JP2727993B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2727993B2 JP32622794A JP32622794A JP2727993B2 JP 2727993 B2 JP2727993 B2 JP 2727993B2 JP 32622794 A JP32622794 A JP 32622794A JP 32622794 A JP32622794 A JP 32622794A JP 2727993 B2 JP2727993 B2 JP 2727993B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タに関し、特に顔料系インク内の粒子を電気泳動現象に
より制御するようにしたインクジェットプリンタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図3は、電気泳動現象を利用した従来の
インクジェットプリンタのヘッド部を示す断面図であ
る。図4は、図3における電気泳動稼動電極及びインク
ジェット起動電極に印加される稼動電圧及び起動電圧を
示す波形図である。
【0003】このヘッド部50は、インク吐出口52を
有するとともに顔料系インク54が満たされているイン
ク室56と、顔料系インク54中の粒子58を電気泳動
現象によりインク吐出口52へ集中させるための電気泳
動稼動電極60と、インク吐出口52へ集中した粒子5
8を排出させて記録体62上へ飛翔させるインクジェッ
ト起動電極64とを備えたものである。電気泳動稼動電
極60には所定の稼動電圧Vaが印加され、インクジェ
ット起動電極64には所定の起動電圧Vbが印加され
る。
【0004】次に動作について説明する。ヘッド部50
は、帯電している粒子58を含んでいる顔料系インク5
4に電場を加えると、粒子58が電場の下で一方向に動
くという電気泳動現象を利用している。すなわち、電気
泳動稼動電極60に稼動電圧Vaとして図4に示す一定
の電圧V1 (高電圧)を与えることにより、顔料系イン
ク54が満たされているインク室56に電場を加える
と、顔料系インク54内の粒子58がインク吐出口52
へある速度で移動するため、インク吐出口52に粒子5
8の集中が起こる。粒子58の集中が起きる時に合わせ
て、インクジェット起動電極64に起動電圧Vbとして
図4に示す時間T3 及び電圧V3 のパルス状の高電圧を
加えると、粒子58が飛翔して記録体62上に付着す
る。続いて、顔料系インク54の補給が行なわれるとと
もに、この様な動作が繰り返されて、記録体62上に画
像が形成される。
【0005】これらの動作の中でインクジェット起動電
極64に図4に示すようなパルス状の高電圧を加えるタ
イミングは、インク吐出口52への粒子58の集中が完
全になった時(図4に示す前の粒子排出から次の粒子排
出までの時間T5 経過)でなければならない。インク吐
出口52への粒子58の集中が不完全な時にインクジェ
ット起動電極64にパルス状の高電圧を与えてしまう
と、粒子58の吐出が不完全となり記録体62上の画像
が不安定となってしまう。従って、インク吐出口52へ
の粒子58の集中が完全になるまでの周期(図4に示す
時間T5 )は、インクジェットプリンタの記録速度を決
めるものであり、粒子58がインク吐出口52へ移動す
る速度に依存する。粒子58がインク吐出口52へ移動
する速度比νは、ν=ε0 εr ξE/6πηで与えられ
る。ここで、ε0 :真空の誘電率,εr :媒体の比誘電
率,ξ:ゼータ電位,E:電場の強さ,η:媒体の粘性
率である。上式からわかるように、粒子58がインク吐
出口52へ移動する速度は電場の強さE、すなわち電気
泳動稼動電極60に加える稼動電圧Vaに比例する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した様にインクジ
ェットプリンタの記録速度を上げるためには、インク吐
出口52へ移動する粒子58の速度を上げることによ
り、インク吐出口52への粒子58の集中を速くしなけ
ればならない。このためには、電気泳動稼動電極60に
与える稼動電圧Vaを高くする必要がある。しかし、イ
ンク吐出口52付近では等電位線の集中が密であるの
で、電気泳動稼動電極60に与える稼動電圧Vaを高く
するとインク吐出口52付近で粒子58の急激な集中が
起こる。そのため、インクジェット起動電極64に粒子
58の癒着が起こり、飛翔する粒子58の大きさに影響
を与え画像が不安定になる。
【0007】一方、電気泳動稼動電極60に加える稼動
電圧Vaを低くしてしまうと、インク吐出口52への粒
子の集中が遅くなることにより、飛翔する粒子58に影
響を与えてしまう。これを防ぐためには、印字速度を遅
くせざるを得なくなる。
【0008】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、飛翔する粒子
の安定化を図り、これにより印字速度を向上させたイン
クジェットプリンタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のインクジ
ェットプリンタは、インク吐出口を有するとともに顔料
系インクが満たされているインク室と、前記顔料系イン
ク中の粒子を電気泳動現象により前記インク吐出口へ集
中させるための電気泳動稼動電極と、前記インク吐出口
へ集中した粒子を排出させて記録体上へ飛翔させるイン
クジェット起動電極と、前記電気泳動稼動電極に対する
所定の稼動電圧及び前記インクジェット起動電極に対す
る所定の起動電圧を印加制御する印加電圧制御部とを備
えている。そして、前記印加電圧制御部が、前記インク
ジェット起動電極に対する起動電圧の印加に際し,前記
電気泳動稼動電極に対する稼動電圧を予め低減制御する
ことを特徴としている。
【0010】請求項2記載のインクジェットプリンタ
は、請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記電気泳動稼動電極を断面U字状に形成するととも
に、この電気泳動稼動電極の開口部側の中央部に前記イ
ンク吐出口を設け、このインク吐出口に向けて前記イン
ク室の断面積が徐々に小さくなるように当該インク室を
形成するとともに、前記インク吐出口に近接して前記イ
ンク室内に、前記インクジェット起動電極を配設したこ
とを特徴とするものである。
【0011】請求項3記載のインクジェットプリンタ
は、請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記一のインクジェット起動電極に対する起動電圧の印
加周期T4 内における前記電気泳動稼動電極に対する稼
動電圧の低減制御時間T1 を、T1 >T4 /2に設定し
たことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】まず、高い稼動電圧を電気泳動稼動電極に印加
することにより、顔料系インク中の粒子をインク吐出口
へ急速に移動させる。続いて、低い稼動電圧を電気泳動
稼動電極に印加することにより、粒子の過度の集中を回
避するとともに、インクジェット起動電極に起動電圧を
印加することにより、インク吐出口から粒子を吐出させ
る。
【0013】
【実施例】図1は、本発明に係るインクジェットプリン
タの一実施例を示す構成図である。図2は、図1におけ
る電気泳動稼動電極及びインクジェット起動電極に印加
される稼動電圧及び起動電圧を示す波形図である。
【0014】インクジェットプリンタ10は、ヘッド部
12と、印加電圧制御部14とから構成されている。
【0015】ヘッド部12は、インク吐出口16を有す
るとともに顔料系インク54が満たされているインク室
18と、顔料系インク54中の粒子58を電気泳動現象
によりインク吐出口16へ集中させるための電気泳動稼
動電極20と、インク吐出口16へ集中した粒子58を
排出させて記録体62上へ飛翔させるインクジェット起
動電極22とを備えている。
【0016】電気泳動稼動電極20は、図示するとおり
断面U字状に形成されている。電気泳動稼動電極20の
開口部側の中央部にインク吐出口16が設けられてい
る。インク室18は、合成樹脂からなり、インク吐出口
16へ向けてインク室18の断面積が徐々に小さくなる
ように形成されている。インクジェット起動電極22
は、インク吐出口16に近接してインク室18内に配設
されている。
【0017】印加電圧制御部14は、上位装置30から
出力された印字情報30aに基づき、電気泳動稼動電極
20に対する所定の稼動電圧Va及びインクジェット起
動電極22に対する所定の起動電圧Vbを印加制御す
る。詳しくは、インクジェット起動電極22に対する起
動電圧Vbの印加に際し,電気泳動稼動電極20に対す
る稼動電圧Vaを予め低減制御する。
【0018】次に、動作を説明する。図2に示すように
時間T2 及び電圧V2 並びに時間T1 及び電圧V1 (<
2 )の稼動電圧Vaを電気泳動稼動電極20に与え、
顔料系インク54が満たされているインク室18に電場
を加える。インク室18内の粒子58がインク吐出口1
6へ移動する時に動く速さは電気泳動稼動電極20に与
える稼動電圧Vaに比例する。従って、インク室18内
の粒子58は、まず時間T2 及び電圧V2 (>V1 )に
比例した速度でインク吐出口16へ移動し、続いて時間
1 及び電圧V1 に比例した速度でインク吐出口16へ
移動し、これにより粒子58の集中が起きる。すなわ
ち、従来技術で説明した図4に示す一定電圧V1 を与え
た場合よりも、時間T2 の間だけ電圧V2 (>V1 )を
与えた場合の方が、インク吐出口16への粒子58の集
中が起こるまでの時間は短くなる。次に粒子58の集中
がインク吐出口16に起きた時、図2に示す時間T3
び電圧V3 のパルス状の電圧をインクジェット起動電極
22に加えると粒子58が飛翔して記録体62上に付着
する。
【0019】続いて、顔料系インク54の補給が行なわ
れ、再び図2に示すように時間T2及び電圧V2 並びに
