JP2000088849A - フェリチン測定方法およびフェリチン測定用キット - Google Patents

フェリチン測定方法およびフェリチン測定用キット

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JP2000088849A
JP2000088849A JP10255345A JP25534598A JP2000088849A JP 2000088849 A JP2000088849 A JP 2000088849A JP 10255345 A JP10255345 A JP 10255345A JP 25534598 A JP25534598 A JP 25534598A JP 2000088849 A JP2000088849 A JP 2000088849A
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ferritin
measuring
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JP10255345A
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Keisuke Iwata
恵助 岩田
Michiyasu Kawano
充康 川野
Hirobumi Ishida
博文 石田
Yoshinori Yoshimura
佳典 吉村
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A & T Kk
Original Assignee
A & T Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検体鮮度の影響が少ない状態でフェリチン濃
度を測定することができるフェリチン測定方法およびフ
ェリチン測定用キットを提供する。 【解決手段】 塩化コリンなどの第4級アンモニウム塩
を含ませたR1試薬と、抗フェリチン抗体が感作された
不溶性担体を含むR2試薬とを用いて、検体中のフェリ
チンの濃度を測定する。この方法によれば、図1に示し
てあるように、検体鮮度の影響が少ない状態でフェリチ
ン濃度を測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェリチンの濃度
を測定するためのフェリチン測定方法およびフェリチン
測定用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】フェリチンは、肝実質細胞や網内皮系細
胞、血清中に存在する、分子量が約45万の可溶性の鉄
貯蔵タンパクである。フェリチンは、血清中のその濃度
が体内の鉄貯蔵量と密接に関係している物質であること
がわかっているため、フェリチンの濃度を指標として、
鉄代謝異常のある各種血液疾患の診断や治療経過観察が
行われている(臨床血液,20:1327-1325,1979)。
【0003】また、フェリチンは、白血病や肝癌などの
各種の悪性腫瘍において高値になることも報告されてお
り(Clin. Chim. Acta, 106:203-214,1980)、腫瘍マー
カーの一つとしても臨床的に有効とされている。
【0004】フェリチンの濃度測定には、従来は、ラジ
オイムノアッセイ(放射性免疫測定法)が主に用いられ
ていた。しかしながら、この方法はラジオアイソトープ
を使用するものであるため、近年では、エンザイムイム
ノアッセイ法、ラテックス凝集による免疫測定法(ラテ
ックス比濁法・カウンティングイムノアッセイ法等)が
用いられるようになってきている。
【0005】特に、ラテックス凝集による免疫測定法
が、他法に比べて簡便かつ迅速に測定が行える方法とな
っているため、広く使用されている。なお、ラテックス
比濁法の詳細については、例えば、医学と薬学,30(4),8
93-899,1993 を参照されたい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ラテックス凝集による
免疫測定法は、簡便かつ迅速にフェリチン濃度の測定が
行える方法となっているものの、検体の鮮度により測定
