JPH09209914A - イオンエンジン - Google Patents
イオンエンジンInfo
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- JPH09209914A JPH09209914A JP8035495A JP3549596A JPH09209914A JP H09209914 A JPH09209914 A JP H09209914A JP 8035495 A JP8035495 A JP 8035495A JP 3549596 A JP3549596 A JP 3549596A JP H09209914 A JPH09209914 A JP H09209914A
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Abstract
オンインピンジメント電流を少なくしてホールアライメ
ントに沿うイオンビームを得ることにより、性能が良く
寿命の長いイオンエンジンを得る。 【解決手段】 アクセルグリッド9の開口部94の周囲
に分割した加速電極91,92を備え、これらに別々の
電源61,62にて電圧を加え、イオンビームを静電的
に開口部94の中心に絞り込ませ、また、アクセルグリ
ッド9を微小位置制御してイオンビームのホールアライ
メント調整をした。
Description
る宇宙機に搭載されて姿勢及び起動制御を行なうための
推進機であるイオンエンジンに係り、特に荷電粒子を静
電的に加速する加速用グリッド(アクセルグリッドとも
いう)を改良したイオンエンジンに関する。
を加速して、この加速の結果生成されるイオンビームを
噴出することにより推進力を得るエンジンであり、宇宙
機の姿勢制御や起動制御に用いられる。
図5に示すように、推進剤貯蔵供給系3からの推進剤
(例えばキセノン)をを電離させてプラズマ10を生成
するための放電室1、この放電室1のプラズマ10から
イオンを抽出するスクリーンブリッド8及びイオンを静
電加速するアクセルグリッド9からなるイオン加速部、
更には噴出されるイオンビーム11と同量の電子を放出
してイオンを中和しエンジンの帯電を防止する中和器2
から構成されている。
プラズマ10に面した側のスクリーングリッド8は、直
径2〜3mm程の開口(ホール)を多数開けたメッシュ状
のものであって、正の高電位(通常+1kv程度)にバイ
アスされており、他方スクリーングリッド8に隣接した
外側のアクセルグリッド9は、直径1mm程(スクリーン
グリッド8のホール径の半分程の孔径)の開口(ホー
ル)を多数開けたメッシュ状のものであって、負の高電
位(−500V程度)にバイアスされている。そして、
このスクリーングリッド8とアクセルグリッド9のホー
ル中心が合致する(同心となる)ように、すなわち高精
度のホールアライメントとなるように、これらグリッド
8、9が形成されかつ相互に位置決めされる。
ールサイズはアクセルグリッド9のそれより大きく形成
されているが、これは開口面積比率を高めて多数のイオ
ンを抽出し外部に加速・放出することによる。
が小さいのは、 好適な推進力としてはアクセルグリッドから適度の発
散角にてイオンビームが噴出する必要があるが、自然状
態で反発し合うイオンを加速しつつ一旦絞り込むことに
よりイオンビーム中のイオンどおしの反発力を抑え込み
グリッド9の通過後この反発力に起因して生ずるイオン
ビームの発散角を低減するためであり、また、 放電室1内の推進剤粒子がエンジン外部へ流出するの
を防止して推進剤利用効率を増加させるためであり、そ
して、 イオンエンジン外部に存在する宇宙空間プラズマ中の
電子や中和器2から放出された電子が正の高電位にある
スクリーングリッド8に引き寄せられるのを防止するバ
リアとしての役割を果たすためである。
大させる等エンジンの性能の向上を図るべく、上述の如
くアクセルグリッド9のホールサイズをイオンビーム1
1と衝突する限界近くまで小さくすることになるが、他
方、このためにスクリーングリッド8とアクセルグリッ
ド9とのホールアライメント精度に対する要求は極めて
厳しくなり、イオンビーム11をアクセルグリッド9の
ホール中心に絞り込んでアクセルグリッド9に衝突させ
ることなく後方に噴出するためには極めて高いアライメ
ント精度が要求される。
するとしても機構上限度があり、殊にアクセルグリッド
9のホールサイズが小さい程アライメントが少しずれて
も加速されたイオンの一部がアクセルグリッドに衝突し
てしまうという事態が生じる。そして、この衝突が生じ
た場合には、イオン加速効率を低下させることになり、
かつグリッドを損耗させてエンジン寿命低下をもたら
す。
クセルグリッド9のホールサイズを小さくする程、アク
セルグリッド9へのイオンの衝突が生じやすく加速効率
の低下ひいてはエンジン性能の低下とグリッド寿命の低
下をもたらすという相反する問題が生じている。
リッドのホールサイズを小さくしたとしてもアクセルグ
リッドへのイオンの衝突が無くまたあっても極めてわず
かで問題とならないイオンエンジンの提供を目的とす
る。
オンの衝突を無くすためのイオンビームの制御に起因し
て、イオンビーム加速方向を制御するイオンエンジンの
提供を目的とする。
発明は、次のように構成される。 (1)放電室内に生成されたプラズマ中のイオンを抽出
するスクリーングリッドとこのスクリーングリッドとの
間で電位差を有するアクセルグリッドを有するイオンエ
ンジンにおいて、前記アクセルグリッドの開口部周辺に
加速電極を分割して備え、この分割した加速電極それぞ
れを別々のアクセル電源に接続したことを特徴とする。 (2)前記(1)において、前記スクリーングリッドに
接続されたスクリーン電源と前記分割した加速電極それ
ぞれに接続された別々のアクセル電源とを制御する電源
制御回路と、前記別々のアクセル電源の各イオンインピ
