JP2725907B2 - 液膜用測色装置 - Google Patents

液膜用測色装置

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JP2725907B2 JP3147651A JP14765191A JP2725907B2 JP 2725907 B2 JP2725907 B2 JP 2725907B2 JP 3147651 A JP3147651 A JP 3147651A JP 14765191 A JP14765191 A JP 14765191A JP 2725907 B2 JP2725907 B2 JP 2725907B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液膜用測色装置に関
し、詳しくは、液状で製造され、これを塗装し乾燥硬化
させて塗膜を形成させる塗料などの塗膜材料において、
塗膜の色を調色する際に、いちいち乾燥硬化させた塗膜
を測色するのでなく、乾燥硬化する前の液膜を測色して
調色を行う方法など、各種塗膜材料の色彩管理に利用さ
れる液膜用測色装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗料の色を調色するには、何種類かの原
色塗料を配合して塗料を調製し、この塗料を塗装し乾燥
硬化した塗膜を測色して、目的とする色と違っていれ
ば、この色の差に対応して、塗料に適当な色の塗料を追
加したり、塗料の配合を変えたりし、さらに、この塗料
で塗膜を形成して再び測色するという作業を繰り返し行
っていた。これは、塗料が乾燥硬化した後の塗膜の色
と、乾燥硬化前の液膜の色とは大きく違っているため、
乾燥硬化後の塗膜の色をもとにして調色を行わなけれ
ば、目的とする色の塗料が製造できないと考えられてい
たのである。
【0003】しかし、この方法では、塗料の配合を変え
るたびに、いちいち塗料を塗装し乾燥硬化させた後に測
色するという繰り返し作業が必要になるので、調色作業
に大変な手間がかかるという欠点があった。そこで、乾
燥硬化させる前の液膜を測色して調色を行う方法が提案
されている。塗料を塗装し乾燥硬化させた塗膜の色と、
乾燥硬化する前の塗料の液膜の色には違いがあるが、両
者の間には一定の相関関係があることが判っている。そ
こで、このような塗膜と液膜の色の間の相関関係を予め
実験解析などで見い出しておき、塗料の液膜を測色し
て、目的とする塗膜の色に対応する色の液膜が得られる
まで、塗料の調色を繰り返す。このようにして調色され
た塗料を塗装し乾燥硬化させれば、ほぼ所望の色を有す
る塗膜が形成されることになる。このような方法の具体
例としては、本件出願人が先に特許出願している特開昭
63−104900号公報に開示された方法などがあ
る。
【0004】上記方法において、塗料の液膜を形成する
には、まず、アート紙やブリキ板などからなる液膜形成
用基材の表面に、塗料を一定の厚みで塗布する。液膜の
厚みが変わると測色結果にも影響が出るため、液膜の厚
みを正確に設定できる塗料の塗布装置もしくは液膜の形
成装置が必要である。通常は、ドクターブレードやバー
コーター、スクレーパー等と呼ばれる装置が使用され
る。液膜形成用基材の表面に形成された液膜の測色を行
うには、非接触型の分光光度計などが使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法で
は、液膜の測色結果のバラツキが非常に大きく、このよ
うな信頼性の乏しい液膜の測色結果をもとにして調色さ
れた塗料では、乾燥硬化後の塗膜の色が正確に設定でき
ないという問題があった。乾燥硬化後の塗膜の色を、液
膜状態での測色によって調色するという方法を適用する
には、液膜の測色が十分に正確に行えるということが前
提条件となるから、液膜の測色結果の信頼性が向上しな
ければ、最終目的である塗膜の色を正確に設定すること
など不可能である。
【0006】液膜の測色結果にバラツキが出る原因のひ
