JP2721616B2 - 減衰全反射プリズムを用いた赤外スペクトル測定法 - Google Patents

減衰全反射プリズムを用いた赤外スペクトル測定法

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JP2721616B2
JP2721616B2 JP13337092A JP13337092A JP2721616B2 JP 2721616 B2 JP2721616 B2 JP 2721616B2 JP 13337092 A JP13337092 A JP 13337092A JP 13337092 A JP13337092 A JP 13337092A JP 2721616 B2 JP2721616 B2 JP 2721616B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分光分析装置における
減衰全反射プリズムを用いた赤外スペクトル測定法に関
する。
【0002】
【従来の技術】赤外分光法において、減衰全反射プリズ
ム上に金属を設けて赤外光の電界成分を増大させること
により、試料の赤外吸収ピークを高感度化させる報告が
アプライド スペクトロスコピー44(1990)第5
12頁から第518頁(Applid Spectro
scopy44(1990)pp512−518)に記
載されている。この論文では、減衰全反射プリズム上に
高分子薄膜試料を設置し、エアギャップを介して弾性体
に形成された金属薄膜を設けると、屈折率差によるサン
ドイッチ効果により、高分子試料の赤外吸収ピークが高
感度化されることが論じられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は感度が
薄膜試料とエアギャップの厚さに大きく依存するため、
試料とエアギャップの厚さを数nmの精度で精密に制御
しなければ再現性の良い赤外吸収スペクトルが得られ
ず、この点を解消する技術的手段を講じなければ定量分
析を行なうことが困難である。また、高分子薄膜試料の
みを対象とし、液体試料の測定には配慮されていなかっ
た。
【0004】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目
的は、減衰全反射プリズムを用いて試料成分の赤外吸収
スペクトル測定(赤外分光分析)を行なう場合に、液体
試料の測定を再現性良く、かつ高感度に行なうことがで
きる測定法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のような赤外スペクトル測定法を提案す
る。
【0006】一つは、赤外光を反射させつつ測定系に導
く減衰全反射プリズムの光全反射面に試料及び金属を層
状に配置し、この金属により赤外光の電界成分を増大さ
せて試料に対する赤外光の吸収感度を高めて赤外吸収ス
ペクトルを測定する赤外スペクトル測定法において、
記減衰全反射プリズムの光全反射面に有機薄膜を形成
し、この有機薄膜の表面にスペーサを介して微小間隙を
保ちつつ前記金属となる金属板又は前記有機薄膜に対面
するよう前記金属の薄膜が形成された板を設置し、前記
有機薄膜・前記金属間の微小間隙に液体試料を該有機薄
膜及び金属に密着状態で導入し、赤外光をその一部が前
記金属に至るよう前記有機薄膜を介して前記液体試料に
しみ込ませて赤外吸収スペクトルを測定する(これを第
1の測定法とする)。
【0007】もう一つは、赤外光を反射させつつ測定系
に導く減衰全反射プリズムの光全反射面に試料及び金属
を層状に配置し、この金属により赤外光の電界成分を増
大さ せて試料に対する赤外光の吸収感度を高めて赤外吸
収スペクトルを測定する赤外スペクトル測定法におい
て、 前記減衰全反射プリズムの光全反射面に、スペーサ
を介して微小間隙を保ちつつ使用赤外光の波長に対し吸
収の少ない物質の層よりなる中間層を設置すると共に、
この中間層の一面で前記微小間隙と反対側の面に前記金
属たる金属板を又は該中間層に対面するように前記金属
の薄膜が形成された板を積層し、前記プリズム上面・中
