JP2724913B2 - 哺乳動物の生殖機能を.改良するための薬剤 - Google Patents

哺乳動物の生殖機能を.改良するための薬剤

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JP2724913B2 JP2502219A JP50221989A JP2724913B2 JP 2724913 B2 JP2724913 B2 JP 2724913B2 JP 2502219 A JP2502219 A JP 2502219A JP 50221989 A JP50221989 A JP 50221989A JP 2724913 B2 JP2724913 B2 JP 2724913B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は哺乳動物の生殖機能に関し、さらに詳しく
は、ビタミンD3、その活性形態1,25−ジドロキシビタミ
ンD3又はビタミンD様活性を示す化合物などのビタミン
D化合物を哺乳動物に投与することによって哺乳動物の
生殖機能を向上する薬剤に関する。
発明の背景及び概要 ビタミンDはカルシウム(Ca)及びPiの代謝に明らか
に重要であるけれども、その生殖、特に哺乳動物の生殖
における役割についてはわずかしか明らかにされていな
い。妊娠及び授乳中、ビタミンDのホルモン的に活性な
形である1,25−ジヒドロキシルビタミンDD3(1,25-(O
H)2D3)の合成速度及び血漿レベルが増加する。ビタミ
ンD欠乏のメスラットは生殖可能であるけれども、ビタ
ミンD欠乏は交配(mating)成功率及び妊性(fertilit
y)を低下させ、一腹仔数(litter size)及び新生児
(neonatal)成長も低下させることが知られている。し
かしながら、現在まで、オスの生殖機能にビタミンDが
必要かどうかを決める試みはなされていなかった。この
ことは、メスの生殖器官内に1,25-(OH)2D3のレセプター
が発見されているから、特に重要である。
このように、本開示によれば、ビタミンD欠乏の哺乳
動物メスは生殖可能であるけれども、哺乳動物オスのビ
タミンD欠乏はその交配成功率及び妊性を低下させるこ
とが見出された。その上、哺乳動物のオス及びメスの低
下した生殖機能はビタミンD3及び1,25-(OH)2D3並びにビ
タミンD様活性を有する化合物などのビタミンD化合物
の投与によって甚だしく改良されることが見出された。
発明の開示 本発明は哺乳動物の生殖機能を向上する薬剤であっ
て、哺乳動物にその妊性及び生殖能力を改良するのに十
分な量のビタミンD化合物を含んでなる薬剤である。さ
らに、本発明の好ましい実施態様は、哺乳動物の生殖機
能を改良する方法であって、哺乳動物にその妊性及び生
殖能力を改良するのに十分な量のビタミンD化合物を投
与することを含んでなる方法を含む。
ここで用いる用語「ビタミンD化合物」には、哺乳動
物の種々のビタミンD応答プロセス、すなわち、腸内カ
ルシウム吸収、骨の流動化、骨のミネラル化、及び細胞
分化の1つ以上をコントロールする化合物が包含され
る。したがって、本発明によって包含されるビタミンD
化合物にはコレカルシフェロール及びエルゴカルシフェ
ロール及びそれらの既知の代謝体並びにカルセミック
(calcemic)活性及び細胞分化活性を示す既知の合成コ
レカルシフェロール及びエルゴカルシフェノール類似体
が含まれる。これら合成コレカルシフェロール及びエル
ゴカルシフェロール類似体は5,6−トランス−コレカル
シフェロール類及び5,6−トランス−エルゴカルシフェ
ロール類、フルオリナトリオールコレカルシフェロール
類、側鎖同族化コレカルシフェロール類及び側鎖同族化
Δ22−コレカルシフェロール類、側鎖切断コレカルシフ
ェロール類、及び10,19−ジヒドロビタミンD化合物類
などの化合物類の範ちゅうからなる。そのような化合物
類の特定例にはビタミンD3、ビタミンD2、1α−ヒドロ
キシビタミンD3、1α−ヒドロキシビタミンD2、1α,2
5−ジヒドロキシビタミンD3、1α,25−ジヒドロキシビ
タミンD2、25−ヒドロキシビタミンD3、25−ヒドロキシ
ビタミンD2、24,24−ジフルオロ−25−ヒドロキシビタ
ミンD3、24,24−ジフルオロ−1α,25−ジヒドロキシビ
タミンD3、24−フルオロ−25−ヒドロキシビタミンD3
24−フルオロ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3、2
β−フルオロ−25−ヒドロキシビタミンD3、2β−フル
オロ−1α−ヒドロキシビタミンD3、2β−フルオロ−
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3、26,26,26,27,27,27
−ヘキサフルオロ−25−ヒドロキシビタミンD3、26,26,
26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1α,25−ジヒドロキシ
ビタミンD3、24,25−ジヒドロキシビタミンD3、1α,2
4,25−トリヒドロキシビタミンD3、25,26−ジヒドロキ
シビタミンD3、1α,25,26−トリヒドロキシビタミン
D3、23,25−ジヒドロキシビタミンD3、23,25,26−トリ
ヒドロキシビタミンD3、及び対応の1α−ヒドロキシル
化形、25−ヒドロキシビタミンD3−26,23−ラクトン及
びその1α−ヒドロキシル化誘導体、25−ヒドロキシビ
