JP2726962B2 - 重合性組成物 - Google Patents

重合性組成物

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JP2726962B2 JP4024201A JP2420192A JP2726962B2 JP 2726962 B2 JP2726962 B2 JP 2726962B2 JP 4024201 A JP4024201 A JP 4024201A JP 2420192 A JP2420192 A JP 2420192A JP 2726962 B2 JP2726962 B2 JP 2726962B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は活性光線や熱に対する硬
化性の優れた新規な重合性組成物に関するものであり、
樹脂凸版、平版印刷版、ドライフィルムレジストやグラ
ビア用レジスト等のレジスト材料、フォトマスク、プル
ーフ材料に使用される光重合性組成物として、又はプラ
スチック、ガラス等の保護膜や塗料などに使用される重
合性組成物として好適に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】重合性組成物は多数の用途に広く利用さ
れており、例えば、印刷、複写、レジスト形成等に商業
的に利用されている。これらの組成物は一般にエチレン
性不飽和化合物またはその他のタイプの重合性化合物、
光又は熱による重合開始剤または開始系、さらに所望に
より用いられる皮膜形成能を有する高分子物質、熱重合
防止剤あるいは可塑剤等を含有する。開始剤として光重
合開始剤を使用した光重合性組成物の場合には光重合性
組成物を溶液とし、支持体上に塗布して重合性組成物層
(感光層)を設けた感光材料を作成し、所望の原稿に基
づいて感光層に画像露光し、露光部分において光重合体
を生じさせて硬化させた後、未硬化部分のみ溶解し得る
有機溶剤あるいはアルカリ水で処理することにより未硬
化部を溶解除去して硬化部分による画像を形成させる方
法はよく知られている。このような方法においては、光
重合開始剤としてはベンジル、ベンゾイン、アントラキ
ノン、ミヒラーズケトン、チオキサントン等が、またエ
チレン性不飽和化合物としては不飽和カルボン酸と脂肪
族ポリオールとのエステル、多価カルボン酸と脂肪族ポ
リオールとのオリゴエステル(またはポリエステル)と
不飽和カルボン酸とがエステル縮合したオリゴエステル
(又はポリエステル)不飽和カルボキシレート等が用い
られてきた。また、加熱によりラジカルを生成する熱重
合開始剤、例えば、アゾ化合物であるアゾイソブチロニ
トリル、又過酸化物であるベンゾイルパーオキサイド、
tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどと、上記エチ
レン性不飽和化合物、さらに、必要なら被膜形成能を有
する高分子物質を含有した熱重合性組成物があり、これ
を所望の被覆したいものの上に塗布し、加熱し、保護膜
を形成させる方法もよく知られている。しかしながら、
これらの重合性組成物は感度が低く、硬化を行うのに画
像露光、又加熱時間が長くかかり、作業性が悪いという
欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は活性光
線又は熱に対し高感度な重合性組成物を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の重
合性化合物について検討した結果、下記の特定の重合性
化合物が高い硬化速度を示すことを見出し、本発明に到
達した。即ち、本発明は、 1) 少なくとも1種の下記一般式(I)のモノマー
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、R1 、R2 、R3 は下記α又はβ
群から選択され、1分子中に少なくとも2ヶはα群から
選択される。 α群 CH2=C(R8)−A1−(L2)P− β群 R9−A2−(L3)q− R1 、R2 、R3 は、互いに同じであっても異なってい
ても良い。R4 は、水素原子又は、1価の有機基であ
る。R5 、R6 、R7 、R8 は、水素原子又はメチル基
である。R9 は、CH2=C(R8)− 以外の1価の有機基で
ある。A1 、A2 は、−CO−、−CO−NH−、置換
又は無置換のフェニレンであり、同じであっても異なっ
ていても良い。L1 、L2 、L3 は2価の連結基であ
り、同じであっても異なっていてもよい。mは、0又は
1であり、mが0のときnは2以上の整数であり、mが
1のとき、nは1以上の整数である。a、b、cは1以
上の整数であり、互いに同じであっても異なっていても
良い。p、qは、0又は1である。〕、及び 2) 重合開始剤 を含有することを特徴とする重合性組成物である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の重合性組成物は、下記(1) 及び(2) の成分を含
み、さらに必要に応じ(3) フィルム形成能を有する高分
子化合物、(4) 成分(1) 以外のエチレン性不飽和基含有
