JP2727749B2 - ローパスフィルタ切替回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、テレビジョン受像機などが受信する高周波
映像信号に、残留位置変調（搬送波の位相が映像信号の
振幅で変化する）成分が含まれた場合に生じやすい同期
乱れを検出してテレビジョン受像機での同期乱れを最小
限にとどめるために、中間周波数検波用電圧制御発振器
の発振周波数を制御する位相制御回路に用いられるロー
パスフィルタを任意に切替えるようにしたローパスフィ
ルタ切替回路に関する。

従来の技術 従来のテレビジョン受像機においては、中間周波数検
波回路の検波手段として自ら発振器を有する回路では、
位相ロックのためのローパスフィルタ切替えは、映像信
号のロック非ロック検出回路により受信電波の強弱に応
じて周波数引込み範囲を切替えるという形で行なわれて
いる。

以下従来の構成について図面を参照しながら説明す
る。第５図は、従来の中間周波数検波回路の構成を示す
ものであり、中間周波数増幅部51,中間周波数検波回路5
2,電圧制御発振器53,位相制御検波回路54,ロック時定数
切替部（以下ローパスフィルタと記載）55,ロック非ロ
ック検出回路56で構成されている。以上のように構成さ
れた回路について、以下その動作を説明する。

中間周波映像信号は、中間周波数増幅部51で増幅され
たのち中間周波数検波回路52および位相制御検波回路54
に送られる。位相制御検波回路54は、電圧制御発振器53
より入力される周波数で、中間周波数増幅部51より入力
される中間周波映像信号を位相検波したのち、ローパス
フィルタ55を通りこの信号によって電圧制御発振器53の
位相を制御している。上記ローパスフィルタ55は、受信
電波の強弱に応じてロック非ロック検出回路56によって
制御され、受信電波の強い時はロック非ロック検出回路
56の出力は、接地されてローパスフィルタ55の時定数は
重くなりしたがって周波数引込み範囲は狭くなる。逆に
受信電波の弱い時は、ロック非ロック検出回路56の出力
は、開放されてローパスフィルタの時定数は軽くなりし
たがって周波数引込み範囲は広くなる。従来は以上の回
路構成による、いわゆる完全な同期検波回路が使用され
ていた。

発明が解決しようとする課題 以上のように従来回路に使用されていたローパスフィ
ルタの時定数は、テレビジョン受像機への受信電波の強
弱のみを検出して切替え、テレビジョン受像機への残留
位相変調成分が含まれた強い電波を受信する場合には、
ローパスフィルタの時定数は重いため入来電波への追従
が遅くなり、検波された映像信号の同期信号部分に歪を
生じ同期乱れを生じていた。

近年ビデオテープレコーダやゲーム機器の普及に伴な
い、残留位相変調成分を含んだ電波（高周波信号）を発
生する機器が増加し、それをテレビジョン受像機に接続
した場合同期乱れや同期流れを生じやすく使用者に不快
感を与えるとともにこれらの機器の使用ができない場合
すらあった。

課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するために、新しく任意ロー
パスフィルタ切替回路を設け、使用者が残留位相変調成
分を含んだ電波をテレビジョン受像機で受信する場合同
期乱れを防ぐようにしたものである。

作用 本発明は上記した構成のように任意ローパスフィルタ
切替回路を設け、テレビジョン受像機で同期乱れを生じ
た場合、ローパスフィルタの時定数を軽くして応答を速
くし同期乱れをなくしテレビジョン受像機使用者の不快
感を除くことができるようにしたものである。

実 施 例 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
説明する。第１図は本発明の一実施例における任意ロー
パスフィルタ切替回路の回路構成を示すものである。

第１図において従来使用されている（第５図で説明し
た）ローパスフィルタ1,2,3,4に追加して、ローパスフ
ィルタ用抵抗5,直流阻止用コンデンサ6,8,ダイオード７
を導通するための直流用抵抗9,スイッチング用トランジ
スタ10,電流制御用抵抗11,12およびスイッチング13が新
しく設けられている。以上のように構成された回路につ
いて以下その動作を説明する。中間周波映像信号は中間
周波数増幅部14で増幅されたのち位相制御検波回路15に
送られる。上記位相制御検波回路15は、電圧制御発振器
16より入力される発振周波数で前記中間周波数増幅部14
より入力された中間周波数を位相検波してえた出力はロ
ーパスフィルタ18を通して電圧制御発振器16へ送られ
る。通常の動作では、スイッチ13は、接地側に接続され
ていてトランジスタ10は動作を停止し、ダイオード７か
ら抵抗９に電流が流れ抵抗５は交流的に短絡状態となり
第５図で示された従来のローパスフィルタと同様の動作
を行なう。

