JP2730300B2 - 搬送装置の揺れ戻し防止装置 - Google Patents

搬送装置の揺れ戻し防止装置

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JP2730300B2
JP2730300B2 JP4456791A JP4456791A JP2730300B2 JP 2730300 B2 JP2730300 B2 JP 2730300B2 JP 4456791 A JP4456791 A JP 4456791A JP 4456791 A JP4456791 A JP 4456791A JP 2730300 B2 JP2730300 B2 JP 2730300B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、揺動型エアシリンダ
の揺動軸に結合した揺動腕をワーク搬送部材に掛合させ
てそのワーク搬送部材を往復移動させる搬送装置に設け
られ、ワーク搬送部材の中間停止時の揺れ戻しを防止す
る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上述の如き搬送装置としては例えば、ト
ランスファ型搬送装置があり、かかる搬送装置にあって
は、揺動型エアシリンダの二つの給排気ポートにそれぞ
れ接続された空気圧給排回路の一方を空気圧供給源に接
続するとともに他方を排気消音器に接続することによ
り、揺動軸を一方向へ回動させてワーク搬送部材を一方
向へ移動させ、空気圧供給源に接続する空気圧給排回路
と排気消音器に接続する空気圧給排回路とを入れ換える
ことにて、揺動軸を逆方向へ回動させてワーク搬送部材
を逆方向へ移動させる。そしてワーク搬送部材を中間停
止させる場合には、揺動型エアシリンダの二つの給排気
ポートにそれぞれ接続された空気圧給排回路を、空気圧
供給源および排気消音器に対しそれぞれ遮断して、揺動
型エアシリンダの揺動軸の回動を停止させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記搬送
装置にあっては、給排気を遮断しても、ワーク搬送部材
が途中では機械的に停止されないので、ワーク搬送部材
およびそれが搬送しているワークの慣性で、その給排気
の遮断後さらにワーク搬送部材が移動し、この結果とし
て、その移動方向と逆方向へ駆動する側のシリンダ内の
空気圧が上昇して揺動軸を逆方向へ駆動するため、ワー
ク搬送部材の揺れ戻しが生じてしまい、それが交互に生
じて、ワーク搬送部材が完全に停止するまでに時間がか
かってしまうという問題があった。そしてこの問題の解
決のためには機械式ブレーキを設けることが考えられる
が、機械式ブレーキを設けると搬送装置が極めて高価で
構造の複雑なものとなるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
有利に解決した揺れ戻し防止装置を提供することを目的
とするものであり、この発明の搬送装置の揺れ戻し防止
装置は、揺動型エアシリンダの揺動軸に結合した揺動腕
をワーク搬送部材に掛合させてそのワーク搬送部材を往
復移動させる搬送装置において、前記揺動型エアシリン
ダの二つの給排気ポートにそれぞれ接続された空気圧給
排回路の間を接続する空気圧回路に介挿されてその空気
圧回路を開閉する開閉弁と、前記ワーク搬送部材の移動
速度を検出するセンサと、前記センサの出力信号に基づ
き、前記ワーク搬送部材が停止する直前に前記開閉弁を
解放作動させる開閉弁制御手段と、を具えてなるもので
ある。
【0005】
【作用】かかる揺れ戻し防止装置にあっては、開閉弁制
御手段が、揺動型エアシリンダの二つの給排気ポートに
それぞれ接続された空気圧給排回路の間を接続する空気
圧回路に介挿された開閉弁を、ワーク搬送部材の移動速
度を検出するセンサの出力信号に基づき、ワーク搬送部
材が停止する直前に解放作動させ、これにより、ワーク