とつに、液膜を形成してから、測色を行うまでの間に、
液膜の表面乾燥が進むことや、液の対流が起こることな
どで、液膜の表面の色が変わってしまうということがあ
る。しかも、この液膜の乾燥などは、塗料の配合成分や
周囲の環境条件などによって大きく影響されるので、液
膜を形成してから測色を行うまでの環境あるいは履歴条
件によって、測色結果は大きく変化するのである。
【0007】従来の測定装置では、ドクターブレード等
を備えた液膜の形成装置と、分光光度計などの測色装置
は、全く別個の装置として作製されており、それぞれの
装置の設置場所も離れていた。そのため、基材の表面に
液膜を形成した後、この液膜が形成された基材を手作業
で測色装置に移して所定の位置にセットし、つぎに、液
膜の表面から一定の距離に測色計を配置し、それから測
色を開始するという大変に面倒な作業が必要であった。
このような方法では、液膜を形成してから測色が開始さ
れるまでに、どうしてもある程度の時間がかかることに
なる。しかも、作業の手順や熟練度によって、液膜形成
から測色までの時間は大きく変わる可能性がある。液膜
形成から測色までの時間を一定の時間に決めておくこと
は可能であるが、その場合、移送および測色の準備作業
などに十分な余裕をみると、少なくとも、液膜形成から
測色まで、20秒〜1分間程度の時間を取る必要があ
る。しかし、液膜の性状あるいは色の変化は、この程度
の短い時間でも急速に進むため、測色結果は環境条件な
どに大きく影響されてしまう。
【0008】そこで、この発明の課題は、塗膜の色を、
乾燥硬化前の液膜を測色して調色する方法において、液
膜の測色時における色のバラツキを無くして測色結果の
信頼性を向上させ、その結果、塗料などの調色を迅速か
つ正確に行えるようにする液膜用測色装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる液膜用測色装置は、塗膜材料の色彩管理
を行うために、乾燥硬化前の液膜を測色する装置であっ
て、液膜形成用基材の表面に一定厚みの液膜を形成する
液膜形成手段と、液膜の表面に近接した位置で液膜に非
接触で測色を行う測色手段とを備え、これらが隣接して
配置されているとともに、これらの下方に、液膜形成手
段から測色手段へと液膜形成用基材を移送する移送手段
を備え、かつ、前記測色手段には、その測定面と液膜の
表面との間隔を決める位置決め手段が付設されていて、
前記液膜形成用基材を前記移送手段上に保持したまま
で、液膜の形成と測色を行うようになっている。
【0010】この発明において、塗膜材料あるいは塗膜
とは、各種物品あるいは建築物などの表面を着色する、
いわゆるペイントあるいは塗料による塗膜に限らず、着
色と同時に、塗膜を形成した物品を保護したり、各種の
化学的物理的機能を付与する機能性塗膜、あるいは、何
らかの模様や文字記号などを表示する印刷塗膜など、物
体の表面に液状材料を薄く伸ばして液膜を形成し、この
液膜を乾燥硬化させて、固体状の薄膜すなわち塗膜を形
成させるものであれば、任意の分野における塗膜材料お
よび塗膜を対象とするものである。塗膜の形成方法とし
ても、いわゆる塗装方法や印刷方法に含まれる、任意の
塗膜形成法が適用でき、塗膜材料としても、前記のよう
な各種塗膜を形成する液体材料が任意に使用できる。
【0011】液膜形成用基材は、アート紙、ブリキ板な
ど、塗膜を形成する液体材料を支持して、一定厚みの液
膜が形成できる材料であれば、従来の測色方法で使用さ
れていたような、通常の液膜形成用の材料が利用でき
る。液膜形成用基材は、水平に配置された平坦な表面を
有し、この表面の上に塗膜を形成する液体材料が供給さ
れる。液膜形成用基材として、金属などからなる基材の
平坦な表面に浅い溝を形成しておき、この浅い溝に液体
材料を流して、溝の深さに相当する厚みの液膜を形成で
きるようにしたものを用いることもできる。
【0012】液膜形成手段は、ドクターブレード、バー
コーター、スクレーパーなど、液膜形成用基材の表面に