間層間の微小間隙に液体試料を該プリズム上面及び中間
層に密着状態で導入し、赤外光をその一部が前記金属に
至るよう前記液体試料及び中間層にしみ込ませて赤外吸
収スペクトルを測定する(これを第2の測定法とす
る)。
【0008】もう一つは、上記第1,第2の測定法を応
用したもので、次のように構成する。
【0009】すなわち、赤外光を反射させつつ測定系に
導く減衰全反射プリズムの光全反射面に試料及び金属を
層状に配置し、この金属により赤外光の電界成分を増大
させて試料に対する赤外光の吸収感度を高めて赤外吸収
スペクトルを測定する赤外スペクトル測定法において、
前記減衰全反射プリズムの光全反射面に有機薄膜を形成
し、この有機薄膜の表面にスペーサを介して微小間隙を
保ちつつ使用赤外光の波長に対し吸収の少ない物質の層
よりなる中間層を設置すると共に、この中間層の一面で
前記微小間隙と反対側の面に前記金属たる金属板を又は
該中間層に対面するように前記金属の薄膜が形成された
板を積層し、前記有機薄膜・中間層間の微小間隙に液体
試料を該有機薄膜及び中間層に密着状態で導入し、赤外
光をその一部が前記金属に至るよう前記有機薄膜,液体
試料及び中間層にしみ込ませて赤外吸収スペクトルを測
定する(これを第3の測定法とする)。
【0010】
【作用】 第1の測定法によれば、減衰全反射プリズムに
入射した赤外光が全反射面で反射する際に、その光の一
部が有機薄膜を通過して液体試料中にしみ込みさらにそ
の一部が金属(金属板又は金属薄膜)に至って液体試料
側に再度反射し、この過程で赤外光が金属との相互作用
により電界成分を増大して液体試料(試料成分)に対す
る赤外吸収が助長され、液体試料の高感度スペクトルが
得られる。
【0011】スペーサの間隙設定により、この間隙にあ
る液試料層の厚みを一定かつ精密に制御でき、例えば、
その間隙にポンプ又は毛細管現象等を利用して再現性良
く液体試料が導入される。
【0012】したがって、エアギャップを必要とせず、
しかも、有機薄膜・金属間に介在する試料が液体であっ
ても、その厚さを一定に精密に管理できる。
【0013】以上の作用をなすことで、試料の再現性と
高感度スペクトルの両立を図り得る。
【0014】また、光の全反射面に有機薄膜を形成した
ので、その上に液体試料が存在しても、液体試料中の成
分(例えばたんぱく質)などのプリズムへの吸着を低減
でき、試料の繰り返し使用に対する再現性を向上させ
る。
【0015】第2の測定法によれば、減衰全反射プリズ
ムに入射した赤外光が全反射面で反射する際に、その光
の一部が液体試料中にしみ込みさらにその一部が前記中
間層を介して金属(金属板又は金属薄膜)に至って液体
試料側に再度反射し、この過程で赤外光が金属との相互
作用により電界成分を増大して液体試料(試料成分)に
対する赤外吸収が助長され、液体試料の高感度スペクト
ルが得られる。
【0016】また前記中間層は、従来の技術で示した報
告例のエアギャップに相当するが、これが有機又は無機
材料からなる固体層であるので、その膜厚を精密に制御
することができ、従って上記課題を解決することができ
る。
【0017】第3の測定法によれば、減衰全反射プリズ
ムに入射した赤外光が全反射面で反 射する際に、その光
の一部が有機薄膜,液体試料及び中間層にしみ込みさら
にその一部が前記金属(金属板又は金属薄膜)に至って
前記中間層を介して液体試料側に再度反射し、この過程
で赤外光が金属との相互作用により電界成分を増大して
液体試料(試料成分)に対する赤外吸収が助長され、液
体試料の高感度スペクトルが得られる。
【0018】また、上記第1測定法と同様に液体試料層
の厚みを一定かつ精密に制御でき、有機薄膜の存在によ
り液体試料中の成分(例えばたんぱく質)などのプリズ
ムへの吸着を低減でき、しかも、第2測定法同様の中間
層により従来の技術で示した報告例のエアギャップに相
当するものが得られ、これが有機又は無機材料からなる
固体層であるので、その膜厚を精密に制御することがで
きる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0020】図1は本発明の第1実施例に係る断面図を
