JP2726429B2 - カム軸のスラスト軸受装置 - Google Patents
カム軸のスラスト軸受装置Info
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- JP2726429B2 JP2726429B2 JP63079757A JP7975788A JP2726429B2 JP 2726429 B2 JP2726429 B2 JP 2726429B2 JP 63079757 A JP63079757 A JP 63079757A JP 7975788 A JP7975788 A JP 7975788A JP 2726429 B2 JP2726429 B2 JP 2726429B2
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- bearing
- thrust
- boss
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はカム軸のスラスト軸受装置に関し、特にカム
軸の軸方向への移動を規制するためのスラスト規制部を
設けたものに関する。
軸の軸方向への移動を規制するためのスラスト規制部を
設けたものに関する。
(従来の技術) 従来、カム軸のスラスト軸受装置として、例えば実開
昭60−65306号公報に開示されるように、SOHCタイプの
エンジンにおいて、カム軸の軸方向への移動を規制すべ
くスラスト規制部を設けたものは知られている。すなわ
ち、このスラスト規制部は、カム軸にフランジを設ける
とともに、シリンダヘッドに設けられたカム軸の軸受側
ボスに溝を設け、カム軸フランジをこの溝の嵌入させか
つカム軸の軸受キャップを上記軸受側ボスにボルト締結
して、カム軸を軸受側ボス及び軸受キャップにより支承
しながらフランジ及び溝によりスラスト荷重を受け止め
るようにしている。
昭60−65306号公報に開示されるように、SOHCタイプの
エンジンにおいて、カム軸の軸方向への移動を規制すべ
くスラスト規制部を設けたものは知られている。すなわ
ち、このスラスト規制部は、カム軸にフランジを設ける
とともに、シリンダヘッドに設けられたカム軸の軸受側
ボスに溝を設け、カム軸フランジをこの溝の嵌入させか
つカム軸の軸受キャップを上記軸受側ボスにボルト締結
して、カム軸を軸受側ボス及び軸受キャップにより支承
しながらフランジ及び溝によりスラスト荷重を受け止め
るようにしている。
また、カム軸のスラスト軸受装置として、例えば実開
昭62−76205号公報に開示されるように、DOHCタイプの
エンジンにおいて、カム軸の軸方向への移動を規制すべ
くスラスト規制部を設けたものも知られている。
昭62−76205号公報に開示されるように、DOHCタイプの
エンジンにおいて、カム軸の軸方向への移動を規制すべ
くスラスト規制部を設けたものも知られている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上記前者のものは単にカム軸の回転時に発
生するスラスト力を抑制するものにすぎないが、吸気バ
ルブと排気バルブとの成す角度を狭く設定するために、
例えば後者のようにすると、2本のカム軸をヘリカルギ
ヤにより駆動連結しているので、ヘリカルギヤのかみ合
いによって発生するスラスト力が大きなものになるた
め、上記スラスト規制部のフランジ及び溝により受け止
め得るスラスト荷重の許容値を大きくする必要がある。
生するスラスト力を抑制するものにすぎないが、吸気バ
ルブと排気バルブとの成す角度を狭く設定するために、
例えば後者のようにすると、2本のカム軸をヘリカルギ
ヤにより駆動連結しているので、ヘリカルギヤのかみ合
いによって発生するスラスト力が大きなものになるた
め、上記スラスト規制部のフランジ及び溝により受け止
め得るスラスト荷重の許容値を大きくする必要がある。
一方、上記バルブの狭角化を達成しようとする場合、
上記フランジとボルト締結部との位置関係が問題とな
る。つまり、カム軸の軸受キャップは上記フランジを覆
