JP2725949B2 - 自動販売機の抽出濾過方法 - Google Patents

自動販売機の抽出濾過方法

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  • Beverage Vending Machines With Cups, And Gas Or Electricity Vending Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動販売機における抽出
濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】実開昭64-31480号公報などに開示されて
いるように、この種の抽出濾過装置は図4〜図8に示す
ように構成されている。
【0003】抽出濾過装置は下面が開放された抽出室1
と、抽出室1の下面開口2を閉塞する位置と図10に示す
ように開放する位置とに昇降駆動されるフィルター受け
3と、抽出室1の上部開口4を開閉する弁体5と前記フ
ィルター受け3を駆動する開閉装置6などで構成されて
いる。
【0004】従来の抽出濾過方法は次のような工程で構
成されている。最初は、図5に示すようにフィルター受
け3でペーパーフィルタ7を抽出室1の下面開口2に押
し付けて閉塞するとともに、圧縮ばね8の付勢に抗して
弁体5を押し下げて抽出室1の上部開口4を開放する。
この状態で矢印Aで示すように、上部開口4から原料と
熱湯を抽出室1に投入し、この状態で図6に示すように
供給口9からエアー10を吹き込んで原料と熱湯の混合液
11を攪拌し、次に図7に示すように弁体5の前記押し下
げを解除して弁体5で上部開口4を閉塞して抽出室1を
密閉し、さらに供給口9からエアー10をさらに吹き込ん
で抽出室1の内圧を上げて、抽出室1とフィルター受け
3とで挟持されているペーパーフィルタ7で混合液11を
強制濾過する。抽出エキスの溶け込んだ熱湯は、ペーパ
ーフィルタ7を通過して管路12を介してカップへ払い出
され、原料滓13はペーパーフィルタ7の上に残る。次に
図8に示すようにフィルター受け3が降下して、原料滓
13の付着したペーパーフィルタ7が次の販売に使用され
るものに入れ替えられる。
【0005】弁体5は開閉装置6の出力軸14に取り付け
られたバルブ開閉カム15によって駆動され、フィルター
受け3は開閉装置6の出力軸14に取り付けられたカム16
によってレバー17を介して駆動されており、出力軸14が
一回転する間に弁体5とフィルター受け3が図5〜図8
に示したように移動し、帯状のペーパーフィルタ7は所
定長さだけ送られて、次の調理に使用するペーパーフィ
ルタ7がフィルター受け3にセットされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の抽出
濾過装置はコーヒーの販売に使用されており、強制濾過
が完了した抽出室1の内壁Bには、図6に示すように原
料滓13が付着して残留する問題がある。
【0007】本発明は抽出室1の内面に原料滓13が残留
しない抽出濾過方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の抽出濾過方法
は、抽出室の上部開口を弁体で閉塞し、抽出室を加圧し
てこの抽出室に入れた原料と湯の混合液をフイルタで強
制濾過して原料滓と抽出エキスの溶け込んだ抽出液とに
分離するに際して、前記強制濾過の期間中に前記弁体の
上部に液体を注いで溜め、前記強制濾過の完了後に前記
弁体を開放し、溜められた前記液体を抽出室の内壁に沿
って流して抽出室を洗浄することを特徴とする。
【0009】
【作用】この構成によると、弁体を開いてから洗浄用の
液体を注ぐのではなくて、抽出室を洗浄する液体は強制
濾過の期間中に前記弁体の上部に溜められており、強制
濾過が終わってから弁体を開くことで、僅かの液体であ
っても抽出室の内壁面に沿って流下し、抽出室の内壁面
に付着した原料滓を洗い流す。
【0010】
【実施例】以下、本発明の抽出濾過方法を具体的な実施
例に基づいて説明する。なお、図4〜図8と同様の作用
をなすものには、同一の符号を付けて説明する。
【0011】本発明の抽出濾過方法の実施に使用する抽
出濾過装置には、図1に示すように抽出室1の上部開口
4の付近に、液溜め部18が形成されている。この液溜め
部18には、弁体5で上部開口4を閉塞して供給口9から
エアー10を吹き込んで抽出室1の内圧を上げて混合液11
をペーパーフィルタ7で強制濾過する期間中に、熱湯E
が注がれて10cc程度が溜められる。
【0012】強制濾過が完了してフィルター受け3が降
下した状態で帯状のペーパーフィルタ7は所定長さだけ
送られて、次の調理に使用するペーパーフィルタ7がフ
ィルター受け3にセットされるが、このペーパーフィル
タ7の送りの前または送りとともに図2に示すように弁
体5が押し下げられて上部開口4が開放される。これに
よって、液溜め部18に溜められていた熱湯Eが上部開口
4の全周から抽出室1の内壁Bに沿って流下し、抽出室
1の内壁Bには付着して残留していた原料滓13を洗い流
す。
【0013】洗い流しに使用した10cc程度の熱湯E
と洗い流された僅かの原料滓13は、ペーパーフィルタ7
の上に既に溜っている原料滓13の周囲に滴下して、図3
に矢印Fで示すようにフィルター受け3から側方に流れ
て、ペーパーフィルタ7の巻装体Gの上方ならびに側方
を覆っているカバー19の外面を流れ落ちて、使用済みの
ペーパーフィルタ7を回収するバケツ20の中に回収され
る。図3において21はペーパーフィルタ7を送るための
