JP2716820B2 - 電界放出型電子銃 - Google Patents

電界放出型電子銃

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JP2716820B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエミッターを保護する様に成した電界放出型
電子銃に関する。
(従来の技術) 第2図は従来の電界放出型電子銃の概略図を示したも
のである。図中1はエミッター、2は引き出し電極、3
はアース電位に保たれた加速電極、4は引き出し電圧電
源、5は加速電圧電源である。
この様な電界放出型電子銃において、エミッター1と
引き出し電極2の間に引き出し電圧電源4から負の高電
圧を印加すると、該エミッター1から電子が引き出され
る。そして該引き出された電子は前記エミッター1との
間に前記加速電圧電源5から正の高電圧が印加された加
速電極3によってターゲット(図示せず)方向に加速さ
れる。
(発明が解決しようとする課題) さてこの様な電界放出型電子銃において、引き出し電
極2と加速電極3の間には高い電位差がある為、該2つ
の電極間で放電が起こる事がある。この様な放電が起こ
ると、前記引き出し電極2の電位は一時的に前記加速電
極3に電位にまで上がってしまう。そしてその為に、今
度は該引き出し電極2とエミッター1の間で過大な電子
放出が起こり、その結果、該エミッター1が破損され
る。又、この様な放電発生時、正イオンがエミッター1
を衝撃する事もエミッター1の破損の原因となる。
本発明はこの様な問題を解決する為になされたもの
で、エミッターを保護する様に成した新規な電界放出型
電子銃を提供する事を目的としたものである。
(課題を解決するための手段) その為に本発明は、エミッター、引き出し電極、加速
電極及び各電極に所定の電圧を印加する為の直流電源を
備えた電界放出型電子銃において、前記引き出し電極を
前記エミッターの近傍に設置し、該引き出し電極の前記
加速電極と対向する部分に絶縁部材を介して導電部材を
コートし、該導電部材とエミッターを同電位とした。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例を示した電界放出型電子銃
の概略図である。図中前記第2図と同一番号を付したも
のは同一構成要素である。
第1図においては、引き出し電極2の光軸に垂直な面
がエミッター1の先端を含む仮想水平面に極く近づく様
に、引き出し電極2をエミッター1の近傍に配置する。
そして、該引き出し電極2の加速電極3と対向する部分
を絶縁部分6を介して導電部材7でコートしている。
又、該導電部材7はエミッター1と同電位に保たれる。
この様に該エミッター1と引き出し電極2の距離を短く
するのは、所望とするエミッション電流を得るのに必要
な引き出し電圧を下げる為である。また、該引き出し電
圧を下げる事によって、前記絶縁部材6の耐圧を楽にし
た。
さてこの様に構造を持つ電界放出型電子銃において、
前記エミッター1と同電位に保たれた導電部材7と、前
記加速電極3との間には高い電位差がある。その為に該
2つの間で放電が起こった時、該導電部材7の電位は一
時的に加速電極3の電位まで上がる。その為に、該導電
部材7と同電位に保たれる前記エミッター1も、前記加
速電極3の電位まで一時的に上がる。
さて、この様な加速電極3と導電部材7との間に起き
た放電によりエミッター1の電位は一時的に該加速電極
3の電位になるので、前記引き出し電極2の電位はエミ
ッター1から見て一時的に負の電位となる。その為に、
その間電子は該エミッター1から引き出されなくなるの
で、該エミッター1と前記引き出し電極2の間では過大
な電子放出が発生しない。そして、この間に、放電原因
が無くなり、通常の動作状態に戻る。又、前記放電発生
時、エミッター1が引き出し電極2に対し、相対的に正
電位となるので、正イオンのエミッターへの衝突が避け
られる。
尚、沿面放電防止の為、第1図に示す様に、前記絶縁
部材6と導電部材7の中央部に設けられた孔は末広がり
に形成される。
(発明の効果) 本発明はエミッター、引き出し電極、加速電極及び各
電極に所定の電圧を印加する為の直流電源を備えた電界
放出型電子銃において、前記引き出し電極を前記エミッ
ターの近傍に設置し、該引き出し電極の前記加速電極と
対向する部分に絶縁部材を介して導電部材をコートし、
該導電部材とエミッターを同電位としたので、加速電極
と導電部材の間で放電が起きた時、該エミッターの電位
も一時的に該加速電極の電位まで上がる。その為、その
間、該エミッターの電位が前記引き出し電極の電位に対
し正の電位となるので、エミッターからの電子発生を一
時的に止める事ができ、その為、該エミッターと引き出
し電極間での過大な電子放出が防止できる。又、放電発
生時の正イオンのエミッターへの衝突が避けられるの
で、該エミッターの破損が防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示した電界放出型電子銃の
概略図、第2図は従来の電界放出型電子銃の概略図を示
したものである。 1……エミッター、2……引き出し電極 3……加速電極、4……引き出し電圧電源 5……加速電圧電源、6……絶縁部材 7……導電部材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エミッター、引き出し電極、加速電極及び
    各電極に所定の電圧を印加する為の直流電源を備えた電
    界放出型電子銃において、前記引き出し電極を前記エミ
    ッターの近傍に設置し、該引き出し電極の前記加速電極
    と対向する部分に絶縁部材を介して導電部材をコート
    し、該導電部材とエミッターを同電位とした事を特徴と
    する電界放出型電子銃。
JP1299314A 1989-11-17 1989-11-17 電界放出型電子銃 Expired - Fee Related JP2716820B2 (ja)

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