える寸法で形成されており、かつ該軸受キャップは上記
軸受側ボスにボルト締結されているので、このカム軸間
に位置するボルト締結部が邪魔になる。このため、カム
軸間の距離を短くできず、バルブの狭角化を思うように
なし得ない。
上記フランジとボルト締結部との位置関係が問題とな
る。つまり、カム軸の軸受キャップは上記フランジを覆
える寸法で形成されており、かつ該軸受キャップは上記
軸受側ボスにボルト締結されているので、このカム軸間
に位置するボルト締結部が邪魔になる。このため、カム
軸間の距離を短くできず、バルブの狭角化を思うように
なし得ない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、リンダヘッドボルトの締結力を利
用しかつカム軸の軸受キャップ締結部をシリンダヘッド
ボルトと関係づけて適切に配置することにより、バルブ
の狭角化及びスラスト剛性の向上を図ることにある。
目的とするところは、リンダヘッドボルトの締結力を利
用しかつカム軸の軸受キャップ締結部をシリンダヘッド
ボルトと関係づけて適切に配置することにより、バルブ
の狭角化及びスラスト剛性の向上を図ることにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明では、カム軸の軸受
側ボスにシリンダヘッドボルトのボスを設け、このシリ
ンダヘッドボルトボスに近接させてカム軸の軸受キャッ
プの締結部を設け、かつその位置をスラスト規制部のカ
ム軸半径方向ではなくカム軸軸方向に設けることであ
る。
側ボスにシリンダヘッドボルトのボスを設け、このシリ
ンダヘッドボルトボスに近接させてカム軸の軸受キャッ
プの締結部を設け、かつその位置をスラスト規制部のカ
ム軸半径方向ではなくカム軸軸方向に設けることであ
る。
具体的に、本発明の講じた解決手段は、複数のカム軸
を伝動手段により駆動連結するとともに、該カム軸の軸
方向への移動を規制するためのスラスト規制部を、該カ
ム軸に設けたフランジと該フランジが嵌入するようにカ
ム軸の軸受側ボスに設けた溝とにより構成したカム軸の
スラスト軸受装置を前提とする。
を伝動手段により駆動連結するとともに、該カム軸の軸
方向への移動を規制するためのスラスト規制部を、該カ
ム軸に設けたフランジと該フランジが嵌入するようにカ
ム軸の軸受側ボスに設けた溝とにより構成したカム軸の
スラスト軸受装置を前提とする。
これに対し、上記軸受側ボスにおけるカム軸方向の一
端側に、シリンダヘッドボルトのボスと、カム軸の軸受
キャップを上記軸受側ボスに締結するための締結部とを
設ける。
端側に、シリンダヘッドボルトのボスと、カム軸の軸受
キャップを上記軸受側ボスに締結するための締結部とを
設ける。
そして、上記シリンダヘッドボルトボス及び上記締結
部の少なくとも一部を、カム軸の径方向において上記軸
受側ボスにおけるスラスト規制部の範囲に位置させると
ともに、上記締結部を上記スラスト規制部とシリンダヘ
ッドボルトボスとの間に設ける構成としたものである。
部の少なくとも一部を、カム軸の径方向において上記軸
受側ボスにおけるスラスト規制部の範囲に位置させると
ともに、上記締結部を上記スラスト規制部とシリンダヘ
ッドボルトボスとの間に設ける構成としたものである。
(作用) 上記の構成により、本発明では、カム軸の軸受側ボス
にシリンダヘッドボルトボスと軸受キャップの締結部と
を近接させて設けたので、シリンダヘッドボルト及び軸
受キャップ締結部の締結力によってスラスト規制部のス
ラスト剛性が向上し、カム軸回転時のスラスト荷重がス
ラスト規制部により確実に受け止められることになる。
にシリンダヘッドボルトボスと軸受キャップの締結部と
を近接させて設けたので、シリンダヘッドボルト及び軸
受キャップ締結部の締結力によってスラスト規制部のス
ラスト剛性が向上し、カム軸回転時のスラスト荷重がス
ラスト規制部により確実に受け止められることになる。
また、軸受キャップ締結部をスラスト規制部とシリン
ダヘッドボルトボスとの間に設けたので、軸受キャップ
締結部がスラスト規制部のカム軸半径方向ではなくカム
