JP2725024B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、カード状又はシート状等の記録媒体を用い
て、記録媒体とヘッド部とが相対的に移動しながら、例
えば光学的又は磁気的に情報を記録再生する情報記録再
生装置に関する。

［従来の技術］ 従来、記録媒体をヘッド部に対し、相対的に往復直線
運動させる送り機構には、次のようなものがある。

（１）直流モータ又はステップモータ等の回転駆動源か
らギア又はベルト等の伝達手段を介して直線運動の駆動
力を得る方式。

（２）上記の伝達手段を介さず、回転駆動源から直線運
動の直接に駆動力を得る方式。

（３）ボイスコイル型リニアモータ、又はリニアパルス
モータ等の直線運動駆動源から直接に駆動力を得る方
式。

近年、記録媒体の情報記録密度の増大や記録再生時間
の短縮化が望まれており、そのためには精密かつ高速な
記録媒体の送り機構が必要となる。上述の方式のうち、
送り速度変動時及び往復反転時の振動を低減し、機構自
体の耐久性を向上させる点で、（３）のリニアモータ方
式が有力であるが、リニアモータを使用する場合にはコ
イルを記録媒体と共に移動させなければならず、コイル
からのリード線及びフレキシブルケーブルを引きずって
動くことになる。

第５図はリニアモータ方式による情報記録再生装置の
従来例であり、２本の平行なガイド軸１は両端を取付部
材２により本体に固定され、光カードＣを搬送するシャ
トル３を摺動自在に支持している。シャトル３の下部に
は図示しないコイルが巻かれたボビンが取り付けられ、
コイルの内部を挿通するヨーク４と対になってリニアモ
ータを構成している。コイル両端からのリード線5a、5b
はシャトル３の下部に取り付けられ、断面Ｌ字形の固定
部材６に沿ってシャトル３の側部にまで導かれ、固定部
材６の鉛直面においてフレキシブルフラットケーブル７
に接続されている。フラットケーブル７は一端を固定部
材６の鉛直面に、他端を本体の接続コネクタ８に固定さ
れ、ガイド軸１に沿って片側方向にＵ字形となるように
曲げられている。

ここで、光カードＣの情報記録領域には、直線状の多
数本の情報トラックが平行に配列されており、情報トラ
ックとガイド軸１とが平行になるように、光カードＣを
保持したシャトル３がガイド軸１に沿って直線運動する
と、光ビームスポットが光カードＣの表面上を相対的に
連続移動する。なお、情報の記録又は再生はこの直線移
動時にのみ行われ、往復反転時には光ビームスポットは
情報トラックを横切る方向に移動して、引き続き他の情
報トラックに対して光ビームスポットが直線移動するこ
とになる。

しかしながら、このように往復直線運動を行う情報記
録再生装置では、片側方向にのみＵ字形に曲げられたフ
ラットケーブル７が、シャトル３の行きと帰りに微妙な
負荷の差を生じ、シャトル３が矢印Ａ方向に移動する際
の負荷は、矢印Ｂ方向に移動する際に比べて大きくな
る。従って、送り機構の精度を向上させる場合には、往
復反転時にコイルに流す電流のサーボ利得を切換える等
の処理が必要である。

［発明の目的］ 本発明の目的は、記録媒体とヘッド部とを相対的に往
復移動する際のフラットケーブルによる負荷が、移動方
向に依らずに常に一定であるような送り機構を有する情
報記録再生装置を提供することにある。

［発明の概要］ 上述の目的を達成するための本発明の要旨は、記録媒
体を保持する保持部材又はヘッド部を移動体として、該
移動体を２本の平行に配置したガイド軸に沿って往復移
動させることにより情報の記録再生を行う情報記録再生
装置において、前記移動体と装置本体との間を電気的に
接続する単一のケーブルを備え、該ケーブルは、長辺方
向のほぼ中央部分を前記移動体に取り付けると共に、前
記長辺方向の両端部を、前記移動体の往復移動のほぼ中
点に相当する個所で前記装置本体に取り付けることによ
り、前記移動体の往復移動の方向内で略対称形に配置し
たことを特徴とする情報記録再生装置である。