値が大きく異なる方法となっていた。すなわち、採血直
後における測定値と、冷蔵保存した後における測定値が
異なる方法になっていた。
【0007】また、冷蔵保存した日数によっても測定値
が異なる方法となっていた。従って、従来の、ラテック
ス凝集による免疫測定法を用いて、正確なフェリチン濃
度を得るためには、採血後、一定期間内に測定を行うと
いった管理が必要されることになるが、このような管理
を行うことは極めて困難である。
【0008】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
って、検体鮮度の影響が少ない状態でフェリチン濃度を
測定することができるフェリチン測定方法およびフェリ
チン測定用キットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1にかかるフェリチン測定方法は、抗フェリ
チン抗体が感作された不溶性担体と、検体中のフェリチ
ンとの抗原抗体反応による前記不溶性担体の凝集反応に
基づき前記フェリチンの濃度が測定されるフェリチン測
定方法において、前記凝集反応が生ずる反応系内に第4
級アンモニウム塩が含まれる状態で前記フェリチンの濃
度が測定されることを特徴とする。
【0010】また、請求項2にかかるフェリチン測定方
法は、検体中に含まれるフェリチン濃度を測定するため
のフェリチン測定方法において、前記検体と、前記検体
を希釈するための第1試薬であって、第4級アンモニウ
ム塩を含む第1試薬とを混和する第1混和工程と、この
第1混和工程で得られた混和物と、抗フェリチン抗体が
感作された不溶性担体を含む第2試薬とを混和する第2
混和工程と、この第2混和工程で得られた反応系内で生
ずる前記不溶性担体の凝集反応に基づき前記フェリチン
の濃度を測定する測定工程と、を含むことを特徴とす
る。
【0011】また、請求項3にかかるフェリチン測定方
法は、前記反応系内の前記第4級アンモニウム塩の含有
率が0.4〜20%であることを特徴とする。
【0012】また、請求項4にかかるフェリチン測定方
法は、前記反応系内の前記第4級アンモニウム塩の含有
率が2〜14%であることを特徴とする。
【0013】また、請求項5にかかるフェリチン測定方
法は、前記反応系内の前記第4級アンモニウム塩の含有
率が4〜7%であることを特徴とする。
【0014】また、請求項6にかかるフェリチン測定方
法は、前記不溶性担体がラテックス粒子であることを特
徴とする。
【0015】また、請求項7にかかるフェリチン測定用
キットは、検体中に含まれるフェリチン濃度を測定する
ために用いられるフェリチン測定用キットにおいて、前
記検体を希釈するための第1試薬であって、第4級アン
モニウム塩を含む第1試薬と、前記第1試薬によって希
釈された前記検体と混和される第2試薬であって、抗フ
ェリチン抗体が感作された不溶性担体を含む第2試薬
と、を含むことを特徴とする。
【0016】また、請求項8にかかるフェリチン測定用
キットは、前記第1試薬と前記第2試薬が、混和後の前
記第4級アンモニウム塩の含有率が0.4〜20%とな
る割合で使用される試薬であることを特徴とする。
【0017】また、請求項9にかかるフェリチン測定用
キットは、前記第1試薬の第4級アンモニウム塩の含有
率が0.5〜30%であることを特徴とする。
【0018】また、請求項10にかかるフェリチン測定
方法は、検体中に含まれるフェリチン濃度を測定するた
めのフェリチン測定方法において、前記検体と、前記検
体を希釈するための第1試薬であって、攪拌により激し
く泡立たない程度の量の界面活性剤を含む第1試薬とを
混和する第1混和工程と、この第1混和工程で得られた
混和物と、抗フェリチン抗体が感作された不溶性担体を
含む第2試薬とを混和する第2混和工程と、この第2混
和工程で得られた反応系内で生ずる前記不溶性担体の凝
集反応に基づき前記フェリチンの濃度を測定する測定工
程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるフェリチ
ン測定方法およびフェリチン測定用キットの実施の形態
を詳細に説明する。
【0020】上記課題を解決するために、鋭意、研究を
行った結果、発明者らは、抗フェリチン抗体が感作され