供給された液体材料を薄く引き伸ばして、一定厚みの液
膜を形成することができる機構を備えていれば、通常の
測色における液膜形成に利用されている各種の液膜形成
機構の構造が採用できる。液膜形成用基材が、前記した
溝構造を備えたものの場合は、液膜形成用基材の表面に
接触しながら移動する、かき取り部材を用いる。液膜を
形成するには、ドクターブレード等と液膜形成用基材と
を相対的に移動させることによって、液体材料を薄く引
き伸ばすが、この発明では、液膜形成用基材を、後述す
る移送手段で移動させるようになっているので、ドクタ
ーブレードなどを移動させなくても、液膜形成用基材の
移動により液膜を形成することができる。形成する液膜
の厚みは、塗膜材料の性状や塗膜の利用目的によって自
由に設定できる。
【0013】液膜形成用基材は、移送手段に保持され
て、液膜形成手段の設置位置から測色手段の設置位置ま
で移送される。前記した液膜の形成と移送は、同時に、
または連続して行うことができる。移送手段としては、
ベルトコンベアなどのコンベア機構や、電気シリンダな
どのシリンダ機構、ラックピニオン機構など、通常の機
械装置において採用されている各種の移送手段が自由に
利用できる。液膜の形成と移送を同時に行う場合、移送
手段は、水平方向に直線的に等速度で作動するものが好
ましいが、水平面内で旋回作動するものなども用いられ
る。移送手段の作動は、測色手段における測色計の配置
姿勢や作動方向なども考慮して決められる。
【0014】測色手段としては、通常の測色方法で採用
されている各種の測色計が利用できる。具体的には、分
光光度計や色彩計その他の既知の測色計が使用できる。
測色計には、測定ヘッドの測定面を被測定面に接触させ
た状態で測色を行う接触型の測色計と、測定ヘッドの測
定面を被測定面からある程度離した状態で測色が行える
非接触型の測色計がある。この発明では、何れの構造の
測色計を用いることもできるが、比較的構造が簡単で高
精度な測色が行える接触型の測色計を用いるのが好まし
い。但し、接触型の測色計を用いた場合でも、後述する
ように、この発明では、被測定面である液膜に接触させ
ないで測色を行う。
【0015】測色計には、通常、被測定面に接触もしく
は非接触で測色を行う測定ヘッドと、測定ヘッドの作動
を制御したり、測定ヘッドからの測定信号を電気的に処
理して、測定値を算出したり、この測定値を表示したり
記憶したりする処理制御装置を備えている。処理制御装
置には、マイクロコンピュータなどの演算処理機構を備
えているのが好ましい。測定ヘッドと処理制御装置は、
電源供給および信号伝達用のケーブルで互いに移動自在
に連結しておくのが好ましい。測色手段のうち、少なく
とも測定ヘッドなど、直接測色に関与する部材は、液膜
形成の邪魔にならず、測色が良好に行えれば、出来るだ
け液膜形成手段に隣接した位置に設けておき、液膜形成
から測色までの液膜の移送距離および時間が出来るだけ
短くなるようにしておくのが好ましい。
【0016】測色計で液膜の測色を行うには、移送手段
で移送されてきた液膜の表面に近接した位置に、測色計
の測定面を配置する。そのためには、液膜すなわち液膜
形成用基材のほうを移動させてもよいが、測色計のほう
を移動させて、液膜と測定面との間隔を設定するほうが
好ましい。液膜の表面に対する測色計の測定面の近接距
離は、出来るだけ近いほうが、正確な測色が出来るが、
測色計および液膜の位置誤差やブレがあっても、測色計
の測定面が液膜に接触してしまわない程度の間隔をあけ
ておく必要がある。具体的には、約0.5mm程度の間隔
が、実用上、十分な精度で測色が行えるとともに、測色
計の測定面が液膜に接触する可能性も少なく、好ましい
条件である。また、約1.0mm程度の間隔までであれ
ば、測定結果に大きな誤差は出ず、十分に実用可能であ
る。
【0017】測色計の測定面を所定の測定位置に配置す
るには、例えば、測色計のうち、少なくとも測定面を備
えた測定ヘッドを、測定装置本体に備えた昇降機構など
