JP2723089B2 - キャスタ - Google Patents

キャスタ

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JP2723089B2
JP2723089B2 JP7207258A JP20725895A JP2723089B2 JP 2723089 B2 JP2723089 B2 JP 2723089B2 JP 7207258 A JP7207258 A JP 7207258A JP 20725895 A JP20725895 A JP 20725895A JP 2723089 B2 JP2723089 B2 JP 2723089B2
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隆夫 菅野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフィスなどの椅
子に好適に適用されるキャスタに関する。
【0002】
【従来の技術】キャスタの適用対象の一つとして、脚の
下端にキャスタを備えた椅子がある。このようなキャス
タ付きの椅子は、床面上を極めて小さい抵抗で滑動する
ため、椅子を引いて着座したり、姿勢を変更したり、椅
子を移動させる場合などに極めて便利であり、オフィ
ス、家庭などにおいて広く常用されている。
【0003】ところで、オフィス等で使用されるキャス
タ付き椅子は、放射状に伸びる五本の脚羽根をもつタイ
プが増えてきている。しかし、脚による接地構造に基づ
いて前後方向に椅子の傾倒をひきおこしやすい、前脚後
脚をもつタイプおよび脚羽根が四本のタイプも未だ多
い。このような椅子では、着座状態で使用者が重心を前
後方向に移動させたときに、前脚又は後脚が浮いた後、
キャスタの滑動性が災いして重心が前脚又は後脚の真上
にある思案点を越える位置にまで椅子全体が急回動する
ことがあり、椅子もろとも使用者が前後方向に転倒しや
すい。
【0004】このような問題を解決するための、ある角
度椅子が傾くと接地する突起部をキャスタ本体に設け転
倒を防止しようといくつかの従来技術がある。図21に
従来技術の一例を示す。
【0005】キャスタは一般に、椅子の脚に軸着された
本体、および本体に本体を挾む形で軸着している2つの
車輪からなる。本体および車輪以外に肉薄のカバーを車
輪を覆うように本体に接着させることもある。図21に
示す従来技術は、キャスタに、肉薄の小板状のスリップ
防止用突起312を、車輪の車軸に対して椅子と軸着す
る軸がある側に、肉薄のカバー314に接着する形で設
けたものである。重心が思案点を超える角度にキャスタ
本体301が傾く前に、スリップ防止用突起312が床
面に接地して、椅子のそれ以上の傾倒を阻止し、転倒を
防止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし既存キャスタの
転倒対策は不十分で、前記従来技術においても、スリッ
プ防止用突起312は、車輪の車軸に対して椅子と軸着
する軸がある側にのみ設けられているにすぎない。一般
にキャスタは、転動方向すなわち重心の移動方向に対
し、車輪に挟まれた面を平行にし、本体を椅子に軸着す
る軸を車輪を本体に軸着する軸より後ろ側にしようとす
る指向性を持つ。この指向性に対して特定の方向にのみ
スリップ防止用突起を設けておけば充分であるという考
えに前記従来技術は基づく。ところが、キャスタは椅子
を特定の場所に配置して使用している間にどの方向に向
きを変えるかわからない。すなわち、前記指向性が機能
しない場合がありうる。特にキャスタが停止している場
合、指向性は機能し得ない。
【0007】椅子の前脚下端に添設された前記従来技術
のキャスタについてみると、スリップ防止用突起312
が車軸の車輪に対して椅子と軸着する側にある場合、す
なわちスリップ防止用突起312が椅子に座る人から見
て椅子の前脚より後方にある場合、椅子に座る人から見
て前方側への転倒を防止できない。同様に、椅子の後脚
下端に添設された場合についても、スリップ防止用突起
