JP2723040B2 - 黒板の枠材取付構造 - Google Patents

黒板の枠材取付構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラッシュ構造をなす
黒板本体に簡単かつ適切に枠材を取付けることができる
ようにした黒板(ホワイトボードを含む)の枠材取付構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の黒板は、図8に示すように、その
黒板本体aが、コアbの周縁に木製のフレームcを配設
しコアbおよびフレームcの両面に面板d、eを添設し
てなるのが一般的である。そして、その枠材取付構造
は、黒板本体aの端面に表出したフレームcを覆うよう
にして枠材fを配設し、該枠材fに木ねじgを挿通して
黒板本体aのフレームcに端面側から定着するようにし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近時、図9
に示すように、黒板本体aのコアbの両面に面板d、e
を添設しただけでフレームを省いたフラッシュ構造のも
のを採用することが新たに考えられている。このような
構造を採用できれば、従来の黒板に比べて構造の簡略化
や軽量化が図れる可能性がある。
【0004】ところが、このようなフラッシュ構造の黒
板本体aを採用すると、枠材fの取付構造が問題にな
る。すなわち、図8に示した従来の場合と異なり、図9
の黒板本体aはその端面に脆弱で腰のないコアbが露出
した状態になるため、そのコアbに従来と同様にしてね
じgを打ち込んでも、ねじgがコアbに定着せず、枠材
fを黒板本体aに有効に固定することができない。した
がって、かかるフラッシュ構造の黒板においては、枠材
fの取付構造に工夫を凝らすことが不可欠になる。この
ような課題に加え、図8、図9に示す枠材取付構造は、
黒板本体aを面に垂直な軸回りに回転させながら四辺の
端面に順次ねじ止め作業を施す必要があるため、作業が
煩雑な上に、自動化を図ることにも問題が多かった。
【0005】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、黒板本体にフラッシュ構造を採用して
も、枠材を簡単かつ適切に取付けることができるように
した黒板の枠材取付構造を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような構成を採用したものであ
る。
【0007】すなわち、本発明に係る黒板の枠材取付構
造は、コアの両面に面板を添設してなるフラッシュ構造
の黒板本体に対し、その周縁に沿って枠材を取付ける取
付構造である。前記枠材は、黒板本体の端面に対向する
位置に配設される第1の壁体と、黒板本体の一方の面板
に対向する位置に配設される第2の壁体と、黒板本体の
他方の面板に対向する位置に配設される第3の壁体とを
弾性のある部材により一体成形した略チャンネル状のも
のであり、第2の壁体はさらに一方の面板に当接する内
壁部およびその内壁部を外側から覆うように迂回して先
端のみを一方の面板に弾接させる外壁部を備え、第3の
壁体は他方の面板に当接する止着壁部を少なくとも具備
その止着壁部に、先端のみを他方の面板に弾接させ
る折曲縁部を連設し、止着壁部を面板に略垂直な方向か
ら止着するねじを介して他方の面板に定着させて、前記
外壁部の先端と前記折曲縁部の先端とをそれぞれの面板
表面に密着させてなることを特徴とする。
【0008】このように、止着壁部に、先端のみを面板
に弾接させる折曲縁部を連設していることが、取付状態
を更に良好なものにするためには有効となる
【0009】取付時の見栄えを向上させるためには、止
着壁部が、その外面を溝底とする長手方向に沿った溝を
有し、その溝にねじを隠蔽するカバーを着脱可能に係合
させていることが望ましい。
【0010】
【作用】このような取付構造において、黒板本体の周縁
に枠材を取付けるにあたり、第2の壁体と第3の壁体の
間を指等により拡開方向に付勢すると、第2の壁体と第
3の壁体は第1の壁体にチャンネル状に連設されている
ため、それらの間が部材の弾性により押し開かれる。そ
のため、その隙間部分を黒板本体の周縁に外側から嵌装
することができる。次に、枠材に加えていた力を取り去
ると、第2の壁体と第3の壁体が互いに近付く方向へ弾
性復元するので、それに伴って第2の壁体の内壁部全体