の移動手段に取り付けておき、測定ヘッドの測定面が、
移送手段に保持されて移動してきた液膜の表面に近接し
た位置まで移動できるようにしておくのが好ましい。測
定ヘッドの昇降機構は、電気モータあるいは空圧その他
の駆動手段から、ギヤ機構やカム機構その他の運動伝達
機構を経て作動され、その具体的構造は、通常の機械装
置における昇降機構と同様のものが用いられる。測定ヘ
ッドが移動自在に設けられていると、液膜形成用基材が
移送されてくるときには、測定ヘッドを液膜の表面位置
から十分に離れた位置に隔離しておいて、測定ヘッドが
液膜形成用基材や移送手段の一部にぶつかったりしない
ように出来る。また、液膜の表面位置に合わせて、測定
ヘッドの測定面を高さ調整することも出来る。移送手段
による液膜の移動を、水平方向で直線的に行う場合に
は、液膜の移動平面と直交する方向で測定ヘッドを移動
させるのが、移動機構が簡単で、測定ヘッドの測定面を
位置決めするにも便利である。なお、測定ヘッドを移動
させずに、液膜形成用基材のほうを昇降移動させたりし
て、液膜と測定ヘッドの測定面との距離を設定すること
もできる。また、測定ヘッドだけでなく、測色計の全体
を昇降移動させることも可能である。
【0018】測色計の測定面を、液膜の表面から一定の
距離で位置決めする位置決め手段としては、通常の機械
装置における各種部材の位置決め機構が採用できる。位
置決め手段は、液膜および液膜形成用基材の厚みの変更
に容易に対応できるものが好ましい。具体的には、例え
ば、前記したように、液膜形成用基材の浅い溝に液体材
料を流し込んで液膜を形成する場合には、測色計の一部
から突出形成されたストッパ部材の先端を液膜形成用基
材の溝以外の表面に当接させるようにしておけば、測色
計の測定面を、液膜形成用基材の表面すなわち液膜の表
面から一定の距離に位置決めすることができる。液膜形
成用基材の平坦な表面に液膜を形成する場合には、スト
ッパ部材で規定される、液膜形成用基材の表面と測色計
の測定面との距離を、前記所定の近接距離に液膜の厚み
を加えた間隔に設定しておけばよい。ストッパ部材を上
下調整可能な構造にしておけば、液膜の厚み変動などに
容易に対応することができる。
【0019】この発明にかかる測色装置は、前記した各
種塗膜材料からなる製品を製造する際の調色に利用でき
るほか、製品塗料の調色に用いる原料塗料の色相管理を
行う際の測色、その他、各種の技術分野における任意の
塗膜材料に対する色彩管理に利用することが可能であ
る。
【0020】
【作用】液膜形成手段と測色手段を隣接して配置してお
き、液膜が形成された液膜形成用基材を移送手段で直ち
に測色手段の測定位置まで移送して測色すれば、乾燥あ
るいは変色がほとんど始まっていない形成直後の液膜に
対して測色を行うことが可能になる。液膜形成直後であ
れば、周囲の温度や湿度などの環境条件がどのように違
っていても、ほとんど測色結果には影響が及ばないの
で、環境条件の影響を完全に排除して、極めて安定した
測色結果を得ることができる。
【0021】移送手段は、液膜形成用基材を保持したま
まで、液膜の形成から移送および測色を行うので、液膜
形成用基材を、液膜形成装置から移送手段へ、あるい
は、移送手段から測色装置へ移し変える手間がかからな
いとともに、移し変えに要する時間のロスを無くすこと
ができる。移送手段の作動速度あるいは作動時間は正確
に制御できるので、手作業で行う場合に比べれば、液膜
形成から測色までの時間のバラツキはほとんど無いと言
える。
【0022】液膜の測色を行う場合、液膜の表面に直接
測色計を接触させると、乾燥前の塗膜材料が測定面に付
着してしまう。そこで、測色手段を、液膜の表面に近接
した位置で液膜に非接触で測色を行うようにしておけ
ば、測定面を汚すことはない。しかも、測色手段の測定
面を液膜の表面に近接した位置に配置して測色する場
合、従来、このような場合に用いられていた非接触型の
測色計を使用せずとも、接触型の測色計を用いても、測
色精度は十分に確保できる。これは、非接触型の測色計