タミンD3及び1α,25−ジヒドロキシビタミンD3の側鎖
ノル、ジノル、トリノル及びテトラノル−類似体、1α
−ヒドロキシプレグナカルシフェロール、及びそのホモ
及びジホモ誘導体、1α,25−ジヒドロキシ−24−エピ
−ビタミンD2、24−ホモ−1,25−ジヒドロキシビタミン
D3、24−ジホモ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3、24−
トリホモ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3及び対応の1
α,25−ジヒドロキシビタミンD3の26−又は26,27−ホ
モ、ジホモ又はトリホモ類似体などのビタミンD代謝体
又は類似体を含む。
ビタミンD化合物又はそれらの他のビタミンD誘導体
又は他の治療剤との組み合わせは注射又は静脈注射によ
る無菌の非経口溶液、経口投薬の形での消化器官剤、又
は皮膚経由剤又は坐薬として容易に投与することができ
る。約1週間から約8カ月の間、ビタミンD化合物それ
自体又は他のビタミンD誘導体との組み合わせで、その
組み合わせの各化合物の割合は取り扱う哺乳動物そのも
の及び所望とする改良の程度に応じるが、それらを1日
当たり約0.1マイクログラムから約2mgの投薬量で投与す
ることは一般に本発明の実施に有効である。使用するビ
タミンD化合物の実際の量は臨界的のではないけれど
も、すべての場合十分な化合物を哺乳動物の妊性及び生
殖能力の改良に使用すべきである。上記ビタミンD化合
物またはそれとビタミンD誘導体との組み合わせの1日
当たり約2mgをこえる量は一般に所望の結果を達成する
のに不必要であり、経済的に正常な実施とはならないで
あろう。実際上、与えられたどの場合でも、その投与量
は投与される化合物、治療すべき哺乳動物、被治療体の
状態及び当業者が周知の薬剤の活性又は被治療体の感応
を変えるようなその他の関連の医学的要因に応じて調整
されると理解される。
化合物の投与形態は、当業者周知のように、毒性がな
く薬学的に許容される担体と組合わせて調整することが
できる。そのような担体は固体、液体のどちらでもよ
く、例えば、コーンスターチ、乳糖、しょ糖、ピーナッ
ツ油、オリーブ油、ごま油およびプロピレングリコール
などがある。もし固体の担体が使用されるならば、化合
物の投与形態はタブレット、カプセル、粉末、トローチ
または錠剤となろう。もし液体の担体が使用されるなら
ば、柔らかいゼラチンカプセル又はシロップ又は懸濁
液、乳濁液又は溶液が投与形態となろう。また、投与形
態には防腐剤、安定剤、湿潤剤、又は乳化剤、溶解助剤
などの佐薬が含まれることもあろう。また、その他の治
療学的に有効な物質が含まれることがあろう。
本発明を以下の例示的な実施例によってさらに詳細に
説明する。
実施例I メス、オス年令の適合したスプラグ・ダウレイ(Spra
gue Dawley)ラット(ハーラン・スプラグ・ダウレイ、
マジソン、ウイスコンシン(Harlan Sprauge Dawley,Ma
dison,WI)を乳離れ状態で入手しグループに分けた。す
べてのビタミンD欠乏(dificient)ラットは0.47%のC
aと0.3%のPiを含有する精製食餌で飼育した。ビタミン
D充足(replete)オス及メスの半分のグループはビタ
ミンD欠乏オスの場合と同じ食餌で飼育したが、1週間
に0.1mlのプロピレングリコール中の2μgのビタミンD
3(コレカルシフェロール)を簡単な腹膜内注射で与え
た。他の半分のビタミンD充足オス及メスのグループに
は標準の研究室けっ歯動物糧食(ウエイン・ロデント・
ブロックス、コンチネンタル・グレイン社、シカゴ、イ
リノイ(Wayne Ro−dent Blox,Continental Grain Co.,
Chicago,IL))を与えた。すべての動物は14時間照明、
10時間照明なしの照明サイクルで飼育した。ビタミンD
欠乏飼育室の光線は白熱光で、すべての紫外線潜在光線
源は皮膚による内部からのビタミンD生産の可能性を排
除するため除去した。
メスは生後約90日で性的に成熟していることを毎日の
膣脂膏(vaginal smears)によって確認した。それらの
メスは生後90日で交配させ、生後170日で再度交配させ
た。交配の方法は1ないし2匹のビタミンD充足メスと
1匹のビタミンD欠乏オス又はビタミンD充足オスを一
緒にすることであった。動物たちはメスが妊娠するまで
又は最大10日間一緒にしておいた。膣脂膏を毎朝採取
し、発情周期日について及び精子の存在、不在について
記録した。精子陽性の脂膏は交配成立の証拠と考え、妊
娠の初日を認定するのに用いた。交配に成功したメスた
ちは個別に固い底と木のかんな屑で覆った妊娠篭に入れ
た。妊娠した動物は毎日観察し、分娩時には一腹の子の
数を記録した。
予備的なデータ分析はオスのラットのビタミンD欠乏
はビタミンD充足のメスのラットとの交配成功率及び妊
性を非常に低下させることを示した。ビタミンD欠乏の
オスのラットの損なわれた生殖機能が可逆的なものであ
ったかどうかを決めるため、ビタミンD欠乏のオスのラ
ットをビタミンD充足のメスのラットとの交配後に2つ
のグループに分け、ビタミンDを与えた。1つのグルー
プには簡単な腹膜内注射によって1日当たりプロピレン
グリコール0.1ml中100ngの1,25-(OH)2D3を与えた。他の
グループには簡単な注射により1週間当たりプロピレン
グリコール0.1ml中のビタミンD3(コレカルシフェロー