た不溶性担体と、検体中のフェリチンとの抗原抗体反応
による前記不溶性担体の凝集反応に基づき前記フェリチ
ンの濃度を測定するに際してその凝集反応が生ずる反応
系内に、塩化コリン、臭化コリン、塩化アセチルコリン
等の第4級アンモニウム塩を含めておけば、検体鮮度の
影響が少ない状態でフェリチン濃度を測定することがで
きることを見出した。
【0021】このフェリチン測定方法の具体的な実現方
法は、特に限定されない。いわゆる、1液型の試薬の使
用により実現しても良く、2液型の試薬の使用により実
現しても良い。
【0022】例えば、検体を希釈するための第1試薬で
あって、第4級アンモニウム塩を含む第1試薬と、前記
第1試薬によって希釈された前記検体と混和される第2
試薬であって、抗フェリチン抗体が感作された不溶性担
体を含む第2試薬とを用意しておき(すなわち、フェリ
チン測定用キットを用意しておき)、まず、検体と第1
試薬とを混和し、つぎに、得られた混和物と第2試薬と
を混和することによって反応系を調整し、その反応系内
で生ずる前記不溶性担体の凝集反応に基づき前記フェリ
チンの濃度を測定するといった手順で、本発明にかかる
フェリチン測定方法を実現することもできる。
【0023】また、本発明によるフェリチン測定方法を
使用する場合、反応系における第4級アンモニウム塩の
含有率(濃度)を高くしておいた方が、検体鮮度の影響
がより少ない状態での測定が可能となる。しかしなが
ら、測定感度が低下することになるため、反応系内の第
4級アンモニウム塩の含有率は、0.4〜20%程度で
あることが好ましく、2〜14%、特に、4〜7%とし
ておくことが望ましい。
【0024】また、第1試薬と第2試薬とを用いる形態
で本発明を実施する場合には、その混合の結果物の第4
級アンモニウム塩含有率が上記範囲となるようにしてお
けば良い。すなわち、第1試薬と第2試薬の双方に第4
級アンモニウム塩を含ませておいても良く、一方のみに
第4級アンモニウム塩を含ませておいても良い。
【0025】なお、不溶性担体としては、一般に免疫学
的凝集法に用いられているラテックス粒子が用いること
ができることは当然として、リポゾーム、金コロイド等
を用いることができる。ただし、粒子径が0.05〜
0.3μmのものを用いることが好ましい。また、何種
類かの不溶性担体を組み合わせて用いても良い。抗フェ
リチン抗体は、ポリクロナール抗体、モノクロナール抗
体のいずれであっても良い。また、抗体由来の動物種は
特に限定されない。不溶性担体への抗フェリチン抗体の
感作は、周知の方法を用いて抗フェリチン抗体を不溶性
担体へ吸着又は結合させることにより実現できる。
【0026】また、第1試薬は、グリシン緩衝液、トリ
ス緩衝液、りん酸緩衝液などを元として調製することが
でき、その際、アルブミン等のタンパク、ポリエチレン
グリコール等の高分子、ツイーン、トライトン等の界面
活性剤、塩化ナトリウム等の塩化物、アジ化ナトリウム
等の防腐剤等を含めることもできる。
【0027】さらに、本発明者らは、第4級アンモニウ
ム塩ではなく、比較的多量の界面活性剤を含む第1試薬
を用いても、検体鮮度の影響が少ない状態でフェリチン
濃度を測定することができることを見出しているが、こ
の方法では、界面活性剤の量の調整を誤ると、攪拌時に
泡が立ってしまい測定が行えなくなるといったことが生
ずるので、第4級アンモニウム塩を用いた方法の方が好
ましいものと考えている。
【0028】以下、本発明におけるフェリチン測定方法
およびフェリチン測定用キットについて、図面を参照し
てさらに具体的に、その実施例について説明する。ここ
では、第1試薬と第2試薬(以下、それぞれ、R1試
薬、R2試薬と表記する)とを用いる形態での本発明の
フェリチン測定方法にかかる実施例を説明することにす
る。
【0029】まず、R1試薬、R2試薬の調製手順を説
明する。R1試薬として、50mMグリシン緩衝液(1
50mM塩化ナトリウム、0.1%アジ化ナトリウムを
含む。以下、GBSと略記する。)に、ウシ血清アルブ
ミン(以下、BSAと略記する。)、ポリエチレングリ
コール6,000 、第4級アンモニウム塩である塩化コリン
を、それぞれ、1%、2%、X%(X=0.2、0.
