JP2010145014A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のチューブを積層して構成されるコア部からチューブの外側を流通する流体が洩れることを防止することが可能な熱交換器を提供する。
【解決手段】対向面部21a、22aと一対の側面部21b、22bとを有する断面コの字状の一対のプレート21、22を対向して嵌め合わすことにより構成されたチューブ2を複数積層することでコア部13を構成する。隣接するチューブ2間における屈曲部21c、22c同士が対向する部位に水通路11を構成し、コア部13における水通路長手方向両端部に、コア部13の側面13aとともにタンク内空間を構成するタンク部3を組み付ける。そして、コア部13とタンク3とが接合される接合部21b、22b、32において隙間23a、24aが形成されても第2流体がその隙間23a、24aを伝って外部へ洩れることを防止する板部材50を備える。
【選択図】図2
【解決手段】対向面部21a、22aと一対の側面部21b、22bとを有する断面コの字状の一対のプレート21、22を対向して嵌め合わすことにより構成されたチューブ2を複数積層することでコア部13を構成する。隣接するチューブ2間における屈曲部21c、22c同士が対向する部位に水通路11を構成し、コア部13における水通路長手方向両端部に、コア部13の側面13aとともにタンク内空間を構成するタンク部3を組み付ける。そして、コア部13とタンク3とが接合される接合部21b、22b、32において隙間23a、24aが形成されても第2流体がその隙間23a、24aを伝って外部へ洩れることを防止する板部材50を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数のチューブを積層した熱交換器に関するものである。
従来の熱交換器として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の熱交換器は、断面扁平形状の細長の管部材であるチューブを複数積層してコア部を形成し、チューブの内側に第1流体であるガスを流通させ、チューブの外側に第2流体である冷却水を流通させ、排気ガスと冷却水との間で熱交換するEGRクーラとなっている。
チューブは、断面がコの字形状に曲げられた2枚のチューブプレートから形成されている。チューブプレートにおけるコの字形状の開口側は、チューブの扁平状断面の短辺に対応し、その開口側は、短辺の中央で互いにろう付けされている。積層されて互いに対向するチューブの対向面の外周には、外方へ突出する凸部と、この凸部のうち、対向面の長辺側の所定2ヶ所で凹状となる凹部とが形成されている。コア部は、複数のチューブを凸部が互いに当接するように積層して形成され、対向面間の凸部の内側領域に形成される空間に冷却水を流通させている。また、コア部の外部を覆うように水側タンクが接合されており、その水側タンクは、凹部によって形成される開口部に連通する内部空間を有している。従って、冷却水通路は、水側タンクにおける内部空間、及びコア部における対向面間の凸部の内側領域に形成される空間によって提供されている。
特開2007−232355号公報
しかしながら、特許文献1に記載の熱交換器において、各チューブプレートにおける接合部、及び各チューブにおける凸部は、プレス加工、又はロール加工にて成形される為、これらの成形部分には、加工工程上不可避な曲面が形成され、コア部の外部には溝が形成されてしまう。その結果、コア部の外部に水側タンクを接合しても、溝と水側タンクとの間には隙間が形成され、冷却水がその隙間を伝って冷却水通路外へ流出してしまうといった問題点がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、複数のチューブを積層して構成されるコア部からチューブの外側を流通する流体が洩れることを防止することが可能な熱交換器を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成する為に、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に係る発明は、断面扁平形状の管部材であって、断面コの字形状の一対のプレート(21、22)を断面コの字形状開口側を対向させ、断面扁平形状短辺側で接合し形成されるチューブ(2)を複数積層してコア部(13)が構成され、一対のプレート(21、22)が接合される際に互いに対向する対向面(21a、22a)の外周には、外方に突出する凸部(210c、220c)が形成され、複数のチューブ(2)は、凸部(210c、220c)が互いに当接するように積層されており、チューブ(2)の断面扁平形状短辺側に対応するコア部(13)の側面(13a)には、凸部(210c、220c)の内側領域とコア部(13)の外部とが連通する開口部(13b)が形成されるとともに、開口部(13b)を内包するようにタンク(3)が接合されており、チューブ(2)の内側領域に、第1流体が流通する第1流体通路(12)を形成し、凸部(210c、220c)の内側領域及びタンク(3)の内側領域に、第2流体が流通する第2流体通路(11)を形成して、第1流体と第2流体とを熱交換する熱交換器において、コア部(13)と、タンク(3)とが接合される接合部(21b、22b、32)におけるチューブ(2)の長手方向側の端面(13c、32b)を覆うように接合される板部材(50、150、250、350)を備えていることを特徴とする。