ル)2μgを与えた。ビタミンD置換は第2回の交配ま
での3週間及び交配中行った。
第1回の交配前、第1回の交配後(ビタミンD置換直
前)及び第2回の交配前(ビタミンD置換開始後3週
間)に尾部出液により無作為血液試料を得た。血清試料
について全Ca及びPiを検定した。血清のCa濃度は0.1ml
の血清を1.9mlの0.1%LaCl3と組み合わせ、Ca濃度を自
動吸収スペクトロスコピィ(型式403、パーキン−エル
マー社、ノルウェーク、コネチカット(Model 403,Perk
in-Elmer Corp.,Nor-walk,CT))で測定して求めた。血
清のPi濃度は10μl血清について比色法により求めた。
ビタミンD欠乏動物がビタミンD欠乏であることを確
認するために、第1回の交配の終り(残余のビタミンD
欠乏動物にビタミンD処置の投与を始める直前)にオス
及びメスの瀉血から無作為血清試料を得た。これらの試
料は既に確立された方法で25−ヒドロキシビタミンD
3(25-OH-D3)及び1,25-(OH)2D3について分析した。
データは平均値±平均値の標準偏差で示す。統計的な
有意差は95%信頼度による割合と学生用両側t−検定
(Student′s twotailed t-test)との比較によって求
めた。
データの予備分析によってビタミンD欠乏食餌を与え
腹膜内注射でビタミンD補充をしたビタミンD充足動物
と標準研究用けっ歯動物食餌を与えたビタミンD充足動
物との間で得られた値に差が見られなかった。それゆえ
両方のビタミンD充足食餌グループ動物のすべてのデー
タは次の分析及び提示では統合した。
ビタミンD充足及びビタミンD欠乏動物の血清のCa及
びPi濃度を第1表に示す。血清のCa濃度はビタミンD不
足オスで有意に低かったが、血清のPiはビタミンD欠乏
には影響されなかった。ビタミンD不足オスは第1回の
交配前血清のCa濃度(5.1±0.5mg/100ml)がビタミンD
充足オスの血清のCa濃度(9.9±0.5mg/100ml)と比較し
て有意に低かった。交配後、処置前のビタミンD欠乏オ
スはビタミンD充足オスの血清のCa濃度(10.0±0.2mg/
100ml)よりも有意に低い血清のCa濃度(7.1±0.6mg/10
0ml)を有していた。ビタミンD欠乏オスについて、交
配後血清のCa濃度は同じ動物の交配前に得られた値に比
較して増加した。ビタミンD3又は1,25-(OH)2D3処置を受
けたビタミンD欠乏オスラットは、血清のCa及びPi濃度
がビタミンD充足オスラットの値と違わなかった。
ビタミンD充足オスからの血清は9±2ng/mlの25-OH-
D3と29±8pg/mlの1,25-(OH)2D3を含有し、一方ビタミン
D充足メスからの血清は12±2ng/mlの25-OH-D3と54±14
pg/mlの1,25-(OH)2D3を含有していた。ビタミンD欠乏
オスの血清は有意に低い水準の25-OH-D3(検出できず)
と1,25-(OH)2D3(10±4pg/ml)を有していた。25-OH-D3
に関して、これらの結果はビタミンD欠乏食餌を与えら
れた動物は事実ビタミンD欠乏であったことを証明して
いる。しかしながら、1,25-(OH)2D3検定には一定の検出
限界(低濃度検出限界は10pg/ml)があるので、これら
の動物がビタミンD欠乏であったことは明らかである。
オスラットのビタミンD欠乏の交配及び妊性に対する
総合的な影響は第2表に示す。妊性を定量化するため公
知の2つの比率(ハロラン・ビー・ピーおよびエイチ・
エフ・デルーカ(1980)ビタミンD不足のメスラットの
妊性及び生殖能力に対する効果(Halloran,B.P.and H.
F.DeLuca(1980)Effect of vitamin D deficiency on
fertolity and reproductive capacity in the female
rat)J.Nutr.110:1573-1580参照)、すなわち、交配率
(mating ratio)及び妊性率(fertility ratio)を用
いた。交配率は妊娠に至った(精子陽性脂膏)メスの総
数を全交配動物日数(total animaldays mated)(動物
数x各々のメスがオスに曝された日数)で割った値であ
る。妊性率は妊娠に至り、正常で健康な仔を生んだメス
の総数を全交配動物日数で割った値と定義する。正常で
健康な仔の出生はメスに妊娠及び分娩中何等余病のなか
ったことを証明している。交配率は交配の成功見込を測
定する試みであり、発情期間4−5日と想定して、理論
的な値は0.22-0.25となる。第2表から観測されたビタ
ミンD充足動物の交配率は0.20で理論値と合致した。ビ
タミンD欠乏動物では交配率は0.11で、ビタミンD欠乏
状態での交配成功見込がビタミンD充足状態でのそれの
約55%であったことを意味している。メスの受胎に成功
したオスの数はビタミンD欠乏状態で交配した総動物数
の73%であった。これはメスを受胎させたビタミンD充
足オスの数値と有意に相違し、ビタミンD充足オス全体
の90%が交配に成功した。
妊性率は交配及び妊娠の成功見込を定量化する手段を
提供する。妊性率は、もしそれぞれの交配が正常で健康
な仔の分娩結果となれば、交配率と等しくなる。ビタミ
ンD充足オスの交配の場合(第2表)、妊性率は交配率
より若干低く、異常な妊娠および分娩が僅かにあったこ
とを示している。ビタミンD欠乏オスの交配では妊性率
は0.04であった。これはビタミンD充足オスの交配率0.
