JP2717924B2 - 安定化されたペルオキシダーゼ溶液 - Google Patents

安定化されたペルオキシダーゼ溶液

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JP2717924B2 JP30986593A JP30986593A JP2717924B2 JP 2717924 B2 JP2717924 B2 JP 2717924B2 JP 30986593 A JP30986593 A JP 30986593A JP 30986593 A JP30986593 A JP 30986593A JP 2717924 B2 JP2717924 B2 JP 2717924B2
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歩美 小原
真由巳 川口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素免疫測定法(以下
EIAと略す)などに用いることのできるペルオキシダ
ーゼまたはペルオキシダーゼと配位子との結合体を含有
した溶液の腐敗防止方法,安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶液状態でのペルオキシダーゼの安定化
方法としては特開平3−81922号公報においてメチ
ルチオフェノールなどを用いる方法がある。また防腐効
果をもたせる方法としては特開平2−135090号公
報にアジ化ナトリウムとペルオキシダーゼの安定化剤を
共存させる方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メチル
チオフェノールのみを用いた場合は、ペルオキシダーゼ
の安定性は向上するものの1〜3ケ月間という長期間で
は酵素溶液を腐敗することなく保存することは困難であ
った。一方防腐剤としては各種化合物が知られている
が、サリチル酸ナトリウムはタンパク質溶液の防腐効果
が弱く、エチル水銀チオサリチル酸ナトリウムは、防腐
効果はあるものの水銀系の為、使用条件に制約がある。
アジ化ナトリムとペルオキシダーゼ安定化剤を用いた場
合は、防腐効果は向上するものの1〜3ケ月間という長
期間酵素活性を安定に保存することは困難であった。ま
た、いずれの条件でも冷蔵,冷凍以外の条件(10℃以
上)での保存では、急速な酵素の活性低下をもたらす
為、保存が困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、さらに安
定性のよいペルオキシダーゼもしくはペルオキシダーゼ
と配位子との結合体の含有溶液を開発すべく鋭意検討し
た結果本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明はペルオキシダーゼ(a
1)もしくはペルオキシダーゼと配位子との結合体(a
2)からなる溶液(A)に、下記一般式(1)(式中R
は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原
子、シアノ基、フェニル基、アミノ基、ニトロ基もしく
はモルホリノ基で、−S−CH2−RがOX基に対して
オルト位またはパラ位に置換されている。式中Xは水素
原子、ナトリウム原子、カリウム原子を表す)で示され
るフェノール系化合物(B)とアジ化ナトリウム(C)
とを共存させることを特徴とする安定化されたペルオキ
シダーゼ溶液(I)(第1発明);ならびにペルオキシ
ダーゼ(a1)もしくはペルオキシダーゼと配位子との
結合体(a2)からなる溶液(A)のpHが5.5〜
6.5であることを特徴とする安定化されたペルオキシ
ダーゼ溶液(II)(第2発明)に関するものである。
【0006】
【化2】
【0007】本第1発明の一般式(1)で示されるフェ
ノール系化合物(B)として好ましい化合物としては、
4−(メチルチオ)フェノール、4−(エチルチオ)フ
ェノール、4−(プロピルチオ)フェノール、4−(ブ
チルチオ)フェノール、4−(ペンチルチオ)フェノー
ル、4−(フルオロメチルチオ)フェノール、4−(ブ
ロモメチルチオ)フェノール、4−(クロロメチルチ
オ)フェノール、4−(ヨードメチルチオ)フェノー
ル、4−(シアノメチルチオ)フェノール、4−(ベン
ジルチオ)フェノール、4−(アミノメチルチオ)フェ
ノール、4−(ニトロメチルチオ)フェノール、4−
(モルホリノメチルチオ)フェノールなどが挙げられ
る。さらに好ましくは、4−(メチルチオ)フェノー
ル、4−(エチルチオ)フェノール、4−(プロピルチ
オ)フェノール、4−(ブチルチオ)フェノール、4−
(ペンチルチオ)フェノール、4−(フルオロメチルチ