が一方の面板に当接し、第3の壁体の止着壁部全体が他
方の面板に当接するとともに、前記第2の壁体の外壁部
の先端が内壁部を迂回した位置において当該一方の面板
に部分的に弾接する。この状態においては、枠材は内壁
部と止着壁部によって黒板本体を左右から挾持した状態
で該黒板本体に保持されるとともに、第2の壁体の外壁
部がその挾持力を補強する作用を営む。そのため、止着
壁部をねじを介して面板に定着したとき、黒板本体が止
着壁部側に引き寄せられて一方の面板と内壁部との当接
状態が若干浅くなるような事があっても、外壁部の存在
により第2の壁体の面板への適切な添設状態が維持さ
れ、第2の壁体のみが外れ、あるいは位置づれを起こす
不具合が防止される。したがって、本発明は黒板本体が
フラッシュ構造をなしていても、他方の面板にねじを適
用するだけで、枠材全体を黒板本体に確実に固定できる
ものとなる。
【0011】その上、このような取付構造であると、
は全て他方の面板側において同一方向から止着される
のみとなり、黒板本体を回転させる等といった必要がな
い。そのため、締着に係る作業効率を従来に比べて格段
向上させることができ、ロボット等を通じて自動化を図
ることも容易になる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図7を参
照して説明する。
【0013】この実施例に係る黒板の枠材取付構造は、
図1に示すように、黒板本体1の周縁に沿って枠材2を
装着し、その枠材2を木ねじ3を介して黒板本体1に止
着するとともに、枠材2にカバー4を装着することによ
り取付けが完了される。
【0014】黒板本体1は、図2および図3に示すよう
に、例えばハニカム状のペーパコア11の両面に面板1
2、13を貼着したフラッシュ構造をなすもので、黒板
本体1の上下端面1aおよび側端面1bには従来のよう
な木製のフレームは設けられておらず、コア11が直接
端部に露出した状態にある。
【0015】枠材2は、図1に示すように、上下の横枠
21と、左右の縦枠22と、四隅のコーナーキャップ2
3とから構成されている。
【0016】横枠21は、図2に示すように、黒板本体
1の上下端面1aに対向する位置に配設される第1の壁
体211と、黒板本体1の一方の面板12に対向する位
置に配設される第2の壁体212と、黒板本体1の他方
の面板13に対向する位置に配設される第3の壁体21
3とを樹脂により一体成形した略チャンネル状のもので
ある。第2の壁体212はさらに、全体が面板12に当
接する内壁部212aおよびその内壁部212aを外側
から覆うように迂回して先端212b1 のみを面板12
に弾接させる外壁部212bを備えている。第3の壁体
213は面板13に当接する止着壁部213aおよびそ
の先に連設され先端213b1 のみを面板13に弾接さ
せる折曲縁部213bからなっている。前記止着壁部2
13aには、止着具たる木ねじ3を挿通するためのねじ
孔213cが設けてある。この第3の壁体213は、前
記止着壁部213aの外面を溝底とする長手方向に沿っ
た溝213dを形成している。
【0017】縦枠22も、前記横枠21と略同様の構成
からなるもので、図3に示すように、黒板本体1の左右
端面1bに対向する位置に配設される第1の壁体221
と、黒板本体1の一方の面板12に対向する位置に配設
される第2の壁体222と、黒板本体1の他方の面板1
3に対向する位置に配設される第3の壁体223とを樹
脂により一体成形した略チャンネル状のものである。第
2の壁体222はさらに、全体が面板12に当接する内
壁部222aおよびその内壁部222aを外側から覆う
ように迂回して先端222b1 のみを面板12に弾接さ
せる外壁部222bを備えている。第3の壁体223は
面板13に当接する止着壁部223aおよびその先に連
設され先端223b1 のみを面板13に弾接させる折曲
縁部223bからなっている。前記止着壁部223aに
は、止着具たる木ねじ3を挿通するためのねじ孔223
cが設けてある。この第3の壁体223は、前記止着壁
部223aの外面を溝底とする長手方向に沿った溝22
3dを形成している。
【0018】コーナーキャップ23は、図4〜図7に示
すように、前記横枠21の第1の壁体211、第2の壁
体212および第3の壁体213の外面にそれぞれ連続
する壁部231、232、233と、前記縦枠22の第
1の壁体221、第2の壁体222および第3の壁体2