モノマー又はオリゴマー、(5) 熱重合防止剤、(6) 着色
剤、(7) 可塑剤、(8) 表面平滑剤等を含有してもよい。成分(1) :一般式(I)のモノマー モノマー(I)の二価の連結基L1 、L2 、L3 として
は、炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキレン、置換
又は無置換のフェニレン、置換又は無置換のアラルキレ
ン、-(E1)-O-(E2)- 、-(E3)-S-(E4)- 、-(E5)-CO-O-
(E6)-、 -(E7)-SO2NH-(E8)- 、-(E9)-CO-NH-(E10)-(E1 、E
2 、E3 、E4 、E5 、E6 、E7 、E8 、E9 、E10
は、上記の置換又は無置換のアルキレン、フェニレン又
はアラルキレンである)などが挙げられる。好ましく
は、炭素数1〜6のアルキレン、フェニレン、アラルキ
レン、−O−を少なくとも一つ含有する2価の有機基で
ある。又、R4 で表される一価の有機基としては、炭素
数1〜6の置換又は無置換のアルキル、置換又は無置換
のフェニル、置換又は無置換のアラルキル、ハロゲンな
どが挙げられる。R9 は、CH2 =C(R8)−以外の一価の有
機基である(但し、R8 は、水素原子又はメチル基であ
る)。一価の有機基としては、前述のR4 と同じであ
る。nは、1以上の整数であるが、実用上の点から1か
ら100が好ましい。a、b、cはそれぞれ1以上の整
数であるが、実用上の点から、a+b+cが100以下
が好ましい。一般式(I)のモノマーの具体例として
は、表1に示すものが挙げられるが、これらに限定され
るわけではない。これらのモノマーは2種以上を混合し
て用いてもよい。
【0008】
【表1】 ──────────────────────────────────── 化合物 構造式 エチレンオキシド鎖数 R R導入 プロピレンオキシド鎖数 数 ──────────────────────────────────── A II a+b+c+d+e+f =40 CH2=CHCO− 6 ──────────────────────────────────── B II 〃 CH2=CHCO− 4 CH3CO − 2 ──────────────────────────────────── C II a+b+c+d+e+f =20 CH2=CHCO− 6 ──────────────────────────────────── D II 〃 CH2=C(CH3)CO− 6 ──────────────────────────────────── E III 〃 〃 6 ──────────────────────────────────── F V a+b+c+d+e =20 CH2=CHCO− 5 ────────────────────────────────────
【0009】
【化3】
【0010】(2) 重合開始剤 本発明で用いられる成分(2) の重合開始剤は、活性光
線、熱を吸収し、成分(1) の重合性化合物を有効に重合
開始させるものであれば、種々の公知の重合開始剤を使
用することができる。例えば、光重合開始剤として(i)
ベンゾフェノン誘導体、例えばベンゾフェノン、ミヒ
ラーズケトン、キサントン、アンスロン、チオキサント
ン、アクリドン、2−クロロアクリドン、2−クロロ−
N−n−ブチルアクリドン等、(ii) ベンゾイン誘導
体、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル等、(iii) キノン類、例えば、
p−ベンゾキノン、β−ナフトキノン、β−メチルアン
トラキノン等、(iv) イオウ化合物、例えば、ジベンジ
ルジサルファイド、ジ−n−ブチルジサルファイド等、
(v) アゾあるいはジアゾ化合物、例えば2−アゾ−ビ
ス−イソブチロニトリル、1−アゾ−ビス−1−シクロ
ヘキサンカルボニトリル、p−ジアゾベンジルエチルア
ニリン、コンゴーレッド等、(vi) ハロゲン化合物、例
えば四臭化炭素、臭化銀、α−クロロメチルナフタリ
ン、トリハロメチル−S−トリアジン系化合物等、(vi
i) 過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、クミルハイド
ロパーオキサイド、過酸エステル等また熱重合開始剤と
して、上記(v)、(vii) が挙げられる。これらの重合開始
剤の添加量は全組成物に対して0.1〜20重量%、より
好ましくは1〜10重量%である。
【0011】(3) フィルム形成能を有する高分子化合物 本発明に使用される成分(3) のフィルム形成能を有する
高分子化合物としては、成分(1) 及び成分(2) と相溶性
のある有機高分子重合体である限り、広い範囲の高分子
化合物を使用することができる。例えば、メタクリル酸
共重合体、アクリル酸共重合体、クロトン酸共重合体、
マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合
体、酸性セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレンオキサイド、アルコール可溶性ナイロン、ポ