オ)フェノールである。
【0008】該フェノール化合物(B)の添加量として
は、本第1発明の溶液中10-4〜1重量/容量%(以
下、%と略す)、好ましくは10-3〜0.5%である。
また、これらの化合物は単独で添加することも、2種以
上を組合わせて添加することも可能である。
【0009】アジ化ナトリウム(C)の添加量として
は、本第1発明の溶液中10-3〜1%、好ましくは10
-2〜0.5%である。アジ化ナトリウム(C)は、必ず
上述のフェノール系化合物(B)と共存させることが必
要である。
【0010】本第1発明にけるペルオキシダーゼ(a
1)としては、西洋ワサビ、牛乳、白血球、赤血球等か
ら抽出されたペルオキシダーゼが挙げられ、特に好まし
くは西洋ワサビのペルオキシダーゼである。
【0011】また、ペルオキシダーゼは遊離のペルオキ
シダーゼ(a1)でも、配位子に結合したペルオキシダ
ーゼ(a2)でも、また両者の混合物でもよい。
【0012】この配位子は、特に限定されるものではな
いが、例えばα−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児
性抗原(CEA)などの腫瘍マーカー抗原およびその抗
体;ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、甲状腺刺激
ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)などの
ホルモン抗原およびその抗体;サイロキシン、トリヨー
ドサイロニンなどのハプテンおよびその抗体;プロテイ
ンA、アビジン、ビオチンなどが挙げられる。また、抗
体としてはポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体
のいずれでもよい。
【0013】ペルオキシダーゼ(a1)と配位子を結合
させる方法を例示すると、例えばグルタルアルデヒド
を用い、ペルオキシダーゼ(a1)と抗体、抗原のアミ
ノ基の間で結合する方法[アブラメス等:イムノケミス
トリー、第6巻、43ページ(1969年)]、ペル
オキシダーゼ(a1)に含まれる糖鎖を過ヨウ素酸で開
裂させアルデヒド基を導入した後、抗体、抗原のアミノ
基との間にシッフ塩基を形成させ結合する方法[ナカネ
等:ジェー、ヒストケム、サイトケム、第22巻、10
84ページ(1974年)]などがある。
【0014】本発明のペルオキシダーゼ含有溶液(I)
のpHは、5.5〜6.5で、好ましくはpH5.9〜6.
1である。緩衝液としてはこのpHを維持できる緩衝液
で、本発明の溶液に用いられる溶媒としては、例えばリ
ン酸緩衝液、トリス緩衝液、バルビタール緩衝液などの
緩衝液が挙げられるが、緩衝液の種類は特に限定される
ものではなく、その目的、用途に応じて最も適した緩衝
液の種類を選択すればよい。
【0015】本第1発明のペルオキシダーゼ溶液(I)
の調製方法において、調製時におけるアジ化ナトリウム
(C)によるペルオキシダーゼ(a1)および配位子に
結合したペルオキシダーゼ(a2)の酵素活性の低下を
防止する為に、フェノール系化合物(B)は、ペルオキ
シダーゼ(a1)および配位子に結合したペルオキシダ
ーゼ(a2)を加える前に、添加溶解することが好まし
い。
【0016】本第1発明において、必要により血清ある
いは血清由来蛋白を添加したほうがより一層ペルオキシ
ダーゼ溶液(I)の安定化に効果がある場合がある。こ
の場合、かかる血清としては家兎血清、人血清、馬血
清、牛胎児血清、牛血清、マウス血清、ラット血清など
が挙げられ、また血清由来蛋白としては牛血清アルブミ
ン(以下BSAと略す)、家兎血清アルブミン、人ガン
マグロブリン、馬ガンマグロブリン、牛ガンマグロブリ
ン、マウスガンマグロブリン、ラットガンマグロブリン
またはガンマグロブリンの酵素分解物などが挙げられ
る。血清または血清由来蛋白の添加量は、血清の場合溶
液中0.1〜50%、血清由来蛋白の場合0.01〜1
0%用いるのが好ましい。
【0017】また本発明において、シュークロース、ラ
クトース、マンニトールなどの糖類、ホウ酸、ホウ砂な
どの無機質、界面活性剤類、カゼイン、ゼラチンのよう
な血清由来でない蛋白質をそれぞれの適量含有させ用い
るのが好ましい。
【0018】かくして得られた本発明による溶液はEI
A用キットなど、保存安定性を要求される用途向けに好
適である。
【0019】また、本第2発明は、ペルオキシダーゼ
(a1)もしくはペルオキシダーゼと配位子との結合体
(a2)からなる溶液(A)のpHが5.5〜6.5で
あることを特徴とする安定化されたペルオキシダーゼ溶
液(II)に関するものである。
【0020】本発明の溶液(A)のpHは、5.5〜6.
