JP2723133B2 - フープ材カッタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動プレス装置等に併設してスクラップの切
断処理をするフープ材カッターに関する。

従来の技術 動刃が揺動しつつ固定刃に離接してフープ材を切断す
る従来のフープ材カッターとしては、例えば本出願人が
開発した特公昭57−7856号公報に記載された発明が公知
である。このフープ材カッターの構造が比較的簡単なも
のであり、またこの種のフープ材カッターは、周知の通
り、これを自動プレス機に併設してスクラップの切断処
理をする場合に、カッターの作動が自動プレス機の本体
はもとより、材料、即ち、フープ材の送り動作等にも何
らの悪影響を及ぼさないことが望まれている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前記従来のフープ材カッターは動刃を
取り付けたラム全体が揺動するため高速切断時に振動が
生じやすいことにより、この振動がプレス機の精度維持
に悪影響を及ぼす場合がある。

よって本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであ
り、高速切断をしても振動が生じないフープ材カッター
の提供を目的とする。

問題を解決するための手段 上記目的を達成するため、本発明は、固定刃と、固定
刃に対して離接する動刃と、動刃を取りつけて摺動する
ラムと、ラムを揺動させつつ進退動させる偏心駆動手段
とからなるフープ材カッターにおいて、 動刃を取り付けて揺動しつつ進退動するラムの部分
と、ラムを揺動させつつ進退動させる偏心駆動手段とを
分離するとともに、偏心駆動手段とラムとの連結部にお
ける相互間を球面又は円柱面に形成し、球面又は円柱面
を介して回動自在に構成したことを特徴とするものであ
る。

作用 本発明によれば、ラムの部分と、偏心駆動手段とを分
離したことにより、ラムの重量が軽減され、ラムの揺動
及び進退動が容易になり、高速作用をしても振動が生じ
なくなる。

実施例 以下、本発明の実施例を図面とともに具体的に説明す
る。

図１は本発明の実施例を示すフープ材カッターの要部
の構成を断面にした図、図２は偏心駆動手段及びラム部
分の構成を示す平面図である。

図１において、６はフープ材カッター、７は駆動用の
モータであり、モータ７の上部には減速機８が設けら
れ、更に減速機８の上部には下盤10が固定されている。
モータ７の回転軸９は下盤10に設けられた軸受11を介し
て回転自在に軸支され、下盤10の上面に突出している。

下盤10の上方には上盤21が平行配置され、下盤10と上
盤21との間には、図２に示すように長方形の枠を形成す
るスペーサー20が固定され、その内側に、一端が球面ま
たは円柱面44に形成された動力伝達部43を有する偏心駆
動手段14が偏心カム16及び軸受17を介して偏心運動が可
能に設けられ、また偏心駆動手段14の動力伝達部43側に
は偏心駆動手段14にて揺動及び往復運動をさせられるラ
ム41が摺動自在に設けられている。

ラム41側には動力伝達部43の球面または円柱面44の形
状に対応する凹面45が形成され、凹面45に動力伝達部43
の球面または円柱面44を係合させるとともに球面または
円柱面44が凹面45から脱出しないようにかつ揺動可能に
カバー46にて抑えることにより連結している。

さらにラム41の両側面には短いスライダー42が取りつ
けられており、スライダー42とスペーサー20内側ガイド
面との間に摺動かつ揺動し得る適切な隙間を形成してい
る。またラム41の凹面45を形成した面の反対側の辺には
動刃18がボルト19にて固定されている。一方、動刃18に
対向する固定刃23が上盤21側（図１参照）にボルト24に
て固定されている。

動刃18の上面にはフープ材の供給口であるホッパー22
（図１参照）が動刃18とともに固定され、ホッパー22の
上部にはフープ材をガイドするホッパーカバー25が取り
付けられている。また、上盤21の上面にはラム41の摺動
面に対して溝32を介してグリースを供給するニップル30
が設けられている。

この構成のフープ材カッターは、モータ７の駆動にて
偏心カム16を回転することにより偏心駆動手段14が偏心
運動を開始する。この偏心運動は偏心駆動手段14の動力
伝達部43に形成した球面または円柱面44を介してラム41
を揺動させるとともに往復動させる。この場合、ラム41
に作用する力は偏心カム16の回転角度によりその方向が
変化するので、この力の方向変化がラム41に揺動運動を
励起させる。またスライダー42とスペーサー内側摺動面
との間には適当な隙間が設けられているので揺動及び往
復動には支障がない。しかも揺動しつつ往復運動をする
ラムは、偏心駆動手段14の動力伝達部43の球面または円
柱面44を介して偏心駆動手段14との間が分離されている
ので、ラム41の重量は従来のフープ材カッターに比べて
著しく減少しており、高速回転させても振動が少なく、
安定してフープ材を切断することができる。

発明の効果 本発明によれば、ラムと偏心駆動手段とを分離した構
成にしたことにより、ラムの重量を従来のフープ材カッ
ターに比べて著しく減少させることができる。これによ
りフープ材カッターに振動が生じなくなり、フープ材を
円滑に高速切断することが可能になるとともに、プレス
機の精度維持に悪影響を及ぼさなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のフープ材カッターの要部断面図、第２
図は偏心駆動手段及びラム部分の構成を示す平面図であ
る。 ６……フープ材カッター ７……モータ ８……減速機 ９……回転軸 10……下盤 11……軸受 14……偏心駆動手段 16……偏心カム 17……軸受 18……動刃 21……上盤 23……固定刃 41……ラム 42……スライダー 43……動力伝達部 44……球または円柱 45……凹面 46……カバー

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固定刃と、固定刃に対して離接する動刃
   と、動刃を取りつけて摺動するラムと、ラムを揺動させ
   つつ進退動させる偏心駆動手段を有するフープ材カッタ
   ーにおいて、 動刃を取り付けて揺動しつつ進退動するラムと、ラムを
   揺動させつつ進退動させる偏心駆動手段とを分離すると
   ともに、偏心駆動手段とラムとの相互間を回動自在に連
   結したことを特徴とするフープ材カッター。
2. 【請求項２】前記偏心駆動手段とラムとの連結部におけ
   る相互間を球面又は円柱面にて構成したことを特徴とす
   る請求項１記載のフープ材カッター。