って、この光束の集光位置が変化し、対物
レンズ14で絞り込んだスポットのピントにボケを生じ、
情報の記録・再生時における信頼性が低下する不具合が
ある。
このため、この種の光記録再生装置の光学系は、一般
に、その色収差が無視し得る程度の低いレベルとなるよ
うに構成される。
すなわち、例えば第2図において、 対物レンズ14の焦点距離をfOL, カップリングレンズ11の焦点距離をfCL, レーザ光の波長をλ, 波長λの変動量をΔλ, 対物レンズ14の色収差を カップリングレンズ11の色収差を とすると、 スポットのピントのボケ量ΔZSPは、 となり、 ここで、例えば、 対物レンズ14の焦点距離を、 fOL=4mm, カップリングレンズ11の焦点距離を、 fCL=8mm, 半導体レーザ10の発光パワーが、5mWから35mWに変化し
場合の波長λの変動量を、 Δλ=5mm, 対物レンズ14の色収差を、 スポットのピントボケ許容値を、 焦点深度の1/2の0.5μm、 とすると、 スポットのピントのボケ量は、上式より、 となり、 カップリングレンズ11の色収差は、 となる。
従って、この光学系におけるカップリングレンズ11に
は、色収差が、0.12μm以下の色消しレンズが使用さ
れ、通常、この色消しを行うために、1群2枚のレンズ
が使用されている。
しかしながら、上述したように、カップリングレンズ
11の色収差を小さくした光学系では、その環境温度の変
化によって、このカップリングレンズ11からの出射光が
非平行光になる不具合がある。
すなわち、この光学系における半導体レーザ10とカッ
プリングレンズ11とからなる平行光ユニットでは、第5
図(a)に示すように、取り付け部材41に設置された半
導体レーザ10が連結部材42によって支持されている。
また、カップリングレンズ11は、そのレンズ玉44を接
着固定したアルミのセル43が、ねじ45により連結部材42
に連結されることによって、半導体レーザ10と連結され
ている。
これにより、第5図(a)に示すように、この平行光
ユニットの環境温度が、その組付け調整時の基準温度
(T0)の状態では、第6図(a)に示すように、カップ
リングレンズ11の焦点Fに半導体レーザ10の発光点Sを
一致させて組付けを行うことにより、カップリングレン
ズ11の出射光を平行光とすることができる。
しかしながら、この平行光ユニットの環境温度が変化
した場合には、前述のように半導体レーザ10の波長が変
動するとともに、この半導体レーザ10とカップリングレ
ンズ11とを連結している連結部材42が熱膨張する。
このため、第5図(b)に示すように、この平行光ユ
ニットの環境温度Tが、その組付け調整時の基準温度
(T0)よりもΔTだけ上昇して、 T=T0+ΔT となった状態では、半導体レーザ10の波長が長波長にシ
フトするため、基準温度状態でのカップリングレンズ11
の焦点Fが、第6図(b)に示すように、F′で示す位
置に移動して、この温度上昇状態でのカップリングレン
ズ11の焦点距離f′が、第6図(b)に示すように長く
なる。
また、このように環境温度Tが上昇した状態では、連
結部材42が熱膨張するため、第6図(a)に示した基準
温度状態での半導体レーザ10の発光点Sと、カップリン
グレンズ11のレンズ中心46との離間距離lが、Δlだけ
長くなり、基準温度状態での半導体レーザ10の発光点S
の位置が、第6図(b)に示すような、S′の位置に移
動する。
従って、上述のように、平行光ユニットの環境温度T
が上昇した状態では、そのカップリングレンズ11の出射
光が、集束光、すなわち、非平行光となる。
例えば、 対物レンズ14の焦点距離をfOL, カップリングレンズ11の焦点距離をfCL, カップリングレンズ11の色収差を 波長λの変動量Δλを、 Δλ=5nm 平行光ユニットの環境温度Tの温度上昇量ΔTを、 ΔT=30℃ 連結部材42をアルミとし、その線膨張係数αを、 α=23×10-6 とすると、 カップリングレンズ11の焦点距離fCLの焦点移動量Δ
Fは、 となり、 半導体レーザ10の発光点Sの移動量Δlは、 Δl=α・fΔT =23×10-6×8×103×30=5.5μm となる。
従って、この平行光ユニットでは、上述のような環境
温度の変化に伴って、4.9μmの発光点ずれΔ(F−
S)が発生する。
このため、対物レンズ14で絞り込んだスポットのピン