示す。
【0021】本実施例では、減衰全反射プリズム1の光
の全反射面の一面に有機薄膜7を形成し、この有機薄膜
7の表面の一部にスペーサ5を設け、このスペーサ5を
介して金属薄膜2が形成された板6を設置した。
【0022】金属薄膜2は、プリズム1の全反射面と対
面するように設置してある。スペーサ5によりプリズム
1面・板6間には微小間隙が確保されるが、この間隙に
液体試料3が、例えば毛細管現象を利用して導入する。
【0023】液体試料3は、プリズム1面及び板6の金
属薄膜2に密着するよう介在するので、層状となり、そ
の厚さがスペーサ5の間隙設定に依存する。
【0024】減衰全反射プリズム1は、例えばKRS−
5,KRS−6,ZnSe,Ge,Si,AgC1,A
gBr等を用いる。
【0025】金属薄膜2としては、例えば銀を用い、真
空蒸着により板6の一面に形成した。銀の厚さは約10
nm程度である。
【0026】なお、金属薄膜2は銀以外にも、金、白
金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、又は上記の
金属を積層又は混合したものでもよく、この場合、膜厚
はその種類に応じて様々であるが100nm以下にする
のが好ましい。
【0027】また、金属薄膜2は、真空蒸着以外にも、
電子線蒸着やスパッタリング等で形成することもでき
る。
【0028】有機薄膜7は、ポリ塩化ビニル、セルロー
ス、ポリウレタン、シリコーンのいずれか一つで形成す
るか、或いはステアリン酸ビニル,アクリル酸オクタデ
シル等のビニル系化合物,ジアセチレン系化合物,ジエ
ン系化合物等の紫外線,電子線,放射線で重合を起こす
分子からなり、その膜厚は使用する赤外光波長の少なく
とも1/5までに制御してある。
【0029】本実施例では、減衰全反射プリズム1に入
射する赤外光7を、その一部が金属膜2に至るように有
機薄膜7を介して液体試料層3にしみ込ませて赤外吸収
スペクトルを測定する。
【0030】減衰全反射において試料中への光のしみ込
み強度は、全反射面からの距離に対して指数関数的に減
衰し、一般的に光のしみ込み深さは、式で表わすと
(1)式のように表わされる。
【数1】 d=λ/〔2π(sin θ−n 21 1/2 〕 …(1) d:しみ込み深さ、λ:波長、θ:入射角度、n :試
料の屈折率、n :プリズムの屈折率、n 21 =n
である。
【0031】しみ込み深さは、上記の式より定量的に表
わされるが、ここでは、有機薄膜7,液体試料層3の膜
厚をそれぞれ10nm以下とし、この条件の下で金属薄
膜2へ至る必要しみ込み深さが確保し得るものとしてあ
る。
【0032】本実施例によれば、減衰全反射プリズム1
に入射した赤外光4が全反射面で反射する際に、その光
の一部が有機薄膜7を通過して液体試料3中にしみ込み
さらにその一部が金属薄膜2に至って液体試料3側に再
度反射し、この過程で赤外光が金属との相互作用により
電界成分を増大して試料成分に対する赤外吸収が助長さ
れ、液体試料の高感度スペクトルが得られる。
【0033】スペーサ5の間隙設定により、この間隙に
ある液試料層3の厚みを一定かつ精密に制御でき、例え
ば、その間隙にポンプ又は毛細管現象等を利用して再現
性良く液体試料が導入される。
【0034】したがって、エアギャップを必要とせず、
しかも、有機薄膜7・金属薄膜2間に介在する試料3が
液体であっても、その厚さを一定に精密に管理できる。
【0035】以上の作用をなすことで、試料の再現性と
高感度スペクトルの両立を図り得る。
【0036】また、減衰全反射プリズム1上に有機薄膜
7が形成されているので、試料が減衰全反射プリズム1
に直接に接触しない。従って、有機膜7として適切な材
料を用いることにより、例えばタンパク質などの吸着に
よる妨害を低減させることができ、繰返し使用に対する
再現性を向上させることができる。
【0037】図2に本発明の第2実施例の断面図を示
す。
【0038】本実施例と第1実施例との異なる点は、金
属薄膜2の表面に中間層8を積層し たものである。すな