これによれば、接合部(21b、22b、32)において隙間(23a、24a)が形成されても、板部材(50、150、250、350)を備えることで、第2流体がその隙間(23a、24a)を伝って第2流体通路(11)外へ洩れることを防止することが可能となる。
請求項2に係る発明では、板部材(50、150)は、接合部(21b、22b、32)の端面(13c、32b)のうち、コア部(13)の端面(13c)を覆うように接合される端面側板部(51)と、端面側板部(51)における一端から端面側板部(51)に対して直交する方向に延び、コア部(13)の側面(13a)とタンク(3)との間に介在して接合される側面側板部(52、152)とを有することを特徴とする。
これによれば、板部材(50、150)の側面側板部(52、152)をコア部(13)の側面(13a)に面接合できるので、板部材(50、150)の接合が容易となる。
請求項3に係る発明では、板部材(50、150、250、350)は、ろう材によって接合されており、板部材(50、150、250、350)の接合面は、粗い表面加工で成形されていることを特徴とする。
これによれば、接合面にろう材が保持され易くなるので、板部材(50、150、250、350)のろう付け性の向上を図ることが可能となる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る熱交換器を、車両のエンジンの排気系から排気ガスの排気熱を回収して、エアコン等の熱源として利用するための排気熱回収器の蒸発部1に適用したものである。
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る熱交換器を、車両のエンジンの排気系から排気ガスの排気熱を回収して、エアコン等の熱源として利用するための排気熱回収器の蒸発部1に適用したものである。
図1は、本実施形態における蒸発部1を示す断面図である。本実施形態における排気熱回収器は、蒸発部1と凝縮部(図示せず)とを備えており、蒸発部1と凝縮部とが互いに接続されることでループ式のヒートパイプを形成している。本実施形態では、蒸発部1、及び凝縮部は、水平方向に隣接するように配置されている。
ヒートパイプには図示しない封入部が設けられており、この封入部からヒートパイプ内が真空引き(減圧)され、作動媒体が封入された後に封入部は封止されている。作動媒体は、ここでは水を使用している。なお、作動媒体としては、水の他にアルコール、フロロカーボン、フロン等を用いてもよい。
蒸発部1は、図示しないエンジンの排気筒内に配置されている。また、蒸発部1は、排気ガスと作動媒体との間で熱交換を行い、作動媒体を蒸発させるようになっている。なお、排気ガスが第1流体に相当し、作動媒体が第2流体に相当している。
凝縮部は、排気筒の外部に設けられており、図示しないエンジンの冷却水経路内に配置されている。また、凝縮部は、蒸発部1で蒸発した作動媒体とエンジン冷却水との間で熱交換を行い、作動媒体を凝縮させるようになっている。
次に、蒸発部1の構成について説明する。蒸発部1は、作動媒体である水が通過する水通路11と、水通路11の外表面(後述するチューブ2の内表面)に接合されたコルゲートフィン12aを内側に有する排気ガス通路12との積層構造からなるコア部13を有している。水通路11は、その長手方向が鉛直方向に一致するように複数本平行に配置されている。なお、排気ガス通路12が、第1流体通路に相当し、水通路11が、第2流体通路に相当している。
蒸発部1において、水通路長手方向両端部には、水通路11の積層方向に延びて、全ての水通路と連通するヘッダタンク14がそれぞれ設けられている。ヘッダタンク14は、筒状の連結部15を介して凝縮部と連通状態に接続されている。
図2は、本実施形態における蒸発部1を示す分解斜視図である。図3、及び図4は、本実施形態における蒸発部1を示す部分拡大断面図である。図3は、蒸発部1を排気ガス流れ方向に沿って切断した断面図であり、図4は、排気ガス流れ方向に直交して切断した断面図である。
本実施形態におけるコア部13は、内部を排気ガスが通過する断面扁平形状のチューブ2を複数積層することにより構成されている。また、チューブ2は、断面コの字形状を有し、対向するように嵌め合わされた第1、第2プレート21、22により構成されている。