5、1、2、5、10、20、30)含むように添加し
たものを調製した。
【0030】また、塩化コリンの代わりに界面活性剤
(Triton X-100)を、0.01%、0.05%含むR1
試薬の調製も行った。さらに、塩化コリンを含まないR
1試薬(以下、比較用R1試薬と表記する)も調製し
た。そして、調製した各R1試薬を5℃で保存してお
き、測定(詳細は後述)に用いた。
【0031】R2試薬としては、以下の手順で調製した
1種の試薬を用意した。10mgの抗フェリチン抗体を
9.5mLのGBSに溶解し、0.5mLのラテックス
(粒子径0.16μm、固形分10%懸濁液)を加え、
37℃で一夜、インキュベーションした。そして、この
ようにして調製した感作ラテックス懸濁液を、10℃、
14,000rpm にて30分間遠心分離した後、その上清を除
去した。
【0032】つぎに、得られた沈殿に、1%BSA添加
GBS10mLを加え、37℃で1時間インキュベーシ
ョンを行った。その後、再び、10℃、14,000rpm での
30分間の遠心分離を行い、上清の除去により得られた
沈殿を、1%BSA添加GBS20mLに懸濁させるこ
とにより、R2試薬を調製した。
【0033】以下、このR2試薬と各R1試薬とからな
る各フェリチンラテックス試薬(フェリチン測定キッ
ト)の検体鮮度依存性を評価するために行った実験の内
容、結果を説明する。
【0034】本発明者らは、各フェリチンラテックス試
薬(フェリチン測定キット)の検体鮮度依存性を評価す
るために、5℃で冷蔵保存された検体(ヒト血清)に対
して、その採血後4日間経過した日を基準日とし、その
基準日におけるフェリチン濃度と、基準日から、それぞ
れ、4、7、14日経過した日におけるフェリチン濃度
の測定を行った。また、比較用R1試薬とR2試薬とか
らなるフェリチンラテックス試薬に対しても同様の測定
を行った。
【0035】この際、フェリチン濃度の測定は、自動分
析装置502X(A&T社製)を用いて行った。より具
体的には、24μLの検体(ヒト血清)に、180μL
のR1試薬を添加して約300秒間インキュベーション
させた後、30μLのR2試薬を添加し、その約30秒
後から約300秒間の、波長665nmにおける吸光度
を測定し、直線回帰から算出された値を、10,000倍して
濁度変化量ΔODを求めた。そして、同様の測定を既知
濃度のフェリチン試料(コントロール血清)に対して行
うことにより作成しておいた検量線を用いて、ΔODか
らフェリチン濃度を算出した。
【0036】表1に、上記実験結果を変化率で整理した
結果を示し、図1に、当該結果をプロットしたグラフを
示す。ここで、変化率とは、保存期間が0日である検体
(採血後4日間冷蔵保存された検体)のフェリチン濃度
測定結果C0 と、保存期間がn日である検体のフェリチ
ン濃度測定結果Cn とから、100 ×( Cn - C0 )/C
0 で算出した値のことである。
【0037】
【表1】
【0038】表1および図1から明らかなように、比較
用R1試薬を用いて測定を行った場合(表1では、比較
例と表記してある)、検体の冷蔵保存日数が長くなるに
つれ、変化率は大きくなり、保存日数が14日となった
ときの変化率はおよそ30%に達する。
【0039】これに対して、塩化コリンを含むR1試薬
を用いて測定を行った場合(表1では、実施例と表記し
てある)には、保存日数が長くなるにつれ、変化率が大
きくなる傾向は認められるものの、いずれのR1試薬を
用いた場合においても、各保存日数に対する変化率は、
比較用R1試薬を用いた場合における対応する変化率よ
りも小さな値を示している。すなわち、塩化コリンを含
めた各R1試薬とR2試薬とを用いた上記した手順の測
定は、検体鮮度の影響が少ない状態でフェリチン濃度を
測定することができるものとなっている。
【0040】また、上記した手順の測定は、極めて信頼
性の高いものであることも確認されている。そのことを
裏付ける実験結果の一例を、図2、3に示す。なお、図
2は、塩化コリン濃度が5%のR1試薬を用いて、ヒト
血清150例について行った測定の結果から作成した、
0日保存後に測定されたフェリチン濃度と14日保存後
に測定されたフェリチン濃度との間の相関図であり、図
3は、同じ測定を、比較用R1試薬を用いて行った結果
から作成した相関図である。
【0041】これらの図から明らかなように、塩化コリ
ンを含まない比較用R1試薬を用いた場合に、両測定結
果の間に比較的低い相関(相関係数γが0.9848)
しか存在しないのに対し、塩化コリンを含むR1試薬を
用いた場合、両測定結果の間に極めて高い相関(相関係
数γが0.9994)が存在しており、上記した手順の
測定は、極めて信頼性の高いものであるということがで