リエステル、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリ
スチレン、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ塩化ビニル、
ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルア
ルコール、水溶性ナイロン、水溶性ウレタン、ゼラチ
ン、水溶性セルロース誘導体等を挙げることができる。
【0012】更に、フィルム形成能を有する高分子化合
物として、側鎖に重合可能な又は架橋可能なオレフィン
性不飽和二重結合基を有する高分子化合物を使用するこ
とができる。このような高分子化合物としては、特開昭
59−53836号公報に記載されているようなアリル
(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応
じてその他の付加重合性ビニルモノマー共重合体、及び
そのアルカリ金属塩又はアミン塩、特公昭59−459
79号公報に記載されているヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート/(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)
アクリレート共重合体及びそのアルカリ金属塩又はアミ
ン塩に(メタ)アクリル酸クロライドを反応させたも
の、特開昭59−71048号公報に記載されているよ
うな無水マレイン酸共重合体にペンタエリスリトールト
リアクリレートを半エステル化で付加させたもの及びそ
のアルカリ金属塩又はアミン塩;スチレン/無水マレイ
ン酸共重合体にモノヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ートやポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ートを半エステル化で付加させたもの及びそのアルカリ
金属塩やアミン塩;(メタ)アクリル酸共重合体やクロ
トン酸共重合体のカルボン酸の一部にグリシジル(メ
タ)アクリレートを反応させたもの及びそのアルカリ金
属塩やアミン塩;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート共重合体、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチ
ラールに無水マレイン酸や無水イタコン酸を反応させた
もの及びそのアルカリ金属塩やアミン塩;ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重
合体に2,4−トリレンジイソシアネート/ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート=1/1付加物を反応さ
せたもの及びそのアルカリ金属塩やアミン塩;特開昭5
9−53836号公報に記載されている(メタ)アクリ
ル酸共重合体の一部をアリルグリシジルエーテルで反応
させたもの及びそのアルカリ金属塩又はアミン塩;(メ
タ)アクリル酸ビニル/(メタ)アクリル酸共重合体及
びそのアルカリ金属塩又はアミン塩;(メタ)アリルア
クリレート/スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体;
(メタ)アクリル酸ビニル/スチレンスルホン酸ナトリ
ウム共重合体、(メタ)アリルアクリレート/アクリル
アミド/1,1−ジメチルエチレンスルホン酸ナトリウ
ム共重合体、(メタ)アクリル酸ビニル/アクリルアミ
ド/1,1−ジメチルエチレンスルホン酸ナトリウム共
重合体、2−アリロキシエチルメタアクリレート/メタ
クリル酸共重合体、2−アリロキシエチルメタアクリレ
ート/2−メタクリロキシエチル水素サクシネート共重
合体等を挙げることができる。これらは単独で用いても
よく、組み合わせて用いてもよい。これらの高分子化合
物は、全組成物に対して30〜99重量%、好ましくは
50〜97重量%で含むことができる。
【0013】(4) 成分(1) 以外のエチレン性不飽和基含
有モノマー又はオリゴマー 本発明において必要に応じて用いられる、成分(1) 以外
のエチレン性不飽和基含有モノマー又はオリゴマーとし
ては、1個以上の光重合可能な(メタ)アクリレート基
又はアリル基を有するモノマー又はオリゴマー等が挙げ
られる。これらの具体例としては、(A) アルコール類
(例えばエタノール、プロパノール、ヘキサノール、オ
クタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール等)のアクリ
ル酸またはメタクリル酸エステル、(B) アミン類(例
えばメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ベン
ジルアミン、エチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、
ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシ
リレンジアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エ
タノールアミン、ジエタノールアミン、アニリン等)と
アクリル酸グリシジル、アリルグリシジル又はメタクリ
ル酸グリシジルとの反応生成物、(C) カルボン酸(例
えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタ
クリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、
クエン酸等)とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジル又はテトラグリシジルメタ
キシリレンジアミンとの反応生成物、(D) アミド誘導
体(例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド
等)、(E) エポキシ化合物とアクリル酸またはメタク
リル酸との反応物、等を挙げることができる。
【0014】更に具体的には、特公昭48−41708
号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193
号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート
類、特開昭48−64183号、特公昭49−4319
1号、特公昭52−30490号各公報に記載されてい
るポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等
の多官能のアクリレートやメタクリレート、米国特許第
4540649号明細書に記載のN−メチロールアクリ
ルアミド誘導体を挙げることができる。更に、日本接着
協会誌Vol.20、No. 7(1984)、300〜308
ページに光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介さ
れているものも使用することができる。また、多官能モ
ノマーにおいて、不飽和基はアクリル、メタクリル、ア
リル基が混合して存在してもよい。これらは単独で用い
てもよく、組み合わせて用いてもよい。成分(4) のモノ
マー及びオリゴマーは、全組成物に対して1〜70重量
%、好ましくは3〜60重量%含むことができる。また、
成分(1) :成分(4) (重量比)は100:0〜20:8
0であり、好ましくは80:20〜40:60である。
【0015】(5) 熱重合防止剤 本発明の重合性組成物は以上の他に更に熱重合防止剤を
加えておくことが好ましく、例えばハイドロキノン、p
−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノ
ン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイ
ミダゾール等が有用である。(6) 着色剤 着色剤としては、例えば酸化チタン、カーボンブラッ
ク、酸化鉄、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料などの
顔料や、メチレンブルー、クリスタルバイオレット、ロ
ーダミンB、フクシン、オーラミン、アゾ系染料、アン
トラキノン系染料等の染料があるが、使用される着色剤
が光重合開始剤の吸収波長の光を吸収しないように選択
することが好ましい。このような着色剤は、成分(a) 、
成分(c) 及び成分(d) の合計量100重量部に対して顔
料の場合は0.1重量部から30重量部、染料の場合は0.
01重量部から10重量部、好ましくは0.1重量部から
3重量部の範囲で含有させるのが好ましい。上述の着色
剤を含有させる場合には、着色剤の補助物質としてステ
アリン酸ジクロロメチル及びその他の塩素化脂肪酸など
を用いることが好ましく、その量は、着色剤1重量部に
対して0.005重量部から0.5重量部までの範囲で用い
ることができる。しかし重合性組成物中に可塑剤が含有
される場合には着色剤の補助物質は不要である。
【0016】(7) 可塑剤 可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、
ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、
ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメ
チルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリ
コレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチル
フタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコール
ジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類、トリ
クレジルホスフェート、トリフェニルフォスフェート等
の燐酸エステル類、ジイソブチルアジペート、ジオクチ
ルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケー
ト、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪
族二塩基酸エステル類、クエン酸トリエチル、グリセリ
ントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等がある。(8) 表面平滑剤 表面平滑剤としてはラノリン、パラフィンワックス及び
天然ワックス等がある。(9) その他の添加剤 また本発明の重合性組成物は、場合によっては着色を目
的として染料もしくは顔料や焼き出し剤としてpH指示薬
やロイコ染料を添加することもできる。必要に応じて本
発明の組成物に含有させることができる上述の種々の添
加剤は重合性組成物の全重量に対して3重量%まで、好
ましくは1重量%までの範囲で用いることができる。
【0017】本発明の組成物を使用した光重合性感光材
本発明の光重合性組成物は、溶剤に溶解して塗布光重合
性組成物溶液とし、これを適当な形状の支持体上に公知
の方法により塗布し、溶剤を除去して光重合性材料とし
て用いるのが最も一般的な用い方である。溶剤として
は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン
等のようなケトン類、メタノール、エタノール、2−メ
トキシエタノール等のアルコール類、例えば酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、蟻酸メチル、プロ
ピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル等
のようなエステル類、例えばトルエン、キシレン、ベン
ゼン、エチルベンゼン等のような芳香族炭化水素、例え
ば四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、
1,1,1−トリクロロエタン、モノクロロベンゼン、
クロロナフタリン等のようなハロゲン化炭化水素、例え
ばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート等のようなエーテル類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。
【0018】本発明の組成物が塗設される支持体として
は、平面状や円筒や他の形状のものを使用することがで
きる。平面状の材料の例としては、ガラス、酸化珪素、
セラミックス、紙、金属、例えば、アルミニウム、亜
鉛、マグネシウム、銅、鉄、クロム、ニッケル、銀、
金、白金、パラジウム、アルミニウムを主成分とする合
金、亜鉛を主成分とする合金、マグネシウムを主成分と
する合金、銅−亜鉛合金、鉄−ニッケル−クロム合金、
銅を主成分とする合金、金属化合物、例えば酸化アルミ
ニウム、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム(In23)、
ポリマー、例えば、再生セルロース、セルロースニトレ
ート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースア
セテートプロピオネート、ポリスチレン、ポリスチレン
テレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ビスフ
ェノールAのポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸メチル、ポ
リメタアクリル酸メチル等を挙げることができる。ま
た、上述の物質の薄板を2つ以上堅固に積層したもの、
例えば、サーメット、鉄−アルミニウム積層板、鉄−ク
ロム−銅積層板、表面にポリエチレンをコーティングし
た紙、表面にセルローストリアセテートをコーティング
した紙、表面を陽極酸化して表面に酸化アルミニウム層
を形成させたアルミニウム板、公知の方法で表面に酸化
クロム層を形成させたクロム板、酸化錫の層を表面に設
けたガラス板、酸化インジウムの層を表面に設けた酸化
珪素の板を挙げることができる。
【0019】これらの支持体は感光性画像形成材料の目
的に応じて、透明なもの、不透明なものを選択すること
ができる。透明な場合にも無色透明なものだけでなく、
J.SMPTE 誌、第67巻、第296頁(1958年)等に
記載されているように染料や顔料を添加して着色透明に
したものを用いることができる。不透明支持体の場合に
も紙や金属のように本来不透明なものの他に、透明な材
料に酸化チタン等の顔料を加えたもの、特公昭47−1
9068号に記載されている方法で表面処理したプラス
チックフィルム及びカーボンブラック等を加えて完全に
遮光性とした紙、プラスチックフィルム等を用いること
もできる。また表面に砂目立て、電解エッチング、陽極
酸化、化学エッチング等の処理により微細な凹陥を設け
た支持体、及び表面をコロナ放電、紫外線照射、火焔処
理等の予備処理した支持体を用いることもできる。さら
にまた、ガラス繊維、金属ウィスカー等の補強剤を混入
して強度を増大させたプラスチック支持体を用いること
