JP2729732B2 - 底つき容器の製造方法 - Google Patents
底つき容器の製造方法Info
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Description
た金属の底つき容器の製造方法に関する。
の製造方法は、鋳型の内部に中子を設置しその後、予め
成分及び温度等を調整した溶融金属を前記鋳型に注入し
製造している。しかしながら前記の方法では、つぎの課
題があった。すなわち製造する容器の内部に相当する部
分に中子を必要とし、そのため鋳造前に中子の製作、鋳
型への取付作業、鋳造後の中子の取り出し作業等製造工
程が煩雑であり、このため製造期間が長く必要であり製
造コストも高かった。また、対象とする金属の種類によ
っては、凝固時の収縮が大きい物がありその場合、凝固
後の金属の内部に介在する気泡等の欠陥を防止するた
め、押し湯や上部の凝固を遅らせて湯の通りを良くする
ための余肉が必要となり、従ってその分歩留が悪くなり
製造コストの上昇となっていた。
4719号において、遠心鋳造方法を適用した金属の底
付き容器の製造方法を提案した。この方法は溶融金属を
垂直軸の回りに回転する鋳型に注入し、該溶融金属の一
部により所定の肉厚の円筒部を形成凝固させ、その後鋳
型の回転を停止または停止に近い状態まで落とすことに
より未凝固の金属を底部に集めて凝固させ、底部を形成
することを特徴とするものであり、製造工程の短縮化、
製造コストの低減化に効果がある。
願平4−194719号で提案したものには次のような
問題がある。すなわち底付き容器の円筒部を所定の肉厚
に形成したとき、内部には底部用の未凝固の溶湯があ
り、鋳型の回転停止または停止に近い状態により前記未
凝固の溶湯が底部に向かって流動する。その結果前記所
定の肉厚に形成された半凝固状態の円筒部側壁の表面に
凹凸が発生したり円筒部上部と底部に近い下部との肉厚
が不揃いとなる。そのため製品となる容器に要求される
容器内面の寸法精度・表面粗さのレベルが高い場合に
は、鋳造後に機械加工等が必要となり、その分製造工期
が長くなり、製造コストが上昇する。
部の肉厚が小さい容器の場合、容器円筒部用の溶湯の量
に比べ底部用の溶湯の量は少なく、そのため円筒部が所
定の肉厚に凝固が完了した時には、底部用の残存溶湯の
温度が低くなり、この温度の低くなった溶湯が鋳型の回
転停止または停止に近い状態により底部に移動する。こ
の溶湯が底部において、既に凝固している円筒部の下部
の凝固殻を溶融することができず円筒部の下部と底部と
の境界に未溶着部が発生する。
をさらに改良し、上記問題点を解決することを目的とす
る。
するものであって、底つき容器の円筒部を形成する分量
の溶融金属を垂直軸の回りに回転する鋳型に注入し、鋳
型の回転を停止または停止に近い状態まで回転を落とす
までに該溶融金属により所定の肉厚の円筒部を形成凝固
させ、その直後に底部を形成する新たな溶湯を鋳型に注
入すると同時に前記鋳型を下記の式で表すGNOが20以
下である回転数で回転させることを特徴とする底つき容
器の製造方法である。
成する分量の溶融金属を回転する鋳型に注入し、該溶融
金属により所定の肉厚の円筒部を形成凝固させるため前
記円筒部の内表面に凹凸が発生せず、また円筒部の肉厚
の不揃いも少なく従って内面の寸法精度および表面粗さ
がよい。また円筒部を凝固形成した直後に底部を形成す
る新たな溶湯を鋳型に注入し且つ鋳型を回転させること
により、底部用の溶湯が凝固している円筒部の下部の凝
固殻を再溶融させるため円筒部の下部と底部との境界に
未溶着部が発生しない。
筒部が凝固したとき、該円筒部の内面全体には凝固殻が
形成されており、この状態で底部用の溶湯を鋳込むと円
筒底部の凝固殻と底部用の溶湯とが接触した瞬間に溶湯
が冷却され、その後鋳型を回転(溶湯の攪拌)しない場
合には、凝固殻を溶融することができず境界部に未溶着
部が発生するものと考えられる。一方、前記底部用の溶
湯を鋳込み後に鋳型の回転を余り大きくしすぎると、円
筒部と底部との境界部の溶着の健全性は優れたものであ
るが、図2に示すように底部の溶湯2が遠心力により飛
ばされ既に凝固している円筒部の上に凝固部3を作り円
筒部の肉厚が偏肉になったり底部の肉厚が偏肉となるた
め、数2の式においてGNOが20以下になるように、鋳
型の回転数を設定すればよい。
に示す形状・寸法の各1〜8のケースについて下記の条
件で製造した。
容器の円筒部用溶湯としてSCS5を約1560℃にて
鋳込み、鋳型の回転を停止または停止に近い状態まで落
とす間に該円筒部を凝固させ、その直後に底部用の溶湯
としてSCS5を円筒部と同一の約1560℃にて鋳込
んだ。鋳込みに際しては、鋳込み時の鋳型の回転数を種
々変えて製造した。
に、底部用の溶湯を鋳込み後、鋳型の回転をしないと円
筒部の下部と底部との境界部に未溶着部が発生したが、
鋳型を回転した場合には図3の100倍の顕微鏡写真に
示すように前記境界部の鋳造組織は健全であり、境界は
完全に溶着している。
S5を約1560℃にて鋳込み、該円筒部の凝固の直後
に円筒部と同一の底部用の溶湯としてSCS5を鋳込み
温度を変えて鋳造した。
用溶湯の温度より約20℃以上高く鋳込めば、底部用の
溶湯を鋳込みの後、鋳型を回転させなくても境界部の鋳
造組織は健全であり、境界は完全に溶着している。しか
しながらこの温度を余り高くし過ぎると既に凝固してい