きる。
【0042】また、これらの図は、本実施例の測定手順
が、検体鮮度(保存日数)の影響が少ない状態でフェリ
チン濃度を測定できるものであることも示している。す
なわち、塩化コリンを含まない比較用R1試薬を用いた
場合、測定結果が、検体鮮度(保存日数)の影響を受け
ることは、図1等を用いて既に説明したが、このこと
は、図3に示したデータの回帰方程式のxの係数が
“1”より明らかに大きくなっている点に示されてい
る。
【0043】逆に、実施例の測定方法を用いた場合、測
定結果が、検体鮮度(保存日数)の影響を受けにくいこ
とは、図2に示したデータの回帰方程式のxの係数が
“1”に極めて近くなっている点に示されている。
【0044】ここで、同様の測定を、市販のフェリチン
測定用ラテックス試薬を用いて行った結果から作成した
相関図である図4,5を用いて、実施例の測定方法と、
市販試薬を用いた測定方法とを簡単に比較しておく。
【0045】図4、5に記載してある回帰方程式、相関
係数と、図2に記載してある回帰方程式、相関係数とか
ら明らかなように、実施例の測定方法は、市販薬品A、
Bを用いた測定方法よりも、検体鮮度(保存日数)の影
響が少ない状態で、かつ、信頼性が高い状態でフェリチ
ン濃度の測定が行えるものとなっている。
【0046】なお、市販薬品Bに関する実験結果につい
ての相関係数(0.9993)は、実施例の測定方法の
実験結果についての相関係数(0.9994)に匹敵す
る値となっており、この点だけからは、市販薬品Bを用
いた測定方法は信頼性が高いものであるということがで
きる。ただし、その回帰方程式の定数項の値が大きくな
っていることから明らかなように、市販薬品Bを用いた
測定方法は、フェリチンの濃度が低い検体に対する測定
精度が、実施例の測定方法に比して低いものとなってい
る。
【0047】図1(表1)に戻って、実施例の測定方法
についての説明を続ける。既に説明したように、この図
は、塩化コリンを含むR1試薬を用いると検体鮮度の影
響をあまり受けない状態でフェリチン濃度を測定できる
ことを示しているが、さらに、R1試薬中の塩化コリン
濃度を高くするほど、検体鮮度への依存性を小さくでき
ることをも示している。
【0048】従って、より多くの塩化コリンを含むR1
試薬を用いた方が、検体鮮度の影響を受けないようにす
るためには有効であることになる。しかしながら、図6
に示したように、R1試薬中の塩化コリン濃度を大きく
すると、ΔODの値が低下してしまうことが確認されて
いる。このため、測定に用いる装置の検出感度や、必要
とする測定精度にも依存するが、R1試薬中の塩化コリ
ン濃度を、2〜20%、特に、5〜10%としておくこ
と、換言すれば、反応系における塩化コリン濃度を、
1.5〜14%、特に、4〜7%としておくことが望ま
しいと考えられる。
【0049】最後に、塩化コリンの代わりに界面活性剤
(Triton X-100)を含めたR1試薬についての実験結果
を説明しておく。界面活性剤を0.05%含むように調
製したR1試薬を用いた場合、攪拌により泡が発生して
しまい、その影響で測定が行えなかった。しかしなが
ら、0.01%含むように調製したR1試薬を用いた場
合、図7に示したように、塩化コリンを1〜2%含むR
1試薬と同程度の結果が得られることが確認された。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かるフェリチン測定方法によれば、検体鮮度の影響が少
ない状態でフェリチン濃度を測定することができるとい
う効果を奏する。
【0051】また、本発明にかかるフェリチン測定用キ
ットを用いれば、本発明にかかるフェリチン測定方法を
簡単に実施することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるフェリチン測定方法の
検体鮮度依存性を示した図である。
【図2】本発明の実施例にかかるフェリチン測定方法の
検体鮮度依存性を示した相関図である。
【図3】比較例にかかるフェリチン測定方法の検体鮮度
依存性を示した相関図である。
【図4】市販薬品Aを用いたフェリチン測定方法の検体
鮮度依存性を示した相関図である。
【図5】市販薬品Bを用いたフェリチン測定方法の検体
鮮度依存性を示した相関図である。
【図6】本発明の実施例にかかるフェリチン測定方法に
おいて塩化コリン濃度が吸光度測定値に与える影響を示
した図である。
【図7】本発明の実施例にかかる、界面活性剤を用いた