軸軸方向に位置づけられることになり、軸受キャップの
カム軸半径方向の長さが短くなってカム軸間の距離が短
くでき、バルブの狭角化が可能になる。
ダヘッドボルトボスとの間に設けたので、軸受キャップ
締結部がスラスト規制部のカム軸半径方向ではなくカム
軸軸方向に位置づけられることになり、軸受キャップの
カム軸半径方向の長さが短くなってカム軸間の距離が短
くでき、バルブの狭角化が可能になる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図〜第3図は本発明の実施例に係るカム軸のスラ
スト軸受装置を備えたDOHCタイプのV型6気筒エンジン
を示す。これらの図において、1はシリンダブロック、
2は該シリンダブロック1の各バンク上に配設されたシ
リンダヘッドであって、該シリンダブロック1と各シリ
ンダヘッド2との間に複数のシリンダ(図示せず)が形
成されている。上記シリンダヘッド2には各シリンダ毎
に吸気バルブ4と排気バルブ5とがそれぞれ2つずつ設
けられている。該吸気バルブ4,4…は吸気バルブ同士
で、排気バルブ5,5…は排気バルブ同士でそれぞれシリ
ンダ列方向に並ぶように配されている。また、シリンダ
ヘッド2において、吸気バルブ4,4…の上方には吸気用
カム軸6が、排気バルブ5,5…の上方には排気用カム軸
8がそれぞれ支承されていて、吸気用カム軸6の各カム
7により各吸気バルブ4を駆動するとともに、排気用カ
ム軸8各カム9により各排気バルブ5を駆動するように
している。ここで、吸気用カム7のカムリフトは排気用
カム9のカムリフトよりも大きく設定されていて、吸気
バルブ4開弁時における吸気抵抗を減少させて吸気充填
量を高めるようにしている。
スト軸受装置を備えたDOHCタイプのV型6気筒エンジン
を示す。これらの図において、1はシリンダブロック、
2は該シリンダブロック1の各バンク上に配設されたシ
リンダヘッドであって、該シリンダブロック1と各シリ
ンダヘッド2との間に複数のシリンダ(図示せず)が形
成されている。上記シリンダヘッド2には各シリンダ毎
に吸気バルブ4と排気バルブ5とがそれぞれ2つずつ設
けられている。該吸気バルブ4,4…は吸気バルブ同士
で、排気バルブ5,5…は排気バルブ同士でそれぞれシリ
ンダ列方向に並ぶように配されている。また、シリンダ
ヘッド2において、吸気バルブ4,4…の上方には吸気用
カム軸6が、排気バルブ5,5…の上方には排気用カム軸
8がそれぞれ支承されていて、吸気用カム軸6の各カム
7により各吸気バルブ4を駆動するとともに、排気用カ
ム軸8各カム9により各排気バルブ5を駆動するように
している。ここで、吸気用カム7のカムリフトは排気用
カム9のカムリフトよりも大きく設定されていて、吸気
バルブ4開弁時における吸気抵抗を減少させて吸気充填
量を高めるようにしている。
また、上記吸気用カム7及び排気用カム9の前端(第
1図の左端)には伝動手段としてのヘリカルギヤ11,12
がそれぞれ取付けられ、互いに噛合するように設けられ
ている。また、排気用カム軸8において上記ヘリカルギ
ヤ12よりも前方にはプーリ15が取付けられ、該プーリ15
とクランク軸のクランクプーリ(図示せず)との間には
タイミングベルト16が巻き掛けられていて、クランク軸
によりタイミングベルト16を介して排気用カム軸8を駆
動し、該排気用カム軸8によりヘリカルギヤ12,11を介
して吸気用カム軸6を駆動するようにしている。
1図の左端)には伝動手段としてのヘリカルギヤ11,12
がそれぞれ取付けられ、互いに噛合するように設けられ
ている。また、排気用カム軸8において上記ヘリカルギ
ヤ12よりも前方にはプーリ15が取付けられ、該プーリ15
とクランク軸のクランクプーリ(図示せず)との間には
タイミングベルト16が巻き掛けられていて、クランク軸
によりタイミングベルト16を介して排気用カム軸8を駆
動し、該排気用カム軸8によりヘリカルギヤ12,11を介
して吸気用カム軸6を駆動するようにしている。
さらに、上記吸気用カム軸6のヘリカルギヤ11の前側
には該ヘリカルギヤ11に対して相対回転自在にヘリカル
