JP2728351B2 - 導電性ラミング耐火物 - Google Patents

導電性ラミング耐火物

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JP2728351B2
JP2728351B2 JP5062153A JP6215393A JP2728351B2 JP 2728351 B2 JP2728351 B2 JP 2728351B2 JP 5062153 A JP5062153 A JP 5062153A JP 6215393 A JP6215393 A JP 6215393A JP 2728351 B2 JP2728351 B2 JP 2728351B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流電気炉の電極部等
の導電性が要求される部位、もしくは溶鋼流等によって
発生する電磁誘導現象等によって影響を受ける耐火物ラ
イニングおよびその補修に用いられる導電性ラミング耐
火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炉壁等に用いられる耐火物には、従来導
電性が求められることはなく、これらの耐火物には導電
性が考慮されることはなかった。ところが近年、製鋼分
野において三相交流アーク炉に代わり、直流電気炉が生
産コストの低減を目的に急速に導入されている。
【0003】交流電気炉では上部から複数の電極を懸架
して通電することが行われていたが、直流電気炉では、
一般に上部可動電極と炉底電極との間にアークを発生さ
せて加熱している。このため、炉底電極は操業中には溶
鋼と直接接触し、溶鋼の電磁攪拌作用による摩耗損傷を
受けるとともに、出鋼時にはスラグと接触するためにス
ラグとの化学反応を生じる等の現象により、炉底電極の
損傷は激しく、直流電気炉の炉寿命を決定する要因とな
っている。
【0004】電気炉の延命のためには、炉底電極部その
ものの補修が不可欠である。例えば、特開平3−316
88号公報には、電極部の通電可能な面積を確保しなが
ら、出鋼側と排滓側の交互に吹付材によって補修する方
法が記載されており、また、炉底電極が鋼製の細棒から
なるMAN−GHH式の直流電気炉では、通電性を確保
するために鋼製の細棒を溶接し、その周囲を通常のスタ
ンプ材で充填する補修方法が知られていた。これらの補
修方法では、アークが発生可能な通電性を確保するため
には、一度に電極部全面を補修することができず、また
補修作業が煩雑となるという問題点があった。
【0005】また、最近の溶鋼の精錬処理技術の一つと
して、溶鋼の電磁攪拌処理が実施されるようになってき
たが、このときの溶鋼の流れにより発生する電流が耐火
物の溶損に影響を与えることが考えられるが、このよう
な用途においても従来は導電性を考慮した耐火物がな
く、電気的な影響は明確ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、直流電気炉
の炉底電極部等に使用することができる導電性を有する
耐火物を提供することを課題とするものであり、溶鋼や
スラグに対する耐食性、あるいは溶鋼流による摩耗損傷
に対する耐食性が大きな導電性のラミング耐火物を提供
することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性ラミング
耐火物は、75μm以下の微粉の含有量が15重量%以
下である耐火性材料70〜92重量%と、75μm以上
の粒子の含有量が70重量%以上で純度が85%以上で
ある黒鉛8〜30重量%とからなる配合物に、加熱する
ことによって炭化してカーボンボンドを形成する結合剤
を添加混練したものである。本発明における「カーボン
ボンド」は、当業者の間で使用されているような、耐火
物中の炭素含有成分が加熱によって炭化し、耐火物の構
成原料を相互に結合し、また構成原料が導電性を有する
部材である場合には、相互に結合するとともに導電性を
有する部材の間に導電性接続を形成する現象を意味す
る。また、結合剤には、粘性が25℃において10〜2
50ポイズで分子量が500以下のノボラック型フェノ
ール樹脂を用いた導電性ラミング耐火物である。
【0008】電気炉において、使用可能な導電性耐火物
には、1Ω・cmより小さな比抵抗値を有することが必
要である。したがって、主として絶縁性の耐火性骨材か
らなるラミング耐火物に導電性を付与するためには、高
導電性の粒子を添加し、それらの粒子同士を直接接触さ