搬送部材およびそれが搬送しているワークの慣性で給排
気の遮断後さらにワーク搬送部材が移動してその移動方
向と逆方向へ駆動する側のシリンダ内で上昇した空気圧
が、他方のシリンダ内へ流入することにより低下して、
ワーク搬送部材が揺れ戻されずに停止する。
【0006】従って、この発明の揺れ戻し防止装置によ
れば、機械式ブレーキを設けずして簡易かつ安価な構造
で、中間停止の際にワーク搬送部材の揺れ戻しを防止し
て、ワーク搬送部材を速やかに停止させることができ
る。
【0007】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1は、この発明の揺れ戻し防止装置の
一実施例を適用したトランスファ型搬送装置を示す構成
図であり、図中1は揺動型エアシリンダ、2は揺動腕、
3はワーク搬送部材としてのフィードバー、4はワーク
をそれぞれ示す。
【0008】ここにおける揺動型エアシリンダ1は、内
部に並列に配置された二本のエアシリンダを有するとと
ともに、それらのエアシリンダのヘッド側シリンダ室内
にそれぞれ連通された二つの給排気ポート1aおよび1bを
有し、さらに、それらのエアシリンダのピストンロッド
に形成されたラックに噛合する共通のピニオンに結合さ
れた揺動軸1cを有する型の、通常のものであり、この揺
動型エアシリンダ1にあっては、給排気ポート1aへの空
気圧の供給および給排気ポート1bからの空気圧の排出に
より、前進駆動側のエアシリンダのピストンロッドが進
出するとともに後退駆動側のエアシリンダのピストンロ
ッドが後退して揺動軸1cが図では時計方向へ揺動し、ま
たそれとは逆に給排気ポート1bへの空気圧の供給および
給排気ポート1aからの空気圧の排出により、後退駆動側
のエアシリンダのピストンロッドが進出するとともに前
進駆動側のエアシリンダのピストンロッドが後退して揺
動軸1cが図では反時計方向へ揺動する。
【0009】この揺動型エアシリンダ1の揺動軸1cに
は、揺動腕2の基部が一体的に結合されており、これが
ため揺動腕2は、揺動軸1cの上記揺動に基づき図中矢印
Aで示す如く揺動される。そして揺動腕2の先端部に
は、小ローラ2aが回動可能に枢支されている。この一
方、フィードバー3は、床面に対し固定された支持部材
に枢支された多数のローラ6により支持および案内され
て、図中矢印Bで示すように図では左右方向へ往復移動
することができ、そのフィードバー3の下面に固設され
たガイド板7には上下方向へ延在する長孔7aが形成さ
れ、上記揺動腕2の先端部の小ローラ2aは、その長孔7a
内に嵌め合わされてそこに掛合している。
【0010】従ってフィードバー3は、揺動型エアシリ
ンダ1の作動に基づき揺動軸1cが揺動すると、揺動腕2
が上記のように揺動してその、小ローラ2aが長孔7a内を
移動しながらガイド板7を付勢することにより、上記の
ように図では左右方向へ往復移動する。なおここではフ
ィードバー3に、図示しないクランパ爪と、そのクラン
パ爪を開閉させる図示しないエアシリンダとが設けられ
ており、そのエアシリンダが上記揺動型エアシリンダ1
と同期して作動することによりフィードバー3は、往復
移動に伴い前記クランパ爪でワーク4を所定の間挟持し
て、ワーク4を図では右方へタクト搬送することができ
る。
【0011】そしてここでは、揺動型エアシリンダ1の
上記二つの給排気ポート1aおよび1bにそれぞれ、二本の
空気圧給排回路8および9の一端部が接続され、それら
の空気圧給排回路8および9の他端部が、各々速度調整
弁10を介して、四ポート三位置電磁切り換え弁11に接続
され、その電磁切り換え弁11にさらに、空気圧源12と排
気消音器13とが接続されて揺動型エアシリンダ1の作動
のための空気圧制御回路が構成されており、その電磁切
り換え弁11の作動は、通常のプログラマブルコントロー
ラ14により制御される。
【0012】しかしてこの実施例では、上記二本の空気