23にそれぞれ連続する壁部234、235、236と
を樹脂により一体成形したものである。壁部231には
前記横枠21の第1の壁体211と黒板本体11の上下
端面1aとの隙間S1 に介挿される爪231aが突設さ
れ、壁部232には該横枠21の第2の壁体212の内
壁部212aと外壁部212bとの隙間S2 に介挿され
る爪232aが突設され、壁部233には該横枠21の
第3の壁体213の溝213dに介挿される爪233a
が突設されている。また、壁部234には前記縦枠22
の第1の壁体221と黒板本体11の側端面1bとの隙
間S3 に介挿される爪234aが突設され、壁部232
には該縦枠22の第2の壁体222の内壁部222aと
外壁部222bとの隙間S4 に介挿される爪235aが
突設され、壁部233には該縦枠22の第3の壁体22
3の溝223dに介挿される爪236aが突設されてい
る。
【0019】次に、上記枠材2の黒板本体1への取付手
順について説明する。横枠21を先に取り付けると仮定
すれば、先ず第2の壁体212と第3の壁体213の間
を指等により拡開方向に付勢する。これにより、第2の
壁体212と第3の壁体213は第1の壁体211にチ
ャンネル状に連設されているため、それらの間が部材の
弾性により押し開かれる。そのため、その隙間部分を黒
板本体1の周縁に外側から嵌装することができる。次
に、横枠21に加えていた力を取り去ると、第2の壁体
212と第3の壁体213が互いに近付く方向へ弾性復
元するので、それに伴って第2の壁体212の内壁部2
12a全体が一方の面板12に当接し、第3の壁体21
3の止着壁部213a全体が他方の面板13に当接する
とともに、前記第2の壁体212の外壁部212bの先
端212b1 が内壁部212aを迂回した位置において
当該一方の面板12に部分的に弾接し、さらに折曲縁部
213bの先端もその弾性により他方の面板13に弾接
する。この状態においては、横枠21は内壁部212a
と止着壁部213aによって黒板本体1を左右から挾持
した状態で該黒板本体1に保持されるとともに、第2の
壁体212の外壁部212bおよび第3の壁体213の
折曲縁部213bがその挾持力を補強する作用を営む。
次に、上記と同様にして縦枠22を取り付ける。勿論、
縦枠→横枠の順に取り付けてもよい。一方、コーナーキ
ャップ23は横枠21または縦枠22の一方を装着した
後他方を装着する際に両枠21、22間に介挿するか、
あるいは横枠21および縦枠22を予め緩めに装着して
おいて両枠21、22の対向隙間に介挿し、枠21、2
2およびコーナーキャップ23を略同時に押し込むよう
にするなど、取付手順は任意である。何れにしても、コ
ーナーキャップ23の装着時には、その壁部231〜2
36に突設された爪231a〜236aが各々対向する
枠21、22の隙間S1 〜S4 または溝213d、22
3dに挿入され、枠材2全体が拘束状態になる。以上の
ようにした後、横枠21および縦枠22の止着壁部21
3a、223aにそれぞれ設けられているねじ孔213
c、223cに止着具たる木ねじ3を挿通して、他方の
面板13に締着する。このとき、黒板本体1が木ねじ3
の締め付け力により止着壁部213a、223a側に引
き寄せられ、一方の面板12と内壁部212a、222
aとの当接状態が若干浅くなるような事があっても、外
壁部212b、222bや折曲縁部213b、223b
の存在により、第2の壁体212、222の面板12へ
の適切な添設状態が維持され、第2の壁体212のみが
側縁から外れ或いは位置づれを起こす等の不都合が防止
される。したがって、他方の面板213に木ねじ3を適
用するだけで、枠材2全体を黒板本体1に確実に固定で
きるものとなる。
【0020】以上のようにした後、横枠21の溝213
dまたは縦枠22の溝223dに、それぞれ略対応する
長手寸法を有したカバー41、42を装着し、カバーに
形成された爪4aを溝213d、223dの凹所213
1 、223d1 に係合させることにより取付けが完了
される。
【0021】このような取付構造であると、フラッシュ
構造をなす黒板本体1に対して枠材2を確実に取り付け
ることが可能できる。しかも、木ねじ3は全て他方の面
板13側において同一方向から止着されるのみとなり、
黒板本体1も回転させる等の必要が全くない。そのた
め、締着に係る作業効率を従来に比べて格段向上させる
ことができ、ロボット等を通じた自動化も容易に図るこ