15よりも非常に低く、ビタミンD欠乏オスが正常で健康
な仔が得られる妊娠になる受胎を与える見込はビタミン
D充足オスにより受胎したメスからの仔たちに観察され
た値の約27%であることを示している。これらの結果は
ビタミンD欠乏オスによって受胎したビタミンD充足メ
スの全妊性率がビタミンD充足オスによって受胎したビ
タミンD充足メスの妊性率と比較すると約73%低下した
ことを示している。
正常で健康な仔は妊娠及び分娩中何等余病(complica
tions)のなかったことを証明するメスから生れた。結
果的に妊性を低下させる妊娠及び分娩中の余病には胎児
の再吸収および偽妊娠、流産、出産までの母親野死亡及
び死産が含まれる。ビタミンD欠乏が正常で健康な仔の
出産を得る妊娠動物のパーセントに与える影響は第2表
に示す。ビタミンD不足オスからの受胎での正常で健康
な仔の出産を得る妊娠動物パーセントは40%であった。
これはビタミンD充足オスからの受胎による結果の妊娠
での正常で健康な仔の出産の場合(76%)とは有意に異
っていた。
ビタミンD欠乏オスにおけるビタミンD処置の交配及
び妊性に与える効果は第2表に示す。ビタミンD充足オ
スラットからの交配における交配率は理論値0.20-0.25
に適合する0.20であった。ビタミンD3を授与されたビタ
ミンD欠乏オスでは、交配率は0.24であり、1,25-(OH)2
D3を授与されたビタミンD欠乏オスでは、交配率は0.22
であり、ともに理論値に合致し、ビタミンD充足オスラ
ットと相違しなかった。メスとの交配に成功したビタミ
ンD充足オスの数は全交配数の87%であった。ビタミン
D3を充足されたビタミンD欠乏オスは94%が交配に成功
し、1,25-(OH)2D3を授与されたものは100%有効であっ
た。このように、ビタミンD充足オスと2種の形のビタ
ミンDを投与されたビタミンD欠乏オスとの間には交配
成功に有意な差はなかった。
ビタミンD3を授与されたビタミンD欠乏オスの妊性率
は0.12であり、1,25-(OH)2D3を授与されたビタミンD欠
乏オスでは、妊性率は0.07であり、ともにビタミンD充
足オスの妊性率0.11と有意な差はなかった。ビタミンD
充足オスラットの妊性率0.11は第1回の交配時の同じ動
物の妊性率0.15と差はなかった(第2表)。
結果として、ビタミンD欠乏オスラットは生殖可能で
あるけれども、その生殖機能の試験はビタミンDの欠如
は妊性及び生殖能力を低下させることを示した。
この実施例では、ビタミンD欠乏オスの血清の1,25-
(OH)2D3濃度は10±4pg/mlであることが見出された。こ
の値はビタミンD充足動物の血清の1,25-(OH)2D3濃度よ
り有意に低く、1,25-(OH)2D3検定の検出限界を試験する
ものであるけれども、これらの動物は必ずしも絶対的な
ビタミンD欠乏ではないと考えられる。血清ビタミンD
測定のために血液を抜き取った時、ビタミンD欠乏オス
の血清のCa濃度は交配前5.1±0.5mg/100mlから7.1±0.6
mg/100mlに上昇した。この増加はビタミンDによる汚染
に由来する可能性がある。ビタミンD欠乏オスは交配の
間10日間までビタミンD充足メスと同じ篭内に入れられ
ていたから、ビタミンDの転移(例えば、食糞、グルー
ミング)の可能性がある。しかしながら、血清の1,25-
(OH)2D3濃度が10±4pg/ml、血清の25-OH-D3の非検出レ
ベル及び血清のCa濃度が5.1mg/100mlの値であることか
らこれらの動物が事実極度にビタミンD不足であったこ
とは明らかである。
メスがある与えられた時間内でビタミンD欠乏オスラ
ットによって妊娠にもたらされる確率はビタミンD充足
オスラットで観察されたものの約55%であった。この理
由は毎日採取された膣脂膏の分析結果がメスたちが事実
正常な4−5日間の周期をもっていたことを示していた
から明らかではなかった。交配データの調査結果はメス
を受胎させたビタミンD欠乏状態のオスの数は交配させ
たビタミンD欠乏オスの全数の73%であったことを示し
た。これはビタミンD充足オスラットとは非常に異った
値であり、交配させたビタミンD充足オスの90%がメス
を受胎させている。
ビタミンD欠乏オスのビタミンD充足メスに正常で健
康な仔を出生させる受胎を与える確率は全妊娠数の40%
であった。これはビタミンD充足オスによってもたらさ
れた妊娠の76%が正常で健康な仔を出生させたビタミン
D充足オスの場合と有意に異っていた。この相違の理由
は主として妊娠中に異常な仔の原因となる多数の余病が
生じたことによる。ビタミンD欠乏メスラットの妊性及
