JP2717171B2 - 金属微粒子添加マトリックスの製造方法 - Google Patents

金属微粒子添加マトリックスの製造方法

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JP2717171B2 JP63067637A JP6763788A JP2717171B2 JP 2717171 B2 JP2717171 B2 JP 2717171B2 JP 63067637 A JP63067637 A JP 63067637A JP 6763788 A JP6763788 A JP 6763788A JP 2717171 B2 JP2717171 B2 JP 2717171B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、光論理素子や超高速光スイッチの実現に必
須の大きな光非線形効果を有する金属微粒子添加マトリ
ックスの製造方法に関するものである。
「従来の技術」 大きな非線形光学定数を持つ光学ガラスとして、半導
体微粒子結晶添加ガラスや金属微粒子添加ガラスが注目
されている。可視域の色ガラスフィルターとして知られ
る半導体ドープガラスにおいて3次の光非線形定数が非
常に大きいことが明らかにされている。この色ガラスフ
ィルターは硅酸塩ガラスに半導体混晶であるCdSexS1-x
をドープしたものであり、この微粒子はガラス中で100
Å程度の大きさで分散している。こうした半導体ドープ
ガラスでは、微小な半導体粒子の量子サイズ効果とキャ
リア閉じ込め効果により、非線形効果が大きくなるもの
と考えられている。この種のガラスの作成には、従来バ
ッチ溶融法が用いられている。すなわち、半導体の原料
には、金属セレンと硫化カドミウムを用い、それらを硅
砂、ソーダ灰、炭酸カリ、酸化亜鉛のガラス原料中に混
合し、溶融冷却する。このガラス冷却過程において、Cd
Sが微細な結晶核として析出する。この工程の後、ガラ
スを再度熱処理することで、CD2+,S2-,Se2-が熱拡散
し、CdSの結晶核を中心にCdS-CdSeの混晶が形成され発
色したガラスが得られる。
「発明が解決しようとする課題」 ところで前記非線形ガラスの製造方法では、製造工程
が複雑であること、粒径制御に熱処理工程を用いている
ため、粒径の精密な制御が難しい上に、製造工程自体が
人間の勘に頼る部分が多く、再現性良く非線形ガラスを
作製することが困難であった。さらに、このバッジ溶融
法では、光論理素子や光スイッチなどの光素子作製に必
要な薄膜形成が極めて難しく、光非線形応用素子の作製
に応用しにくいという問題があった。
一方、前記金属微粒子をドープしたガラスにおいて
は、誘電体(ガラス)と金属微粒子界面での表面プラズ
モンに起因した誘電率の分散により、大きな非線形効果
が得られると考えられている。この際、添加される微粒
子は、その直径(または大きさ)が波長に比較して充分
に小さいことと均一なことが必要である。しかるに従来
この条件に合致した金属微粒子をガラスにドープし、均
一に分散させる技術はバッチ溶融法によるものであり、
基本的にはCdSSe添加ガラスと同様に粒子径制御に熱処
理工程を用いているため、再現性、制御性が極めて困難
であった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、光論理
素子や超高速光スイッチの実現に必須の大きな非線形光
学定数を有する極めて高品質の非線形光学ガラス等の非
線形マトリックスおよび非線形薄膜を得ることを目的と
し、粒径が小さくかつ粒径分布の均一な金属微粒子をド
ープしたマトリックスの製造方法、および新しいドーパ
ントの添加を可能にするマトリックスの製造方法を提供
することを課題とするものである。
「課題を解決するための手段」 本発明者らは、粒径が小さくかつ粒径分布の均一な金
属微粒子をドープしたマトリックスの製造方法を種々検
討した結果、実質的に光化学反応を利用して解離した金
属は極めて粒径が小さく、また粒径分布も揃っているこ
とを見いだし、さらに光化学を利用したこの方法はマト
リックスへの添加も極めて容易であることを見いだし
た。
本発明の原理を有機酸金属塩を例にとれば、次のよう
な反応式(1−1)で説明される。
RCOOM→RCOO-+M+ (1−1) すなわち、有機酸金属塩(RCOOM)に紫外線を照射す
ることにより有機イオンと金属イオンに解離する。この
金属イオンあるいは還元された金属は凝集し金属の微粒
子となる。
同様にハロゲン化銀の場合は(2−1)式で表すこと
ができる。