る円筒部の下部がこの高温の溶湯の影響を受け表面が溶
損し、図4に示すようなくぼみ4が発生した。従って、
本発明における底部用溶湯の温度としては、円筒部用の
溶湯の温度〜プラス20℃位までにすることが好まし
い。
湯としてSCS5を一度に約1560℃にて鋳込み、前
記特願平4−194719号に記載された方法により前
記表1に記載の8つのケースで製造した。
ように本比較例である従来の方法では、円筒部の肉厚に
対し底部の肉厚が小さい場合、円筒部の下部と底部との
境界に未溶着部が発生した。
つき容器の円筒部用溶湯としてFCD370を約132
0℃にて鋳込み、該円筒部の凝固の直後に底部用の溶湯
としてFCD370を該円筒部と同一の約1320℃に
て鋳込むと同時に鋳型の回転数を種々変えて製造した。
に、底部用の溶湯を鋳込み後、鋳型の回転をGNO=1以
下で回転した場合には、図5に示す円筒部の下部と底部
との境界に未溶着部5が発生した。鋳型の回転をGNO=
3以上で回転した場合には、図6の100倍の顕微鏡写
真に示すように前記境界部の鋳造組織は健全であり、境
界は完全に溶着している。また、前記底部用の溶湯を鋳
込み後の鋳型の回転をGNO=22以上にした場合には、
円筒部と底部との溶着の健全性は優れたものであった
が、図2に示すように円筒部の高さ方向に肉厚が偏肉と
なるためGNO=20以下が好ましい。
D370を約1320℃にて鋳込み、該円筒部の凝固の
直後に円筒部と同一の底部用溶湯としてのFCD370
の鋳込み温度を種々変えて鋳造した。
部用溶湯の温度より約20℃高く鋳込めば、底部用の溶
湯を鋳込みの後、鋳型を回転させなくても境界部の鋳造
組織は健全であり、境界は完全に溶着している。しかし
ながらこの温度を余り高くし過ぎると既に凝固している
円筒部の下部がこの高温の溶湯の影響を受け溶損し、図
4示すようなくぼみ4ができた。従って本発明における
底部用溶湯の温度としては、円筒部用の溶湯の温度〜プ
ラス20℃位までにすることが好ましい。
て、FCD370を約1320℃で一度に鋳込み前記特
願平4−194719号に記載された方法で製造した。
なように本比較例である従来の方法では、円筒部の肉厚
に対し底部の肉厚が少ない場合、円筒部の下部と底部と
の境界に未溶着部が発生した。以上の実施結果および比
較例により、材質が変わっても本発明方法の有効性が確
認される。
いて、本発明の方法によれば底つき容器の円筒部の容器
内面の寸法・表面粗さが向上し、機械加工が不要とな
る。したがってそのぶん製造工期・製造コストが短縮す
る。また、製造する容器円筒部の肉厚に対し底部の肉厚
が小さい容器の場合においても、円筒部の下部と底部と
の境界に未溶着部を生ずることなく健全な溶着部の容器
の製造が可能である。
の顕微鏡組織を示す写真
の顕微鏡組織を示す写真
Claims (1)
- 【請求項1】 底つき容器の円筒部を形成する分量の溶
融金属を垂直軸の回りに回転する鋳型に注入し、鋳型の
回転を停止または停止に近い状態まで回転を落とすまで
に該溶融金属により所定の肉厚の円筒部を形成凝固さ
せ、その直後に底部を形成する新たな溶湯を鋳型に注入
すると同時に前記鋳型を下記の式で表すGNOが20以下
である回転数で回転させることを特徴とする底つき容器
の製造方法。 【数1】 N:鋳型の回転数(rpm) GNO:重力の倍数で表示した遠心力 D:鋳型の内径(cm)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28811592A JP2729732B2 (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | 底つき容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28811592A JP2729732B2 (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | 底つき容器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06114522A JPH06114522A (ja) | 1994-04-26 |
JP2729732B2 true JP2729732B2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=17726002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28811592A Expired - Lifetime JP2729732B2 (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | 底つき容器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2729732B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-05 JP JP28811592A patent/JP2729732B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06114522A (ja) | 1994-04-26 |
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