時間T1 及び電圧V1 (<V2 )の稼動電圧Vaを電気
泳動稼動電極20に与え、顔料系インク54が満たされ
ているインク室18に電場を加える。インク室18内の
粒子58は、インク吐出口16へ移動して集中する。次
いで、前の粒子58の飛翔を起こすために加えた図2に
示す時間T3 及び電圧V3 のパルス状の起動電圧Vbか
ら時間T4 後に同じパルス状の起動電圧Vbをインクジ
ェット起動電極22に加えると次の粒子58が飛翔して
記録体62上に付着する。これらの動作が繰り返されて
記録体62上に画像が形成される。
【0020】以上の説明からわかるように、図4に示し
た稼動電圧Vaを電気泳動稼動電極60に与えるより
も、図1に示した稼動電圧Vaを電気泳動稼動電極20
に与える方が、インク吐出口16への粒子58の集中が
起こるまでの時間が短いため、インクジェット起動電極
22に加えるパルス状の起動電圧Vbの周期を短くでき
る。
【0021】従って、図4の時間T5 よりも図2の時間
4 の方が短くなり、印字速度を向上できる。また、図
2に示すように時間T2 だけ電圧V2 (>V1 )を与
え、その後電圧V1 に下げた場合、最初は時間T2 及び
電圧V2 (>V1 )を電気泳動稼動電極20に与えるた
め、インク吐出口16へ向けて粒子58の移動速度が速
くなり急激な集中が起きる。その後、電気泳動稼動電極
20に与える電圧V1 に下がるため、インク吐出口16
へ移動していた粒子58の集中する速度が遅くなり、イ
ンクジェット起動電極22での粒子58の癒着を防ぐ事
ができ飛翔する粒子58の安定化を図ることができる。
【0022】なお、本発明は、いうまでもなく、上記実
施例に限定されるものではない。例えば、稼動電圧は、
上記実施例のようにステップ状に低減することに限ら
ず、連続的に低減するようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るインク
ジェットプリンタは、顔料系インク中の粒子を電気泳動
現象によりインク吐出口へ集中させる際に、電気泳動稼
動電極に与える印加電圧を低減制御するようにしたの
で、飛翔する粒子を安定化でき、これにより印字速度を
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの一実施
例を示す構成図である。
【図2】図1における電気泳動稼動電極及びインクジェ
ット起動電極に印加される稼動電圧及び起動電圧を示す
波形図である。
【図3】従来のインクジェットプリンタのヘッド部を示
す断面図である。
【図4】図3における電気泳動稼動電極及びインクジェ
ット起動電極に印加される稼動電圧及び起動電圧を示す
波形図である。
【符号の説明】 10 インクジェットプリンタ 12 ヘッド部 14 印加電圧制御部 16 インク吐出口 18 インク室 20 電気泳動稼動電極 22 インクジェット起動電極 54 顔料系インク 58 粒子 62 記録体 Va 稼動電圧 Vb 起動電圧

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出口を有するとともに顔料系イ
    ンクが満たされているインク室と、前記顔料系インク中
    の粒子を電気泳動現象により前記インク吐出口へ集中さ
    せるための電気泳動稼動電極と、前記インク吐出口へ集
    中した粒子を排出させて記録体上へ飛翔させるインクジ
    ェット起動電極と、前記電気泳動稼動電極に対する所定
    の稼動電圧及び前記インクジェット起動電極に対する所
    定の起動電圧を印加制御する印加電圧制御部とを備え、 前記印加電圧制御部が、前記インクジェット起動電極に
    対する起動電圧の印加に際し,前記電気泳動稼動電極に
    対する稼動電圧を予め低減制御することを特徴としたイ
    ンクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記電気泳動稼動電極を断面U字状に形
    成するとともに、この電気泳動稼動電極の開口部側の中
    央部に前記インク吐出口を設け、 このインク吐出口に向けて前記インク室の断面積が徐々
    に小さくなるように当該インク室を形成するとともに、
    前記インク吐出口に近接して前記インク室内に、前記イ
    ンクジェット起動電極を配設したことを特徴とする請求
    項1記載のインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記一のインクジェット起動電極に対す
    る起動電圧の印加周期T4 内における前記電気泳動稼動
    電極に対する稼動電圧の低減制御時間T1 を、T1 >T
    4 /2に設定したことを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェットプリンタ。
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