せて電気回路を形成することが有効である。そこで、導
電性粒子を連続的に接触させ、それらの接触面積をいか
に増加させるかが、ラミング耐火物に導電性を与える場
合に最も重要な点である。導電性粒子の接触面積は導電
性粒子の添加量、粒度のみではなく成形体の充填性にも
大きな影響を受け、それらを精密に調整することによっ
て本発明を成し遂げたものである。
【0009】すなわち、本発明のラミング耐火物におい
て、耐火性材料の含有量は70〜92重量%で、その耐
火性材料中の75μm以下の微粉の割合は、15重量%
以下でなければならない。耐火性材料として用いられる
金属酸化物の比抵抗値は、例えばアルミナでは1×10
16Ω・cm、マグネシアでは2×108 Ω・cmと非常
に大きな値であり、絶縁性の材料である。したがって、
本発明の導電性ラミング耐火物において、耐火性材料が
92重量%よりも多い場合には、ラミング耐火物はほと
んど絶縁性の材料で構成されるため十分な導電性が得ら
れない。一方、耐火性材料の含有量が70重量%よりも
少ない場合には、導電性粒子である黒鉛量が多くなり、
十分な充填組織を得ることが難しく、溶鋼やスラグに対
する耐食性が低下したり、溶鋼流による摩耗損傷が大き
くなる。
【0010】また、耐火性材料中の75μm以下の微粉
は15重量%以下でなければならない。耐火性材料中の
75μm以下の微粉が15重量%よりも多い場合、ラミ
ング耐火物中のマトリックス部における絶縁性微粉量が
多くなりすぎ、導電性微粒子である黒鉛が直接接触する
ことによって形成される電気回路を遮断することとな
り、高い導電性を得ることができないからである。な
お、非常に高い導電性を要求される場合、または溶融金
属あるいはスラグの流動による侵食作用が穏やかな場合
には、耐火性材料中に75μm以下の微粉をまったく含
有しなくても良い。
【0011】本発明の導電性ラミング耐火物に用いられ
る耐火性材料は、一般の耐火性材料に用いられるシリ
カ、ジルコニア、チタニア等の酸性酸化物、アルミナ、
クロミア等の中性酸化物、マグネシア、カルシア等の塩
基性酸化物およびスピネル鉱物のようにこれらの酸化物
で構成される複数成分系の各種天然または合成原料を、
単独または混合使用することが可能である。これらは、
炉の使用状況やスラグの組成等を考慮して適宜選択さ
れ、例えば、一般の直流電気炉においては、中性から塩
基性の耐火性材料が好適である。
【0012】また、導電性粒子として75μm以上の粒
子の含有量が70%以上で純度が85%以上の黒鉛を8
〜30重量%使用することが必要である。使用可能な黒
鉛としては、天然の鱗状黒鉛、土状黒鉛、人造のキッシ
ュ黒鉛、電極屑等が挙げられるが、これらはいずれも、
比抵抗値が10-2〜10-4Ω・cmと低く、導電性が大
きいばかりではなく、高温まで溶融することなく安定で
あり、また各種の溶融金属やスラグに濡れにくいという
特性を有しており、導電性の材料として有用である。高
導電性および耐酸化性の点からは、とくに黒鉛化度、結
晶化度が高い鱗状黒鉛が好ましい。
【0013】黒鉛の形状には、塊状のもの、微粉状のも
の等の各種の形状および粒径のものがあるが、本発明の
導電性ラミング耐火物には、75μm以上の粒子の含有
量が70重量%以上であることが必要であり、150μ
m以上の粒子を30重量%以上含有する黒鉛が好まし
い。さらに、75μm以上の粒子の含有量が70重量%
より少ない場合、導電性粒子として添加しても粒径の小
さな粒子の割合が多く、成形によってこれらの粒子が直
接に電気回路を形成するには、多くの粒子が連続して接
触しなければならない。このために微粉として添加され
る導電性を有しない耐火性粒子によって、電気回路が遮
断されることが数多く発生するため電気回路が形成され
にくく、また導電性粒子が連なって電気回路が形成され
た場合であっても、粒子の接触点が多いため接触抵抗が
増加し、結果的にラミング耐火物の比抵抗値を低下させ
ることが困難である。そこで、75μm以下の微粉の含
有量が15重量%以下である絶縁性耐火性材料を用いる
とともに、75μm以上の粒子を70%重量以上含有し
た、いわゆる微粉ではなくある程度の粒径の黒鉛粒子で
導電性ラミング耐火物のマトリックスの主体を構成させ
ることが重要となる。これにより電気回路を形成する導
電性粒子の直接接触が促進され接触点の数が減少し接触
抵抗が小さくなり、導電性ラミング耐火物成形体のマト
リックス中に効果的に電気回路が形成され、導電性は飛
躍的に向上する。