トのボケ量ΔZSPは、 となり、 この従来の光記録再生装置における光学系のスポット
のピントのボケ量ΔZSPは、前述した半導体レーザ10の
発光パワーの変化に伴うピントのボケ量と、上述の環境
温度の変化に伴うピントのボケ量とを合わせて ΔZSP=0.5+0.6=1.1μm となる。
従って、この従来の光記録再生装置では、スポットの
ピントボケ量が、光学系の焦点深度1μmを越えてしま
う不具合がある。
また、前述のような、記録・再生兼用の光ピックアッ
プ50は、通常、光磁気信号を再生するために、ハーフプ
リズムを使用しているため、その光利用効率が低くな
る。
このため、この種の光ピックアップ50では、前述した
ように、ビーム整形を行って、その光利用効率を高める
ように構成されている。
しかしながら、このような光ピックアップ50では、前
述したように、そのカップリングレンズ11の色収差を小
さくすると、その環境温度の変化時に、カップリングレ
ンズ11の出射光が、平行光から非平行な集束光となるた
め、そのビーム整形により非点収差が発生し、C/Nが低
下する不具合がある。
上述のように、カップリングレンズ11に色消しレンズ
を使用した光ピックアップ50を搭載してなる従来の光記
録再生装置では、 (1)環境温度の変化や、半導体レーザの発光パワーの
変化によって、スポットのピントボケ量が大きくなり、
信頼性の高い記録・再生が行えなくなる。
(2)環境温度の変化に伴って、カップリングレンズの
出射光が非平行な集束光になるため、ビーム整形のアス
が発生し、そのスポットの収差が増大する。
などの欠点があった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであって、
その目的は、信頼性の高い記録・再生を行うことのでき
る光記録再生装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述の課題を解決するために、半導体レー
ザからの光を対物レンズで絞り込んで光ディスクに照射
することにより、上記光ディスクに対して情報の記録・
再生・消去を行う光記録再生装置において、 1つのドライブ装置内に、情報の再生を行う再生用光
ピックアップと、情報の記録を行う記録用光ピックアッ
プとの少なくとも2台の光ピックアップを内蔵し、 上記再生用光ピックアップのカップリングレンズの色
収差をC(R,CL)、上記再生用光ピックアップの対物レ
ンズの色収差をC(R,OL)、上記記録用光ピックアップ
のカップリングレンズの色収差をC(W,CL)、上記記録
用光ピックアップの対物レンズの色収差をC(W,OL)と
したとき、 C(R,CL)>C(W,CL) 及び、 C(R,OL)>C(W,OL) の関係を満足する構成とする。
(作 用) 本発明によれば、1つのドライブ装置内に、情報の再
生を行う再生用光ピックアップと、情報の記録を行う記
録用光ピックアップとの少なくとも2台の光ピックアッ
プが内蔵されるので、情報の再生時と記録時とのスポッ
トを形成する光学系が、それぞれ分離独立して構成され
る。
(実 施 例) 以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に説明す
る。
但し、本明細書の記述から明らかに想起し得る範囲の
構成・作用、及び本発明の前記並びにその他の目的と新
規な特徴については、説明の煩雑化を避ける上から、そ
の図示並びに開示を省略、もしくは簡略化する。
また、本実施例における各部の構成のうち、前記従来
例の各部の構成と同一、もしくは略同様な機能を有する
部材は、前述の各図における部材に付した符号と同符号
を付して、その説明を省略、もしくは簡略化する。
本発明による光記録再生装置は、概要、第1図に示す
ように構成されている。
第1図において、光磁気ディスク2は、前述の場合と
同様に、ターンテーブル上に載置された状態で、スピン
ドルモータ1により回転される。
この光磁気ディスク2の下方の法線方向の一方側に
は、光磁気ディスク2の下面に対して平行に横架された
第1のシャフト3が配置されており、この第1のシャフ
ト3上に、情報再生専用の再生用光ピックアップ4がシ
ーク可能に配設されている。
この再生用光ピックアップ4は、前述の場合と同様に
して、そのシーク,フォーカシング,及びトラッキング