より詳細には、第1、第2プレート21、22は、排気ガス流れ方向と平行な面を有して水通路長手方向と平行に延びる対向面部21a、22aと、対向面部21a、22aにおける水通路11の長手方向両端部から対向面部21a、22aに対して直交する方向に突出して、排気ガス流れ方向と平行に延びる一対の側面部21b、22bとをそれぞれ有している。そして、第1、第2プレート21、22を、断面コの字形状の開口側を対向させ、チューブ2の断面扁平形状短辺側で接合するとともに、側面部21b、22b同士が重なり合うように嵌め合わせることによりチューブ2が構成されている。
第1、第2プレート21、22の対向面部21a、22aにおける排気ガス流れ方向中央部は、チューブ2の内面側が凸となるように屈曲した屈曲部21c、22cになっている。この屈曲部21c、22cは、対向面部21a、22aにおける水通路長手方向の全域に亘って連続的に形成され、コア部13の外方側の面のうち各プレート21、22の側面部21b、22b同士で構成されている側面13aに開口部13bを形成している。換言すると、対向面部21a、22aにおける排気ガス流れ方向両端部は、外方に突出する凸部210c、220cになっている。この凸部210c、220cは、対向面部21a、22aにおける水通路11長手方向の全域に亘って連続的に形成されている。
第2プレート22の側面部22bにおける対向面部22aから遠い側の端部には、第1プレート21の板厚と同一高さを有し、チューブ2内方側に折り曲げられた段下げ部22dと、一端側が段下げ部22dに接続され、第1プレート21の側面部21bと平行に延びる受部22eとを有する受段部22fが形成されている。第1プレート21を、第2プレート22の外側となるように嵌め合わせることにより、第1プレート21の側面部21bにおけるチューブ2内方側の面が、受部22eにおけるチューブ2外方側の面と接するようになっている。
第1プレート21の側面部21bにおける対向面部21aから遠い側の端部(以下、先端部210という)の端面は、対向面部21aから離れるにつれて受部22eから離れる方向に傾斜したテーパ形状となっている。換言すると、先端部210の端面は、内側から外側に向かうにつれて突出する方向に傾斜したテーパ形状となっている。また、段下げ部22dのチューブ2外方側の面は、側面部21bの先端部210と対応するようなテーパ形状になっている。しかし、段下げ部22dは、プレス加工にて成形される為、加工工程上不可避な曲面が形成され、その結果、先端部210は、段下げ部22dと接しない。従って、チューブ2の外方側の面のうち水通路長手方向と直交する面、すなわち、コア部13の側面13aのおける先端部210と段下げ部22dとの間には、プレート間溝部23が形成されている。
また、第1、第2プレート21、22における対向面部21a、22aと側面部21b、22bとの間の曲げ部21g、22gにおいて、対向面部21a、22aと、側面部21b、22bとの成す角度は、直角になっているが、曲げ部21g、22gは、プレス加工にて成形される為、極小Rではあるが外方側の表面には、曲面が形成されている。従って、コア部13の側面13aにおける曲げ部21gと隣接する曲げ部22gとの間には、チューブ間溝部24が形成されている。
コルゲートフィン12aは、各チューブ2の内側領域に配置されているとともに、第1、第2プレート21、22の屈曲部21c、22cの間に挟み込まれている。すなわち、各プレート21、22の屈曲部21c、22c同士で、コルゲートフィン12aを保持している。
そして、上述のチューブ2を、各プレート21、22の対向面部21a、22aにおける屈曲部21c、22cを除く部位同士、すなわち凸部210c、220c同士が接触するように複数積層することで、コア部13が構成されている。このとき、隣接するチューブ2間における屈曲部21c、22c同士が対向する部位、すなわち凸部210c、220cの内側領域に、水通路11が構成されている。
本実施形態では、屈曲部21c、22cには、チューブ2外方側に突出するリブ21h、22hが配設されており、チューブ2を複数積層した際に、隣接するチューブ2間のリブ21h、22h同士が接触するようになっている。リブ21h、22hは、チューブ2が複数積層された際に、隣接するリブ21h、22h同士が接することで、ろう付け時に、コア部13のチューブ積層方向からかけられた荷重を、コア部13内方側に配置されたチューブ2まで伝達するものである。
また、コア部13における水通路長手方向両端部には、コア部13における側面13aとともにタンク内空間(タンク内側領域)を構成するタンク部3が組み付けられており、これによりヘッダタンク14が構成されている。タンク部3は、内部が空間で一方側が開口し、コア部13の側面13aに形成された開口部13bを内包するような立体形状を有している。タンク部3は、全ての水通路11と連通するようになっている内側領域を形成する空間形成部31と、空間形成部31の開口側の周縁部に形成されたフランジ部32とを有している。空間形成部31には、連結部15が接続される貫通孔31aが形成されている。フランジ部32は、コア部13の側面13aと平行に延びており、フランジ部32は、その主面32aをコア部13の側面13aと対向させて拡がっている。本実施形態では、フランジ部32は、その排気ガス流れ方向端面32bがコア部13の排気ガス流れ方向端面13cと対応するように、排気ガス流れ方向に延びている。なお、フランジ部32、及び側面部21b、22bは、接合部に相当する。