もできる。また支持体は必要に応じて、その表面をシリ
ケート処理したり、あるいは同じく表面に下塗層(密着
改良層、ハレーション防止層、紫外線吸収層、可視光線
吸収層等)を設けてもよい。本発明の組成物を使用した
感光材料においては、該組成物の酸素による光重合速度
(感度)の低下を防止する意味から、米国特許3060
026号明細書中に記載されているような真空焼枠を用
いて画像露光を行なうか、除去することのできる透明カ
バーを設けるか、あるいは特公昭40−17828号公
報に記載されているように感光層の上に酸素の透過性の
小さい被覆層を設けることができる。
【0020】露光硬化 本発明の光重合性組成物を重合させるための活性光線
は、それが有効な露光量を与える限り、どんな光源から
得られる活性光線でもよく、具体的にはカーボンアーク
ランプ、水銀蒸気ランプ、キセノンランプ、蛍光ラン
プ、アルゴングロー放電管、写真用フラッドランプ及び
ヴァン・デ・グラーク加速器、アルゴンレーザー等の各
種レーザーを用いることができる。光の照射は、公知の
各種の方法の中の任意の1つあるいはそれらを組合わせ
て行うことができる。光照射は任意の有利な温度で行う
ことができるが、実用上の理由から室温、即ち約10℃
から約40℃までの範囲で行うのが最適である。また光
照射の後、硬化度を高めることを目的として加熱処理を
行ってもよく、この加熱処理は通常40℃〜120℃の
間で実施する。本発明の光重合性組成物が光重合し硬化
・乾燥する速度を決定する要因には、支持体の表面の性
質、組成物中の特定成分、光重合開始剤の全光重合性組
成物中の含有量、光重合性組成物の層の厚さ、光源の性
質(照射スペクトルの特性)、酸素の有無ならびに周囲
の気温等が含まれる。硬化された本発明の組成物は乾燥
しており弾力があり、耐摩耗性及び耐化学薬品性を示
し、またすぐれたインキ受容性、しみ解消性、刷り出し
特性等を有し、特に予め感光性を付与した凸版及び平版
印刷用の刷版材料及びフォトレジスト等の用途に適性を
持っている。
【0021】本発明の組成物の他の用途 本発明の組成物はまた、感光性の印刷インク、金属箔、
フィルム、紙類、織物類等の光硬化性接着剤、金属、プ
ラスチックス、紙、木材、金属箔、織物、ガラス、厚
紙、製函用厚紙等に用いる光硬化性の塗料ならびに道
路、駐車場及び空港用の光硬化性標識その他に用いるこ
とができることはいうまでもない。本発明の組成物を例
えば印刷インクのビヒクルとして使用するときは、適当
量の染料で着色すると同時に各種公知の有機顔料、例え
ば、モリブデートオレンジ、チタン白、クロムイエロ
ー、フタロシアニンブルー及びカーボンブラック等で着
色することができる。またビヒクルの使用可能量は、組
成物金属量の約20%から99.9%までの範囲、着色剤
の重量は0.1%から80%までの範囲で用いることがで
きる。印刷材料には、紙、粘土被覆紙及び製函用厚紙等
が含まれる。本発明の組成物はさらに天然繊維及び合成
繊維の織物類の処理に適しており、例えば布地印刷イン
ク用ビヒクル、あるいは防水性、耐油性、耐汚れ性、耐
折り目性等を与えるための織物類の特殊処理に用いるビ
ヒクルの中に使用することができる。
【0022】本発明の重合性組成物は金属、ガラス及び
プラスチックの表面にローラー方式及びスプレー方式で
塗装または印刷するための塗料として用いることができ
る。またガラス、ポリエステルフィルム及びビニルポリ
マーフィルム、重合体被覆セロフアン、例えば使い捨て
のコップやびんに用いられた処理または未処理ポリエチ
レン、処理及び未処理ポリプロピレン等を、着色塗装方
式を使用して塗装するための塗料として用いることがで
きる。塗装できる金属の例には、サイジングを施したま
たは施さないブリキが含まれる。
【発明の効果】本発明の重合性組成物は、前記一般式
(I)で示されるモノマー及び重合開始剤を含んでいる
ため、極めて感度が高い。以上、光重合性組成物を中心
に説明したが、熱感応性重合性組成物としても感度が高
く、硬化スピード早いことは言うまでもない。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【合成例】(化合物Aの合成)ソルビトール1モルにエ
チレンオキシドを40モル付加させたソルビトールPO
E(40)(日光ケミカルズ製)39g(0.02モ
ル)、トリエチルアミン17.5g(0.173モル)、ジ
クロルメタン100ml、ニトロベンゼン(500mg)
に、アクリル酸クロリド13.1g(0.144モル)を1
5℃以下で滴下した。滴下終了後、1時間攪拌後、水5
0ml加え、ジクロルメタンで抽出した。溶媒留去後、化
合物Aを28g得た。NMR(CDCl3 中)δ 3.53-3.87 (m,
156H,主ピークδ;3.63), 4.20-4.43(m, 12H), 5.67-
5.93(m,6H), 3.10-3.43(m, 12H) (化合物Bの合成)ソルビトールPOE(40)(日光
ケミカルズ製)39g(0.02モル)、トリエチルアミ
ン17.5g(0.173モル)、ジクロルメタン100m
l、ニトロベンゼン(500mg)に、アクリル酸クロリ
ド8.7g(0.096モル)アセチルクロリド3.5g(0.