［発明の実施例］ 本発明を第１図〜第４図に図示の実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図〜第３図は第１の実施例を示し、第５図と同一
の符号は同一の部材を示すものとする。第１図におい
て、フレキシブルフラットケーブル９はループ状とさ
れ、固定部材６の鉛直面及び往復移動の中央付近に配置
された接続コネクタ８に固定され、ガイド軸１に沿って
両方向がＵ字形に曲げられている。第２図はフラットケ
ーブル９の展開図であり、帯状のフラットケーブル９の
両端には、同一方向に突出した端子部9a、9bが形成さ
れ、端子部9a、9bを揃えてフラットケーブルをループ状
とし、接続コネクタ８に接続するようになっている。ま
た、フラットケーブル９の中央部には、２本のリード線
5a、5bと接続する端子部9c、9dが形成され、更に端子部
9aと9cとを結ぶパターン線9e、及び端子部9bと9dとを結
ぶパターン線9fが形成されている。

第３図は往復運動時のフラットケーブル９の動作を示
し、（ａ）は中立位置にある状態であり、（ｂ）に示す
ようにシャトル３が矢印Ａ方向に移動する際には、フラ
ットケーブル９が接続コネクタ８に対してＡ方向へ移動
し、（ｃ）に示すようにシャトル３が矢印Ｂ方向に移動
する際にはフラットケーブル９はＢ方向へ移動する。し
かし、フラットケーブル９のループ形状はシャトル３が
ガイド軸１上のどの位置にあっても変らず、同形状を保
持しながら回転するように移動する。従って、フラット
ケーブル９の腰の強さにより生ずる移動時の負荷は移動
方向に依らずに一定なものとなり、送りサーボの利得を
切換える必要もなく、送り速度の精度を向上する上で有
利になる。

第４図は第２の実施例を示し、断面Ｌ字形の固定部材
６の代りに平板状の固定部材10が設けられ、フラットケ
ーブル９の端子部9c、9dが固定部材10の水平面に固定さ
れて、リード線5a、5bと接続され、更に接続コネクタ８
との接続方向も水平方向となっている。この場合のルー
プ形状は第１の実施例と同様であるが、往復運動方向を
軸として90゜回転させたものとなっており、フラットケ
ーブル９の下面を本体の底面と接触するように配置する
ことができるので、往復反転時に生ずるフラットケーブ
ル９の振動を抑制する効果がある。

また、本実施例では本発明を記録媒体の送り機構に対
して適用しているが、他の機構例えば記録再生ヘッドの
送り機構に対しても容易に応用することが可能である。
また、実施例ではフレキシブルフラットケーブルについ
て説明したが、必ずしもフラットケーブルである必要は
ない。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明に係る情報記録再生装置
は、記録媒体とヘッド部が相対的に往復移動する際に、
フラットケーブルにより生ずる負荷が移動方向に依存し
ないため、送り機構の精度を向上することが容易にな
り、高密度で高速な情報の記録再生が可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面第１図〜第４図は本発明に係る情報記録再生装置の
実施例を示し、第１図は第１の実施例の斜視図、第２図
はフレキシブルフラットケーブルの展開図、第３図は作
用説明図、第４図は第２の実施例の斜視図であり、第５
図は従来例の斜視図である。 符号１はガイド軸、３はシャトル、5a、5bはリード線、
６、10は固定部材、８は接続コネクタ、９はフレキシブ
ルフラットケーブルである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録媒体を保持する保持部材又はヘッド部
   を移動体として、該移動体を２本の平行に配置したガイ
   ド軸に沿って往復移動させることにより情報の記録再生
   を行う情報記録再生装置において、前記移動体と装置本
   体との間を電気的に接続する単一のケーブルを備え、該
   ケーブルは、長辺方向のほぼ中央部分を前記移動体に取
   り付けると共に、前記長辺方向の両端部を、前記移動体
   の往復移動のほぼ中点に相当する個所で前記装置本体に
   取り付けることにより、前記移動体の往復移動の方向内
   で略対称形に配置したことを特徴とする情報記録再生装
   置。