には、周辺の有害光の影響などを防ぐ手段が設けられて
いるが、接触型の測色計は、このような配慮がされてい
ないため、被測定物の表面との間に隙間があくと、測定
精度が低下すると考えられていた。しかし、測色手段
を、液膜の表面に近接した位置に正確に配置しておけ
ば、液膜と測定面の間に若干の隙間があっても、測定精
度にはほとんど影響しない。その結果、この発明では、
接触型の測色計を用いても、十分に精度の高い測定が可
能になる。
【0023】さらに、液膜の表面と測色手段の間隔を決
める位置決め手段を備えているので、液膜の表面と測色
手段の測定面の間隔が測定毎に変動して測色精度が低下
したり、誤って液膜の表面に測色計が接触してしまうよ
うなことがない。特に、接触型の測色計を用いた場合に
は、液膜の表面と測定面の間隔がわずかでも変動する
と、測色結果に大きな影響を及ぼす可能性があるので、
位置決め手段により、液膜表面と測定面との間隔を正確
に設定することが重要である。
【0024】この発明の測色装置では、上記したよう
に、液膜の形成、液膜形成位置から測色位置への移送、
液膜の表面と測色手段の位置決め、および測色の、全て
の作業を、機械化もしくは自動化することができるの
で、作業者の熟練度などによる人為的な測定結果のバラ
ツキや誤差が生じることがなく、極めて安定した信頼性
の高い測色結果を得ることができる。
【0025】
【実施例】ついで、この発明の実施例を、図面を参照し
ながら以下に説明する。図1は、測定装置の全体構造を
示し、測定装置本体1には、液膜形成用基材20を載置
して水平方向に直線移動するスライド基台10と、ドク
ターブレードなどを着脱自在に取り付ける支持部材30
と、スライド基台10の移動経路の一端上方で、測色計
の測定ヘッド40を支持して垂直方向に昇降させる昇降
機構50を備えている。昇降機構50は、測定装置本体
1の柱状支持部60の側面に取り付けられており、柱状
支持部60の正面には、スライド基台10や昇降機構5
0などの測色装置の作動を制御するスイッチ類62が設
けられている。測定ヘッド40は、柔軟なケーブル(図
示せず)で処理制御装置2に連結されており、処理制御
装置2は装置本体1の側方に別置きされる。処理制御装
置2には、表示パネル22や入力キー24などの入出力
機構を備え、演算処理用のマイクロコンピュータを内蔵
している。
【0026】図2に示すように、測定ヘッド40の昇降
機構50は、測定装置本体1の柱状支持部60の側面に
上下に摺動自在に支持され、測定ヘッド40が取り付け
られた取付部材52と、取付部材52の下端に当接し
て、取付部材52を持ち上げる持ち上げ部材56と、柱
状支持部60の内部で、前記持ち上げ部材56を上下移
動させるモータ駆動の昇降駆動部材54とで構成されて
いる。持ち上げ部材56の作動範囲の上下限付近には、
作動範囲を規制するために、リミットスイッチなどが設
けられている。柱状支持部60の内部には、測定ヘッド
40やスライド基台10の作動を制御するシーケンサな
どの制御機構を備えている。なお、図1では、昇降駆動
部材が、柱状支持部60の外部に取り付けられた状態を
表しているが、装置全体の配置を考慮して、どちらの構
造を採用することもできる。
【0027】昇降駆動部材54を作動させて、持ち上げ
部材56を上昇させると、持ち上げ部材56が取付部材
52および測定ヘッド40を持ち上げて上昇させる。持
ち上げ部材56を下降させると、持ち上げ部材56で下
端を支えられた状態で、取付部材52および測定ヘッド
40が自重によって下降する。測定ヘッド40の下端に
設けられたストッパ部材44が液膜形成用基材20の表
面に当たると、測定ヘッド40および取付部材52はそ
れ以上は下降することは出来ず、その後は持ち上げ部材
56のみが下降することになる。したがって、この場
合、持ち上げ部材56の下降位置を厳密に制御しなくて
も、測定ヘッド40を所定の測定位置に正確に配置する
ことができる。
【0028】スライド基台10は、リニアガイド16な
