JP3748196B2 - 直流電気炉炉底用スピネル−c質煉瓦 - Google Patents
直流電気炉炉底用スピネル−c質煉瓦 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
スクラップ溶解用の直流電気炉の炉底電極には、鋼に電流を流すマルチピン式とスチールロッド式、および導電性耐火物に電流を流す方式がある。
本発明は炉底電極用耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直流電気炉炉底用導電材耐火物として、転炉でも通常使用されているMgO−C煉瓦が一般的に使用されている。カーボンは煉瓦中でスラグによる侵食やスラグの浸透・剥離を防止するのに有効であるが、電極として不可欠な特性である導電性を付与している。MgO質の骨材はスラグに対する耐食性に優れている。
【0003】
しかしながら、従来のMgO−C煉瓦では損耗速度が大きいため補修材の使用量が多くなってしまい、新材質の耐火物の採用により耐火物の材料費や施工のコストを低減することが要求されている。
【0004】
このような問題を解決するべくスピネル−カーボン系煉瓦が開発されている(特開昭54−125209号公報)。この煉瓦は主にホットスポット部等の炉壁用のもので、MgO/Al2O3が重量比で75/25〜28/72の組成を有するスピネル質溶融骨材が65〜95重量%、カーボン又はカーボン含有物がC換算で35〜5重量%からなるものである。
【0005】
また、製鋼用電気炉の電極となる炉床に使用される耐火物として、アルミナ45〜90重量%、マグネシア5〜30重量%、カーボン5〜25重量%を含有し、上記マグネシアの少なくとも5重量%以上がペリクレースの形で配合されており、さらに、フェノール樹脂または他の有機樹脂系バインダーからなるアルミナ−マグネシア−カーボン煉瓦も知られている(特開平10−212159号公報、特開平10−251055号公報)。そこには、この煉瓦に酸化防止剤を0.5〜10重量%加えることも開示されている。この発明は、予熱昇温時および使用中にアルミナ質原料とマグネシア質原料が反応してスピネルの生成による体積膨張で気孔を閉塞させて、外部よりの空気の摩耗を防止することが示されている。スピネルを予め添加することも示されているが、その量は15wt%未満である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
直流電気炉炉底電極に使用するMgO−C耐火物はピンおよび/または煉瓦自身に流れる電流のジュール熱による発熱と炉内雰囲気の高温により1700℃以上になることがある。MgO−C煉瓦は高温で使用されると煉瓦自身のマグネシアとカーボンが反応を起こし煉瓦の組織が脆弱化し損耗が促進されることが知られており、MgO−C煉瓦を炉底に使用した炉底電極ではこの反応が損傷要因のひとつになっていると考えられる。使用後の炉底電極の解体調査によってもMgO−C煉瓦は煉瓦自身のMgOとCの酸化−還元反応による脱炭とMgO骨材のやせ細りによる脆化が起き、そこにスラグ、メタルが浸透し損耗が進んでいることが確認された。以上に述べたMgO−C煉瓦の高温での耐火物自身の酸化−還元反応を防止する事が課題である。
【0008】
特開平10−212159号公報の耐火物は、アルミナ質原料とマグネシア質原料を反応させてスピネルを生成させることによる体積膨張を利用して気孔の閉塞と緻密化を計っており、スピネルは予め添加するにしても極く少量に限られている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
炉底電極に使用された後のMgO−C煉瓦の解析によって、ピンの周辺部は煉瓦自身のマグネシアとカーボンの反応によって煉瓦の損傷が進んでいることが確認された。このような煉瓦自身の骨材とカーボンとの反応による損傷を低減するためカーボン含有煉瓦において、マグネシアクリンカーから他のクリンカーに材質変更しカーボンとの反応による損傷を低減することにした。
【0010】
マグネシアに代わり安価で耐食性に優れ、かつ高温でカーボンによる還元に対して強い骨材としてはアルミナ、Al2O3−MgO系スピネル等があるが、電気炉のスラグに対してはスピネルの方が耐食性に優れているのでスピネルを主骨材とするスピネル−マグネシア−アルミナ−C系およびスピネル−アルミナ−マグネシア−C系の煉瓦を開発、適用することにした。
【0011】
マグネシアはカーボンと酸化−還元反応を起こすという点で、またアルミナはスラグに対する耐食性が悪く望ましくないが、第2、第3成分として使用するには量が少なく上記の欠点が低減される。また、約1200℃以上になるとアルミナとマグネシアが反応しスピネルを生成し始めるので問題はさらになくなる。さらには一般に知られているようにスピネル生成に伴う膨張により組織が緻密になり耐食性が向上するという効果も期待できる。
【0012】
スピネル原料はAl2O3とMgOが等モル比の場合、重量比では71.7:28.3になる。商用の製品では重量比は広範囲に渡っており、少量のTiO2、SiO2、FeO3等の不純物も含まれている。本発明が適用されるスピネルはAl2O3:MgOの重量比が60:40〜90:10程度のものである。使用するスピネル骨材は焼成品でも良いが、電融品の方が緻密で耐用性に優れる。スピネルの粒径は最大粒径が5mm程度のものが好ましい。