5で、好ましくはpH5.9〜6.1である。緩衝液とし
てはこのpHを維持できる緩衝液で、前記第1発明のペ
ルオキシダーゼ溶液(I)で使用したものが同様に使用
できる。
【0021】また、ペルオキシダーゼ(a1)、ペルオ
キシダーゼと配位子との結合体(a2)、配位子、ペル
オキシダーゼと配位子との結合方法なども前記第1発明
のペルオキシダーゼ溶液(I)で使用したものが同様に
使用できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 1.フェノール系化合物,アジ化ナトリウム含有ペルオ
キシダーゼ標識抗AFP抗体溶液(ア)の調製方法およ
び安定性評価 ペルオキシダーゼ標識抗AFP抗体を0.5%BSA含
有0.02(モル/リットル)のリン酸緩衝液(pH
7.0)に溶解した。この溶液に4−(メチルチオ)フ
ェノール、4−(エチルチオ)フェノール、4−(プロ
ピルチオ)フェノール、4−(ブチルチオ)フェノー
ル、4−(シアノメチルチオ)フェノール、4−(フル
オロメチルチオ)フェノール、パラヨードフェノール、
パラクロロフェノール、フェノール、N-エチル-N-
(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-m-トルイジン
各々を0.1%濃度になるよう添加溶解し次にアジ化ナ
トリウムを0.1%濃度になるよう添加した上記溶液、
またこれらフェノール系化合物のみまたはアジ化ナトリ
ウムのみを添加した上記溶液、サリチル酸ナトリウムを
0.1%添加した上記溶液、さらになにも添加していな
い上記溶液を同時に用意した。次いで調製したペルオキ
シダーゼ標識抗AFP抗体溶液(ア)を4℃で保存し、
1ヶ月毎(3ケ月間)にアッセイ方法(i)に準じて各
標識抗体溶液(ア)のアッセイ吸光度を測定した。その
結果を吸光度の低減の度合に基づき検討開始時のペルオ
キシダーゼ活性を100%とし残存活性を百分率で算出
し、評価結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果から、4−(メチルチオ)フェ
ノール、4−(エチルチオ)フェノール、4−(プロピ
ルチオ)フェノール、4−(ブチルチオ)フェノール、
4−(シアノメチルチオ)フェノール、4−(フルオロ
メチルチオ)フェノールを添加したペルオキシダーゼ標
識抗体溶液ではアジ化ナトリウム共存下でも活性低下も
なく良好な結果が得られた。また従来から使用されてい
るパラヨードフェノール、パラクロロフェノール、フェ
ノール、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロ
ピル)-m-トルイジンを添加した溶液に比べて安定な結
果が得られた。
【0025】2.フェノール系化合物,アジ化ナトリウ
ム含有ペルオキシダーゼ標識抗AFP抗体溶液(ア)の
防腐効果の評価 1.に準じて調製したペルオキシダーゼ標識抗AFP抗
体溶液(ア)を調製後37℃で保存し、1週間毎に溶液
の濁りから腐敗程度を評価した。検討開始時の腐敗がな
いクリアーな状態を−、腐敗の進行程度を+の数で表
し、表2に示した。 (+:濁りあり,++:やや白
濁,+++以上:沈澱あり)
【0026】
【表2】
【0027】表2の結果から、4−(メチルチオ)フェ
ノール、4−(プロピルチオ)フェノール、4−(シア
ノメチルチオ)フェノール、パラヨードフェノール、パ
ラクロロフェノール、フェノールにアジ化ナトリウムを
共存させた標識抗体溶液は、アジ化ナトリウムと同等な
防腐効果を示す結果が得られた。
【0028】3.フェノール系化合物,アジ化ナトリウ
ム含有ペルオキシダーゼ標識抗AFP抗体溶液(pH5
〜8)(イ)の調製方法および安定性評価 ペルオキシダーゼ標識抗AFP抗体を0.5%BSA、
0.1%4−(メチルチオ)フェノール、0.1%アジ
化ナトリウム含有0.02(モル/リットル)の各種p
Hのリン酸緩衝液(pH6.0、6.5、7.0、7.
5、8.0)及び各種pHの酢酸緩衝液(pH5.0、
5.5)に溶解した。また4−(メチルチオ)フェノー
ル,アジ化ナトリウムを添加しない上記溶液(pH7.