び一腹仔数の低下は直接ビタミンD欠乏によって影響さ
れなくて、むしろビタミンD欠乏メスが体が小さかった
という事実の結果であると想定された。この実施例で
は、好結果の妊娠と分娩を維持したビタミンD充足メス
はビタミンD欠乏オスによる受胎とビタミンD充足オス
による受胎とも同じ大きさであった。ビタミンD欠乏オ
スで受胎したメスの一腹仔数は小さい傾向であったけれ
ども、両方のオスから受胎した一腹仔数に有意な相違は
見出されなかった。これらの観察結果は、ビタミンD充
足メスは同じだったから、妊娠及び分娩中に余病の増加
の可能性及び一腹仔数の低下は直接オスのビタミンD状
態に影響されたことを示唆している。
最も重要な知見はビタミンD3がオスラットの生殖能力
を3週間内で改良ないし回復することができることであ
る。そのように、ビタミンDの欠乏はビタミンA欠乏の
場合と異り不可逆的な不妊を生じさせるものではない。
また、1,25-(OH)2D3がこれらの生殖機能を回復させ得る
ことを記載するのは興味あることであり、1,25-(OH)2D3
が恐らくオスの生殖機能に活性なビタミンDの形である
ことを支持するものである。これらの結果はまたビタミ
ンDが直接的にこれらの機能に含まれるという考えを支
持する。
実施例II メス、オス年令の適合したスプラグ・ダウレイ(Spra
gue Dawley)ラット(ハーラン・スプラグ・ダウレイ、
マジソン、ウイスコンシン(Harlan Sprauge Dawley,Ma
dison,WI))を乳離れ状態で入手しグループに分けた。
ビタミンD欠乏メスは3つのグループに分けた。グルー
プ1のビタミンD欠乏メスは0.47%のCaと0.3%のPi
含有する精製食餌で飼育した。グループ2のビタミンD
不足メスは1,2%のCaと0.1%のPiを含有する食餌で飼育
した。グループ3のビタミンD欠乏メスは交配1週間ま
えまで0.94%のCaと0.1%のPiを含有する餌で飼育し、
その後グループ2のビタミンD欠乏メスと同じ餌に切り
替えて飼育した。ビタミンD充足オス及びメスの半分の
グループはグループ1のメスの場合と同じ食餌で飼育し
たが、1週間に0.1mlのプロピレングリコール中の2μ
gのビタミンD3(コレカルシフェロール)を簡単を腹腔
内注射で与えた。他の半分のビタミンD充足オス及メス
のグループは標準の研究室けっ歯動物糧食(ウエイン・
ロデント・ブロックス、コンチネンタル・グレイン社、
シカゴ、イリノイ(Wayne Rodent Blox,Continental Gr
ain Co.,Chicago,IL))で飼育した。動物たちは懸垂し
たワイヤー篭に住まわせ、14時間照明、10時間照明なし
の照明サイクルで飼育した。ビタミンD欠乏飼育室の光
線は白熱光で、すべての紫外線潜在光線源は皮膚による
内部からのビタミンD生産の可能性を排除するため除去
した。
メスは生後約90日で性的に成熟していることを毎日の
膣脂膏によって確認し、交配させた。それらの動物は生
後90日及びビタミンD欠乏メスにビタミンD処置を受け
させて後生後170日で再度交配させた。交配の方法は1
ないし3匹のビタミンD充足メス又はビタミンD欠乏メ
スを1匹のビタミンD充足オスと一緒にすることであっ
た。動物たちはメスが妊娠するまで又は最大10日間一緒
にしておいた。膣脂膏を毎朝採取し、発情周期の日につ
いて及び精子の存在、不在について記録した。精子陽性
の脂膏の交配成立の証拠と考え、妊娠の初日を認定する
のに用いた。交配に成功したメスたちは個別に固い底と
木のかんな屑で覆った妊娠篭に入れた。妊娠した動物は
毎日流産について観察し、分娩時には一腹の子の数を記
録した。
ビタミンD欠乏メスの弱められた生殖機能が可逆的で
あるかどうかを決めるため、グループ1のビタミンD欠
乏メスを第1回のビタミンD充足オスとの交配後2つの
グループに分け、ビタミンD処置を施した。第1のグル
ープには腹腔内注射によって1日当たりプロピレングリ
コール0.1ml中100ngの1,25−ジヒドロキシビタミンD
3(1,25-(OH)2D3)を与えた。第2のビタミンD処置グ
ループには腹腔内注射により1週間当たりプロピレング
リコール0.1ml中のビタミンD(コレカルシフェロー
ル)2μgを与えた。処置はそれらのビタミンD充足オ
スとの第2回の交配までの3週間及び交配中及び分娩ま
での妊娠期間中行った。
第1回の交配前、第1回の交配後(ビタミンD処置直
前)及び第2回の交配前(ビタミンD処置の投与開始後
3週間)に尾部出液により無作為血液試料を得た。血清
試料は全Ca及びPiについて検定した。血清のCa濃度は0.
