JP2727734B2 - トナー定着用ヒータ、定着装置および画像形成装置 - Google Patents
トナー定着用ヒータ、定着装置および画像形成装置Info
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Description
用ヒータ、定着装置および画像形成装置に関する。
特開平2−143274号公報(従来技術1)に記載のものが
知られている。このトナー定着用ヒータは、電子式複写
機やファクシミリなどに用いられ、トナーが付着された
用紙等の記録材を加圧ローラとこのヒータ間で狭圧しな
がら加熱して記録材に定着させるものである。 このトナー定着用ヒータは、例えばアルミナセラミッ
クス等の耐熱性および電気絶縁性の基板上に銀・パラジ
ウム合金等を主成分とする厚膜の細長い抵抗発熱体を形
成し、さらに抵抗発熱体の表面および基板の一面を被覆
するガラス質のオーバーコート層を備えている。 そして、このようなヒータは、一般に以下のように使
用されるように定着装置に組み込まれる。 つまり、例えば用紙等の記録材に加熱溶融性の樹脂等
よりなるトナーを定着させる場合、その記録材をヒータ
に密着させるための例えば円筒状の加圧ローラ等により
押圧させながら記録材をヒータ上に摺接させて、トナー
を記録材に定着させている。 なお、このトナー定着用ヒータのオーバーコート層
は、その表面の抵抗発熱体の直上部分に急峻に突出して
いるので、抵抗発熱体の直上に位置する最も高温な部分
のみを加圧ローラに強く押圧でき、搬送される記録材の
摺動抵抗を極力小さくしながらも十分な熱をトナーに伝
えることができる。 また、他のトナー定着用ヒータとして、特開平2−77
776号公報(従来技術2)または特開平59−68766号公報
(従来技術3)に記載されるものが知られている。これ
らのヒータは、従来技術1に記載のヒータと同様に基体
上に抵抗発熱体を形成したものであるが、基体の表面を
緩やかに突出させた点が相違している。
付着されたトナーは円柱状を成す加圧ローラの頂点、す
なわちヒータとローラとが密着する部分の中央部で強く
圧着されることになり、その部分は良好な加熱を得るた
めに、通常抵抗発熱体に対応した位置に設定されてい
る。ここで一般に抵抗発熱体上の幅方向の中央部は特に
高温に発熱しやすくトナーを必要以上に加熱させるとと
もに、加圧ローラの中心位置をこの部分に対応させるこ
とで最も強く押圧する結果、溶融したトナーが被着した
領域から広がりやすくなる現象が発生する。このトナー
の広がりは、定着後には印字等の記録画像のにじみとな
って現れ、すなわち解像度を悪化させる原因となってい
た。 また、従来技術2または従来技術3に記載のものは、
抵抗発熱体を形成した部分の表面が窪んでいるため、従
来技術1に記載のトナー定着用ヒータのように、抵抗発
熱体上におけるその幅方向の中央部では押圧力がいくら
か弱まってトナーの広がりは発生しにくいと予測され
る。 しかしながら、これらのトナー定着用ヒータは、その
表面を緩やかに突出させたものであるから、加圧ローラ
を押圧させる力の大きさによっては、抵抗発熱体が形成
された以外の部分も強い押圧力で接触することになり、
搬送される記録材の摺動抵抗が比較的大きくなり、記録
材の詰まり等を誘発させるおそれがある。また、基体の
表面を突出させた形状に加工するには手間がかかるとい
う問題もある。 本発明は、上記の問題点を回避し得るトナー定着用ヒ
ータ、定着装置および画像形成装置を提供することを目
的とする。
基板と、基板上に被着され細長部を有する抵抗発熱体
と、抵抗発熱体および基板を覆い、かつ、抵抗発熱体に
略対向した中間部分にその両側の部分よりも高くなるよ
うな段部を介して抵抗発熱体の長手方向に沿って形成さ
れた凸部および凸部の上端部に凸部の長手方向に沿って
形成された溝部を有するオーバーコート層とを具備して
いることを特徴とする。ここで、抵抗発熱体に略対向し
た部分がその両側の部分よりもそれぞれ高くなるような
段部を介して抵抗発熱体の長手方向に沿って形成された
凸部とは、例えば後述する第4図のように膜厚方向の寸
法を幅方向に対して拡大した場合に、図面上凸部がこれ
と隣接する他の分と比較して急峻な立ち上がりを示し、
凸部とそれに隣接する平坦部との間は曲線的な形状をな
していることを意味する。 また、溝部とは、ローラ等の圧接部材との関係におい
て、トナーに対する圧接力を緩和できる程度のものであ
ればよく、その形状などは任意である。 上記発明によれば、オーバーコート層の抵抗発熱体の
直上にその長手方向に沿って形成された急峻に突出した
凸部が形成されているため、この凸部の表面のみを所要
の力でローラに押圧させ、他の部分はそれよりも著しく