のフリクションギヤ18が設けられ、これを排気用カム軸
8のヘリカルギヤ12に噛合させるとともに、スプリング
19によりヘリカルギヤ11側に押し付けている。該フリク
ションギヤ18はヘリカルギヤ11よりも軸方向の厚みが薄
く形成されている。また、該フリクションギヤ18の歯数
は上記ヘリカルギヤ11の歯数よりも1枚多く設けられて
いて、フリクションギヤ18によりヘリカルギヤ11をその
回転方向に付勢し、ヘリカルギヤ11,12間のバックラッ
シュを少なくして歯打ち音を低減するようにしている。
には該ヘリカルギヤ11に対して相対回転自在にヘリカル
のフリクションギヤ18が設けられ、これを排気用カム軸
8のヘリカルギヤ12に噛合させるとともに、スプリング
19によりヘリカルギヤ11側に押し付けている。該フリク
ションギヤ18はヘリカルギヤ11よりも軸方向の厚みが薄
く形成されている。また、該フリクションギヤ18の歯数
は上記ヘリカルギヤ11の歯数よりも1枚多く設けられて
いて、フリクションギヤ18によりヘリカルギヤ11をその
回転方向に付勢し、ヘリカルギヤ11,12間のバックラッ
シュを少なくして歯打ち音を低減するようにしている。
また、上記シリンダヘッド2には上記各カム軸6,8を
支承するためのジャーナル軸受が設けられている。この
うち、シリンダヘッド2の前部に設けられたものについ
て説明する。すなわち、各カム軸6,8における最前のカ
ム7,9とヘリカルギヤ11,12との間に対応して、シリンダ
ヘッド2に軸受側ボス21が形成され、該軸受側ボス21に
形成された軸受部22と、この軸受側ボス21にボルトで締
結された軸受キャップ23とにより各カム軸6,8が回転自
在に支持されている。
支承するためのジャーナル軸受が設けられている。この
うち、シリンダヘッド2の前部に設けられたものについ
て説明する。すなわち、各カム軸6,8における最前のカ
ム7,9とヘリカルギヤ11,12との間に対応して、シリンダ
ヘッド2に軸受側ボス21が形成され、該軸受側ボス21に
形成された軸受部22と、この軸受側ボス21にボルトで締
結された軸受キャップ23とにより各カム軸6,8が回転自
在に支持されている。
そして、上記ジャーナル軸受の各カム軸6,8には、そ
の半径方向に広がる円盤状のフランジ28が形成されてい
る。一方、上記軸受側ボス21には、上記フランジ28が嵌
入するように溝29が設けられている。よって、該フラン
ジ28と溝29とにより、各カム溝6,8の軸方向への移動を
規制するためのスラスト規制部27を構成している。
の半径方向に広がる円盤状のフランジ28が形成されてい
る。一方、上記軸受側ボス21には、上記フランジ28が嵌
入するように溝29が設けられている。よって、該フラン
ジ28と溝29とにより、各カム溝6,8の軸方向への移動を
規制するためのスラスト規制部27を構成している。
さらに、上記軸受側ボス21におけるカム軸方向の後端
には、シリンダヘッド2をシリンダブロック1に締結す
るためのシリンダヘッドボルト32のボス31と、上記軸受
キャップ23の締結部とが設けられている。
には、シリンダヘッド2をシリンダブロック1に締結す
るためのシリンダヘッドボルト32のボス31と、上記軸受
キャップ23の締結部とが設けられている。
そして、上記シリンダヘッドボルトボス31及び上記軸
受キャップ23の締結部は、カム軸6,8の径方向において
上記軸受側ボス21におけるスラスト規制部27の範囲に位
置され、軸受キャップ23の締結部は、上記軸受側ボス21
におけるスラスト規制部27とシリンダヘッドボルトボス
31との間に設けられている。すなわち、軸受キャップ23
をそのカム軸半径方向の各端部にて上記軸受側ボス21に
ボルト締結するための締結用ネジ部35が設けられてお
り、該ネジ部35はスラスト規制部27とシリンダヘッドボ
ルトボス31との間でかつ軸受側ボス21上面における上記
フランジ28外周縁部の位置よりもカム軸6,8の軸心側に
位置するように配置されている。
受キャップ23の締結部は、カム軸6,8の径方向において
上記軸受側ボス21におけるスラスト規制部27の範囲に位