0)を同時に用意した。次いで調製したペルオキシダー
ゼ標識抗AFP抗体溶液(イ)を25℃で保存し、1ヶ
月毎(3ケ月間)にアッセイ方法(i)に準じて各標識
抗体溶液(イ)のアッセイ吸光度を測定した。その結果
を吸光度の低減の度合に基づき検討開始時のペルオキシ
ダーゼ活性を100%とし残存活性を百分率で算出し、
評価結果を表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】表3の結果から、pHを5.5、6.0、
6.5に調製した4−(メチルチオ)フェノール、アジ
化ナトリウム含有ペルオキシダーゼ標識抗体溶液は、p
H5.0、7.0、7.5、8.0に比べ安定な結果が
得られた。
【0031】4.アッセイ方法(i) アッセイ用試験管にAFP640ng/ml溶液30μ
lと上記個々のペルオキシダーゼ標識抗AFP抗体溶液
を500μl加え、均一溶液とした後、抗AFP抗体
(ウサギ)結合ガラスビーズを加え、37℃で60分間
インキュベートした。反応終了後、未反応物をアスピレ
ーターで除去し、さらに生理食塩水1mlで3回洗浄し
た。その後、0.3%o−フェニレンジアミン、0.0
4%過酸化水素含有の基質溶液を加え、37℃で60分
間インキュベートした。1N硫酸5mlで反応を停止さ
せた後、各々について492nmの吸光度を測定した。
【0032】実施例2 1.フェノール系化合物,アジ化ナトリウム含有ペルオ
キシダーゼ標識抗CEAモノクローナル抗体溶液(ウ)
の調製方法および安定性評価 ペルオキシダーゼ標識抗CEAモノクローナル抗体を
0.5%BSA含有0.02(モル/リットル)のリン
酸緩衝液(pH7.0)に溶解した。この溶液に4−
(メチルチオ)フェノール、4−(エチルチオ)フェノ
ール、4−(プロピルチオ)フェノール、4−(ブチル
チオ)フェノール、4−(シアノメチルチルチオ)フェ
ノール、4−(フルオロメチルチオ)フェノール、パラ
ヨードフェノール、パラクロロフェノール、フェノー
ル、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピ
ル)-m-トルイジン各々を0.1%濃度になるよう添加
溶解し次にアジ化ナトリウムを0.1%濃度になるよう
添加した上記溶液、また、これらフェノール系化合物の
みまたはアジ化ナトリウムのみを添加した上記溶液、さ
らになにも添加していない上記溶液を同時に用意した。
次いで調製したペルオキシダーゼ標識抗CEAモノクロ
ーナル抗体溶液(ウ)を4℃で保存し、1ヶ月毎(3ケ
月間)にアッセイ方法(ii)に準じて各標識抗体溶液
(ウ)のアッセイ吸光度を測定した。その結果を吸光度
の低減の度合に基づき検討開始時のペルオキシダーゼ活
性を100%とし残存活性を百分率で算出し、評価結果
を表4に示した。
【0033】
【表4】
【0034】表4の結果から、4−(メチルチオ)フェ
ノール、4−(エチルチオ)フェノール、4−(プロピ
ルチオ)フェノール、4−(ブチルチオ)フェノール、
4−(シアノメチルチオ)フェノール、4−(フルオロ
メチルチオ)フェノールを添加したペルオキシダーゼ溶
液ではアジ化ナトリウム共存下でも活性低下もなく良好
な結果が得られた。また従来から使用されているパラヨ
ードフェノール、パラクロロフェノール、フェノール、
N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-
m-トルイジンを添加した溶液に比べ安定な結果が得ら
れた。
【0035】2.フェノール系化合物,アジ化ナトリウ
ム含有ペルオキシダーゼ標識抗CEAモノクローナル抗
体溶液(pH5〜8)(エ)の調製方法および安定性評
価 ペルオキシダーゼ標識抗CEAモノクローナル抗体を
0.5%BSA、0.1%4−(メチルチオ)フェノー
ル、0.1%アジ化ナトリウム含有0.02(モル/リ
ットル)の各種pHのリン酸緩衝液(pH6.0、6.
5、7.0、7.5、8.0)及び各種pHの酢酸緩衝
液(pH5.0、5.5)に溶解した。また4−(メチ
ルチオ)フェノール,アジ化ナトリウムを添加しない緩
衝液(pH7.0)も同時に用意した。次いで調製した
ペルオキシダーゼ標識抗CEAモノクローナル抗体溶液
(エ)を25℃で保存し、1ヶ月毎(3ケ月間)にアッ
セイ方法(ii)に準じて各標識抗体溶液(エ)のアッ
セイ吸光度を測定した。その結果を吸光度の低減の度合
に基づき検討開始時のペルオキシダーゼ活性を100%
とし残存活性を百分率で算出し、評価結果を表5に示し
た。
【0036】
【表5】
【0037】表5の結果から、pHを5.5、6.0、
6.5に調製した4−(メチルチオ)フェノール、アジ
化ナトリウム含有酵素標識抗体溶液(エ)は、pH5.