とが可能になる。また、溝213d、223dにカバー
4を係合させるだけで木ねじ3を簡単に隠蔽することが
できるため、面板13にねじ止めする構造にも関わらず
その見栄えを有効に向上させることが可能となる。
【0022】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではない。例えば、弾性のある部材として、樹脂
成形体のほか、アルミ押出し成形体等を用いることもで
きる。また、上記実施例では第3の壁体の折曲縁部が取
付状態の適正化に寄与しているが、この折曲縁部がない
場合にも本発明は枠材の取付状態を確実ならしめること
ができるものである。その他、各部の具体的な断面形状
なども、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可
能である。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る黒板の枠材取付構造は、以
上説明したように、第1、第2、第3の壁体を連設した
チャンネル状の枠材を黒板本体の縁部に部材の弾性を利
用して挾圧状態で装着するとともに、特に第2、第3の
壁体には一方の面板に面当たりする内壁部や他方の面板
に当接する止着壁部の他に一方の面板に部分的に弾接す
る外壁部を設けて前記挾圧力を補助するようにし、止着
壁部をねじを介して黒板本体の他方の面板に止着するよ
うにしたものである。そのため、フラッシュ構造をなす
黒板本体に対しても枠材を確実に固定することができ、
その上、方の面板側のみに一定方向からねじを適用す
るだけで枠材全体の適正な取付状態を確保することがで
き、従来に比べて作業効率を格段に向上させるととも
に、自動化に大きく貢献し得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用される黒板を一部分解
して示す斜視図。
【図2】同実施例の黒板の横枠部分を含む部分側断面
図。
【図3】同実施例の黒板の縦枠部分を含む部分平断面
図。
【図4】同実施例のコーナーキャップを示す斜視図。
【図5】同コーナーキャップの正面図。
【図6】図5の右側面図。
【図7】同底面図。
【図8】従来の枠材取付構造を説明する図2に対応した
断面図。
【図9】従来の不具合を説明する図2に対応した断面
図。
【符号の説明】
1…黒板本体 1a…上下端面 1b…側端面 2…枠材 3…木ねじ 4、41、42…カバー 11…コア 12…一方の面板 13…他方の面板 21…横枠 22…縦枠 211、221…第1の壁体 212、222…第2の壁体 212a、222a…内壁部 212b、222b…外壁部 212b1 、222b1 …先端 213、223…第3の壁体 213a、223a…止着壁部 213b、223b…折曲縁部 213b1 、223b1 …先端

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コアの両面に面板を添設してなるフラッシ
    ュ構造の黒板本体に対し、その周縁に沿って枠材を取付
    ける取付構造であって、 前記枠材は、黒板本体の端面に対向する位置に配設され
    る第1の壁体と、黒板本体の一方の面板に対向する位置
    に配設される第2の壁体と、黒板本体の他方の面板に対
    向する位置に配設される第3の壁体とを弾性のある部材
    により一体成形した略チャンネル状のものであり、第2
    の壁体はさらに一方の面板に当接する内壁部およびその
    内壁部を外側から覆うように迂回して先端のみを一方の
    面板に弾接させる外壁部を備え、第3の壁体は他方の
    板に当接する止着壁部を少なくとも具備しその止着壁
    に、先端のみを他方の面板に弾接させる折曲縁部を連
    設し、止着壁部を面板に略垂直な方向から止着するねじ
    を介して他方の面板に定着させて、前記外壁部の先端と
    前記折曲縁部の先端とをそれぞれの面板表面に密着させ
    なることを特徴とする黒板の枠材取付構造。
  2. 【請求項2】止着壁部が、その外面を溝底とする長手方
    向に沿った溝を有し、その溝ねじを隠蔽するカバーを
    着脱可能に係合させていることを特徴とする請求項1記
    載の黒板の枠材取付構造。
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