弱い力で押圧させることができるため、搬送される記録
材の摺動抵抗を比較的小さくすることができる。そし
て、凸部の表面は所要の力で記録材に押圧させること
で、定着させるのに必要十分な熱をトナーに与えること
ができる。 また、表面にトナーが付着された用紙等の記録材をこ
のヒータに摺接させてトナーの定着を行った場合、抵抗
発熱体上部で最も高温となるその略中央部に対応した領
域に溝部が形成されることとなるため、トナーの加熱を
十分に行いながらも加熱のし過ぎを少なくすることがで
き、また加圧ローラによる押圧力も緩和されるため、定
着時のトナーのにじみを低減できる。 請求項2記載の定着装置は、請求項1記載のトナー定
着用ヒータと;前記トナー定着用ヒータの抵抗発熱体に
対設され、記録材を搬送するように構成された加圧ロー
ラと;を具備していることを特徴とする。 この定着装置によれば、請求項1記載のトナー定着用
ヒータを加圧ローラと対設させたので、請求項1記載の
トナー定着用ヒータの作用を発揮し得る。 請求項3記載の画像形成装置は、記録材にトナーを付
着させる画像形成手段と;記録材にトナーを定着させる
請求項2記載の定着装置と;を具備していることを特徴
とする。 この画像形成装置は、トナーによる画像形成を行う装
置全般を含み、例えば複写機やファクシミリ等のことを
意味する。 この画像形成装置によれば、請求項2記載の定着装置
を具備しているので、請求項2記載の定着装置の作用に
より、トナーの定着が良好に行え鮮明な画像を形成し得
る。
して説明する。 第1図は本発明の定着装置の一実施形態を示す一部を
切欠いた縦断面図である。第2図は同じく第1図のII−
II′に沿う横断面図である。これらの図においてトナー
定着用ヒータは拡大して描いてある。図において1はト
ナー定着用ヒータ、2はこのトナー定着用ヒータ1に対
設した加圧ローラ、3はトナー定着用ヒータ1と加圧ロ
ーラ2との間に狭圧されて搬送される用紙等の記録材で
ある。 第3図は本発明のトナー定着用ヒータの一実施形態を
示す正面図である。図において11はアルミナセラミクス
からなる長さ300mm、幅6.5mm、厚さ1mmの寸法を有する
細長い基板である。12は基板11の表面の幅方向中心線上
に長さ280mm、幅2mmの細長い直線状に形成された抵抗発
熱体であり、銀・パラジウム合金を主成分とする抵抗ペ
ーストをスクリーン印刷法などにより塗布した後に焼成
して形成される。13,13は抵抗発熱体12の両端を被覆す
るように基板11上に形成された幅広の端子部であり、抵
抗発熱体12と同様に銀・パラジウム合金を主成分とする
導電ペーストにより印刷形成されたものである。なお、
この端子部13,13の導電ペーストは、抵抗発熱体12の抵
抗ペーストよりもパラジウムの含有比率が少なく電気抵
抗値が低いものを使用する。14は抵抗発熱体12の表面、
その両側の基板11の表面の少なくとも一部および端子部
13,13の表面の一部にかけてを被覆するように形成され
たオーバーコート層であり、Pb0−B2O3−SiO2系のガラ
スペーストをスクリーン印刷法などにより塗布した後に
焼成して形成される。オーバーコート層14の抵抗発熱体
12上の部分は、それに隣接する他の部分より突出した凸
部15が形成されている。 第4図は本発明のトナー定着用ヒータの一実施形態に
おけるオーバーコート層の表面の基板からの高さを示す
グラフである。同図はオーバーコート層14の基板11表面
からの高さを縦軸に示し、トナー定着用ヒータの幅方向
の位置を横軸に示したものである。この図からも明らか
なように、オーバーコート層14の抵抗発熱体12上の部分
は、その両側の部分よりもそれぞれ高くなるような段部
を介して抵抗発熱体の長手方向に沿って形成された凸部
15が形成されている。また、この凸部15の抵抗発熱体の
側縁間には、抵抗発熱体12の長手方向に延在する長さ約
275mmの内面が凹曲面をなす溝部16が形成されている。
この溝部16の深さは同図に示されるように約1μmであ
る。 このトナー定着用ヒータ1は、両端子部13,13間に電
圧を印加してすることにより抵抗発熱体12が発熱し、こ
の熱がオーバーコート層14の表面に伝わる。通常、トナ
ーの定着には、オーバーコート層14の表面を約200℃に
発熱させて用いられる。 次に本発明の定着装置の一実施形態について詳しく説
明する。加圧ローラ2は、トナー定着用ヒータ1の溝部
16と平行な回転軸21を有し、この回転軸(21)にローラ
本体22が取り付けられ、さらにローラ本体22の表面を被
覆層23で覆った構造になっている。被覆層23は、トナー
定着用ヒータ1の凸部15に軽く接触している。このと
き、加圧ローラ2を溝部16に正対させているので、被覆