312が車軸の車輪に対して椅子と軸着する側にある場
合、すなわちスリップ防止用突起312が椅子に座る人
から見て椅子の後脚より前方にある場合、椅子に座る人
から見て後方への転倒を防止できない。
【0008】また、前記従来技術において、スリップ防
止用突起312はキャスタ本体301と一体ではなく、
肉薄のカバー314に接着された肉薄の小板である。こ
のためスリップ防止用突起312の剛性は低く、またス
リップ防止用突起312が支える偏荷重の負担がカバー
314とスリップ防止用突起312の接着部に集中する
ため、大きな偏荷重を支えることはできない。
【0009】また、椅子が傾いたときスリップ防止用突
起312が接地する部分はスリップ防止用突起312の
先端部分にすぎない。このため、スリップ防止用突起3
12が接地した後さらに偏荷重がかかり続けると、接地
する部分を支点にしてキャスタ全体がさらに回転し、し
たがって重心からの垂線上にスリップ防止用突起312
の接地する部分が位置しない状態となり、椅子自体も転
倒することになる。
【0010】また、キャスタ本体301の傾きの程度が
小さくてもスリップ防止用突起312が地面に接する。
このためカーペット上での使用時において、転動時にカ
ーペットの繊維を摩擦したり巻き込んだりしやすい。こ
のためカーペットを傷めやすく、キャスタの走行性もよ
くない。スリップ防止用突起312が先端部分だけで床
面に接する線接触に近い状態であることは、この短所を
いっそう強める。
【0011】本発明はこのような従来技術に鑑み、スリ
ップ防止用突起付き椅子キャスタであって、前方および
後方への転倒を共に防止でき、スリップ防止用突起の剛
性が高く、スリップ防止用突起の安定性が大きく、カー
ペット上での使用時に走行性がよくカーペットを傷めな
いという特徴をもつものを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、スリップ防止用突起を備えた本体ブロッ
クと、この本体ブロックに貫通させた軸と、この軸の両
端に装着された一対の車輪からなり、前記スリップ防止
用突起が、転動方向に向かって前方および後方の両方
に、前記本体ブロックと一体の形で、隙間を床面との間
に空けて、設けられていることを特徴とする。
【0013】また、前記スリップ防止用突起の接地面
が、円弧状または舟底型の接地面を持つことを特徴とす
る。
【0014】また、前記スリップ防止用突起と本体ブロ
ックの下面がなめらかに連続することを特徴とする。
【0015】本発明のキャスタを、たとえば椅子に適用
した場合について述べる。
【0016】椅子が水平であるとき、本体ブロックは接
地しない。車輪の車軸に対して椅子と軸着する軸がある
側のスリップ防止用突起およびその反対側のスリップ防
止用突起の双方について、スリップ防止用突起と床面と
の距離をほぼ同じに設定すれば、2つのスリップ防止用
突起を結ぶ線は水平となり、ほぼ一定の隙間がスリップ
防止用突起と床面の間に保たれる。
【0017】椅子が前後方向いずれかへ傾くと、本体ブ
ロックも車輪を軸着する車軸を中心として同じ角度回転
する。その傾きがある角度を超えると、本体ブロックの
両側のスリップ防止用突起のどちらかが接地する。椅子
とその使用者の重心が思案点を越える前にスリップ防止
用突起が接地するよう設定すると、椅子のそれ以上の傾
倒を防止できる。キャスタの運動方向の両側にスリップ
防止用突起が設けられているので、キャスタが前後どち
らに傾いた場合にも椅子の転倒は防止される。
【0018】スリップ防止用突起と本体ブロックが一体
であるため、スリップ防止用突起が支える荷重は本体ブ
ロック全体が支えることとなり、本体ブロック内の特定
部位に力の負荷が集中することはない。したがってスリ
ップ防止用突起の剛性が向上し、椅子が傾いた場合の大
きな偏荷重に耐えうる。
【0019】スリップ防止用突起の側断面を円弧状また
は舟底型にしておけば、接地した後さらに偏荷重がかか
り続けたとしても、椅子が完全に横転しない限り重心か