044モル)の混合物を15℃以下で滴下した。滴下終
了後、1時間攪拌後、水50ml加え、ジクロルメタンで
抽出した。溶媒留去後、化合物Bを25g得た。NMR(CD
Cl3 中)δ 2.07(s, 6H), 3.53-3.87(m, 156H 主ピーク
δ;3.63),4.20-4.43(m, 12H), 5.67-5.93(m, 4H), 310
-343(m, 8H)。
【0024】実施例1〜6、比較例1、2 厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと40
0メッシュのパミストンの水懸濁液とを用いその表面を
砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%の水酸化ナ
トリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした
後、流水で水洗後20%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗
した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦波の交番波
形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160クーロン/dm
2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面
粗さを測定したところ、0.6μ(Ra 表示)であった。
引き続いて30%の硫酸水溶液中に浸漬し55℃で2分
間デスマットした後、20%硫酸水溶液中、電流密度2
A/dm2 において陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2
なるように2分間陽極酸化処理した。このように処理さ
れたアルミ板上に、下記組成の感光性組成物を乾燥塗布
重量が2.0g/m2 となるように塗布し、100℃で5
分間乾燥させ感光層を形成した。 表2に記載のモノマー 2.0 g アリルメタアクリレート/メタクリル酸共重合体 2.0 g (共重合モル比 80/20) チオキサントン 0.3 g フッ素系ノニオン界面活性剤 0.05g メチルエチルケトン 20 g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20 g この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度86.5
〜89モル%、重合度1000)の3重量%の水溶液を
乾燥塗布重量が2g/m2 となるように塗布し、100
℃で5分間乾燥させた。このようにして得た印刷版に2
00線/インチの網点ポジフィルムと光学濃度差0.15
であるグレースケール(G/S)を重ね、ヌアーク社製
FT 261 V UDNSULTRA - PLUS FLIPTOP PLATE MAKER 真
空露光機を用いて30カウント露光した後、下記の現像
液に25℃で1分間浸漬して現像を行った。 1K ケイ酸カリウム 30 g 水酸化カリウム 15 g
【0025】
【化4】
【0026】 水 1000 g その際のグレースケール感度を評価した。グレースケー
ル感度とは、現像後、溶解除去されなかったグレースケ
ールの段数を意味し、この値が大きいほど高感度である
ことを意味する。評価結果を表2に示す。表2より、本
発明の光重合性化合物を用いることにより高感度な光重
合性組成物が得られることが判る。
【表2】 ────────────────────────────────── 用いた化合物 感 度 (段数) ────────────────────────────────── 実施例1 表1のA 9.5 2 〃 B 8.5 3 〃 C 9.0 4 〃 D 9.5 5 〃 E 8.5 6 〃 F 8.0 比較例1 トリメチロールプロパントリアクリレート 7 2 メタキシリレンジアミン1モルとグリシジ 6 ルメタアクリレート4モルとの付加物 ──────────────────────────────────

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)少なくとも1種の下記一般式(I
    I)、(III)又は(IV)のモノマー、及び(2)
    重合開始剤を含有することを特徴とする重合性組成物。 【化1】 (式中、Rは、CH=CHCO−、CH=C(CH
    )CO−又はCHCO−であり、1分子中少なくと
    も2ヶのRはCH=CHCO−又はCH=C(CH
    )CO−であり、a、b、c、d、e及びfはそれぞ
    れ1以上の整数であり、そのすべての和は100以下で
    ある。)
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