置され、軸受キャップ23の締結部は、上記軸受側ボス21
におけるスラスト規制部27とシリンダヘッドボルトボス
31との間に設けられている。すなわち、軸受キャップ23
をそのカム軸半径方向の各端部にて上記軸受側ボス21に
ボルト締結するための締結用ネジ部35が設けられてお
り、該ネジ部35はスラスト規制部27とシリンダヘッドボ
ルトボス31との間でかつ軸受側ボス21上面における上記
フランジ28外周縁部の位置よりもカム軸6,8の軸心側に
位置するように配置されている。
したがって、上記実施例においては、カム軸6,8の軸
受側ボス21にシリンダヘッドボルトボス31と軸受キャッ
プ23の締結用ネジ用35とを近接させて設けたので、シリ
ンダヘッドボルト32及び軸受キャップ締結用ネジ部35の
ボルトの締結力によってスラスト規制部27のスラスト剛
性が向上し、カム軸6,8回転時のスラスト荷重がスラス
ト規制部27により確実に受け止められる。
受側ボス21にシリンダヘッドボルトボス31と軸受キャッ
プ23の締結用ネジ用35とを近接させて設けたので、シリ
ンダヘッドボルト32及び軸受キャップ締結用ネジ部35の
ボルトの締結力によってスラスト規制部27のスラスト剛
性が向上し、カム軸6,8回転時のスラスト荷重がスラス
ト規制部27により確実に受け止められる。
その場合、本実施例では、ヘリカルギヤ11,12の後方
にシリンダヘッドボルトボス31と締結用ネジ部35とを設
けたので、スラスト規制部27のスラスト剛性を向上させ
る上で特に効果的である。すなわち、吸気用カム軸6に
作用する負荷の変動のために第4図に示すように、3つ
のヘリカルギヤ11,12の間のトルクが変動し、その伝達
方向が周期的に反転する。つまり、吸気用カム軸6の回
転により、該カム軸6における1つのカム7のノーズ部
がバルブスプリング(図示せず)に抗して吸気バルブ4
を押し下げるときには、バルブ側からの反力に対抗すべ
く排気用カム軸8のヘリカルギヤ12側から吸気用カム軸
6のヘリカルギヤ11側への大きなトルクが発生する(第
4図のイ)。一方、上記カム7のノーズ部が吸気バルブ
4を通過してバルブスプリングの付勢力により吸気バル
ブ4が閉じるときには、吸気用カム軸6のヘリカルギヤ
11側から排気用カム軸8のヘルカルギヤ12側へトルクが
伝達されて、吸気用カム軸6のヘリカルギヤ11にその反
力として負のトルクが作用する(第4図のロ)。このよ
うにしてトルクの正、負が周期的に反転する。この場
合、吸気用カム7のカムリフトは排気用カム9のカムリ
フトよりも大きく設定されているので、正トルクは特に
大きなものになっている。しかし、この正トルクにより
発生するスラスト荷重はヘリカルギヤ11から見て後向き
に作用するので、このヘリカルギヤ11よりも後方にシリ
ンダヘッドボルトボス31と締結用ネジ部35とを設けたこ
とにより、この大きなスラスト荷重がスラスト規制部27
によって確実に受け止められる。
にシリンダヘッドボルトボス31と締結用ネジ部35とを設
けたので、スラスト規制部27のスラスト剛性を向上させ
る上で特に効果的である。すなわち、吸気用カム軸6に
作用する負荷の変動のために第4図に示すように、3つ
のヘリカルギヤ11,12の間のトルクが変動し、その伝達
方向が周期的に反転する。つまり、吸気用カム軸6の回
転により、該カム軸6における1つのカム7のノーズ部
がバルブスプリング(図示せず)に抗して吸気バルブ4
を押し下げるときには、バルブ側からの反力に対抗すべ
く排気用カム軸8のヘリカルギヤ12側から吸気用カム軸
6のヘリカルギヤ11側への大きなトルクが発生する(第
4図のイ)。一方、上記カム7のノーズ部が吸気バルブ
4を通過してバルブスプリングの付勢力により吸気バル
ブ4が閉じるときには、吸気用カム軸6のヘリカルギヤ
11側から排気用カム軸8のヘルカルギヤ12側へトルクが
伝達されて、吸気用カム軸6のヘリカルギヤ11にその反
力として負のトルクが作用する(第4図のロ)。このよ
うにしてトルクの正、負が周期的に反転する。この場
合、吸気用カム7のカムリフトは排気用カム9のカムリ