らの垂線上にスリップ防止用突起のいずれかの部分が接
地し、ある角度を境に急に椅子がバランスを崩して転倒
することはない。また、スリップ防止用突起と本体ブロ
ックの下面がなめらかに連続することとあいまって、カ
ーペット上での使用時にカーペットを擦過する可能性が
ある尖った形状の部分がキャスタにない。このため、ス
リップ防止用突起と床面の間に十分な隙間があることと
あいまって、キャスタによるカーペットに対する摩擦や
繊維巻き込みが減少する。
【0020】なお、スリップ防止用突起に、例えば樹脂
を材質としたスリップストッパを設けることも好まし
い。このようにすれば、平滑な石板または木板などの床
上でも椅子の転倒を確実に防止することができる。
【0021】以上のように、本発明のキャスタは、キャ
スタの運動方向の両側にスリップ防止用突起が設けられ
ているので、キャスタが前後どちらに傾いた場合にも椅
子等の転倒を防止することができる。また本体ブロック
とスリップ防止用突起が一体であるため、本体ブロック
内の特定部位に力の負荷が集中せずスリップ防止用突起
の剛性が向上し、スリップ防止用突起を大きな偏荷重に
耐えうるものにできる。スリップ防止用突起の両端の側
断面を円弧状としたばあいには、ある角度の回転を境に
急に椅子がバランスを崩すことがなく、また、スリップ
防止用突起と本体ブロックの下面をなめらかに連続させ
たばあいにはスリップ防止用突起と床面の間に十分な隙
間があることとあいまって、カーペット上での使用時に
おけるカーペットに対する摩擦や繊維巻き込みが減少
し、カーペットを有効に保護しながら高い走行性能を保
つ。
【0022】すなわち、本発明のキャスタにより、前方
および後方への転倒を共に防止でき、スリップ防止用突
起の剛性が高く、スリップ防止用突起の安定性が大き
く、カーペットを有効に保護しながら高い走行性能を保
つという効果が奏される。
【0023】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>以下、本発明の第1実施形態を、図1
〜図10を参照して説明する。
【0024】図1に示すキャスタAは、スリップ防止用
突起12を備えた本体ブロック1と、本体ブロック1に
軸着される車輪2からなり、スリップ防止用突起12
が、本体ブロック1の前方および後方両面に一体になる
ように突設され、車輪2が、本体ブロック1およびスリ
ップ防止用突起12が床面Fから離れるように本体ブロ
ック1の下面から少なくとも一部突出して設けられてな
ることを特徴とする。
【0025】本体ブロック1は硬質樹脂で成形される。
【0026】本体ブロック1の側面形状は、図1〜図6
に示すように、椅子Bに接する上部が狭く床面Fに接す
る下部が広く、上に凸の山状の曲線と、アーチ状の円弧
を二本の線分が挟む底辺からなる。前記曲線の頂点は底
辺を二等分したところよりやや後ろにある。前記アーチ
状円弧の中心は本体ブロック1の頂点からの垂線の延長
上にあり、孔21aが前記アーチ状の円弧に外接するよ
うに穿設されている。前記曲線の中央部には、この孔2
1aと中心を共有し車輪2より直径がわずかに大きい、
本体ブロック下面で一部を切られたほぼ円に近い弧があ
り、これは車輪はめこみ部1aとなる。
【0027】本体ブロック1の正面形状は角の部分が丸
まった長方形であり、内部構造は樹脂で成形された外郭
とリブ骨格である。車輪はめ込み部1aのみ両側が車輪
2の幅寸法相当分だけせばまり、リブ骨格がむきだしと
なる。
【0028】本体ブロック1の底辺を二等分した点を挟
んで本体ブロック1の頂点と逆側に、垂直方向で高さが
本体ブロック1の頂点に等しいかやや高い煙突状のボス
部11bが、孔11aを中に穿設する形で突設され、孔
11aを貫く取り付け用ネジ11により、本体ブロック
1は椅子Bの脚下端に水平旋回可能に軸着・添設され
る。
【0029】車輪2は、本体ブロック1にほぼ等しい高
さで、本体ブロック1の外側に表出する側は本体ブロッ
ク1になめらかに連続するよう曲率の小さい球面となっ
ている。本体ブロック1には孔21aが設けられ、車輪
