JP2718453B2 - チューブエレメントと積層型熱交換器の製造方法 - Google Patents

チューブエレメントと積層型熱交換器の製造方法

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JP2718453B2 JP1086957A JP8695789A JP2718453B2 JP 2718453 B2 JP2718453 B2 JP 2718453B2 JP 1086957 A JP1086957 A JP 1086957A JP 8695789 A JP8695789 A JP 8695789A JP 2718453 B2 JP2718453 B2 JP 2718453B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はチューブエレメントと、このチューブエレメ
ントを用いた積層型熱交換器の製造方法に関する。
[従来の技術] 積層型熱交換器は偏平管部の少なくとも一端に膨出し
て形成されたタンク部を有する板状のチューブエレメン
トを複数段、放熱フィンを介在させて積層して構成され
る。ところで、この板状のチューブエレメントは、アル
ミ等の金属板をプレスにより冷媒の出入り口部、耐圧強
度を上げるためのリブあるいは縁部等を膨出形成し、プ
レス形成された金属板を2枚一組としてろう付けして形
成される。
従来このろう付けは、金属板に塩化物系のフラックス
を塗布し、大気圧下で炉中ろう付けしたり、フラックス
を塗布せずに金属板にマグネシウム(Mg)を含有させ、
真空中で加熱してMgを蒸発させ、それにより表面の酸化
被膜を破壊しろう付けしていた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の塩化物系のフラックスを用
いるろう付け方法では、金属板の腐食を防止するため洗
浄を十分に行う必要がある。また、真空ろう付け方法も
材料の寸法精度を良くしなければならない。
一方、非腐食性フラックスを塗布する方法もあるが、
金属板を十分に脱脂しておかないとフラックスが均一に
塗布されず、ろう付け不良が生ずる欠点があった。
そこで、本発明の技術的課題は、上記の欠点に鑑み、
十分な脱脂をすることなく非腐食性フラックスを均一に
塗布することができるチューブエレメント及びこれを用
いた積層型熱交換器の製造方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、互いに対向して成る一対の熱伝導性
板状部材を有するチューブエレメントにおいて、前記一
対の熱伝導性板状部材に耐圧強度向上用のリブを設ける
と共に、該リブは粗面加工されて成ることを特徴とする
チューブエレメントが得られる。
また、本発明によれば、前記チューブエレメントを放
熱用のフィンを交互に介在させて複数段積層し、非腐食
性フラックスを用いてろう付けして、積層型熱交換器を
製造する方法において、前記チューブエレメントは前記
一対の熱伝導性板状部材をプレス加工により前記耐圧強
度向上用のリブを形成し、前記リブを粗面加工した後、
非腐食性フラックスを用いてろう付けすることを特徴と
する積層型熱交換器の製造方法が得られる。
[実施例] 次に、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図に示すように、板状のチューブエレメント11と
放熱用のフィン12とが交互に複数段積層されている。積
層体の上部には冷媒入り口パイプ13が設けられ、積層体
の下部には冷媒出口パイプ14が設けられている。
第2図は第1図のチューブエレメント11の構成を示す
正面図である。チューブエレメント11は一対のアルミ板
21をプレス成型した後、相互にろう付けして構成する。
アルミ板21の上部および下部はプレス成形により膨出さ
れ、一対のアルミ板21がろう付けされた際に、それぞれ
入り口タンク23および出口タンク24が形成される。一対
のアルミ板21の周縁部25は相互にろう付けされた際、全
体が偏平な密閉管を形成するようにプレス成形される。
入り口タンク23および出口タンク24そして周縁部25を除
く一対のアルミ板21のほぼ全面に耐圧強度向上用のリブ
26が形成される。このリブは一対のアルミ板21のそれぞ
れに前記偏平な密閉管の内側に膨出する細長い凹部を形
成したものである。一対のアルミ板21の一方に形成され
たリブ26は第2図に示されるように右下がりに傾斜配置
されている。これに対して一対のアルミ板21の他方に形
成されるリブは、図示しないが正面から(第2図の裏側
から)見たとき左下がりに傾斜配置されている。これに
より一対のアルミ板21に形成されたリブ26は、2枚のア
ルミ板が互いにろう付けされた時、偏平な密閉管の内側
で交差接触するような位置関係に形成されている。そし
て2枚のアルミ板が互いにろう付けされた時には交差接
触するリブ26も相互にろう付けされる。これらのリブ26
は2枚のアルミ板で形成される偏平な密閉容器の内部を
冷媒が高圧蒸気の状態で流れる際、密閉管の耐圧を向上
させる。またこれらのリブ26は内部を流れる冷媒との接
触面積を大きくして、熱交換効率を向上させる。
次に、このようにプレス成形した2枚のアルミ板21ん
を互いにろう付けするに際しては、相互にろう付けすべ
き膨出面すなわちリブ26、および周縁部25を研磨紙を用
いて粗面加工した後、非腐食性フラックスを塗布してろ
う付けする。このように相互にろう付けすべき膨出面を
粗面加工することにより、表面の濡れ性が良くなり、非
腐食性フラックスが表面全体に均一に行き渡り、ろう付
け面積が増大するのでろう付け強度が向上し、したがっ
てろう付け不良を無くすことができる。
このようにしてチューブエレメント11を複数個作製し
た後、リボン状の放熱フィンと交互に重ね合わせ、炉内
で一体的にろう付けする。
[発明の効果] 以上説明した本発明のチューブエレメントを用いた積
層型熱交換器の製造方法によれば非腐食性フラックスを
塗布するに際して、金属板表面が粗面加工されるので、
表面の濡れ性が良くなり、非腐食性フラックスが表面全
体に均一に行き渡り、ろう付け面積が増大するので、ろ
う付け不良が生ずる恐れがない。従って非腐食性フラッ
クスの実用化が容易に可能となり、積層型熱交換器の製
造工程が簡略化されしかも高品質の熱交換器が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に関わる積層型熱交換器の一例
を示す斜視図、第2図は本発明の実施例に関わるチュー
ブエレメントの構成を示す正面図である。 11……チューブエレメント、12……放熱用のフィン、13
……冷媒入り口パイプ、14……冷媒出口パイプ、21、22
……アルミ板、23……入り口タンク、24……出口タン
ク、25……周縁部、26……リブ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向して成る一対の熱伝導性板状部
    材を有するチューブエレメントにおいて、前記一対の熱
    伝導性板状部材に耐圧強度向上用のリブを設けると共
    に、該リブは粗面加工されて成ることを特徴とするチュ
    ーブエレメント。
  2. 【請求項2】第1請求項記載のチューブエレメントを放
    熱用のフィンを交互に介在させて複数段積層し、非腐食
    性フラックスを用いてろう付けして、積層型熱交換器を
    製造する方法において、前記チューブエレメントは前記
    一対の熱伝導性板状部材をプレス加工により前記耐圧強
    度向上用のリブを形成し、前記リブを粗面加工した後、
    非腐食性フラックスを用いてろう付けすることを特徴と
    する積層型熱交換器の製造方法。
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