AgX→Ag++X+e- (2−1) 本発明はこのように実質的に光照射によって解離した
金属微粒子をガラスや有機ポリマー等のマトリックス中
にドープするものである。またもう一つの本発明は実質
的に光照射によって、金属微粒子を解離し得る有機酸金
属塩やハロゲン化銀をマトリックス中あるいはその前駆
物質中にドープした後、光照射などによって金属がを解
離しするものである。このような反応は分子オーダーで
進むため、極めて粒径が小さく、また粒径分布の揃った
微粒子が得られる。一般には200オングストローム以下
の粒径の微粒子であるといわれている。
本発明において、この様な光照射によって金属を解離
する化合物は特に限定するものではないが、水酸基、カ
ルボキシル基等を持つ有機物、有機酸金属塩、銀塩写真
などに用いられるハロゲン化銀などが例示される。これ
らのうち、特に好ましいのは感度の優れた有機酸金属
塩、ハロゲン化銀及びこれらの混合物である。
本発明における有機酸金属塩は、有機酸を水酸化ナト
リウム等と反応させてナトリウム塩にし〔(3)式〕、
得られた有機酸のナトリウム塩を硝酸金属と反応させ
て、〔(4)式〕得られる。
RCOOH→NaOH→RCOONa+H2O (3) RCOONa+AgNO3→RCOOAg+NaNO3 (4) したがって、本発明における有機酸金属塩とは、有機
酸金属塩の他に、上記の有機酸あるいは有機酸ナトリウ
ムの形でも使用できるものを含む。この様な有機酸とし
ては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタク
リル酸、サリチル酸、安息香酸、グリコール酸、L−ア
ルギニン酸、アルギン酸、L−アスパラギン酸、L−グ
ルタミン酸、レブリン酸、酒石酸、カルボキシメチルセ
ルロース、シュウ酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸等が例示される。この様な有機酸に水酸化ナトリウム
を反応させることにより有機酸ナトリウム塩が得られ
る。さらに、この有機酸ナトリウム塩に硝酸銀などの硝
酸金属を反応させることにより所望の有機酸金属塩が得
られる。これらにおいて二塩基酸の場合は1銀塩と2銀
塩が含まれる。
ハロゲン化銀としては塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀等が
例示される。
また、官能基を持つ有機物としては、フェノール、ペ
ンタクロロフェノール、ジメチルグリオキシム、アセト
キム等が例示される。
本発明における金属とは、銀、パラジウム、水銀、タ
リウム、銅、鉛、鉄などが例示されるが、これらのうち
で特に好ましいのは感度の優れた銀である。
本発明を実施するに先立ち、本発明に用いられる有機
酸銀塩のいくつかについて感度を測定した。すなわち、
酢酸銀(a)、グルタミン酸モイ銀塩(b)、グルタミ
ン酸ジ銀塩(c)、ギ酸銀塩(d)、酒石酸銀塩(e)
についてである。これら各種の有機酸銀塩約1gをエタノ
ール/水/アンモニア水から成る混合溶媒約20mlに溶解
し感光液とした。各感光材料は分子量が異なるので感光
膜中に含まれる銀原子の量が同一になるように感光液濃
度を調節した。感光液0.1mlをガラス板上に滴下し、冷
暗所約40℃で乾燥し感光膜を得た。この膜に超高圧水銀
灯を用いて紫外線を照射した。光照射により銀金属が析
出し黒くなる。この黒化度を濃度系により測定し、解離
した銀量に対応するものとした。第1図はこのようにし
て得た有機酸銀塩の感度の代表例を示す図である。有機
酸銀塩の種類によって光分解速度に差は認められるが、
何れの銀塩も紫外線照射によって銀の析出が認められ
る。
第2図に光の代わりに熱を用いた場合の感度を示す。
ここで対象とした有機酸銀塩および処理温度は以下のよ
うである。すなわち、グルタミン酸ジ銀塩(熱処理温
度:30℃)(イ)、ギ酸銀塩(熱処理温度:50℃)
(ロ)、グルタミン酸ジ銀塩(熱処理温度:100℃)
(ハ)、酒石酸ジ銀塩(熱処理温度:60℃)(ニ)、グ
ルタミン酸ジ銀塩(熱処理温度:120℃)(ホ)である。
この第2図からある種の有機酸銀塩は熱によっても容易
に銀を解離することがわかる。
本発明におけるマトリックスは有機物、無機物を問わ
ない。代表的なものとしては有機ポリマーやガラスがあ
げられる。これらのうち特に好ましいのは上記の金属微
粒子を均一に添加できる金属アルコキシドの加水分解・
縮合によって得られるマトリックスである。これらは、
金属アルコキシド溶液、金属アルコキシドの部分加水分
解生成物の溶液、あるいは多孔質ガラスのそれぞれの状
態で用いることができる。本発明の金属アルコキシドに