動作が行われるように構成されている。
また、光磁気ディスク2の下方の法線方向の他方側に
は、光磁気ディスク2の下面に対して平行に横架された
第2のシャフト5が、第1のシャフト3に対向するよう
に配置されており、この第2のシャフト5上に、情報の
記録・消去専用の記録・消去用光ピックアップ6がシー
ク可能に配設されている。
この記録・消去用光ピックアップ6は、上述の再生用
光ピックアップ4から分離独立されて、そのシーク,フ
ォーカシング,及びトラッキング動作が行われるように
構成されている。
なお、情報の記録・消去時には、電磁石7により、光
磁気ディスク2に対して外部から垂直磁界が印加され
る。
再生用光ピックアップ4は、概要、第2図に示すよう
に構成されており、前記従来の光ピックアップ50と略同
様な構成及び機能を有している。
この再生用光ピックアップ4は、情報の再生のみに使
用されるので、半導体レーザ10の発光パワーを予め所定
のレベル(約5mW)に固定することができ、前記従来の
光ピックアップ50の場合のように発光パワーの切り換え
を行う必要が無い。
従って、この再生用光ピックアップ4によれば、半導
体レーザ10の発光パワーの切り換えに伴って発生する波
長変動等の諸問題を無視し得るので、例えば、カップリ
ングレンズ11を色出しレンズで構成することにより、半
導体レーザ10の発振波長の温度による変動を打ち消すこ
とができ、環境温度の如何に関わらず、カップリングレ
ンズ11からの出射光を常に平行光にすることが可能とな
る。
例えば、この再生用光ピックアップ4の半導体レーザ
10の発光時における、半導体レーザ10の発光点Sの移動
量Δlと、カップリングレンズ11の焦点距離がfCLの焦
点移動量ΔFとが等しくなるように設定すると、前式よ
り、 となり、 この式より、 カップリングレンズ11の色収差 となる。
従って、この再生用光ピックアップ4のカップリング
レンズ11の色収差C(R,CL)が、 C(R,CL)=1.1[μm/nm] となるように、カップリングレンズ11を1群2枚のレン
ズで構成することによって、この光学系におけるビーム
のピントボケを解消することができる。
すなわち、、一般的に使用されている2群3枚の対部
レンズ14の色収差は、 通常、0.15[μm/nm]程度であり、半導体レーザ10の
発光パワーによる波長変動は、通常、1〜2[nm]以下
なので、この再生用光ピックアップ4の光学系のピント
ボケ量は、十分に許容できる範囲となる。
また、この再生用光ピックアップ4は、カップリング
レンズ11の色収差C(R,CL)が比較的大きな値となるの
で、単レンズでの色収差を小さくすることができないプ
ラスチック非球面レンズをカップリングレンズ11として
使用することができ、その光学系を非常に安価に構成す
ることができる。
なお、上述のように、再生用光ピックアップ4を再生
専用とした場合でも、その環境温度の上昇に伴って、多
少の波長変動(5nm)が生じ、ビームのピントボケが発
生するが、この再生用光ピックアップ4における波長変
動の範囲は従来のそれよりもはるかに狭く、且つ、この
環境温度の変化は極めて緩慢なため、この程度の波長変
動は、対物レンズ14のフォーカシング制御によって、十
分に矯正することが可能となり、実際には、その光学系
がスポットボケを起こすことは無い。
一方、記録・消去用光ピックアップ6は、第1図に示
したように、上述の再生用光ピックアップ4から分離独
立されて、そのシーク,フォーカシング,及びトラッキ
ング動作が行われるように構成されている。
この記録・消去用光ピックアップ6は、概要、第3図
に示すように構成されている。
すなわち、第3図において、半導体レーザ30からの光
は、カップリングレンズ31により平行光化された後、偏
向ビームスプリッタ32で反射されて、1/4波長板33に入
射される。
1/4波長板33に入射された光束は、直線偏光から、円
偏光に交換されて出射される。
1/4波長板33によって、円偏光に変換されて出射され
た光束は、偏向プリズム34で反射されたのち、対物レン
ズ35によって絞り込まれて微小スポット化され、光磁気
ディスク2上に照射される。
この光磁気ディスク2からの反射光は、再び、対物レ
ンズ35,偏向プリズム34,及び1/4波長板33を通って、そ
の偏光面が90゜回転された後、偏向ビームスプリッタ32