フィード装置である。
【0014】このように、液溜め部18に熱湯Eを予め溜
めておいてから弁体5を開放するため、僅かの熱湯であ
っても抽出室1の内面に沿って流下させることができ、
バケツ20に溜る洗浄水の量を低減することができる。一
般に、バケツ20の液面が上限レベルに達した場合には販
売を中止して売り切れ状態に切り換えられるように構成
されているため、このように僅かの熱湯で効率良く抽出
室1を洗浄できると云うことは、長期間にわたってメン
テナンス無しで連続運転を実現できるという効果が得ら
れる。
【0015】なお、液溜め部18に溜める熱湯Eの量は販
売飲料の種類に係わらずに一定量に設定する場合と、次
のように販売飲料の種類に応じて変更するように設定す
る場合がある。液溜め部18に溜める熱湯Eの量を販売飲
料の種類に応じて変更した場合には、バケツ20に溜る洗
浄水の量をさらに低減することができる。
【0016】具体的には、調理に使用する原料の量と湯
量は販売飲料の種類に応じて異なっている。 原 料 湯 量 ホットコーヒ 10g 155cc アイスコーヒ 15g 110cc そのためホットコーヒを調理する場合よりもアイスコー
ヒを調理した場合のほうが、抽出室1の内壁Bへの原料
滓13の付着量が多い。液溜め部18に溜める熱湯Eの量を
販売飲料の種類に係わらずに一定量で、アイスコーヒを
調理した場合の付着を充分に洗浄できるように設定した
場合には、ホットコーヒを調理した場合の付着を洗浄す
るには過剰となる。これに対してホットコーヒを調理す
る場合にはアイスコーヒを調理する場合に液溜め部18に
溜める湯量よりも少なくすることによって、バケツ20に
溜る洗浄水の量を低減できる。一例としては、調理に使
用する原料の量と湯量の比“( 原料の量 )/( 湯
量 )”に比例して液溜め部18に溜める洗浄用の湯量を
コントロールすることが好ましい。
【0017】液溜め部18に溜めた洗浄用の熱湯を流すタ
イミングと使用済みのペーパーフィルタ7を移送して次
の調理に使用するペーパーフィルタ7をフィルター受け
3にセットするタイミングの関係については、ペーパー
フィルタ7の送りの前に液溜め部18に溜めた洗浄用の熱
湯を流すことが好ましい。具体的には、弁体5を開放し
て洗浄用の熱湯が抽出室1の内壁Bを流下し終わってか
らペーパーフィルタ7を入れ替えることによって、次の
調理に使用するペーパーフィルタ7が洗浄に使用済みの
熱湯によって濡れることを防止でき、次の調理に使用す
るペーパーフィルタ7を乾燥状態のまま待機でき衛生的
である。
【0018】上記の各実施例では、液溜め部18には熱湯
Eを洗浄用として溜めるとして説明したが、これは温水
タンクで温められていない水道水、具体的にはリザーバ
ータンクに溜められた水を注いで溜めるようにすること
によっても洗浄効果を期待できる。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明の抽出濾過方法によ
ると、抽出室の上部開口を閉塞する弁体の上部に強制濾
過の期間中に液体を注いで溜め、強制濾過の完了後に前
記弁体を開放するため、僅かの液体であっても抽出室の
内壁面に沿って流下し、抽出室の内壁面に付着した原料
滓を洗い流すことができ、抽出濾過式の飲料自動販売機
を長期間にわたってメンテナンス無しで連続運転させる
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抽出濾過方法の実施に使用する抽出濾
過装置の強制濾過工程中の断面図である。
【図2】同抽出濾過装置の強制濾過工程が完了して抽出
室を洗浄中の断面図である。
【図3】図2の状態のX−X方向から見た正面図であ
る。
【図4】従来の抽出濾過装置の販売待機中の側面図であ
る。
【図5】従来の抽出濾過装置の原料と熱湯の投入工程の
断面図である。
【図6】従来の抽出濾過装置の攪拌工程の断面図であ
る。
【図7】従来の抽出濾過装置の強制濾過工程の断面図で
ある。
【図8】従来の抽出濾過装置の原料滓の除去工程の断面
図である。
【符号の説明】
1 抽出室 2 下面開口 3 フィルター受け 4 上部開口 5 弁体 7 ペーパーフィルタ 11 混合液 13 原料滓 18 液溜め部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抽出室の上部開口を弁体で閉塞し、抽出
    室を加圧してこの抽出室に入れた原料と湯の混合液をフ
    イルタで強制濾過して原料滓と抽出エキスの溶け込んだ
    抽出液とに分離するに際して、前記強制濾過の期間中に
    前記弁体の上部に液体を注いで溜め、前記強制濾過の完
    了後に前記弁体を開放し、溜められた前記液体を抽出室
    の内壁に沿って流して抽出室を洗浄する抽出濾過方法。
  2. 【請求項2】 弁体を開放してこの弁体の上部に溜めら
    れていた液体が流下し終わってから前記フィルタを次の
    調理に使用するものに入れ替える請求項1記載の自動販
    売機の抽出濾過方法。
  3. 【請求項3】 強制濾過の期間中に前記弁体の上部に注
    いで溜める液体量を、販売飲料の種類に応じて変更する
    請求項1記載の自動販売機の抽出濾過方法。
  4. 【請求項4】 期間中に前記弁体の上部に注いで溜める
    液体量を、 ( 原料の量 )/( 湯量 ) の比に比例して変更する請求項3記載の自動販売機の抽
    出濾過方法。
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