1mlの血清を1.9mlの0.1% LaCl3と組み合わせ、Ca濃度
を自動吸収スペクトロスコピィ(型式403、パーキン−
エルマー社、ノルウォーク、コネチカット(Model 403,
Perkin-Elmer Corp.Nor−walk,CT))で測定して求め
た。血清の濃度は10μl血清について比色法により求め
た。
ビタミンD3欠乏動物が事実ビタミンD欠乏であること
を確認するために、第1回の交配の終り(ビタミンD投
与を始める直前)にオス及びメスの瀉血から無作為血清
試料を得た。これらの試料は既に確立された方法で25−
ヒドロキシコレカルシフェロール(25-OH-D3)及び1,25
-(OH)2D3について分析した。
データは平均値±平均値の標準偏差で示す。統計的な
有意差は95%信頼度による割合と学生用両側t−検定と
の比較によって求めた。
データの予備分析によってビタミンD欠乏食餌を与え
腹膜内注射でビタミンD補充をしたビタミンD充足動物
と標準研究用けっ歯動物食餌を与えたビタミンD充足動
物との間で得られた値に差が見られなかった。ビタミン
D充足オス及び両方の食餌グループからのメスのすべて
のデータは次の分析及び提示では統合した。
ビタミンD充足及びビタミンD欠乏動物の血清のCa及
びPi濃度を第3表に示す。グループ1のビタミンD欠乏
メスの血清のCa濃度(4.7±0.3mg/100ml)は第1回の交
配前のビタミンD充足メスの値(9.5±0.4mg/100ml)よ
りも有意に低かった。血清のPi濃度はグループ1のビタ
ミンD欠乏メス(9.6±1.8mg/100ml)がビタミンD充足
メス(6.9±0.6mg/100ml)に比較して有意に低かった。
グループ2のビタミンD欠乏メスの血清のCa濃度は第1
回の交配前のビタミンD充足メスと有意に相違していな
かったが、血清のPi濃度(1.4±0.2mg/100ml)はビタミ
ンD充足メスのそれ(6.9±0.6mg/100ml)よりも有意に
低かった。グループ3のビタミンD欠乏メスは第1回交
配前のビタミンD充足メスよりも有意に低い血清Ca濃度
(7.3±0.5mg/100ml)を有していた。グループ3のビタ
ミンD欠乏メスの血清のPi濃度はこの時点でビタミンD
充足メスとは有意は差がなかった。グループ3のビタミ
ンD欠乏メスの血清のCa濃度はグループ1ビタミンD欠
乏メスの血清のCa濃度よりも有意に高かった。
交配後(処置前)のグループ1からのビタミンD欠乏
メスはビタミンD充足メス(9.9±0.8mg/100ml)よりも
有意に低い血清のCa濃度(5.8±0.6mg/100ml)を有して
いたが、血清のPiはこの時有意は差はなかった。グルー
プ2及び3のビタミンD欠乏メスの血清のCa濃度はこの
時ビタミンD充足メスとは有意な差がなかった。第1回
の交配後グループ2のビタミンD欠乏メスの血清のPi
度(3.3±1.5mg/100ml)及びグループ3のビタミンD欠
乏メスのそれ(5.2±2.3mg/00ml)はビタミンD充足メ
スの値(8.6±1.0)よりも有意に低かった。
ビタミンD3又は1,25-(OH)2D3処置を受けたグループ1
のビタミンD欠乏メスでは、血清のCa及びPi濃度はビタ
ミンD充足メスラットのそれらと差がなかった。
血清のビタミンD代謝物濃度を第4表に示す。ビタミ
ンD充足メスからの血清は12±2ng/mlの25-OH-D3と54±
14pg/mlの1,25-(OH)2D3を含有していた。グループ1の
ビタミンD欠乏メスからの血清は非検出レベルの25-OH-
D3と10±4pg/mlの1,25-(OH)2D3を含有していた。グルー
プ2及び3のビタミンD欠乏メスでは25-OH-D3と1,25-
(OH)2D3の血清濃度は検出できなかった。25-OH-D3に関
しては、これらの結果はビタミンD欠乏食餌を与えられ
た動物が事実ビタミンD欠乏であったことを立証してい
る。しかしながら、1,25-(OH)2D3検定には一定の検出限
界(低濃度検出限界は10pg/ml)があるので、これらの
動物が絶対的にビタミンD欠乏であったと言うことはで
きない。
ビタミンD欠乏のメスラットの交配および妊性に対す
る全体的な効果を第5表に示す。妊性を定量化するた
め、実施例Iで定義した2つの比率、すなわち、交配率
と妊性率を使用した。交配率は交配の成功見込を測定す
る試みであり、発情期間4−5日と想定して、理論的な
値は0.22-0.25となる。第5表から観測されたビタミン
D充足動物の交配率は0.20で理論値と合致した。グルー
プの1ビタミンD欠乏メスでは交配率は0.14で、このビ
タミンD欠乏グループの交配成功見込がビタミンD充足
状態でのメスのそれの約70%であったことを示してい
る。グループ2のビタミンD欠乏グループでは、交配率
は0.08であり、このビタミンD欠乏グループの交配成功
見込がビタミンD充足状態でのメスのそれの約40%であ
ったことを意味している。グループ3のビタミンD欠乏
メスの交配率は0.11であり、このビタミンD欠乏メスの
グループの交配成功見込がビタミンD充足状態でのメス
のそれの55%であったことを示している。
妊性率は交配及び妊娠の成功見込を定量化する手段を
提供する。妊性率は、もしそれぞれの交配が正常で健康
な仔の分娩結果となれば、交配率と等しくなる。ビタミ
ンD充足メスの交配の場合(第5表)、妊性率は交配率
ょり若干低く、若干の異常な妊娠および分娩があったこ
とを示している。グループ1ビタミンD欠乏メスの交配
では妊性率は0.05であった。これはビタミンD充足メス
の交配率0.15よりも有意に低く、このビタミンD欠乏メ