【0014】また、黒鉛粒子は一般には偏平な形状を有
しているが、本発明の導電性ラミング耐火物に用いる黒
鉛粒子の平均厚みは40μm以下であることが望まし
い。黒鉛はラミング成形時に圧力を受け、変形しながら
組織を形成する。煉瓦の成形の場合には成形型内におい
て高圧プレスによって加圧されるが、ラミング耐火物の
場合には、エアーランマー等による比較的小さな圧力に
よって成形されるので、平均厚みが40μm以下の偏平
状の粒子であれば、小さな成形圧力によっても容易に変
形し、黒鉛粒子同士の接触が容易となるのみではなく、
絶縁性の耐火性微粉を覆ってしまうことが可能であり、
マトリックス中に電気回路を形成し易く、同時にマトリ
ックス組織の向上が可能となる。一方、黒鉛粒子の厚み
が40μmよりも大きいと、小さな成形圧力によっては
黒鉛の変形が十分ではなく、好ましくない。
【0015】さらに、使用する黒鉛粒子の純度は85重
量%以上であることが必要である。すなわち、黒鉛粒子
は連続的に接触することによって電気回路を形成してい
るが、黒鉛粒子の接触の仕方は一様ではなくいろいろな
部分が接触している。したがって、黒鉛粒子が黒鉛結晶
の層間に不純物を多く含有したものであると、十分な導
電性が得られなかったり、導電性が不均一になることが
生じることがある。
【0016】また、本発明の導電性ラミング耐火物中の
黒鉛の含有量は、8〜30重量%であることが好まし
く、含有量が8%よりも少ない場合は、ラミングによっ
て成形される場合には導電性粒子が連続して接触するこ
とができず、導電性が不十分である。8重量%以上で導
電性粒子同士が接触し、電気回路が容易に形成できるよ
うになり、添加量が増加するにしたがって導電性粒子の
接触点は増加し導電性ラミング耐火物の導電性が向上す
る。一方、30重量%以上よりも多く使用した場合に
は、エアランマー等による成形では充填性が低下し、成
形体の密度が不十分となり、耐火物としての耐食性が低
下する傾向を示し、また導電性の向上もみられなくな
る。したがって、黒鉛含有量は8〜30重量%が適切で
ある。75μm以上の粒子の含有量が70重量%以上で
純度が85重量%以上の黒鉛を8〜30重量%使用し、
75μm以下の微粉量を15重量%以下とした絶縁性の
耐火性材料を用いることにより、ラミング耐火物成形体
のマトリックス中に効率的に電気回路が形成され、導電
性を向上することができる。
【0017】本発明の導電性ラミング耐火物には、加熱
によって炭化してカーボンボンドを形成する結合剤を使
用する必要がある。本発明の導電性ラミング耐火物は、
黒鉛粒子の直接接触により電気回路が形成され導電性が
得られているが、導電性をさらに向上させるためには、
結合剤の選択が重要となる。結合剤は、粒子同士を結び
付けるものであるため、セメントやリン酸塩のような無
機質の結合剤である場合、これら結合剤自身は導電性を
持たないため、ラミング耐火物成形体の導電性黒鉛粒子
の直接接触のみに依存することとなる。しかしながら、
ラミング耐火物は高温下で使用されるので、加熱によっ
て炭化してカーボンボンドを形成することができる結合
剤を添加し、混練することによりラミング耐火物中で均
一に分散され、加熱によって導電性の炭素を生成し、す
べての導電性粒子の間に有効に導電接続を形成し、導電
性を向上することができる。
【0018】炭素による導電接続を形成することが可能
な結合剤には、石油系、石炭系のピッチ、タールあるい
はさまざまな合成樹脂が、単独もしくは混合して使用す
ることができる。なかでも、コールタールピッチ、フェ
ノール樹脂は炭素量が多く加熱によって炭化し炭素を多
く生成し導電性の向上に有効であるが、他のものに比べ
て加熱中の発煙が少なく有害な気体の発生の少ないフェ
ノール樹脂が最も好ましい。
【0019】ラミング耐火物は使用現場での作業性を考
慮して製造工場においてあらかじめ結合剤と混練して納
入されるのが一般的である。導電性の面から小量の結合
剤を均一に材料中に分散させ、またランマー等による成
形中に粉塵の発生を抑制して作業環境を改善するため
に、液体の結合剤を使用するのが好ましい。固体の結合
剤のみを添加すると、分布に不均一を生じ均一な分散が
行われにくいので、すべての導電性粒子の間に導電性接
続を形成することが困難となる。
【0020】また、本発明の導電性ラミング耐火物は、
製造工場において耐火性材料と黒鉛とからなる配合物に
液体の結合剤を添加して混練された湿潤状の材料である
が、製造後すぐに使用現場で成形施工されるわけではな