圧給排回路8および9の途中を互いに連通させる空気圧
回路15が設けられ、その空気圧回路15の途中に電磁開閉
弁16が介挿されており、その電磁開閉弁16の作動は、開
閉弁制御手段としても機能する上記プログラマブルコン
トローラ14により制御される。またここでは、揺動型エ
アシリンダ1の上記揺動軸1cに、センサとしてのロータ
リエンコーダ17の入力軸が結合されており、これにより
ロータリエンコーダ17は、揺動軸1cの回転速度からフィ
ードバー3の移動速度を検出してその速度を示す信号を
出力することができる。
【0013】かかる構成の揺れ戻し防止装置にあって
は、プログラマブルコントローラ14に接続された制御盤
18の自動搬送起動スイッチ18a を押すと、プログラマブ
ルコントローラ14が、電磁切り換え弁11を適宜切り換え
作動させて、空気圧給排回路8および9と、空気圧源12
および排気消音器13との接続を適宜入れ換え、フィード
バー3を自動的に往復移動させるとともに、上記クラン
パ爪の開閉用エアシリンダを作動させる電磁切り換え弁
を適宜切り換え作動させて、上記と同様にしてクランパ
爪を自動的に開閉作動させ、これによりフィードバー3
にワーク4を自動的にタクト搬送させる。そして、自動
搬送停止スイッチ18b を押すと、フィードバー3が図示
の後退限位置に戻った時に、プログラマブルコントロー
ラ14が、電磁切り換え弁11を図示の状態に切り換えて、
空気圧給排回路8および9を空気圧源12および排気消音
器13から遮断し、フィードバー3をその後退限位置に停
止させる。
【0014】またこの揺れ戻し防止装置にあっては、制
御盤18のフィードバー前進スイッチ18c をある程度の間
押した後に放すと、図2に示す如き手順により、フィー
ドバー3が図では右方へ前進移動した後停止する。すな
わちステップ21で、フィードバー前進スイッチ18c を押
してONにすると、プログラマブルコントローラ14が、電
磁切り換え弁11を切り換えて、空気圧給排回路8に空気
圧源12を接続するとともに空気圧給排回路9に排気消音
器13を接続し、フィードバー3を図では右方へ前進移動
させる。そしてここで、例えば搬送中のワーク4と他の
装置との干渉の有無の確認等のため、次のステップ22
で、フィードバー3が後退限位置と前進限位置との中間
にある時にフィードバー前進スイッチ18c を放してOFF
にすると、プログラマブルコントローラ14が、先ず電磁
切り換え弁11を図示の状態に切り換えて空気圧給排回路
8および9を空気圧源12と排気消音器13とから遮断す
る。
【0015】しかしながらこれだけでは、移動途中のフ
ィードバー3がそれ自身とワーク4との慣性でさらに前
進し続け、これにより揺動型エアシリンダ1の、空気圧
給排回路9に接続された後退駆動側のエアシリンダ内の
空気圧が上昇して、そのエアシリンダが揺動軸1cを逆方
向へ駆動するようになるため、フィードバー3の揺れ戻
しが生じてしまうことになる。
【0016】そこで、かかる揺れ戻しを防止すべく、こ
こでは次のステップ23で、プログラマブルコントローラ
14が、ロータリエンコーダ17の出力信号から求めた揺動
軸1cの回転速度ひいてはフィードバー3の移動速度がゼ
ロ付近の所定値まで低下したか否かを判断し、その所定
値になったら、次のステップ24で、電磁開閉弁16を開い
て空気圧回路15を開き、空気圧給排回路8と9との間を
連通させて、揺動型エアシリンダ1の後退駆動側のエア
シリンダ内の空気圧を前進駆動側のエアシリンダ内へ逃
がし、それらのエアシリンダ内の空気圧を平衡状態とす
る。
【0017】ここで、上記所定値は、電磁開閉弁16を開
いた後空気が空気圧給排回路8, 9および空気圧回路15
内を流れて揺動型エアシリンダ1の二本のエアシリンダ
内の空気圧が平衡状態となるまでに要する時間と、その
所定値の速度から後退駆動側のエアシリンダ内の残圧で
フィードバー3が停止するまでの時間とが等しくなるよ