2は孔21aを貫く軸21の両端に一対に装着されて
体ブロック1に軸着される。
【0030】本体ブロック1の両すそはややすぼまって
おり、前端と後端は底面の平面となめらかに連続する小
さな円弧である。すなわち接地可能な面に着目するとそ
り状になっている。この部分が床面Fに近接して配置さ
れるスリップ防止用突起12である。すなわち、スリッ
プ防止用突起12は、本体ブロック1に設けた切欠部1
bに一体的に、かつ本体ブロック1の前後壁面および下
面よりもわずかに突出させて、ウレタンバンパー12a
を取着することにより構成したもので、具体的には図
7、8に示すように、前記切欠部1bから垂下させた小
軸12bにウレタンバンパー12aに設けた孔12cを
さしこみ小軸12bの先端を熱で溶かしてかしめること
により固設されている。車輪2の直径は本体ブロック1
の高さにほぼ等しいため、車輪2により本体ブロック1
を水平状態に支持したとき、本体ブロック1の下面と床
面Fの間に、最も狭い箇所すなわちスリップ防止用突起
12と床面Fの間で約5mmの隙間Sが空くよう、また、
本体ブロック1が車軸21を回転の中心として水平な状
態から図9に示すように角度ψ1または角度ψ2(約6
〜8度)それぞれのスリップ防止用突起の方向へ傾いた
ときこのスリップ防止用突起12が初めて床面Fに接す
るよう、設定されている。
【0031】このように、本実施形態のキャスタAは、
転動方向の両側にスリップ防止用突起12が設けられて
いるので、本体ブロック1が車輪2の転動方向に向かっ
て前および後のどちらに傾いた場合にも、車輪2の必要
以上の滑動をスリップ防止用突起12によって阻止し、
椅子Bの転倒を防止することができる。
【0032】つまり、図10を参照して、椅子Bの前脚
下端に添設された本実施形態のキャスタAについてみる
と、キャスタA本体を椅子Bに軸着する取り付け用ネジ
11等が車輪を本体に軸着する車軸21よりも、後側に
ある場合にも、前側にある場合にも、椅子Bに座る人か
ら見て前方側への転倒を防止できる。同様に、椅子Bの
後脚下端に添設された本実施形態のキャスタAについて
も、キャスタA本体を椅子Bに軸着する取り付け用ネジ
11等が車輪を本体に軸着する車軸21よりも、後側に
ある場合にも、前側にある場合にも、椅子Bに座る人か
ら見て後方側への転倒を防止できる。
【0033】特に、スリップ防止用突起12と本体ブロ
ック1が一体であるため、スリップ防止用突起12が支
える荷重は本体ブロック1全体が支えることとなり、本
体ブロック1の特定部位に力の負荷が集中することはな
い。したがってスリップ防止用突起12の剛性が向上
し、大きな偏荷重に耐えうる。
【0034】スリップ防止用突起12の側断面は円弧状
であるので、接地した後さらに偏荷重がかかり続けたと
しても、椅子Bが完全に横転しない限り重心からの垂線
上にスリップ防止用突起12のいずれかの部分が接地
し、ある角度の回転を境に急に椅子Bがバランスを崩す
ことはない。また、スリップ防止用突起12と本体ブロ
ック1の下面がなめらかに連続することとあいまって、
カーペット上での使用時にカーペットを擦過する可能性
のある尖った形状の部分がキャスタAにない。このた
め、スリップ防止用突起12と床面Fの間に十分な隙間
Sがあることとあいまって、キャスタAによるカーペッ
トに対する摩擦や繊維巻き込みが減少する。
【0035】また、スリップ防止用突起12にウレタン
バンパー12aを設けているので、平滑な石や木の床上
での使用時にも、椅子Bの転倒を確実に防止できる。
【0036】<第2実施形態>図11に示すキャスタa
は、本体ブロック101および車輪102からなる。
【0037】本体ブロック101は硬質樹脂で成形さ
れ、形状は、正面が、接地可能な下部がやや厚い以外は
一定の厚さ、側面が、椅子Bに接する上部が狭く床面F
に接する下部が広い台形状をなす。台形の中央よりやや
外れた位置にある椅子B脚下端への添設部分から、垂直
方向に孔111aが穿設され、孔111aを貫く取り付
け用ネジ111により、本体ブロック101は椅子Bの