おける金属は、Si,Ge,Ti,Zr,Al,B等が例示されるが、Si
が最も一般的である。本発明の金属アルコキシドにおい
てはすべての置換基がアルコキシド基でなくても良い。
金属がシランの場合を例に取ると、石英ガラスの原料で
あるテトラアルコキシシランのほかにアルコキシル基の
一部が有機基に置換されたトリアルコキシシラン、ジア
ルコキシシラン、モノアルコキシシランがあげられる。
この種の有機基は特に限定するものではないが、エチ
ル、メチル等のアルキル基、ビニルなどのアルケニル
基、フェニル等のアリール基あるいはこれらの誘導体が
例示される。また、これらの有機基中に重合性二重結合
が含まれる場合はこれを利用して分子間の架橋を生じさ
せることができる。また、アルコキシル基の代わりに塩
素などのハロゲンを用いてもアルコキシシランを用いた
場合と同様な効果が期待できる。
本発明に用いられるモノアルコキシドとしてはメトキ
シトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、ジメ
チルエトキシフェニルシラン、ジフェニルエトキシメチ
ルシラン等が例示される。ジアルコキシドとしてはジメ
トキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジ
メトキシメチル−3、3、3−トリフロロプロピルシラ
ン、ジエトキシジビニルシラン、ジエトキシジエチルシ
ラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3
−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチ
ルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキ
シメチルフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラ
ン、ジエトキシジフェニルシラン、トリス−(2−メト
キシエトキシ)ビニルシラン等が例示される。トリアル
コキシドとしてはメチルトリメトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、3、3、3−トリプロピルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、3−(N−メ
チルアミノプロピル)トリメトキシシラン、メチルトリ
ス(2−アミノエトキシ)シラン、トリアセトキシビニ
ルシラン、トリエトキシビニルシラン、エチルトリエト
キシシラン、2−メルカプトエトキシシラン、3−(2
−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエ
トキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエト
キシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン等が例示される。テト
ラアルコキシドとしてはテトラメトキシシラン、テトラ
アセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアリ
ロキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラエトキシ
ジルコン等が例示される。
もちろん、上記以外の金属アルコキシドを用いること
も差し支えない。この種のアルコキシドとしては、例え
ば、トリエトキシアルミニュウム、トリエトキシボロン
等が例示される。
本発明における金属アルコキシドの加水分解および縮
合生成物とは、金属アルコキシドの加水分解反応および
縮合反応が一部進んだもの、実質的に終了したものを言
う。金属アルコキシドの加水分解反応、縮合反応はテト
ラアルキシシランを例に取ると(5)、(6)式の様に
示される。
Si(OR)4+4H2O→Si(OH)4+4ROH (5) Si(OH)4→SiO2+2H2O (6) しかし、周知のごとく一般に縮合反応速度は加水分解
反応速度より遥かに速いため、加水分解と縮合は逐次的
に生じるものではなく、実際には同時に起こっているも
のと考えられている。したがって、触媒、温度、時間な
どの反応条件を調節し加水分解速度を制御することによ
り、反応の進行状態の異なった生成物、すなわち異なっ
た特性を持つ生成物が得られる。これらの生成物は出発
原料のアルコキシドの種類や反応の進行度によって構造
や特性、例えば有機溶媒に対する溶解性などが異なるた
め所望とする特性の生成物を得ることが可能であると共