どで案内されて直線的に移動可能に取り付けられ、モー
タ等で駆動させるベルトコンベアなどからなるコンベア
機構14により駆動される。スライド基台10の移動経
路の途中上方を横切って、前記支持部材30が設けてら
れており、支持部材30には液膜形成用のドクターブレ
ード(図示せず)などが取り付けられる。このドクター
ブレード等の下方を、液状の塗膜材料が供給された液膜
形成用基材20が通過することによって、液膜形成用基
材20の表面に一定厚みの液膜が形成されるようになっ
ている。スライド基台10もしくはコンベア機構14に
は、作動範囲の両端付近にリミットスイッチや光電スイ
ッチ等を設けて、作動範囲を正確かつ自動的に制御でき
るようにしている。
【0029】図3は、液膜形成用基材20の詳細構造を
示し、矩形板状の液膜形成用基材20の平坦な表面に、
長手方向に沿って短冊状の浅い溝22が彫り込まれてい
る。浅い溝22の一端は、この溝22と直交する比較的
深い溝24につながっている。浅い溝22に直交して、
液膜形成用基材20の表面に当接する、板状のかき取り
部材32が配置されている。かき取り部材32は、前記
支持部材30に取り付けられるようになっている。浅い
溝22の一端に、調色を行う塗料などを流し込んだ状態
で、液膜形成用基材20が、かき取り部材32の下方を
通過すると、塗料などがかき取り部材32で引き伸ばさ
れて、浅い溝22の全体に拡がり、浅い溝22の深さに
相当する液膜が形成されることになる。また、余分の塗
料は、浅い溝22の一端から深い溝24に落ち込んで回
収されるので、液膜の厚みを正確に設定できることにな
る。
【0030】上記のようにして、液膜形成用基材20の
上に液膜が形成されるとともに、液膜形成用基材20
は、測定ヘッド40の真下位置まで移送される。つい
で、前記したように、測定ヘッド40を下降させて、所
定の位置に配置する。図4は、測色時における測定ヘッ
ド40と液膜Pの関係を示しており、液膜形成用基材2
0の上に下降してきた測定ヘッド40には、測定ヘッド
40の側方に取り付けられたストッパ部材44を備えて
いる。ストッパ部材44の下端46は、測定ヘッド40
の測定面42よりも少し下方に突出している。測定ヘッ
ド40が下降してくると、ストッパ部材44の下端46
が液膜形成用基材20の浅い溝22の側方の平坦な表面
に当接する。液膜形成用基材20の浅い溝22には、液
膜Pが形成されており、液膜Pの表面は、浅い溝22の
両側の液膜形成用基材20の表面と同一面になってい
る。ストッパ部材44の下端46が液膜形成用基材20
に当接すれば、測定ヘッド40はそれ以上下降すること
は出来ず、この位置で位置決めされることになる。した
がって、液膜Pの表面と測定ヘッド40の測定面42と
の距離Tは、ストッパ部材44の下端46の測定面42
からの突出量により決められることになる。この状態
で、測定ヘッド40による液膜Pの測色を行う。
【0031】図5は、上記実施例とは、液膜形成用基材
26の構造が異なる場合である。この液膜形成用基材2
6は、アート紙やブリキ板などの平坦な板材である。こ
の平坦な液膜形成用基材26の表面に、ドクターブレー
ドその他の液膜形成手段を用いて液膜Pを形成すると、
液膜Pの表面は、液膜形成用基材26の表面よりも若干
高くなる。この場合、ストッパ部材44の下端46の測
定面42からの突出量T0 は、液膜Pの表面と測定面4
2との必要距離Tに液膜Pの厚みtを加えた量に設定し
ておけばよい。但し、通常、液膜Pの厚みtは非常に薄
いので、ストッパ部材44の突出量T0 をそれほど厳密
に設定しなくても問題はない。
【0032】以上のような構造を備えた測色装置を用い
て、実際に塗料の測色を行った結果について説明する。
測色計として接触型の分光測色計CM−1000(ミノ
ルタ株式会社製)を用い、塗料として自動車用メタリッ
ク塗料を用い、同じ日に時間を置いて3回測色を行い、
測色値のバラツキを調べた。この発明の実施例の測色装
置では、液膜形成直後に測色が開始されるので、液膜形