スのグループの正常で健康な仔が得られる妊娠になる受
胎を与える見込はビタミンD充足メスからの仔たちに観
察された値の約33%であることを示している。グループ
2のビタミンD欠乏メスについては、正常で健康な仔は
なく、このビタミンD欠乏メスのグループは正常で健康
な仔の出生を得る見込のないことを示している。グルー
プ3のビタミンD欠乏メスの交配では妊性率は0.02であ
った。これはビタミンD充足メスの交配率0.15よりも有
意に低く、このビタミンD欠乏メスのグループの正常で
健康な仔が得られる妊娠になる受胎を与える見込はビタ
ミンD充足メスからの仔たちに観察された値の約13%で
あることを示している。これらの結果はメスがビタミン
D欠乏になると、食餌のカルシウム含有量又は血清のカ
ルシウム濃度に関係なく、全体的な妊性率が67-100%低
下したことを示す。
メスのビタミンD欠乏の一腹仔数に対する影響を第5
表に示す。ビタミンD充足メスの一腹当たりの仔の数は
12.6±3.3であった。グループ1のビタミンD欠乏メス
では平均一腹仔数は8.2±3.0で、グループ3のビタミン
D欠乏メスでは平均一腹仔数は7.9±4.0であった。グル
ープ2のビタミンD欠乏メスは正常で健康な仔の出生が
得られなかった。すべてのビタミンD欠乏メスの一腹仔
数はビタミンD充足メスからの一腹仔数よりも有意に少
なかった。
グループ1のビタミンD欠乏メスラットにおけるビタ
ミンD処置の交配及び妊性に対する効果を集約して第6
表に示す。ビタミンD充足メスラットではその交配率は
理論値0.20-0.25に適合する0.20であった。ビタミンD3
を授与されたビタミンD欠乏メスでは、交配率は0.24で
あり、1,25-(OH)2D3を授与されたビタミンD欠乏メスで
は、交配率は0.17であり、ともにビタミンD充足メスラ
ットと有意差はなかった。ビタミンD3を授与されたビタ
ミンD欠乏メスからの妊性率は0.09であり、1,25-(OH)2
D3を授与されたビタミンD欠乏メスからの妊性率は0.04
であり、ともにビタミンD充足メスラットと有意差はな
かった。ビタミンD充足オスラットの妊性率0.11は同じ
動物の第1回交配での妊性率0.15(第5表)と差はなか
った。ビタミンD充足メスとビタミンD処置を受けたビ
タミンD欠乏メスとの間で、妊娠動物の正常で健康な仔
を出生させたパーセント及び平均一腹仔数について有意
な差はなかった。
結果として、ビタミンD欠乏メスラットは生殖するこ
とはできるけれども、その生殖機能の試験はビタミンD
の欠如がビタミンD充足メスラットに比較して妊性及び
生殖能力を低下させることを示した。この実施例に報告
した実験は、メスラットのビタミンD欠乏が血清のCa濃
度に関係なく妊性及び生殖能力を低下させることを照明
している。この実施例はまたビタミンD3及び1,25-(OH)2
D3がこれらビタミンD欠乏動物の生殖機能を回復させ得
ることを示す。
グループ1のビタミンD欠乏メスの血清の1,25-(OH)2
D3濃度は10±4pg/mlであることが見出され、これらの動
物が絶対的なビタミンD欠乏ではないことを暗示してい
る。これらの値はビタミンD充足動物の血清の1,25-(O
H)2D3濃度より有意に低いけれども、1,25-(OH)2D3検定
の検出限界を試験するものであって、これらの動物が絶
対的なビタミンD欠乏であると言うことはできなくして
いる。しかし、ビタミンD欠乏動物に見出された1,25-
(OH)2D3のレベルは外部根源からのビタミンDによる汚
染を示す可能性がある。血清ビタミンD測定のために血
液を抜き取った時、ビタミンD欠乏メスの血清のCa濃度
は交配前4.7±0.3mg/100mlから5.8±0.6mg/100mlに上昇
した。ビタミンD欠乏メスは交配の間10日間までビタミ
ンD充足オスと同じ篭内に入れられていたから、ビタミ
ンDの転移(例えば、コプロファジー、グルーミング)
の可能性がある。しかしながら、血清の1,25-(OH)2D3
度が10±4pg/ml、血清の25-OH-D3の非検出レベル及び血
清のCa濃度が4.7mg/100mlの値であることからこれらの
動物が事実極度にビタミンD不足であったことは明らか
であった。
メスがある与えられた時間内でビタミンD欠乏オスラ
ットによって妊娠にもたらされる確率はビタミンD充足
オスラットで観察されたものの約55%であった。この理
由は明らかではないが、毎日採取した膣脂膏の分析結果
がメスたちが正常な4−5日間の周期をもっていたこと
を示したが、他方ビタミンD欠乏メスは正常な4−5日
間の周期をもっていなかった。
この実施例はビタミンD欠乏メスラットは生殖するこ
とはできるが、ビタミンDの不在はメスラットの生殖能
力及び妊性を低下させることを示した。またこの実施例
は交配成功及び妊性は血清のCa濃度に関係なくビタミン
D欠乏によって逆に影響されることを照明した。グルー
プ2のビタミンD欠乏メスは交配実験中ノルモカルセミ
ック(normocalcemic)であったが低リン酸塩血(hypop
hospha-temic)であった。これらの動物は明らかにくる
病であったし、その体の小さいことがその生殖失敗の一
因となったであろう。グループ3のビタミンD欠乏メス
はくる病ではなく、ずっとノルモカルセミックおよびノ
ルモホスフェーテミックで、その大きさ及び交配活性は
グループ1のビタミンD欠乏メスと匹敵した。しかしな
がら、グループ3のメスは正常な生殖機能を維持するこ
とができなった。これらの結果は明らかにノルモカルセ
ミアを有するビタミンD欠乏は交配成功と妊性をもたら