フランジ部32におけるチューブ積層方向両端部には、タンク部3をコア部13に係止するためのタンク側爪部33が設けられている。タンク側爪部33は、タンク部3をコア部13に組み付けた際に、コア部13をチューブ積層方向から押さえつける自己治具の役割を果たす。
また、コア部13における排気ガス流れ方向両端部には、排気ガスが通過するダクトを構成する、両端が開口した筒状のダクト部4が組み付けられている。ダクト部4には、コア部13側に突出し、ダクト部4をコア部13に係止するためのダクト側係止部41が設けられている。
ダクト側係止部41は、ダクト部4をコア部13に組み付けた際に、コア部13、及びタンク部3のフランジ部32を水通路長手方向から押さえつける自己治具の役割を果たす。本実施形態では、ダクト側係止部41は、ダクト部4より径が大きい筒状部材として構成されており、ダクト部4と一体成形されている。そして、ダクト側係止部41は、ダクト部4をコア部13に組み付けた際に、タンク部3のフランジ部32をチューブ積層方向全域に亘って押さえつけるようになっている。
コア部13には、プレート間溝部23、及びチューブ間溝部24の排気ガス流れ方向(チューブ長手方向)側両端部を覆うように一対の板部材50が組み付けられている。板部材50は、コア部13の端面13cを覆うように接合される一対の端面側板部51と、一対の端面側板部51を連結する側面側板部52とを有している。板部材50は、タンク部3に比べて肉厚が薄く、粗い表面加工が施された板が用いられている。
端面側板部51は、チューブ積層方向に長い長方形状に形成されており、全てのプレート間溝部23、及びチューブ間溝部24の排気ガス流れ方向側端部を塞いでいる。すなわち、端面側板部51は、第1プレート21の側面部21b、曲げ部21g、先端部210、及び第2プレート22の側面部22b、受段部22f、曲げ部22gの排気ガス流れ方向側端面を覆うように接合されている。端面側板部51の反コア部13側の主面は、ダクト4に接触して接合されている。
また、側面側板部52は、ロの字形状に形成されており、端面側板部51におけるコア部13に対して外側の一端全域から端面側板部51に対して直交する方向に延び、コア部13の側面13aとタンク部3におけるフランジ部32の主面32aとの間に介在して接合される一対の接合板部52aと、一対の接合板部52aにおけるチューブ積層方向両端部にて接合板部52a同士を連結する連結板部52bとを有している。接合板部52aは、プレート間溝部23とともに、タンク内空間から端面側板部51側へ延びるプレート間隙間23aを形成している。また、接合板部52aは、チューブ間溝部24とともに、タンク内空間から端面側板部51側へ延びるチューブ間隙間24aを形成している。そして、端面側板部51が、これら隙間23a、24aを排気ガス流れ方向両端において塞いでいる。
次に、本実施形態に係る排気熱回収器の蒸発部1の製造方法について説明する。
まず、第1、第2プレート21、22間にコルゲートフィン12aを挟み込んだ状態で、各プレート21、22を、第1プレート21が第2プレート22より外側になるように対向状に重ね合わせることでチューブ2を形成する。そして、このチューブ2を、各プレート21、22における対向面部21a、22aの凸部210c、220cが接触するように所定数積層することでコア部13を形成する。
そして、コア部13に一対の板部材50を組み付ける。具体的には、端面側板部51をコア部13の端面13cに面接触させ、側面側板部52をコア部13の側面13aに面接触させて配設する。その後、板部材50の側面側板部52の反コア部13側の主面にタンク部3のフランジ部32の主面32aを面接触させて組み付ける。更に、タンク部3のタンク側爪部33を、コア部13のチューブ積層方向両端部に係止することで、タンク部3をコア部13に固定する。続いて、板部材50の端面側板部51の反コア部13側の主面にダクト部4を接触させて組み付ける。具体的には、ダクト部4のダクト側係止部41を、コア部13に組み付けられたタンク部3のフランジ部32に係止することで、ダクト部4をコア部13に固定する。