に、いったん生成物として取り出した後、再加熱などに
より反応を進めることができる。
本発明による金属微粒子添加マトリックスの製造方法
は、具体的にはいくつかの異なった方法がある。金属微
粒子として銀を用いた場合の代表例を以下に述べる。
有機酸を金属アルコキシドの溶液に加え、この金属ア
ルコキシドを加水分解・縮合させて多孔質ガラスを造
り、この多孔質ガラスを加熱して透明ガラスにする。こ
の過程において、有機酸と水酸化ナトリウムを反応させ
て有機酸を有機酸ナトリウムとし、さらに硝酸銀と反応
させ有機酸銀塩を得る。これに光照射、あるいは加熱、
あるいはこの両者の併用により銀微粒子を析出させる。
これにより銀微粒子が添加されたマトリックスが得られ
る。
金属アルコキシドを部分的に加水分解・縮合した比較
的粘度の高い溶液に有機酸を加え、この金属アルコキシ
ドの部分加水分解縮合溶液を更に加水分解・縮合させて
多孔質ガラスを造り、この多孔質ガラスを加熱して透明
ガラスにする。この過程において有機酸と水酸化ナトリ
ウムを反応させ、有機酸を有機酸ナトリウムとし、さら
に硝酸銀と反応させて有機酸銀塩を得る。これに光照
射、あるいは加熱、あるいはこの両者の併用により、銀
微粒子を析出させる。これにより銀微粒子が添加された
マトリックスが得られる。
金属アルコキシドを加水分解・縮合させて製造した多
孔質ガラスに有機酸を含浸させた後、この多孔質ガラス
を加熱して透明ガラスにする。この過程において、有機
酸と水酸化ナトリウムを反応させ、有機酸を有機酸ナト
リウムとし、さらに硝酸銀と反応させ有機酸銀塩を得
る。これに光照射、あるいは加熱、あるいはこの両者の
併用により、銀微粒子を析出させる。これにより銀微粒
子が添加されたマトリックスが得られる。
バイコールガラスなどの多孔質ガラスに有機酸を含浸
させた後、この多孔質ガラスを加熱して透明ガラスにす
る。この過程において、有機酸と水酸化ナトリウムを反
応させ、有機酸を有機酸ナトリウムとし、さらに硝酸銀
と反応させ有機酸銀塩を得る。これに光照射、あるいは
加熱、あるいはこの両者の併用により、銀微粒子を析出
させる。これにより銀微粒子が添加されたマトリックス
が得られる。
有機酸ナトリウムを金属アルコキシドの溶液に加え、
この金属アルコキシドを加水分解・縮合させて多孔質ガ
ラスを造り、この多孔質ガラスを加熱して透明ガラスに
する。この過程において、有機酸ナトリウムと硝酸銀と
反応させて有機酸銀塩を得る。これに光照射、あるいは
加熱、あるいはこの両者の併用により、銀微粒子を析出
させる。これにより銀微粒子が添加されたマトリックス
が得られる。
金属アルコキシドを部分的に加水分解・縮合した比較
的粘度の高い溶液に有機酸ナトリウムを加えた後、この
金属アルコキシドの部分加水分解縮合溶液をさらに加水
分解・縮合させて多孔質ガラスを造り、この多孔質ガラ
スを加熱して透明ガラスにする。この過程において、有
機酸ナトリウムと硝酸銀とを反応させて有機酸銀塩を得
る。これに光照射、あるいは加熱、あるいはこの両者の
併用により、銀微粒子を析出させる。これにより銀微粒
子が添加されたマトリックスが得られる。
金属アルコキシドを加水分解・縮合させて製造して多
孔質ガラスに有機酸ナトリウムを含浸させた後、この多
孔質ガラスを加熱して透明ガラスにする。この過程にお
いて、有機酸ナトリウムと硝酸銀とを反応させて有機酸
銀塩を得る。これに光照射、あるいは加熱、あるいはこ
の両者の併用により、銀微粒子を析出させる。これによ
り銀微粒子が添加されたマトリックスが得られる。
バイコールガラスなどの多孔質ガラスに有機酸ナトリ
ウムを含浸させた後、この多孔質ガラスを加熱して透明
ガラスにする。この過程において、有機酸ナトリウムと
硝酸銀とを反応させて有機酸銀塩を得る。これに光照
射、あるいは加熱、あるいはこの両者の併用により、銀
微粒子を析出させる。これにより銀微粒子が添加された
マトリックスが得られる。
有機酸銀塩を金属アルコキシドの溶液に加え、この金
属アルコキシドを加水分解・縮合させて多孔質ガラスを
造り、この多孔質ガラスを加熱して透明ガラスにする。
この過程において光照射、あるいは加熱、あるいはこの
両者の併用により、銀微粒子を析出させる。これにより
銀微粒子が添加されたマトリックスが得られる。
金属アルコキシドを部分的に加水分解・縮合させた比
較的粘度の高い溶液に有機酸金属を加え、この金属アル
コキシドの部分加水分解縮合溶液を更に加水分解・縮合
させて多孔質ガラスを造り、この多孔質ガラスを加熱し
て透明ガラスにする。この過程において、光照射、ある
いは加熱、あるいはこの両者の併用により、銀微粒子を