く、輸送期間および炉の損傷状況、作業工程により、少
なくとも数日間は保管されるのが一般的である。したが
って、この保管中に材料の成形性、導電性等の特性に変
化のないことが望まれる。液状の結合剤として最も好ま
しいフェノール樹脂のなかでも、レゾール型のフェノー
ル樹脂や、分子量が500よりも大きなノボラック型フ
ェノール樹脂では、材料保管中にフェノール樹脂の重合
が進行することがあり成形性が低下し、導電性粒子の直
接接触が得にくくなり導電性が低下することが明かとな
った。したがって、本発明の導電性ラミング耐火物の結
合剤としては、分子量が500以下である液状ノボラッ
ク型フェノール樹脂が最も好ましい。
【0021】本発明に使用する分子量が500以下の液
状ノボラック型フェノール樹脂は、粘度が25℃で10
ないし250ポイズのものがよい。10ポイズより粘度
が低いと混練後の材料がぱさぱさで、ランマー等による
成形時に材料が飛散し、作業環境が悪化する。一方、粘
度が250ポイズよりも高いと混練中に黒鉛等の粒子の
造粒が生じ、導電性が損なわれることがある。したがっ
て、液体フェノール樹脂の粘度は10〜250ポイズと
することが好ましく、30〜130ポイズとすることが
とくに好ましい。
【0022】本発明の導電性ラミング耐火物は、耐火性
材料70〜92重量%と、黒鉛8〜30重量%とからな
る配合物100重量部に、結合剤を2.5〜10重量部
を添加混練することが好ましい。結合剤の添加量が2.
5重量部よりも少ないと、結合剤を材料全体に均一に分
散させることが困難であり、成形性が低下する。一方、
結合剤が10重量部より多い場合には、黒鉛粒子表面に
液体被膜が厚く形成されるために、黒鉛粒子相互の直接
接触による導電接続が形成されにくくなり導電性が低下
する。
【0023】液状のノボラック型フェノール樹脂の溶剤
には、一般に用いられているアルコールやグリコール系
の溶剤を使用することができる。ノボラック型フェノー
ル樹脂には、熱硬化性がないので、使用条件によってヘ
キサミンや小量のレゾール型フェノール樹脂等を熱硬化
性を与える硬化剤として添加しても良い。本発明の導電
性ラミング耐火物には、熱間強度向上、耐酸化性向上の
目的でアルミニウム、ケイ素等の金属粉末、炭化ホウ素
などのホウ素含有化合物を少量添加しても良い。また、
本発明の導電性ラミング耐火物は、一般的にはエアーラ
ンマーで成形されるが、荷重を加えながら振動を与える
振動加圧成形法やこれに類似の成形方法によって成形し
ても良い。
【0024】
【作用】本発明の導電性ラミング耐火物は、特定の量の
耐火性材料と黒鉛を加熱によって炭化する特定の粘度の
結合剤を使用して混練した後に成形したので、高い導電
性と耐食性、スラグに対する耐溶損性を備えており、直
流電気炉の炉底電極部の補修等において使用することが
できる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を説明
する。 実施例1 (試料の作製)各試料は、表1に示す耐火性材料と黒鉛
を加えて混練した配合物100重量部に、一部の試料に
ついては添加剤としてアルミニウム、炭化ホウ素、ヘキ
サミン等を添加したのちに、すべての試料に結合剤とし
て分子量が260で粘性が25℃において60ポイズの
液状ノボラック型フェノール樹脂を4.5重量部を添加
してさらに混練した。得られた導電性ラミング耐火物を
エアーランマーを用いて40×40×160mmの枠内
に成形し、150℃で24時間加熱処理し、成形体を下
記の試験方法によって試験をし、その結果を表1に示
す。なお、比較例については比で示す。
【0026】(試験方法) 抵抗の測定方法 得られた成形体を2点法により試料の電気抵抗を測定し
次式によって求めた。 ρ=R・a/l ρ:比抵抗(Ω・cm) R:電気抵抗(Ω) a:断面積(cm2 ) l:長さ(cm) 気孔率 気孔率は150℃に加熱処理をした試料を用い、JIS
R2205−74によって測定した。 侵食テスト 侵食テストは、150℃に加熱処理した試料を用い、ア
ーク加熱による回転ドラム法で評価した。この時の侵食
剤には、電気炉スラグを用いた。溶損指数は、試料番号
1を100として示した。
【0027】
【表1】
【0028】比1は、耐火性材料中の75μm以下の粒
子の含有量が多く、黒鉛粒子中の75μm以上の粒子の
含有量及び150μm以上の粒子の含有量が少ないた
め、ラミング耐火物中のマトリックス部で効率的に黒鉛
粒子の直接接触による電気回路が形成されず導電性が悪