以上により、蒸発部1の全ての構成部品が一体に組み付けられる。そして、全ての構成部品を組付けた状態で、治具(図示せず)をコア部13の両側方、すなわちチューブ積層方向両側から当てがい、チューブ積層方向に所定の荷重が負荷されるようにして全ての構成部品を仮固定しておき、その状態で加熱炉内に投入し、全ての構成部品を一体にろう付けする。このとき、複数のチューブ2同士が互いに接触した状態で接合されることにより、隣接するチューブ2間に水通路11が形成される。なお、本実施形態では、蒸発部1の構成部品は全てステンレスからなり、ろう付け時のろう材としてはニッケル合金が用いられる。
以上説明したように、本実施形態における蒸発部1では、端面側板部51が、側面側板部52とプレート間溝部23とが形成するプレート間隙間23a、及び側面側板部52とチューブ間溝部24とが形成するチューブ間隙間24aを排気ガス流れ方向両端において塞いでいる。これにより、タンク部3とコア部13との間から作動媒体である水が外部へ洩れることを防止することが可能となる。
また、本実施形態における板部材50は、側面側板部52を備え、コア部13の側面13aに面接合させている。これにより、コア部13に対する板部材50の接合が容易となる。
また、本実施形態における板部材50は、側面側板部52が連結板部52bを有している為、コア部13に対する板部材50の組み付けが容易となる。
また、本実施形態における板部材50には、粗い表面加工が施されている為、板部材50の接合面である表面にろう材が保持され易くなり、ろう付け性の向上を図ることが可能となる。
(第1実施形態の第1変形例)
第1実施形態における蒸発部1の第1変形例である蒸発部101について、図5に基づいて説明する。第1変形例を含め、以下に説明する各変形例に関して、上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省する。図5は、本変形例における蒸発部101を示す分解斜視図である。
第1実施形態における蒸発部1の第1変形例である蒸発部101について、図5に基づいて説明する。第1変形例を含め、以下に説明する各変形例に関して、上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省する。図5は、本変形例における蒸発部101を示す分解斜視図である。
蒸発部101は、上記第1実施形態における板部材50の側面側板部52が、ロの字形状に代えて、ニの字形状に形成された側面側板部152を有する板部材150を備えている。換言すると、側面側板部152は、上記第1実施形態における接合板部52aに対応している。従って、板部材150には、上記第1実施形態における連結板部52bが形成されないので、上記第1実施形態と比べて連結板部52bの分、板部材150の材料費の低減を図ることが可能となる。
(第1実施形態の第2変形例)
第1実施形態における蒸発部1の第2変形例である蒸発部201について、図6、及び図7に基づいて説明する。図6は、本変形例における蒸発部201を示す分解斜視図である。図7は、本変形例における蒸発部201を示す部分拡大断面図である。ここで、図7は、蒸発部201を排気ガス流れ方向に沿って切断した断面図である。
第1実施形態における蒸発部1の第2変形例である蒸発部201について、図6、及び図7に基づいて説明する。図6は、本変形例における蒸発部201を示す分解斜視図である。図7は、本変形例における蒸発部201を示す部分拡大断面図である。ここで、図7は、蒸発部201を排気ガス流れ方向に沿って切断した断面図である。
蒸発部201は、上記第1実施形態における板部材50に代えて、上記第1実施形態における側面側板部52を有さない板部材250を備えている。換言すると、板部材250は、上記第1実施形態における端面側板部51に対応している。本変形例では、図7に示すように、コア部13の側面13aと、タンク部におけるフランジ部32の主面32aとは、面接合され、板部材250のコア部13側の主面は、コア部13の端面13cとフランジ部32の端面32bとに面接合されている。従って、板部材250には、上記第1実施形態における側面側板部52が形成されないので、上記第1実施形態と比べて側面側板部52の分、板部材250の材料費の低減を図ることが可能となる。
(第1実施形態の第3変形例)
第1実施形態における蒸発部1の第3変形例である蒸発部301について、図8に基づいて説明する。図8は、本変形例における蒸発部301を示す分解斜視図である。
第1実施形態における蒸発部1の第3変形例である蒸発部301について、図8に基づいて説明する。図8は、本変形例における蒸発部301を示す分解斜視図である。
蒸発部301は、上記第1実施形態における板部材50に代えて、上記第1実施形態における側面側板部52を有さない板部材350であって、ロの字形状に形成された端面側板部351を有する一対の板部材350を備えている。ここで、ロの字形状の端面側板部351とは、上記第1実施形態における端面側板部51であって、排気ガス流れ方向において同じ端部側に配設される端面側板部51同士が同一の端面側板部351として連結され、ロの字形状に形成されたものである。