つぎに、スイッチ13を電源側に接続するとトランジス
タ10は動作状態となり、ダイオード７は、動作を停止し
抵抗５は、ローパスフィルタに直列にはいることにな
る。つまり、ロック非ロック検出回路17がロック状態に
あり、その出力が短絡であっても、スイッチ13を電源に
接続することにより、任意にローパスフィルタの時定数
を軽くすること（等価帯域幅を変化）ができる。したが
って残留位相変調成分を含んだ強い電波を受信したとき
スイッチ13を電源側に接続することにより、その時定数
を軽くして入来電波への追従を速くし同期乱れを防ぐこ
とができるものである。

なお、本実施例ではローパスフィルタ18の時定数切替
をスイッチ13で行なったが、同期乱れを検出するために
第２図のごとく水平偏向回路からの水平パルスと同期信
号を利用した同期検出回路30を用いて同期乱れを自動検
出しその出力を第１図に示した抵抗12に接続してもよ
い。

また、ローパスフィルタの時定数切替のために第３図
のようにテレビジョンチャンネル毎に使用者があらかじ
め記憶集積回路（たとえばメモリーIC）33にユーザコン
トロールスイッチ31により記憶させておきスイッチデー
タを自動的にマイクロコンピュータ32により出力させて
もよい。

さらに第４図のようにローパスフィルタ時定数切替の
ために同期信号と水平パルスを利用した同期検出回路44
の出力をマイクロコンピュータ42にデータ入力として加
え上記ユーザコントロールスイッチ41により記憶させた
記憶用集積回路43の出力も同様にマイクロコンピュータ
42にデータ入力して、両者の出力をマイクロコンピュー
タ42より出力させてもよい。

発明の効果 以上のように本発明は、テレビジョン受像機で残留位
相変調成分を含んだ強い電波を受信しても、任意に位相
制御検波部（PLL）のローパスフィルタの時定数を速く
して同期乱れを防ぎ良好な画像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるローパスフィルタ切
替回路を示す回路図、第２図，第３図，第４図は請求項
2,3,4に記載された同期乱れ検出用回路図、第５図は従
来のローパスフィルタの回路図である。 10……スイッチングトランジスタ、13……スイッチ、14
……中間周波数増幅部、15……位相制御検波回路、16…
…電圧制御発振器、17……ロック非ロック検出回路、18
……ローパスフィルタ、30,44……同期検出回路、33,43
……記憶用集積回路（メモリーIC）、32,42……マイク
ロコンピュータ。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】中間周波映像信号を増幅する映像中間周波
   増幅部と、前記映像中間周波増幅部から入力される中間
   周波映像信号を位相検波する位相制御検波回路と、映像
   中間周波数で動作する電圧制御発振器と、前記電圧制御
   発振器の発振周波数を制御する前記位相制御検波回路に
   用いられるローパスフィルタと、映像信号のロック非ロ
   ック検出回路と、前記ロック非ロック検出回路による時
   定数切替えにより制御設定された前記ローパスフィルタ
   の時定数をロック非ロック検出回路の状態に関係なく切
   替設定するための時定数設定手段と、前記時定数設定手
   段の時定数を切替える第１の切替手段と、前記第１の切
   替手段を任意に切替える第２の切替手段とを備え、受信
   電波の強弱に応じて前記ローパスフィルタの時定数を切
   替えるとともに、残留位相変調成分を含んだ入力信号に
   対応して前記第１の切替手段を前記第２の切替手段によ
   り切替制御可能に構成したことを特徴とするローパスフ
   ィルタ切替回路。
2. 【請求項２】請求項１記載の第２の切替手段が同期信号
   と水平パルスを利用した同期検出回路よりなる請求項１
   記載のローパスフィルタ切替回路。
3. 【請求項３】請求項１記載の第２の切替手段が、記憶用
   集積回路に記憶されたマイクロコンピュータ出力よりな
   る請求項１記載のローパスフィルタ切替回路。
4. 【請求項４】請求項１記載の第２の切替手段が、同期信
   号と水平パルスを利用した同期検出回路と記憶用集積回
   路に記憶されたマイクロコンピュータ出力よりなる請求
   項１記載のローパスフィルタ切替回路。