JP2628688B2 - フープ材カッタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動プレス装置等に併設されるスクラップフ
ープ材処理用のフープ材カッタの改良に係り，特に高速
高負荷可能としたフープ材カッタに関する。

従来の技術 出願人の特公昭57−7846号等に記載された既知のフー
プ材カッタは，固定刃と，この固定刃に対して離接する
動刃と，動刃を取付けるラムと，ラムを駆動する偏心駆
動手段とを有する。このカッタではラムを直接偏心駆動
手段で駆動し，ラムと固定刃は動刃に対して偏心揺動的
に旋動する。このフープ材カッタは構造簡単であり，有
効にフープ材を切断する。

発明が解決しようとする問題点 上述のフープ材カッタはモータの駆動軸に取付けた偏
心カムで固定刃を固着するラムを直接駆動する。従っ
て，このカッタの故障はカム周辺の機構の摩耗損傷に集
中し，高負荷を作用させることが比較的困難である。

更に，ラムと固定刃との組立体は比較的大きな重量で
あり，これが偏心カムによって揺動するため高速作動に
際しての遠心力が大きく，振動を発生してフープ材を介
して自動プレス機に対して悪影響を生ずることがある。

本発明の目的は，上述の形式のフープ材カッタを提供
し，上述の欠点を克服し，摩耗損傷が少なく重負荷に耐
え，しかも高速作動に際して振動を生ずることのないフ
ープ材カッタとする。

問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するための，本発明によるフープ材
カッタは，固定刃と，この固定刃に対して離接する動刃
と，動刃を取付けるラムと，ラムを駆動する偏心駆動手
段とを備えてなるフープ材カッタにおいて，前記ラムの
摺動案内手段を設け，前記駆動手段が駆動源と，駆動歯
車列と，歯車列に駆動された２個の並列した偏心カム
と，偏心カムの揺動をラムの摺動運動に変換する手段と
を設けることによって構成する。

作用 上述の構成によって，固定刃を固着するラムは摺動運
動のみを行い，偏心カムを支承する伝達部材の重量は小
さいため，高速作動に際しての遠心力は小さく，振動が
自動プレス機に悪影響を生ずることはない。

更に，偏心カムを２個並列としてモータからの応力を
分散するため，従来の構造に比較して重負荷に耐えるこ
とは明らかである。

実施例 本発明を例示とした実施例並びに図面について説明す
る。

第１図はフープ材カッターの要部構成を示す一部断面
とした概要構成図である。６はフープ材カッター,7はモ
ータであり上部には減速機８を介して回転軸９を該減速
機８に固定した下盤10に軸受11,軸受止め12,オイルシー
ル13を介して可回動に挿通し，更に上部に突出させる。

固定下盤10上にはラム14が可摺動的に配置され回転軸
９から動力を伝達され，ラム14及び動力伝達機構の構成
については後述する。

ラム14の上部にはこのラムを可摺動に変位させること
が可能な上盤21が固定されて設けられており，ラムに取
付けられた動刃18に対向してホッパー22を固定して設
け，一方動刃18の下面に当接可能なように固定刃23がホ
ッパー22の裏面の上盤21下面にボルト24等の適当な手段
により固定されている。25はホッパーカバーである。ま
た30は上盤21のほぼ中央に設けた潤滑剤注入口31のニッ
プルであり,32は上盤21の適宜形状のグリース溝であ
る。

本発明によって，回転軸９の回転は直接偏心カムに伝
達せず，回転軸９に固着した歯車40から歯車41,42に伝
達し，第2,3図に示す通り歯車41,42を固着する軸43,44
に偏心カム45,46を夫々キー等によって固着する。偏心
カム45,46を軸受47,48を介して支承する伝達部材49,50
は球面又は円筒面軸受装置51,52によってラム14に連結
させる。

かくして，ラム14は偏心カム45,46に直接連結せず，
スペーサ20に対して摺動のみを行い，スライダ53によっ
て案内される。

球面又は円筒面軸受装置51は周知の構造とすることが
でき，図示の最も簡単な例は，ラム14に一体又は取付け
た凹面部54と，伝達部材49,50に一体又は取付けた凸面
部55と，ラム14に固定具56によって取付けたカバー57と
を有する。尚，歯車40,41,42はスペーサ20と下盤10との
間に介挿した第２のスペーサ58内に取付ける。軸受43,4
4は図示しない軸受を介して上盤21,下盤10に支承され
る。

発明の効果 本発明によって，モータ７の動力を歯車40,41,42を介
して偏心カム45,46に分割したことによって，動力伝達
機構に生ずる応力を分散し，摩耗等の損傷を著しく減少
することができる。

更に，ラム14は摺動のみを行う構造として，作動重量
の大部分を往復運動のみとし，偏心カム45,46による揺
動重量を著しく減少したため，高速作動に際して振動は
著しく少ない。このため，フープ材カッタの振動が自動
プレス機等に悪影響を生ずる惧れはなくなる。

従って，本発明によるフープ材カッタは，比較的簡単
な構造で，高負荷高速作動が可能であり，寿命が長く，
業界の要望に答え得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるフープ材カッタの構成を示す断面
図，第２図は第１図のカッタの一部を除去した平面図，
第３図はカッタの動力伝達機構の一部を示す図である。 ６……フープ材カッタ、７……モータ 9,43,44……回転軸、14……ラム、18……動刃 23……固定刃、40,41,42……歯車、45,46……偏心カム 49,50……伝達部材、51,52……球面軸受 53……スライダ、58……第２のスペーサ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固定刃と，この固定刃に対して離接する動
   刃と，動刃を取付けるラムと，ラムを駆動する偏心駆動
   手段とを備えてなるフープ材カッタにおいて， 前記ラムの摺動案内手段を設け， 前記駆動手段が駆動源と，駆動歯車列と，歯車列に駆動
   された２個の並列した偏心カムと、偏心カムの揺動をラ
   ムの摺動運動に変換する手段とを設けることによって構
   成したことを特徴とするフープ材カッタ。
2. 【請求項２】前記偏心カムの揺動をラムの摺動に変換す
   る手段が偏心カムを夫々支承する伝達部材と，伝達部材
   とラムとの間を連結する球面又は円筒面軸受とから成る
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のカッ
   タ。