フトよりも大きく設定されているので、正トルクは特に
大きなものになっている。しかし、この正トルクにより
発生するスラスト荷重はヘリカルギヤ11から見て後向き
に作用するので、このヘリカルギヤ11よりも後方にシリ
ンダヘッドボルトボス31と締結用ネジ部35とを設けたこ
とにより、この大きなスラスト荷重がスラスト規制部27
によって確実に受け止められる。
また、軸受キャップ締結用ネジ部35をスラスト規制部
27とシリンダヘッドボルトボス31との間でかつ軸受側ボ
ス21上面におけるフランジ28外周縁部の位置よりもカム
軸6,8の軸心側に設けたので、軸受キャップ23のカム軸
半径方向の長さが短くなってカム軸6,8の距離を短くで
き、バルブ4,5の狭角化が可能になる。
27とシリンダヘッドボルトボス31との間でかつ軸受側ボ
ス21上面におけるフランジ28外周縁部の位置よりもカム
軸6,8の軸心側に設けたので、軸受キャップ23のカム軸
半径方向の長さが短くなってカム軸6,8の距離を短くで
き、バルブ4,5の狭角化が可能になる。
さらに、フリクションギヤ18をヘリカルにしたので、
該フリクションギヤ18と排気用カム軸8のヘリカルギヤ
12とのかみ合い率が大きくなり、フリクションギヤ18自
体のかみ合いノイズを低減できる。
該フリクションギヤ18と排気用カム軸8のヘリカルギヤ
12とのかみ合い率が大きくなり、フリクションギヤ18自
体のかみ合いノイズを低減できる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明のカム軸のスラスト軸受
装置によれば、複数のカム軸を伝動手段により駆動連結
し、該カム軸の軸方向への移動を規制するためのスラス
ト規制部を、該カム軸に設けたフランジと該フランジが
嵌入するようにカム軸の軸受側ボスに設けた溝とにより
構成するとともに、上記軸受側ボスにおけるカム軸方向
の一端側に、シリンダヘッドボルトのボスとカム軸用受
キャップの締結部とを設け、シリンダヘッドボルトボス
及び締結部の少なくとも一部を、カム軸の径方向におい
て軸受側ボスにおけるスラスト規制部の範囲に位置さ
せ、軸受キャップの締結部をスラスト規制部とシリンダ
ヘッドボルトボスとの間に設けたので、シリンダヘッド
ボルト及び軸受キャップ締結部の締結力によってスラス
ト規制部のスラスト剛性が向上し、カム軸回転時のスラ
スト荷重をスラスト規制部により確実に受け止めること
ができるとともに、軸受キャップ締結部がスラスト規制
部のカム軸半径方向ではなくカム軸軸方向に位置づけら
れることになり、軸受キャップのカム軸半径方向の長さ
が短くなってカム軸間の距離を短くすることが可能とな
り、バルブを狭角化することが可能となる。
装置によれば、複数のカム軸を伝動手段により駆動連結
し、該カム軸の軸方向への移動を規制するためのスラス
ト規制部を、該カム軸に設けたフランジと該フランジが
嵌入するようにカム軸の軸受側ボスに設けた溝とにより
構成するとともに、上記軸受側ボスにおけるカム軸方向
の一端側に、シリンダヘッドボルトのボスとカム軸用受
キャップの締結部とを設け、シリンダヘッドボルトボス
及び締結部の少なくとも一部を、カム軸の径方向におい
て軸受側ボスにおけるスラスト規制部の範囲に位置さ
せ、軸受キャップの締結部をスラスト規制部とシリンダ
ヘッドボルトボスとの間に設けたので、シリンダヘッド
ボルト及び軸受キャップ締結部の締結力によってスラス
ト規制部のスラスト剛性が向上し、カム軸回転時のスラ
スト荷重をスラスト規制部により確実に受け止めること
ができるとともに、軸受キャップ締結部がスラスト規制
部のカム軸半径方向ではなくカム軸軸方向に位置づけら
れることになり、軸受キャップのカム軸半径方向の長さ
が短くなってカム軸間の距離を短くすることが可能とな
り、バルブを狭角化することが可能となる。
第1図〜第4図は本発明の実施例を示し、第1図はシリ
ンダヘッド付近の平面図、第2図はシリンダヘッド付近
の縦断側面図、第3図はシリンダヘッド単体の平面図、
第4図はヘリカルギヤ間のトルク変動を示す図である。 4……吸気バルブ、5……排気バルブ、6……吸気用カ