【0013】
マグネシアは最大粒径が5mm程度のものが好ましい。Al2O3−MgO系スピネル:マグネシアの比率は重量比で1:0〜1:1程度が適当である。マグネシアの好ましい添加量は0.1〜35重量%である。
【0014】
アルミナは最大粒径が5mm程度のものが好ましい。Al2O3−MgO系スピネル:アルミナの比率は重量比で1:0〜1:1程度が適当である。アルミナの好ましい添加量は0.1〜35重量%である。
【0015】
本発明ではこのマグネシアやアルミナを添加することによって組織をより緻密化することができる。
【0016】
カーボン原料は鱗状黒鉛、人造黒鉛、土状黒鉛、キッシュグラファイト、無煙炭等が使えるが高純度のものが耐用性が良い。粒径は1mm以下程度のものが好ましい。カーボンの配合量は骨材とカーボンの量の和の5〜25重量%とする。配合量が5%より少ないと熱的なスポーリングを起こすことが多く、また25%以上になると酸化が多くなるので望ましくない。好ましい配合量は6〜20重量%程度である。
【0017】
バインターは通常の有機バインダーが使用可能であり、MgO−C煉瓦で使用されるフェノール樹脂あるいはピッチを単独、または併用で使用することが一般的である。このバインダーは骨材、カーボン等を結合して一体化するものであり、焼成後は炭化して引続きバインダー機能を発揮するものである。バインダーの配合量は骨材とカーボンの合計100重量部に対し2〜7重量部程度が適当である。
【0018】
本発明では、前記の骨材成分に加えて、酸化防止剤として、Al、Si、Mg又はBを加えることが好ましい。これらは単体(Al、Si)、合金(Al−Mg等)又は化合物(B4C等)の形で添加することができる。
【0019】
煉瓦製造時の混練、成形、乾燥の方法は通常のMgO−C煉瓦と同様である。通常、乾燥後に樹脂の強度を確保するため150〜300℃程度で熱処理を行う。さらに高温で熱処理を行い、樹脂の分解やカーボンボンドが形成されるまで焼成しても構わない。
【0020】
なお、骨材の材質を変更してもカーボンの変更は無いので、新しく開発した煉瓦の導電性に関しては問題は生じない。
【0021】
【実施例】
煉瓦の試作にはスピネル骨材としてAl2O3の重量比が68%(最大粒径4mm)の焼成スピネルAと85%(最大粒径4mm)の電融スピネルBの2種類を使用した。MgO骨材は純度98%(最大粒径0.5mm)の電融品、Al2O3骨材は純度99%(最大粒径2mm)の電融品、カーボン(鱗状黒鉛)は純度98重量%(最大粒径1mm)の鱗状黒鉛を用いた。
【0022】
これらの原料にフェノール樹脂3重量%を添加して混練し、成形、乾燥後、250℃で10時間の熱処理を行い、表の11種類の煉瓦1〜11を試作した。
【0023】
比較用のMgO−C煉瓦MおよびAl2O3−C煉瓦AのMgO、Al2O3、カーボン原料および製造方法は試作煉瓦と同一である。
【0024】
試作煉瓦の耐用性を従来のMgO−C煉瓦Mと比較調査するため、Ar雰囲気で1700℃、2時間の加熱処理を行い、煉瓦自体の酸化−還元反応による処理前後の重量減少率を求めた。また、1700℃で回転ドラム侵食試験を行い侵食速度を比較した。使用したスラグの成分はCaO:35、SiO2:20、Al2O3:6、MgO:8、FeO:31(wt%)である。
【0025】
この試験結果よりマグネシア主成分の煉瓦は耐食性は良いが酸化還元反応には弱く、アルミナ主成分の煉瓦は酸化還元反応には強いが耐食性が悪く、スピネル主成分の煉瓦は両特性をバランス良く備えていることが確認できる。
【0026】
【表1】
【0027】
導電炉床方式の80トン直流電気炉の炉底電極部で煉瓦2と、煉瓦6に金属粉末Al、Siをそれぞれ2%、1%添加した煉瓦6’を従来材のMgO−C質比較煉瓦Mの中に部分的に張り分けを行い効果を確認した。
【0028】
使用後の解体調査によると従来材のMgO−C煉瓦、Mは稼働面から約15mmの深さまで酸化−還元反応による脆化が起き、一部スラグ、メタルが浸透している。一方、煉瓦2と本発明による煉瓦6’は脆化の深さは2mmである。また、煉瓦の長さは初期に500mmであったが従来材Mの残厚が200mmに対して煉瓦2が260mm、煉瓦6’が280mmと耐用性が高いことが確認された。
【0029】
【発明の効果】
本発明により、直流電気炉炉底の煉瓦の高温における耐食性を改善して、電気炉の煉瓦交換時期を延長させ、安定してスクラップ等の溶解を行うことができる。
Claims (3)
- Al 2 O 3 −MgO系スピネルを主成分とし、さらに0.1〜35重量%のマグネシアと0.1〜35重量%のアルミナからなる骨材と5〜25重量%のカーボンからなり、これにさらにバインダーが添加されている直流電気炉炉底用スピネル−C質煉瓦
- 酸化防止剤がさらに添加されている請求項1記載の直流電気炉炉底用スピネル−C質煉瓦
- 酸化防止剤として、骨材とカーボンとの和100重量部に対して10重量部以下のAl、Si、Mg又はBを含有する請求項2記載の直流電気炉炉底用スピネル−C質煉瓦
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