析出させる。これにより銀微粒子が添加されたマトリッ
クスが得られる。
金属アルコキシドを加水分解・縮合させて製造した多
孔質ガラスに有機酸銀塩を含浸させた後、この多孔質ガ
ラスを加熱して透明ガラスにする。この過程において光
照射、あるいは加熱、あるいはこの両者の併用により、
銀微粒子を析出させる。これにより銀微粒子が添加され
たマトリックスが得られる。
バイコールガラスなどの多孔質ガラスに有機酸銀塩を
含浸させた後、該多孔質ガラスを加熱し透明ガラスにす
る。この過程において光照射、あるいは加熱、あるいは
この両者の併用により、銀微粒子を析出させる。これに
より銀微粒子が添加されたマトリックスが得られる。
金属アルコキシドを加水分解・縮合させて製造して多
孔質ガラスを紫外線を照射した有機酸銀塩の溶液中に含
浸した後、この多孔質ガラスを加熱して透明ガラスにす
る。これにより銀微粒子が添加されたマトリックスが得
られる。
また同様に重合(ポリマー)をマトリックスとして用
いることができるのは言うまでもない。
さて、有機酸銀塩を例に取れば、先に述べたように銀
の解離は(1−1)式及び(1−2)式で進む。この反
応の律速過程は(1−2)式の還元反応であるから、本
発明の系において酸化亜鉛などの還元剤を加えておくこ
とも有効である。同様にハロゲン化銀を用いた場合には
ゼラチンや硫黄などにより還元増感を行うことも有効で
ある。
RCOOM→RCOO-+M+ (1−1) RCOO-→M++e→RCOO・+M (1−2) 本発明における光とは、その波長を特に限定するもの
ではない。一般に有機酸金属塩の感度は250nm付近であ
るので紫外線が用いられる。また、ハロゲン化銀の感度
は300〜500nmにあるので、紫外線及び可視光線が用いら
れる。また、特定の波長(域)の使用を所望する場合に
は、色素を加えて分光増感することによって長波長光源
の使用が可能になる。
「実施例」 以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
(実施例−1) テトラエキシシラン、エタノール、およびアンモニア
水から成る混合溶液(マトリックス出発原料と呼ぶ)中
に、L−グルタミン酸(微粒子原料と呼ぶ)水溶液を加
え、この溶液を60℃で7日間加熱した。さらに、120℃
で3日間加熱して多孔質ガラスを得た。この多孔質ガラ
スを水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、乾燥し
た。さらに得られた多孔質ガラスを硝酸銀水溶液に浸漬
した後、水洗いし、乾燥した。つぎに、この多孔質ガラ
スに高圧水銀灯で紫外線を照射した後、加熱によりガラ
ス化して銀がドープされたガラスを得た。得られた銀ド
ープガラスを厚さ約1mmに切断・研磨し、Qスイッチ付
色素レーザを用いた縮退4光子混合法により3次の非線
形感受率〔χ(3)〕を評価したところ、χ(3)=1.2×10
-9esuの値が得られた。この結果、この銀ドープガラス
は光非線形材料として十分な非線形特性を有することが
確認された。また、同ガラスにドープされた銀微粒子の
大きさをTEMを用いて測定したところ、粒子径は約130Å
であり、その粒径分布も均一であることが判明した。
(実施例2) テトラエトキシシラン、エタノール、塩酸および水か
ら成る混合溶液中に、L−グルタミン酸水溶液を加え、
この溶液を60℃で4日間加熱した。得られたゲルを40℃
で7日間加熱した。得られた生成物を水酸化ナトリウム
水溶液中に浸漬した後、乾燥し、さらに硝酸銀水溶液に
浸漬した後、水洗し、乾燥した。つぎに、得られた生成
物に高圧水銀灯で紫外線を照射した後、ガラス化し、銀
がドープされたガラスを得た。得られた銀ドープガラス
を実施例1と同様な方法で3次の非線形感受率を測定し
たところ、χ(3)=1.8×10-9esuの値が得られた。ま
た、同ガラス中にドープされた銀微粒子の平均粒径は約
70Åであった。
(実施例3) テトラエトキシシラン、エタノール、およびアンモニ
ア水から成る混合溶液中を70℃で10日間加熱した。この
溶液にL−グルタミン酸を溶解したエタノール、水、ア
ンモニア水の混合溶媒を高圧水銀灯により紫外線を照射
しながら添加した。得られた溶液を120℃で3日間加熱
して多孔質ガラスを得た。この多孔質ガラスを水酸化ナ
トリウム水溶液中に浸漬した後、乾燥した。さらに得ら
れた多孔質ガラスを加熱によりガラス化し、銀がドープ
されたガラスを得た。この方法で得られた銀ドープガラ
スの非線形感受率はχ(3)=1.3×10-9esuであった。ま
た、銀微粒子の平均粒径は110Åであった。