わち、プリズム面上には、下から順に、有機薄膜7,ス
ペーサ5(液体試料層3),中間層8,金属薄膜2,板
6が積層してある。換言すれば、本例は、減衰全反射プ
リズム1の光全反射面に形成した有機薄膜7の表面にス
ペーサ5を介して微小間隙を保ちつつ使用赤外光の波長
に対し吸収の少ない物質の層よりなる中間層8を設置す
ると共に、この中間層8の一面で前記微小間隙と反対側
の面に該中間層に対面するように金属薄膜2が形成され
た板6(或いは金属板)を積層し、有機薄膜7・中間層
8間の微小間隙に液体試料3を有機薄膜7及び中間層8
に密着状態で導入し、赤外光をその一部が金属2に至る
よう有機薄膜7,液体試料層3及び中間層8にしみ込ま
せて赤外吸収スペクトルを測定する。
【0039】中間層8は、使用する赤外波長領域で吸収
の少ない高分子、ガラス、酸化シリコン等の屈折率が
1.5以下の有機又は無機物を材料とし、その膜厚は使
用する波長の少なくとも1/5までに制御してあり、こ
の中間層8が、従来の技術で示した報告例のエアギャッ
プに相当するものであるが、本実施例の場合、中間層8
が固体であるため膜厚を精密に制御することができる。
【0040】また、スペーサ5により液体試料の厚さも
精密に制御できるので、再現性の良い高感度スペクトル
が得られる。
【0041】図3に本発明の第3実施例を示す。
【0042】本実施例は第1実施例の変形例で、減衰全
反射プリズム1の光全反射面の周囲にスペーサ5で枠を
形成し、このスペーサ5上に金属板或いは金属薄膜2が
形成された板6を設置してフローセルを形成し、この板
6にスペーサ5により確保される微小空隙(フローセ
ル)に液体試料を導入、排出するチューブ9を設けた。
【0043】この構造により、液体試料3をポンプなど
で減衰全反射プリズムの光全反射面上に繰返し導入、排
出することができる。
【0044】図4は、本発明の第4実施例で、上記各実
施例の各種要素を付加した減衰全反射プリズム(これを
符号10で示す)をフーリエ変換赤外分光装置の中に組
み込んだときの構成図を示したものである。
【0045】本実施例の減衰全反射プリズム10は分光
器11の中に組み込まれ、試料をプリズム表面に導入し
た後、試料の赤外吸収スペクトルの信号がAD変換器1
2を介してコンピュータ13に取り込まれる。コンピュ
ータでピーク面積の計算、濃度への換算などのデータ処
理が行われ、濃度計算結果やその他の必要な情報を表示
部14に表示する。
【0046】またコンピュータには記憶装置15が接続
されており、スペクトル、濃度計算結果などを記憶させ
ることができる。分光器中の鏡の動作は制御部16によ
り制御される。
【0047】この場合、図3の実施例を使用する場合は
試料の送液用ポンプ17を付加することができる。分析
操作は操作者が操作部18から必要な情報を入力するだ
けで行うことができ、使い勝手の良い分析装置を提供す
ることができる。
【0048】なお、上記実施例において、図3,図5,
図6,図7のような金属薄膜,液体試料層,有機薄膜な
どの積層構造は、プリズム1の下面側に形成することも
可能である。
【0049】
【発明の効果】 以上のように、本発明によれば、液体試
料の赤外吸収スペクトルを再現性良く高感度化すること
ができ、試料中成分の定量分析を高精度に行なうことが
できる。 また、プリズムの反射面に有機膜を設けた場合
には、液体試料中にタンパク質などが含まれている場
合、減衰全反射プリズム上へのタンパク質の吸着を低減
ることができ、試料の繰り返し交換の再現性の良くす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る断面図。
【図2】本発明の第2の実施例に係る断面図。
【図3】本発明の第3の実施例に係る断面図。
【図4】本発明の第4の実施例に係る断面図。
【符号の説明】
1…減衰全反射プリズム、2…金属薄膜、3…試料、4
…赤外光、5…スペーサ、6…金属薄膜付き板、7…有
機薄膜、8…中間層、9…チューブ、10…減衰全反射
プリズム装置、11…分光器、12…AD変換器、13
…コンピュータ、14…表示部、15…記憶装置、16