0、7.0、7.5、8.0に比べ安定である結果が得
られた。
【0038】3.アッセイ方法(ii) アッセイ用試験管にCEA60ng/ml溶液100μ
lと上記個々の溶液を500μl加え、均一溶液とした
後、抗CEA抗体(ウサギ)結合ガラスビーズを加え、
37℃で60分間インキュベートした。反応終了後、未
反応物をアスピレーターで除去し、さらに生理食塩水1
mlで3回洗浄した。その後0.3%o−フェニレンジ
アミン、0.04%過酸化水素含有の基質溶液を加え、
37℃で60分間インキュベートした。1N硫酸5ml
で反応を停止させた後、各々について492nmの吸光
度を測定した。
【0039】実施例3 1.ペルオキシダーゼ標識抗AFP抗体溶液(pH5〜
8)(オ)の調製方法および安定性評価 ペルオキシダーゼ標識抗AFP抗体を0.5%BSA、
0.02(モル/リットル)の各種pHのリン酸緩衝液
(pH6.0、6.5、7.0、7.5、8.0)及び
各種pHの酢酸緩衝液(pH5.0,5.5)に溶解し
た。また各標識抗体溶液(オ)は滅菌したメンブレン
(0.45μmポアーサイズ)で除菌後、25℃で保存
し、1ヶ月毎(3ケ月間)にアッセイ方法(i)に準じ
て各標識抗体溶液(オ)のアッセイ吸光度を測定した。
その結果を吸光度の低減の度合に基づき検討開始時のペ
ルオキシダーゼ活性を100%とし残存活性を百分率で
算出し、評価結果を表6に示した。
【0040】
【表6】
【0041】表6の結果から、pHを5.5、6.0、
6.5に調製したペルオキシダーゼ標識抗体溶液は、p
H5.0、7.0、7.5、8.0に比べ安定である結
果が得られた。
【0042】実施例4 1.ペルオキシダーゼ標識抗CEAモノクローナル抗体
溶液(pH5〜8)(カ)の調製方法および安定性評価 ペルオキシダーゼ標識抗CEAモノクローナル抗体を
0.5%BSA、0.02(モル/リットル)の各種p
Hのリン酸緩衝液(pH6.0、6.5、7.0、7.
5、8.0)及び各種pHの酢酸緩衝液(pH5.0、
5.5)に溶解した。また各標識抗体溶液(カ)は滅菌
したメンブレン(0.45μmポアーサイズ)で除菌
後、25℃で保存し、1ヶ月毎(3ケ月間)にアッセイ
方法(ii)に準じて各標識抗体溶液(カ)のアッセイ
吸光度を測定した。その結果を吸光度の低減の度合に基
づき検討開始時のペルオキシダーゼ活性を100%とし
残存活性を百分率で算出し、評価結果を表7に示した。
【0043】
【表7】
【0044】表7の結果から、pHを5.5、6.0、
6.5に調製したペルオキシダーゼ標識抗体溶液(カ)
は、pH5.0、7.0、7.5、8.0に比べ安定で
ある結果が得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明により、遊離のペルオキシダーゼ
および/またはペルオキシダーゼ結合体溶液の酵素活性
を腐敗させることなく安定に長期間維持することが可能
となった。従って、EIA用キットなど保存安定性を要
求される用途向けに好適である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペルオキシダーゼ(a1)もしくはペ
    ルオキシダーゼと配位子との結合体(a2)からなる溶
    液(A)に、下記一般式(1)(式中Rは水素原子、炭
    素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、フ
    ェニル基、アミノ基、ニトロ基もしくはモルホリノ基
    で、−S−CH2−RがOX基に対してオルト位または
    パラ位に置換されている。Xは水素原子、ナトリウム原
    子、カリウム原子を表す)で示されるフェノール系化合
    物(B)とアジ化ナトリウム(C)とを共存させること
    を特徴とする安定化されたペルオキシダーゼ溶液
    (I)。 【化1】
  2. 【請求項2】 該フェノール系化合物(B)が溶液中
    10-4〜1重量/容量%、アジ化ナトリウムが10-3
    1重量/容量%含有される請求項1記載の溶液(I)。
  3. 【請求項3】 該配位子が抗原または抗体である請求
    項1または2記載の溶液(I)。
  4. 【請求項4】 pHが5.5〜6.5に保持された請
    求項1〜3のいずれか記載の溶液(I)。
  5. 【請求項5】 ペルオキシダーゼ(a1)もしくはペ
    ルオキシダーゼと配位子との結合体(a2)からなる溶
    液(A)のpHが5.5〜6.5であることを特徴とす
    る安定化されたペルオキシダーゼ溶液(II)。
  6. 【請求項6】 該配位子が抗原または抗体である請求
    項5記載の溶液(II)。
JP30986593A 1993-11-16 1993-11-16 安定化されたペルオキシダーゼ溶液 Expired - Fee Related JP2717924B2 (ja)

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