(実施例4) テトラエトキシシラン、エタノール、塩酸および水か
らなる混合溶液中に、L−グルタミン酸水溶液を加え、
この溶液を65℃で5日間加熱した。得られたゲルを厚さ
120μmの低屈折率ガラス薄膜の形成された直径5イン
チのシリコンウェファー上に均一に塗布し、45℃で5日
間加熱した。得られた複合体を水酸化ナトリウム水溶液
中に浸漬した後、乾燥し、さらに硝酸銀水溶液に浸漬し
た後、水洗し、乾燥した。つぎに、前記Siウェファー上
の生成物に高圧水銀灯で紫外線を照射した後、He雰囲気
中でガラス化し、銀がドープされた厚さ15μmのガラス
薄膜を得た。この薄膜を光リソグラフィー・エッチング
法により幅10μmのストライプ状に加工した。ついで、
得られた複合ガラス膜上に低屈折率ガラス膜をスパッタ
法により形成し、第3図のような光導波路を得た。製造
した導波路の特性をポンプ・プローブ法で評価した結果
を第4図に示した。使用光源は、モードロック・Qスイ
ッチ第2高調波YAGレーザ(波長0.53μm)である。図
から明らかなように、ポンプ光の吸収による過飽和吸収
特性がある。このことは、本発明の方法により製造した
金属微粒子ドープガラス導波路が十分非線形導波路とし
て有用であることを示している。
以下同様にして、第1表に示すように、各種のマトリ
ックス中に各種の有機酸(銀塩)やハロゲン化銀などを
ドープし、銀微粒子をドープしたマトリックスを得た
(実施例5〜14)。これらはいずれもχ(3)=1.0×10-9
esu以上の非線形感受率を示すことが確認された。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係る金属微粒子添加マ
トリックスの製造方法によれば、光化学反応により解離
した金属をドープするため、粒経が小さくかつ粒度分布
の揃った金属微粒子ドープマトリックスが得られ、それ
により高品質の光非線形材料を提供できる利点がある。
また、本発明は光化学反応を用いるため、光論理素子や
集積光部品などの製造工程との適合性に優れた利点があ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に用いた有機酸銀塩の光に対する感度を
示した図、第2図は本発明に用いた有機酸銀塩の熱に対
する感度を示した図、第3図は本発明の銀がドープされ
たガラス薄膜を用いて作製した光導波路の模式図、第4
図は第3図に示した光導波路の特性を示す図である。 1……Siウェファー、2……低屈折率ガラス、3……金
属微粒子添加ガラス。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機酸金属塩もしくはハロゲン化銀を、多
    孔質ガラス中に添加し、光照射または/および加熱によ
    って前記多孔質ガラス中に金属を解離することを特徴と
    する金属微粒子添加マトリックスの製造方法。
  2. 【請求項2】有機酸金属塩もしくはハロゲン化銀を、多
    孔質ガラスの前駆物質である金属アルコキシド中に添加
    し、その後加水分解・縮合して前記有機酸金属塩もしく
    はハロゲン化銀が添加された多孔質ガラスとし、さらに
    光照射または/および加熱によって前記多孔質ガラス中
    に金属を解離することを特徴とする金属微粒子添加マト
    リックスの製造方法。
  3. 【請求項3】有機酸金属塩を生成しうる化合物を、多孔
    質ガラス中に添加し、次に前記化合物を反応により有機
    酸金属塩として有機酸金属塩が添加された多孔質ガラス
    を得、さらに光照射または/および加熱によって金属を
    解離することを特徴とする金属微粒子添加マトリックス
    の製造方法。
  4. 【請求項4】有機酸金属塩を生成しうる化合物を、多孔
    質ガラスの前駆物質である金属アルコキシド中に添加
    し、その後加水分解・縮合して前記化合物が添加された
    多孔質ガラスとし、次に前記化合物を反応により有機酸
    金属塩として有機酸金属塩が添加された多孔質ガラスを
    得、さらに光照射または/および加熱によって金属を解
    離することを特徴とする金属微粒子添加マトリックスの
    製造方法。
  5. 【請求項5】有機酸金属塩を生成しうる化合物が有機
    酸、もしくは前記有機酸に水酸化ナトリウムを反応させ
    て得る有機酸ナトリウムであることを特徴とする請求項
    3または4記載の金属微粒子添加マトリックスの製造方
    法。
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