すことを示し、ビタミンD欠乏それ自体及びハイポカル
セミアでないことが直接原因であることを暗示してい
る。
結果はビタミンD充足メスに比較して妊性がビタミン
D欠乏のグループ1では約60%、グループ2では100%
そしてグループ3では84%それぞれ低下したことを示し
た。交配成功の確率の低下及び妊娠、分娩中の余病の確
率の増加は妊性の低下に関連するものであった。ビタミ
ンD欠乏メスの正常で健康な仔を生育する確率は全妊娠
数に対してグループ1で33%、グループ2で16%、グル
ープ3で0%であった。これは正常で健康な仔の出生が
全妊娠数の76%であったビタミンD充足メスによる妊娠
と有意に相違した。この相違の理由は主として異常な仔
の結果となる妊娠中の多数の余病の発生によるものであ
る。これらビタミンD欠乏メスにおいて妊娠、妊娠期間
及び分娩を上首尾に保ったことはビタミンD充足メスの
場合と同じであった。しかしながら、一腹仔数は明らか
に減少した。
ビタミンD欠乏メスの妊性及び一腹仔数の低下はビタ
ミンD欠乏によって直接的に影響されたものでなく、む
しろビタミンD欠乏メスが小さい体であった事実の結果
であることを示唆している。しかしながら、ビタミンD
の妊性及び一腹仔数に対する直接的な影響及び正常で健
康な仔の出生の見込を支持する証拠はビタミンD処理が
ビタミンD充足メスと有意な差がない正常で健康な仔及
び一腹仔数で終る妊娠メスのパーセントを回復させた事
実である。
発明を遂行する種々な様式が特に発明に関する首題を
指摘し、明白に主張した下記の請求の範囲の範囲内にあ
るものとして考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 J.Nutr.,110(8)(1980), P.1573−80 Comp,Biochem.Phys iol.,74A(4)(1983),P. 923−925 OIKOS,39(1982),P.71−76

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳動物のビタミンD応答プロセスの1つ
    以上をコントロールするビタミンD化合物を含んでなる
    ことを特徴とする哺乳動物の生殖機能を向上する薬剤。
  2. 【請求項2】前記ビタミンD化合物がビタミンD3、ビタ
    ミンD2、1α−ヒドロキシビタミンD3、1α−ヒドロキ
    シビタミンD2、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3、1
    α,25−ジヒドロキシビタミンD2、25−ヒドロキシビタ
    ミンD3、25−ヒドロキシビタミンD2、24,24−ジフルオ
    ロ−25−ヒドロキシビタミンD3、24,24−ジフルオロ−
    1α,25−ジヒドロキシビタミンD3、24−フルオロ−25
    −ヒドロキシビタミンD3、24−フルオロ−1α,25−ジ
    ヒドロキシビタミンD3、2β−フルオロ−25−ヒドロキ
    シビタミンD3、2β−フルオロ−1−ヒドロキシビタミ
    ンD2、2β−フルオロ−1α,25−ジヒドロキシビタミ
    ンD3、26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−25−ヒド
    ロキシビタミンD3、26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオ
    ロ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3、24,25−ジヒド
    ロキシビタミンD3、1α,24,25−トリヒドロキシビタミ
    ンD3、25,26−ジヒドロキシビタミンD3、1α,25,26−
    トリヒドロキシビタミンD3、23,25−ジヒドロキシビタ
    ミンD3、23,25,26−トリヒドロキシビタミンD3、及びそ
    れらの対応の1α−ヒドロキシル化形、25−ヒドロキシ
    ビタミンD3−26,23−ラクトン及びその1α−ヒドロキ
    シル化誘導体、25−ヒドロキシビタミンD3又は1α,25
    −ジヒドロキシビタミンD3の側鎖ノル、ジノル、トリノ
    ル又はテトラノル−類似体、1α−ヒドロキシプレグナ
    カルシフェロール及びそのホモ又はジホモ誘導体、1
    α,25−ジヒドロキシ−24−エピ−ビタミンD2、24−ホ
    モ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3、24−ジホモ−1,25
    −ジヒドロキシビタミンD3、24−トリホモ−1,25−ジヒ
    ドロキシビタミンD3、並びに1α,25−ジヒドロキシビ
    タミンD3の対応の26−又は26,27−ホモ、ジホモ又はト
    リホモ類似体からなる群から選ばれる請求項1記載の薬
    剤。
  3. 【請求項3】前記ビタミンD化合物がビタミンD3又は1,
    25−ジヒドロキシビタミンD3である請求項1記載の薬
    剤。
  4. 【請求項4】前記ビタミンD化合物が前記哺乳動物によ
    り摂取できかつ無毒性である液体ビヒクル中に存在し、
    経口的に投与されるための請求項1記載の薬剤。
  5. 【請求項5】前記ビタミンD化合物が、無毒性で薬学的
    に許容される担体と組み合わされる請求項1記載の薬
    剤。
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