従って、本変形例における板部材350は、上記第1実施形態の第2変形例における板部材250に比べて、部品数が少ない為、コア部13に対して組み付けが容易となる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、本発明に係る熱交換器を排気熱回収器に適用した例について説明したが、これに限らず、EGRクーラ、水冷インタークーラ、水冷オイルクーラ等の各種の熱交換器に適用してもよい。
なお、上記各実施形態では、本発明に係る熱交換器を排気熱回収器に適用した例について説明したが、これに限らず、EGRクーラ、水冷インタークーラ、水冷オイルクーラ等の各種の熱交換器に適用してもよい。
また、上記第1実施形態では、第1プレート21の側面部21bの先端部210を、対向面部21aから離れるにつれて受部22eから離れる方向に傾斜したテーパ形状とした例について説明したが、これに限定されることは無い。例えば、先端部210は、受部22eに対して直角な端面を有する形状であっても良い。
2…チューブ、3…タンク部、4…ダクト部、11…水通路(第2流体通路)、12…排気ガス通路(第1流体通路)、13…コア部、13a…側面、13b…開口部、13c、32b…端面、21…第1プレート、21a…対向面部(対向面)、22…第2プレート、21a、22a…対向面部、21b、22b…側面部(接合部)、21g、22g…曲げ部、22d…段下げ部、22e…受部、22f…受段部、32…フランジ部(接合部)、33…タンク側爪部、41…ダクト側係止部、50、150、250、350…板部材、51、351…端面側板部、52、152…側面側板部、210c、220c…凸部。
Claims (3)
- 断面扁平形状の管部材であって、断面コの字形状の一対のプレート(21、22)を前記断面コの字形状開口側を対向させ、前記断面扁平形状短辺側で接合し形成されるチューブ(2)を複数積層してコア部(13)が構成され、
前記一対のプレート(21、22)が接合される際に互いに対向する対向面(21a、22a)の外周には、外方に突出する凸部(210c、220c)が形成されるとともに、複数の前記チューブ(2)は、前記凸部(210c、220c)が互いに当接するように積層されており、
前記チューブ(2)の断面扁平形状短辺側に対応する前記コア部(13)の側面(13a)には、前記凸部(210c、220c)の内側領域と前記コア部(13)の外部とが連通する開口部(13b)が形成され、前記開口部(13b)を内包するようにタンク(3)が接合されており、
前記チューブ(2)の内側領域に、第1流体が流通する第1流体通路(12)を形成し、前記凸部(210c、220c)の内側領域及び前記タンク(3)の内側領域に、第2流体が流通する第2流体通路(11)を形成して、前記第1流体と前記第2流体とを熱交換する熱交換器において、
前記コア部(13)と、前記タンク(3)とが接合される接合部(21b、22b、32)における前記チューブ(2)の長手方向側の端面(13c、32b)を覆うように接合される板部材(50、150、250、350)を備えていることを特徴とする熱交換器。 - 前記板部材(50、150)は、前記接合部(21b、22b、32)の端面(13c、32b)のうち、前記コア部(13)の端面(13c)を覆うように接合される端面側板部(51)と、前記端面側板部(51)における一端から前記端面側板部(51)に対して直交する方向に延び、前記コア部(13)の側面(13a)と前記タンク(3)との間に介在して接合される側面側板部(52、152)とを有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 前記板部材(50、150、250、350)は、ろう材によって接合されており、
前記板部材(50、150、250、350)の接合面は、粗い表面加工で成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017219280A (ja) * | 2016-06-09 | 2017-12-14 | カルソニックカンセイ株式会社 | 熱交換器 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS63169499A (ja) * | 1986-12-29 | 1988-07-13 | Showa Alum Corp | 熱交換器 |
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JP2008121658A (ja) * | 2006-10-18 | 2008-05-29 | Denso Corp | 排気ガス再循環装置 |
-
2008
- 2008-12-18 JP JP2008322916A patent/JP2010145014A/ja active Pending
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