成から測色までの時間は約0.5秒程度になる。また、
比較のために、同じ装置を用いるが、液膜を形成してか
ら測色を開始するまでの時間をおくようにして、同様の
測定を行った。図6に測定結果を示している。
【0033】図6をみれば、この発明の実施例(0.5
秒の測定値)では、3回の測色値が極めて狭い範囲に分
布しているのに対し、液膜形成から測色までの時間が、
20秒から60秒へと長くなる程、3回の測色値のバラ
ツキが大きくなっている。このことは、この発明の測色
装置を用いれば、従来の方法に比べて、はるかに安定し
た測色結果が得られることを実証している。なお、実施
例における液膜の測色結果は、乾燥硬化後の塗膜の色と
の相関関係も良好であり、この発明の測色装置を用い
て、液膜の状態で調色を行っても、塗膜の色を正確に設
定できることも確認できた。
【0034】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる液膜用
測色装置によれば、前記したような、液膜形成手段と測
色手段および位置決め手段、さらには移送手段を組み合
わせることにより、信頼性の高い安定した測色結果を得
ることができるようになる。特に、液膜の形成直後に測
色を行うことにより、測色結果のバラツキの原因となる
環境条件などの影響を全く受けず、常に同じ条件で測色
が行えるので、測色結果と最終的に得られる塗膜との相
関関係も容易に見い出すことができる。その結果、目的
とする塗膜の色を、液膜の測色あるいは色彩管理のみで
簡単かつ確実に決定することが可能になる。
【0035】そして、塗膜の色を乾燥硬化前の液膜の測
色によって正確かつ迅速に測定することが可能になる結
果、各種産業分野における塗膜材料に対する調色作業そ
の他の色彩管理の能率向上に大きく貢献することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示す測色装置の全体斜視
【図2】 測色装置本体の正面図
【図3】 液膜形成用基材の斜視図
【図4】 測色状態を表す要部断面図
【図5】 別の実施例における測色状態を表す要部断面
【図6】 液膜形成後の経過時間と測色値の関係を示す
線図
【符号の説明】
1 測色装置本体 2 記録処理装置 10 スライド基台 20 液膜形成用基材 30 支持部材 32 かき取り部材 40 測定ヘッド 44 ストッパ部材 50 昇降駆動部材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜材料の色彩管理を行うために、乾燥
    硬化前の液膜を測色する装置であって、液膜形成用基材
    の表面に一定厚みの液膜を形成する液膜形成手段と、液
    膜の表面に近接した位置で液膜に非接触で測色を行う測
    色手段とを備え、これらが隣接して配置されているとと
    もに、これらの下方に、液膜形成手段から測色手段へと
    液膜形成用基材を移送する移送手段を備え、かつ、前記
    測色手段には、その測定面と液膜の表面との間隔を決め
    る位置決め手段が付設されていて、前記液膜形成用基材
    を前記移送手段上に保持したままで、液膜の形成と測色
    を行うようになっており、前記液膜形成用基材には、塗
    膜を形成する液体材料が供給され水平に配置される平坦
    な表面を有し、前記液膜形成手段として、液膜形成用基
    材の表面に沿って相対移動する、かき取り部材を備えて
    いることを特徴とする液膜用測色装置。
  2. 【請求項2】 液膜形成用基材が、水平に配置された
    坦な表面に、液膜の厚みに相当する浅い溝を備え、液膜
    形成手段として、液膜形成用基材の前記浅い溝をまたい
    で溝の両側の表面に当接し表面に沿って相対移動する、
    かき取り部材を備えている請求項1記載の液膜用測色装
    置。
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