層23は凸部15における溝部16の両縁に形成された2つの
突出部において最も大きい接触圧で接触する。また、被
覆層23は、溝部16の内面の一部にも接触している。 この定着装置の動作について第2図を参照して説明す
る。図示しない電動機により加圧ローラ2は図中矢印で
示す方向に回転する。ここで、トナー定着用ヒータ1と
加圧ローラ2との間に記録材3を挿入すると記録材3は
図中矢印で示す方向に搬送される。このとき記録材3と
加圧ローラ2の被覆層23との間の摩擦は、記録材3とオ
ーバーコート層14との間の摩擦より大きいので、記録材
3はオーバーコート層14の表面を摺動しながら加圧ロー
ラ2とともに移動し、図の左側に送られる。 このとき、記録材3は、加圧ローラ2に押圧されてオ
ーバーコート層14の凸部15に圧接され、凸部15における
溝部16の両縁に形成された2つの突出部によって最も大
きい圧接力でしごかれる。また、記録材3は、溝部16の
内面の一部と小さい圧接力で摺接する。ここで、溝部16
の両縁に形成された2つの突出部における接触圧は、ト
ナー定着させるのに最適な接触圧になるように設定され
ている。 なお、上記の定着装置の実施形態は、加圧ローラ2の
被覆層23が比較的硬いものを使用した場合を示したの
で、記録材3はオーバーコート層14溝部16の内側の全面
には接触しない。しかし、加圧ローラ2の被覆層23をよ
り軟らかいものにすれば、記録材3は溝部16内側の全面
と接触させることができる。この実施形態によれば、記
録材3の摺動抵抗は若干増すものの、記録材3への熱伝
達量を増加できる。このような記録材3とオーバーコー
ト層14との接触面積の大きさは、抵抗発熱体の発熱温度
等の条件に基づき設定する。 第5図は本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概
略断面図である。同図の画像形成装置は複写機である。
この複写機は、用紙に静電的手段によってトナーを付着
させてトナー像を形成する画像形成手段50と、用紙にト
ナー像を定着させる例えば上記実施形態の定着装置51と
を具備する。
抗発熱体の直上に急峻に突出した凸部が形成されている
ので、この凸部の表面のみを所要の力でローラに押圧さ
せることができるため、搬送される記録材の摺動抵抗を
比較的小さくしながらも定着させるのに必要十分な熱を
トナーに与えることができ、また、抵抗発熱体上部で最
も高温となるその中央部に対応した領域に溝部が形成さ
れているため、トナーの加熱のし過ぎや潰しすぎを低減
して定着時のトナーのにじみを低減し得るトナー定着用
ヒータを提供できる。 請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のトナー
定着用ヒータを具備するので、請求項1記載のトナー定
着用ヒータと同様の効果を有する定着装置を提供でき
る。 請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の定着装
置を具備しているので、請求項2記載の定着装置の作用
によりトナーの定着が良好に行え鮮明な画像を形成し得
る画像形成装置を提供できる。
欠いた縦断面図である。 第2図は同じく第1図のII−II′に沿う横断面図であ
る。 第3図は本発明のトナー定着用ヒータの一実施形態を示
す正面図である。 第4図は本発明のトナー定着用ヒータの一実施形態にお
けるオーバーコート層の表面の基板からの高さを示すグ
ラフである。 第5図は本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略
断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】電気絶縁性の基板と; 基板上に被着され、細長部を有する抵抗発熱体と; 抵抗発熱体および基板を覆い、かつ、抵抗発熱体に略対
向した中間部分にその両側の部分よりも高くなるような
段部を介して抵抗発熱体の長手方向に沿って形成された
凸部および凸部の上端部に凸部の長手方向に沿って形成
された溝部を有するオーバーコート層と; を具備していることを特徴とするトナー定着用ヒータ。 - 【請求項2】請求項1記載のトナー定着ヒータと; 前記トナー定着用ヒータの抵抗発熱体に対設され、記録
材を搬送するように構成された加圧ローラと; を具備していることを特徴とする定着装置。 - 【請求項3】記録材にトナーを付着させる画像形成手段
と; 記録材にトナーを定着させ請求項2記載の定着装置と; を具備していることを特徴とする画像形成装置。
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