を略100%透過して検出光学系に入射される。
この検出光学系は、光磁気ディスク2からの光磁気信
号を再生する必要が無いので、再生用光ピックアップ4
の検出光学系におけるウォーラストンプリズム19を必要
としない。
検出光学系に入射された光束は、集光レンズ37及びシ
リンダーレンズ38を透過して、受光素子39によって受光
され、公知の非点収差法によって、光磁気情報信号の記
録・消去が行われる。
ここで、受行素子39は、その受光面が4分割された4
分割受光素子で構成されており、上記の非点収差法によ
り記録・消去用光ピックアップ6のフォーカス検出を行
っている。
この記録・消去用光ピックアップ6は、光磁気ディス
ク2からの光磁気信号を再生する必要が無いので、その
光学系に偏向ビームスプリッタ32と1/4波長板33を使用
することができる。
従って、この記録・消去用光ピックアップ6では、そ
の光学系の光利用効率が向上され、従来の光磁気記録・
再生用の光ピックアップに比べて、同一の記録パワーに
対する半導体レーザ30の発光パワーが少なくて済む。
そこで、従来のようなビーム整形光学系を省略し、焦
点距離の長いカップリングレンズ31を使用してビームの
中央部を利用することによって、ビーム整形を行ったと
きと同様の円形スポットを得ることが可能な記録・消去
用光ピックアップ6を構成することができる。
なお、上述のように、記録・消去用光ピックアップ6
のカップリングレンズ31の焦点距離を長く構成すること
により、その光利用効率が低下する。
しかしながら、この光学系に光利用効率の高い偏向ビ
ームスプリッタ32と1/4波長板33を使用することによ
り、この光利用効率の低下分を十分に補完することがで
きるので、この記録・消去用光ピックアップ6における
総合的な光利用効率は、従来の光磁気記録・再生用の光
ピックアップの場合と同等、もしくはそれ以上の光利用
効率を得ることが可能になる。
ただし、この記録・消去用光ピックアップ6の光学系
には、色収差の少ない素子を使用する必要がある。
すなわち、この記録・消去用光ピックアップ6では、
対物レンズ35に色収差の小さなレンズを使用するととも
に、カップリングレンズ31に従来のそれよりも焦点距離
の長い色消しレンズを使用することによって、ビーム整
形を行ったときと同様の円形スポットを得ることが可能
となる。
この記録・消去用光ピックアップ6の半導体レーザ30
の発光パワー変動時におけるスポットのピントボケ量Δ
ZSPは、 カップリングレンズ31の焦点距離fCLを、 fCL=16mm として、長焦点化することにより、 となる。
また、この記録・消去用光ピックアップ6の環境温度
の変化による対物レンズ35で絞り込んだスポットのピン
トのボケ量ΔZSPは、 例えば、 対物レンズ35の焦点距離をfOL, カップリングレンズ31の焦点距離をfCL, カップリングレンズ31の色収差を 波長λの変動量をΔλを、 Δλ=5nm 平行光ユニットの環境温度Tの温度上昇量ΔTを、 ΔT=30℃ 連結部材42をアルミとし、その線膨張係数αを、 α=23×10-6 とすると、 カップリングレンズ31の焦点距離fCLの焦点移動量Δ
Fは、 となり、 半導体レーザ30の発光点Sの移動量Δlは、 Δl=α・fΔT =23×10-6×16×103×30=1.1μm となる。
このため、この平行光ユニットでは、上述のような環
境温度の変化に伴う発光点ずれΔ(F−S)が、 Δ(F−S)=11−0.6=10.4μm となる。
従って、対物レンズ35で絞り込んだスポットのピント
のボケ量ΔZSPは、 となり、 この記録・消去用光ピックアップ6のスポットのピン
トボケ量ΔZSPは、前述した半導体レーザ30の発光パワ
ーの変化に伴うピントのボケ量と、上述の環境温度の変
化に伴うピントのボケ量とを合わせて ΔZSP=0.39+0.33=0.72μm となって、その焦点深度(1μm)よりも小さくなる。
上述のように、この記録・消去用光ピックアップ6
は、そのカップリングレンズ31に色消しレンズを使用す
ることによって、半導体レーザ30の発光パワーの変化に
伴うスポットのピントボケ量を小さくすることができ
る。
また、その環境温度変化により、カップリングレンズ
31の焦点位置と、半導体レーザ30の発光点位置との間に
位置ずれが生じ、カップリングレンズ31からの出射光が