脚に水平旋回可能に軸着されている。
【0038】また、前記孔111aより水平方向にやや
偏位して、本体ブロック101の側面から反対側の側面
に孔121aが水平方向に穿設され、その孔121aを
貫く車軸121により、本体ブロック101を挾む形で
車輪102が2個本体ブロック101に軸着されてい
る。
【0039】本体ブロック101のうち車輪102の進
行方向に向かって前端および後端の下面は前方および後
方に本体ブロック101からやや膨出させて形成されて
いるとともに、床面Fに近接して配置され、スリップ防
止用突起112としての機能を付与されている。スリッ
プ防止用突起112を側面から見ると、円弧状となって
いる。
【0040】車輪102の直径は本体ブロック101の
高さにほぼ等しく、車輪102により本体ブロック10
1を水平状態に支持したとき、本体ブロック101の下
面と床面Fの間に、最も狭い箇所すなわちスリップ防止
用突起112と床面Fの間で約7mmの隙間Sが空くよ
う、また、本体ブロック101が車軸121を回転の中
心として水平な状態から角度ψ3または角度ψ4(約1
0〜13度)それぞれのスリップ防止用突起の方向へ傾
いたときスリップ防止用突起112が初めて床面Fに接
するよう、設定されている。
【0041】このように、本実施形態のキャスタaは、
転動方向の両側にスリップ防止用突起112が設けられ
ているので、本体ブロック101が車輪102の転動方
向に向かって前および後のどちらに傾いた場合にも、車
輪102の必要以上の滑動をスリップ防止用突起112
によって阻止し、椅子Bの転倒を防止することができ
る。
【0042】つまり、椅子Bの前脚下端に添設された本
実施形態のキャスタaについてみると、キャスタa本体
を椅子Bに軸着する取り付け用ネジ111が車輪を本体
に軸着する車軸121よりも、後側にある場合にも、前
側にある場合にも、椅子Bに座る人から見て前方側への
転倒を防止できる。同様に、椅子Bの後脚下端に添設さ
れた本実施形態のキャスタaについても、キャスタa本
体を椅子Bに軸着する取り付け用ネジ111が車輪を本
体に軸着する車軸121よりも、後側にある場合にも、
前側にある場合にも、椅子Bに座る人から見て後方側へ
の転倒を防止できる。
【0043】特に、スリップ防止用突起112と本体ブ
ロック101が一体であるため、スリップ防止用突起1
12が支える荷重は本体ブロック101全体が支えるこ
ととなり、本体ブロック101の特定部位に力の負荷が
集中することはない。したがってスリップ防止用突起1
12の剛性が向上し、大きな偏荷重に耐えうる。
【0044】スリップ防止用突起112の側断面は円弧
状であるので、接地した後さらに偏荷重がかかり続けた
としても、椅子Bが完全に横転しない限り重心からの垂
線上にスリップ防止用突起112のいずれかの部分が接
地し、ある角度の回転を境に急に椅子Bがバランスを崩
すことはない。また、スリップ防止用突起112と本体
ブロック101の下面がなめらかに連続することとあい
まって、カーペット上での使用時にカーペットを擦過す
る可能性のある尖った形状の部分がキャスタaにない。
このため、スリップ防止用突起と床面Fの間に十分な隙
間Sがあることとあいまって、キャスタaによるカーペ
ットに対する摩擦や繊維巻き込みが減少する。
【0045】なお、各部の具体的な構成や断面形状は前
記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範
囲で種々の変形が可能である。たとえば、図19に示す
ように、舟底状スリップ防止用突起212を採用するこ
とも好ましい。このようにすれば、円弧状スリップ防止
用突起112を採用した場合と同様な効果が得られる。
また舟底状スリップ防止用突起212は側断面の曲率が
小さく、本体ブロック101が傾いたとき水平に戻ろう
とする性質が円弧状スリップ防止用突起112より大き
い。
【0046】また、図20のように、スリップ防止用突
起212に樹脂製のスリップストッパ113を設けるこ
とも好ましい。このようにすれば、平滑な石や木の床上