ム軸、8……排気用カム軸、11……ヘリカルギヤ、12…
…ヘリカルギヤ、21……軸受側ボス、23……軸受キャッ
プ、27……スラスト規制部、28……フランジ、29……
溝、31……シリンダヘッドボルトボス、32……シリンダ
ヘッドボルト、35……締結用ネジ部(締結部)。
ンダヘッド付近の平面図、第2図はシリンダヘッド付近
の縦断側面図、第3図はシリンダヘッド単体の平面図、
第4図はヘリカルギヤ間のトルク変動を示す図である。 4……吸気バルブ、5……排気バルブ、6……吸気用カ
ム軸、8……排気用カム軸、11……ヘリカルギヤ、12…
…ヘリカルギヤ、21……軸受側ボス、23……軸受キャッ
プ、27……スラスト規制部、28……フランジ、29……
溝、31……シリンダヘッドボルトボス、32……シリンダ
ヘッドボルト、35……締結用ネジ部(締結部)。
Claims (1)
- 【請求項1】複数のカム軸を伝動手段により駆動連結す
るとともに、該カム軸の軸方向への移動を規制するため
のスラスト規制部を、該カム軸に設けたフランジと該フ
ランジが嵌入するようにカム軸の軸受側ボスに設けた溝
とにより構成したカム軸のスラスト軸受装置において、 上記軸受側ボスにおけるカム軸方向の一端側に、シリン
ダヘッドボルトのボスと、カム軸の軸受キャップを上記
軸受側ボスに締結するための締結部とを設けるととも
に、 上記シリンダヘッドボルトボス及び上記締結部の少なく
とも一部を、カム軸の径方向において上記軸受側ボスに
おけるスラスト規制部の範囲に位置させ、上記締結部を
上記スラスト規制部とシリンダヘッドボルトボスとの間
に設けたことを特徴とするカム軸のスラスト軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63079757A JP2726429B2 (ja) | 1988-03-30 | 1988-03-30 | カム軸のスラスト軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63079757A JP2726429B2 (ja) | 1988-03-30 | 1988-03-30 | カム軸のスラスト軸受装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01249905A JPH01249905A (ja) | 1989-10-05 |
JP2726429B2 true JP2726429B2 (ja) | 1998-03-11 |
Family
ID=13699097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63079757A Expired - Fee Related JP2726429B2 (ja) | 1988-03-30 | 1988-03-30 | カム軸のスラスト軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2726429B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011038432A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Mazda Motor Corp | エンジンのカム軸のスラスト規制部構造 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6065306U (ja) * | 1983-10-13 | 1985-05-09 | マツダ株式会社 | エンジンのカムシヤフト軸受装置 |
-
1988
- 1988-03-30 JP JP63079757A patent/JP2726429B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01249905A (ja) | 1989-10-05 |
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