非平行な集束光となるが、この記録・消去用光ピックア
ップ6では、前述したように、このカップリングレンズ
31からの出射光のビーム整形を省略することができるの
で、このビーム整形に伴うアスが発生することが無い。
従って、この記録・消去用光ピックアップ6では、そ
の温度変化によって、スポットのピントボケが多少発生
するが、上述のように、このスポットがアスの無い良好
なスポットとなるので、例えば、この温度変化を検知し
てこの記録・消去用光ピックアップ6にオフセットを与
え、そのピントを合わせる等の補正手段を講じることに
よって、このスポットのピントボケを比較的容易に矯正
することができる。
すなわち、上記実施例では、 再生用光ピックアップ4のカップリングレンズ11の色収
差C(R,CL)を、 C(R,CL)=1.10μm/nm 再生用光ピックアップ4の対物レンズ14の色収差C(R,
OL)を、 C(R,OL)=0.15μm/nm 記録・消去用光ピックアップ6のカップリングレンズ31
の色収差C(W,CL)を、 C(W,CL)=0.12μm/nm 記録用光ピックアップ6の対物レンズ35の色収差C(W,
OL)を、 C(W,OL)=0.07μm/nm とすることにより、本発明の目的を達成することができ
る。
(発明の効果) 本発明によれば、再生用光ピックアップと、記録・消
去用光ピックアップとが、互いに分離独立して配置され
ているので、 (1)再生用光ピックアップのカップリングレンズを色
出し補正することにより、 .温度変化によるスポットのピントボケを十分に小さ
くすることができる。
.温度変化によるビーム整形のアス発生が無くなる。
(2)記録・消去用光ピックアップのカップリングレン
ズを色出し補正し、ビーム整形手段を省略することによ
り、 .半導体レーザの発光パワーの変化によるスポットの
ピントボケが無くなる。
.スポットのアス発生が無くなる。
.温度変化を検知してフォーカス信号にオフセットを
与えることにより、スポットのピントボケを補正するこ
とができる。
(3)再生用光ピックアップに、安価な対物レンズを使
用することができる。
など、信頼性の高い光記録再生装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の概略側面図、第2図は上記実
施例における再生用光ピックアップの光学系の概略図、
第3図は上記実施例における記録・消去用光ピックアッ
プの光学系の概略図、第4図は従来の光記録再生装置の
概略側面図、第5図(a)は上記従来の光記録再生装置
における光ピックアップの光学系の未使用状態の概略断
面図、第5図(b)は上記従来の光記録再生装置におけ
る光ピックアップの光学系の使用状態の概略断面図、第
6図(a)は上記第5図(a)の説明図、第6図(b)
は上記第5図の説明図、第7図はレーザービームの波長
と温度の関係を示す線図である。 1……スピンドルモータ、2……光磁気ディスク、3…
…第1のシャフト、4……再生用光ピックアップ、5…
…第2のシャフト、6……記録・消去用光ピックアッ
プ、7……電磁石、10,30……半導体レーザ、11,31……
カップリングレンズ、14,35……対物レンズ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体レーザからの光を対物レンズで絞り
    込んで光ディスクに照射することにより、上記光ディス
    クに対して情報の記録・再生・消去を行う光記録再生装
    置において、 1つのドライブ装置内に、情報の再生を行う再生用光ピ
    ックアップと、情報の記録を行う記録用光ピックアップ
    との少なくとも2台の光ピックアップを内蔵し、 上記再生用光ピックアップのカップリングレンズの色収
    差をC(R,CL)、上記再生用光ピックアップの対物レン
    ズの色収差をC(R,OL)、上記記録用光ピックアップの
    カップリングレンズの色収差をC(W,CL)、上記記録用
    光ピックアップの対物レンズの色収差をC(W,OL)とし
    たとき、 C(R,CL)>C(W,CL) 及び、 C(R,OL)>C(W,OL) の関係を満足することを特徴とする光記録再生装置。
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