フェリチン測定方法の検体鮮度依存性を示した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 博文 東京都日野市日野320番地の11 株式会社 エイアンドティー内 (72)発明者 吉村 佳典 東京都日野市日野320番地の11 株式会社 エイアンドティー内 Fターム(参考) 2G045 AA01 BA11 BB29 BB31 BB46 BB51 CA26 CB02 CB17 FA11 FA29 FB03 FB15 GC10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗フェリチン抗体が感作された不溶性担
    体と、検体中のフェリチンとの抗原抗体反応による前記
    不溶性担体の凝集反応に基づき前記フェリチンの濃度が
    測定されるフェリチン測定方法において、 前記凝集反応が生ずる反応系内に第4級アンモニウム塩
    が含まれる状態で前記フェリチンの濃度が測定されるこ
    とを特徴とするフェリチン測定方法。
  2. 【請求項2】 検体中に含まれるフェリチン濃度を測定
    するためのフェリチン測定方法において、 前記検体と、前記検体を希釈するための第1試薬であっ
    て、第4級アンモニウム塩を含む第1試薬とを混和する
    第1混和工程と、 この第1混和工程で得られた混和物と、抗フェリチン抗
    体が感作された不溶性担体を含む第2試薬とを混和する
    第2混和工程と、 この第2混和工程で得られた反応系内で生ずる前記不溶
    性担体の凝集反応に基づき前記フェリチンの濃度を測定
    する測定工程と、 を含むことを特徴とするフェリチン測定方法。
  3. 【請求項3】 前記反応系内の前記第4級アンモニウム
    塩の含有率が0.4〜20%であることを特徴とする請
    求項1または2に記載のフェリチン測定方法。
  4. 【請求項4】 前記反応系内の前記第4級アンモニウム
    塩の含有率が2〜14%であることを特徴とする請求項
    1または2に記載のフェリチン測定方法。
  5. 【請求項5】 前記反応系内の前記第4級アンモニウム
    塩の含有率が4〜7%であることを特徴とする請求項1
    または2に記載のフェリチン測定方法。
  6. 【請求項6】 前記不溶性担体がラテックス粒子である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の
    フェリチン測定方法。
  7. 【請求項7】 検体中に含まれるフェリチン濃度を測定
    するために用いられるフェリチン測定用キットにおい
    て、 前記検体を希釈するための第1試薬であって、第4級ア
    ンモニウム塩を含む第1試薬と、 前記第1試薬によって希釈された前記検体と混和される
    第2試薬であって、抗フェリチン抗体が感作された不溶
    性担体を含む第2試薬と、 を含むことを特徴とするフェリチン測定用キット。
  8. 【請求項8】 前記第1試薬と前記第2試薬が、混和後
    の前記第4級アンモニウム塩の含有率が0.4〜20%
    となる割合で使用される試薬であることを特徴とする請
    求項7に記載のフェリチン測定用キット。
  9. 【請求項9】 前記第1試薬の第4級アンモニウム塩の
    含有率が0.5〜30%であることを特徴とする請求項
    8に記載のフェリチン測定用キット。
  10. 【請求項10】 検体中に含まれるフェリチン濃度を測
    定するためのフェリチン測定方法において、 前記検体と、前記検体を希釈するための第1試薬であっ
    て、攪拌により激しく泡立たない程度の量の界面活性剤
    を含む第1試薬とを混和する第1混和工程と、 この第1混和工程で得られた混和物と、抗フェリチン抗
    体が感作された不溶性担体を含む第2試薬とを混和する
    第2混和工程と、 この第2混和工程で得られた反応系内で生ずる前記不溶
    性担体の凝集反応に基づき前記フェリチンの濃度を測定
    する測定工程と、 を含むことを特徴とするフェリチン測定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104062287A (zh) * 2014-07-01 2014-09-24 福建工程学院 一种基于纳米金催化的化学发光分析检测铁蛋白的方法
JP2018155629A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 東ソー株式会社 ペプチドの吸着抑制剤
JP2018169273A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 東ソー株式会社 ペプチドの吸着抑制剤

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