…制御部、17…ポンプ、18…操作部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−261846(JP,A) 特開 平2−44230(JP,A) 特開 平4−84738(JP,A) 特開 昭62−161041(JP,A) 特開 昭59−214765(JP,A) 実開 昭63−35950(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外光を反射させつつ測定系に導く減衰
    全反射プリズムの光全反射面に試料及び金属を層状に配
    置し、この金属により赤外光の電界成分を増大させて試
    料に対する赤外光の吸収感度を高めて赤外吸収スペクト
    ルを測定する赤外スペクトル測定法において、 前記減衰全反射プリズムの光全反射面に有機薄膜を形成
    し、この有機薄膜の表面にスペーサを介して微小間隙を
    保ちつつ前記金属となる金属板又は前記有機薄膜に対面
    するよう前記金属の薄膜が形成された板を設置し、前記
    有機薄膜・前記金属間の微小間隙に液体試料を該有機薄
    膜及び金属に密着状態で導入し、赤外光をその一部が前
    記金属に至るよう前記有機薄膜を介して前記液体試料に
    しみ込ませて 赤外吸収スペクトルを測定することを特徴
    とする減衰全反射プリズムを用いた赤外スペクトル測定
    法。
  2. 【請求項2】 赤外光を反射させつつ測定系に導く減衰
    全反射プリズムの光全反射面に試料及び金属を層状に配
    置し、この金属により赤外光の電界成分を増大させて試
    料に対する赤外光の吸収感度を高めて赤外吸収スペクト
    ルを測定する赤外スペクトル測定法において、 前記減衰全反射プリズムの光全反射面に、スペーサを介
    して微小間隙を保ちつつ使用赤外光の波長に対し吸収の
    少ない物質の層よりなる中間層を設置すると共に、この
    中間層の一面で前記微小間隙と反対側の面に前記金属た
    る金属板を又は該中間層に対面するように前記金属の薄
    膜が形成された板を積層し、前記プリズム上面・中間層
    間の微小間隙に液体試料を該プリズム上面及び中間層に
    密着状態で導入し、赤外光をその一部が前記金属に至る
    よう前記液体試料及び中間層にしみ込ませて 赤外吸収ス
    ペクトルを測定することを特徴とする減衰全反射プリズ
    ムを用いた赤外スペクトル測定法。
  3. 【請求項3】 赤外光を反射させつつ測定系に導く減衰
    全反射プリズムの光全反射面に試料及び金属を層状に配
    置し、この金属により赤外光の電界成分を増大させて試
    料に対する赤外光の吸収感度を高めて赤外吸収スペクト
    ルを測定する 赤外スペクトル測定法において、 前記減衰全反射プリズムの光全反射面に有機薄膜を形成
    し、この有機薄膜の表面にスペーサを介して微小間隙を
    保ちつつ使用赤外光の波長に対し吸収の少ない物質の層
    よりなる中間層を設置すると共に、この中間層の一面で
    前記微小間隙と反対側の面に前記金属たる金属板を又は
    該中間層に対面するように前記金属の薄膜が形成された
    板を積層し、前記有機薄膜・中間層間の微小間隙に液体
    試料を該有機薄膜及び中間層に密着状態で導入し、赤外
    光をその一部が前記金属に至るよう前記有機薄膜,液体
    試料及び中間層にしみ込ませて 赤外吸収スペクトルを測
    定することを特徴とする減衰全反射プリズムを用いた赤
    外スペクトル測定法。
  4. 【請求項4】 前記中間層は、使用する赤外波長領域で
    吸収の少ない高分子、ガラス、酸化シリコン等の屈折率
    が1.5以下の有機又は無機物を材料とし、その膜厚は
    使用する波長の少なくとも1/5までに制御してある請
    求項2又は請求項3記載の減衰全反射プリズムを用いた
    スペクトル測定法。
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