うに定められている。これにより、フィードバー3の停
止直前で後退駆動側のエアシリンダ内の空気圧が前進駆
動側のエアシリンダ内へ逃げて、その停止と同時に二本
のエアシリンダ内の空気圧が平衡状態となるので、空気
圧が平衡状態となる前にフィードバー3が停止してしま
うことによるその後の揺れ戻しの発生が防止される。
【0018】しかる後、プログラマブルコントローラ14
は、続くステップ25で、電磁開閉弁16を開いた後二本の
エアシリンダ内の空気圧が上記平衡状態となるまでに要
する時間として定めた、例えば0.5 秒程度の所定時間が
経過したか否かを判断し、その所定時間が経過したら、
次のステップ26で電磁開閉弁16を閉じて、揺動型エアシ
リンダ1の二本のエアシリンダ内の空気の流出を止め
る。これにより、フィードバー3のその後の移動が、そ
れら二本のエアシリンダで制止される。
【0019】かかる作動によりここでは、前進途中のフ
ィードバー3が、フィードバー前進スイッチ18c をOFF
にした後揺れ戻されることなしに、ステップ27で速やか
に中間停止する。なお、フィードバー後退スイッチ18d
をONとしてフィードバー3を後退移動させる場合にも、
後退途中のフィードバー3が、上記と同様にして、その
フィードバー後退スイッチ18d をOFF にした後揺れ戻さ
れることなしに速やかに中間停止し、さらに、上記自動
搬送作動中に制御盤18の非常停止スイッチ18eを押して
非常停止させる場合にも、上記と同様にしてフィードバ
ー3が、揺れ戻されることなしに速やかに中間停止す
る。
【0020】従ってこの実施例の揺れ戻し防止装置によ
れば、機械式ブレーキを設けずして簡易かつ安価な構造
で、中間停止の際にフィードバー3の揺れ戻しを防止し
て、フィードバー3を速やかに停止させることができ
る。
【0021】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、揺動型
エアシリンダ1は、一本の複動型エアシリンダで揺動軸
を駆動する型のものでも良く、センサは、ワーク搬送部
材の移動速度を直接的に検出するリニアゲージの如きも
のでも良い。
【0022】
【発明の効果】かくしてこの発明の揺れ戻し防止装置に
よれば、機械式ブレーキを設けずして簡易かつ安価な構
造で、中間停止の際にワーク搬送部材の揺れ戻しを防止
して、ワーク搬送部材を速やかに停止させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の揺れ戻し防止装置の一実施例を適用
したトランスファ型搬送装置を示す構成図である。
【図2】上記実施例の揺れ戻し防止装置の作動手順を示
すフローチャートである。1 揺動型エアシリンダ 1a 給排気ポート 1b 給排気ポート 1c 揺動軸 2 揺動腕 3 フィードバー 8 空気圧給排回路 9 空気圧給排回路 14 プログラマブルコントローラ 15 空気圧回路 16 電磁開閉弁 17 ロータリエンコーダ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揺動型エアシリンダ(1)の揺動軸(1
    c)に結合した揺動腕(2)をワーク搬送部材(3)に
    掛合させてそのワーク搬送部材を往復移動させる搬送装
    置において、前記揺動型エアシリンダの二つの給排気ポ
    ート(1a, 1b)にそれぞれ接続された空気圧給排回路
    (8, 9)の間を接続する空気圧回路(15)に介挿されて
    その空気圧回路を開閉する開閉弁(16)と、前記ワーク
    搬送部材の移動速度を検出するセンサ(17)と、前記セ
    ンサの出力信号に基づき、前記ワーク搬送部材が停止す
    る直前に前記開閉弁を解放作動させる開閉弁制御手段
    (14)と、を具えてなる、搬送装置の揺れ戻し防止装
    置。
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