い。比2は、黒鉛含有量が少なく、電気回路を形成する
ための導電性粒子の絶対量が足りないため導電性が悪
い。比3は、耐火性材料中の75μm以下の粒子の含有
量が多く、黒鉛の純度が低いため導電性が悪い。比4
は、黒鉛含有量が非常に多いため、結合剤が4.5重量
部であると混練することが困難であったので、結合剤を
13%と多くしたものである。黒鉛粒子の直接接触によ
り電気回路が形成されるため、導電性は良好であるが、
気孔率が高く、スラグに対する耐溶損性に劣る。
【0029】実施例2 実施例1の試料番号1の配合物を用いて、表2に示した
ように結合剤を変えて混練後1日後および1カ月保管後
に成形をした点を除き、実施例1と同様にして評価を行
い、その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】試料番号8〜10はいずれも、1日後、1
ヵ月経過後の成形性も良好で経時変化がなく、150℃
加熱後には1Ω・cm未満の比抵抗値であり、さらに1
000℃まで加熱により炭素による導電性接続を形成し
た後は比抵抗値は、10-3Ω・cmのオーダーに低下
し、導電性が著しく向上している。
【0032】比5は、結合剤として液状レゾール型フェ
ノール樹脂を使用しているため、1日後でも、樹脂の重
合が進行し材料が塊状となり成形しにくく、そのため比
抵抗値も若干高い。1ヵ月後では、さらに材料保管中に
レゾール樹脂の重合が進行し完全に塊となってしまい、
1ヵ月経過後の材料では成形できない。比6は、無機の
結合剤であるアルミナセメントを使用した場合であり、
粘性の非常に低い水と混練しなければ結合剤としての効
果が得られないため、材料がパサパサな状態となり成形
性が悪く、充填性が悪いため導電性が低い。更に、加熱
により導電性接合を形成しないため、1000℃加熱後
の比抵抗値は、組織の変化により多少高くなる傾向を示
す。また、1ヵ月の材料保管中にセメントの水和反応が
進み、経時変化するため成形不能となった。
【0033】実施例3 実施例1の試料番号1の配合物を用いて、表3に示すよ
うに性状および添加量が異なる各種液状ノボラック型フ
ェノール樹脂を結合剤として添加した点を除いて実施例
1と同様に成形および評価をした。
【0034】
【表3】
【0035】添加量は、耐火性材料と黒鉛とからなる配
合物100%に対する値を示した。
【0036】本実施例のものはいずれの場合も成形性が
良好で経時変化がほとんどなく、導電性も高い。比7
は、液状樹脂の添加量が少なく樹脂の粘性も低いため、
材料がパサパサで成形しにくく、成形できたものについ
ても強度が小さく、比抵抗を測定するまでに至らなかっ
た。比8は、結合剤の添加量が多すぎるため、材料がベ
トベトして成形性が悪い。また、結合剤が絶縁被膜とな
り導電性が低い。比9は、樹脂の粘性が高く、配合剤と
結合剤を混練したとき黒鉛が造粒し、効率的に黒鉛の直
接接触が図れないため導電性が低い。また、ノボラック
樹脂の分子量が高いために、1ヵ月後では経時変化し成
形不能となる。一方、本発明の導電性ラミング耐火物成
形体は、比抵抗値が150℃加熱後で1Ωcmより小さ
く、1000℃加熱後で10-3Ωcmのオーダーであり
良好な導電性を有している。
【0037】
【発明の効果】本発明の導電性ラミング耐火物は、特定
の量の耐火性材料と黒鉛を加熱によって炭化する特定の
粘性の液状ノボラック型のフェノール樹脂を結合剤を使
用して混練した後に成形したので、高い導電性と耐食
性、スラグに対する耐溶損性を備えており、直流電気炉
の炉底電極部の補修等において優れた特性を発揮するこ
とができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性のラミング耐火物において、75
    μm以下の微粉の含有量が15重量%以下である耐火材
    料70〜92重量%と、75μm以上の粒子の含有量が
    70重量%以上で純度が85%以上である黒鉛8〜30
    重量%とからなる配合物に、加熱によりカーボンボンド
    を形成する結合剤を添加混練したことを特徴とする導電
    性ラミング耐火物。
  2. 【請求項2】 結合剤が、粘性が25℃において10〜
    250ポイズで分子量が500以下のノボラック型フェ
    ノール樹脂であることを特徴とする請求項1記載の導電
    性ラミング耐火物。
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