での使用時にも、椅子Bの転倒を確実に防止することが
できる。
【0047】また、本発明のキャスタは、椅子以外の家
具にも、もちろんん適用することができる。
【0048】以上のように、本発明のキャスタは、キャ
スタの運動方向の両側にスリップ防止用突起が設けられ
ているので、キャスタが前後どちらに傾いた場合にも椅
子等の転倒を防止することができる。また本体ブロック
とスリップ防止用突起が一体であるため、本体ブロック
内の特定部位に力の負荷が集中せずスリップ防止用突起
の剛性が向上し、スリップ防止用突起を大きな偏荷重に
耐えうるものにできる。スリップ防止用突起の両端の側
断面が円弧状であるため、ある角度の回転を境に急に椅
子がバランスを崩すことがなく、また、スリップ防止用
突起と本体ブロックの下面がなめらかに連続することお
よびスリップ防止用突起と床面の間に十分な隙間がある
こととあいまって、カーペット上での使用時におけるカ
ーペットに対する摩擦や繊維巻き込みが減少し、カーペ
ットを有効に保護しながら高い走行性能を保つ。
【0049】すなわち、本発明のキャスタにより、前方
および後方への転倒を共に防止でき、スリップ防止用突
起の剛性が高く、スリップ防止用突起の安定性が大き
く、カーペットを有効に保護しながら高い走行性能を保
つという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図。
【図2】同実施形態を前脚と後脚をもつ椅子にとりつけ
た様子を示す側面図。
【図3】同実施形態の側面図。
【図4】同実施形態の本体ブロックの側面図。
【図5】同実施形態の平面図。
【図6】同実施形態の正面図。
【図7】同実施形態の底面図。
【図8】同実施形態の部分拡大図。
【図9】同実施形態のキャスタが傾いた状態を示す側面
図。
【図10】同実施形態のキャスタを適用した椅子が前方
に転倒しようとする状態を示す側面図。
【図11】本発明の第2実施形態を示す斜視図。
【図12】同実施形態を前脚と後脚をもつ椅子にとりつ
けた様子を示す側面図。
【図13】同実施形態の側面図。
【図14】同実施形態の本体ブロックの側面図。
【図15】同実施形態の平面図。
【図16】同実施形態の正面図。
【図17】同実施形態のキャスタが傾いた状態を示す側
面図。
【図18】同実施形態のキャスタを適用した椅子が前方
に転倒しようとする状態を示す側面図。
【図19】本発明の他の実施形態である、舟底状スリッ
プ防止用突起を有するキャスタの側面図。
【図20】本発明のさらに他の実施形態である、樹脂製
のスリップストッパを備えたスリップ防止用突起を有す
るキャスタの側面図。
【図21】従来例を示す図3に対応した図。
【符号の説明】
1、101…本体ブロック 12、112…スリップ防止用突起 13、113…スリップストッパ 2、102…車輪 A、a…キャスタ F…床面 S…隙間

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スリップ防止用突起を備えた本体ブロック
    と、この本体ブロックに貫通させた軸と、この軸の両端
    に装着された一対の車輪からなり、前記スリップ防止用
    突起が、転動方向に向かって前方および後方の両方に、
    前記本体ブロックと一体の形で、隙間を床面との間に空
    けて、設けられていることを特徴とするキャスタ。
  2. 【請求項2】前記スリップ防止用突起の側断面が円弧状
    である請求項1記載のキャスタ。
  3. 【請求項3】前記スリップ防止用突起の側断面が舟底型
    である請求項1記載のキャスタ。
  4. 【請求項4】前記スリップ防止用突起と前記本体ブロッ
    クの下面がなめらかに連続する請求項1、2または3記
    載のキャスタ。
  5. 【請求項5】前記スリップ防止用突起が樹脂を材質とす
    るスリップストッパを持つ請求項1、2、3または4記
    載のキャスタ。
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