ンジメント電流を検出する電流検出回路とを備え、更に
前記イオンイピンジメント電流の差にて前記電源制御回
路を制御する機能を有するエンジン制御器を有すること
を特徴とする。 (3)前記(1)において、前記アクセルグリッドには
微小位置制御装置を備えたことを特徴とする (4)前記(2)において、前記アクセルグリッドに備
えられた微小位置制御装置と、前記電源制御回路との少
なくとも一方を、前記電流検出回路で検出したイオンイ
ンピンジメント電流の差に基づき制御することを特徴と
する。
するイオンインピンジメント電流の分布を分割された加
速電極に流れる電流を比較することによって検出する。
これによりホールアライメントに対するイオンビームの
ずれ方向を知ることができる。
極に流れるイオンインピンジメント電流量が均等になる
ように電位を調節する。これによってホールアライメン
トに対するイオンビームのずれを解消することができ
る。または目標とする方向に意図的にイオンビームを偏
向させることも可能である。
発明の実施の形態について説明する。なお、図1、図3
にて図5と同一部分には同符号を付す。図1において、
1は推進剤を電離させてプラズマ10を生成する放電
室、2は噴出されたイオンを中和する電子を放出するた
めの中和器、3は例えばキセノン等の推進剤を貯蔵し放
電室1と中和器2とに供給するための推進剤貯蔵供給
系、4は放電室1及び中和器2のプラズマ及び電子生成
のための電力を供給するプラズマ生成電源、5はスクリ
ーングリッド8に正の高電圧を印加するためのスクリー
ン電源、7は推進剤貯蔵供給系3、プラズマ生成電源
4、スクリーン電源5の制御のためにバルブ制御回路7
1、電源制御回路72を備えたエンジン制御器である。
たメッシュ状のスクリーングリッド8が備えられ、この
スクリーングリッド8の外側にはアクセルグリッド9が
存在する。ここで、アクセルグリッド9は図2に示すよ
うに絶縁体93にて作られた薄板に多数の開口部94
(ホール94)が形成された構成を有し、各開口部94
にはその周囲に2分割された加速電極91及び加速電極
92が埋め込まれた構造を有している。全ての開口部9
4に対する加速電極91、92の位置状態は全て共通で
あり、加速電極91はアクセル電源61に、加速電極9
2はアクセル電源62にそれぞれ接続されている。
ド9の開口部は、直径1mm〜3mm程度に形成され、スク
リーングリッド8には正の高電圧(+1kv程度)が印加
されアクセルグリッド9にはアクセル電源61、62に
て負の高電圧(−200V〜−500V程度)が印加さ
れる。スクリーングリッド8ではイオンを抽出しアクセ
ルグリッド9ではイオンを加速しつつ絞り込むというそ
れぞれの機能により、スクリーングリッド8の開口部に
比してアクセルグリッド9の開口部94のホールサイズ
が小さく形成されることは前述したとおりである。
リーングリッド8及びアクセルグリッド9の開口部を通
ってイオンビーム11としてエンジン外部に噴出されて
推力を生ずる。
イオンの加速と絞り込みは、スクリーングリッド8との
電位差とアクセルグリッド9の負電位の程度によるとこ
ろであるが、本例にあっては加速電極91、92が分割
され異なるアクセル電源61、62に接続されており、
互いに異なる負電位を印加することができる。したがっ
て、従来のようにアクセルグリッド全体が同一電位とな
らず、異なる電位を採る関係上スクリーングリッド8の
開口部からのイオンの挙動は、従来とは異なる。
はアクセル電源61,62をそれぞれ制御する電源制御
回路72が存在する外、各加速電極91,92に衝突す
るイオンによってアクセル電源61,62に流れ込むイ
オンインピンジメント電流を比較する電流比較回路73
が備えられている。
ールアライメントを充分高精度に採りイオンインピンジ
メント電流がわずかであったとしてもエンジン駆動に伴
う熱歪みの発生により、また製造当初からのアクセルグ
リッドとスクリーングリッドとの開口部の同心度の狂い
により、イオンビームの衝突個数は加速電極91と92
とでは差が生じることになり、このためアクセル電源6
1と62とに流れるイオンインピンジメント電流量に差
が生ずることになる。この電流量の違いをエンジン制御
器7内の電流比較回路73によって検出し電源制御回路
72を通じてイオンインピンジメント電流の多い方のア
クセル電源の出力電圧を上昇させる(ゼロに近づけ
る)。この結果、前述のイオンの挙動が変わりイオン加
速方向が変化してイオンビームがアクセルグリッドの開
口部中心に向って絞り込まれ、イオンの衝突が無くな
り、イオンインピンジメント電流が小さくなる。
精度に採れない状態が生じたとしても、加速電極を分割
しアクセル電源に流れるイオンインピンジメント電流の
差を無くす制御をすることにより、イオンインピンジメ
ント電流の差を小さくするのみならず、この電流そのも
のを小さくすることができ、換言すればイオンビームを
静電的にアクセルグリッド開口部94の中心に絞り込ま
せることができる。
極によるイオンビームの加速方向変化に加えて、更にア
クセルグリッド9自体をも動かしてアクセルグリッド9
とスクリーングリッド8とのホールアライメントを調整
しようとし、しかも加えて分割した加速電極によるイオ
ンビームの加速方向変化と、アクセルグリッド9自体の
移動によりエンジン推力発生方向を変化させる例を示
す。
ド位置制御回路74を通じて微小位置制御装置100を
動作させることによりアクセルグリッド9とスクリーン
グリッド8とのホールアライメントを機械的に調整、イ
オンビームの開口部中心への絞り込みを達成するもので
ある。
によるイオンビームの加速方向変化と、アクセルグリッ
ド9の微小位置制御を組合わせることによって、イオン
エンジン本体を固定したままでの推力発生方向制御を効
率的に実施することが可能になる。すなわち微小位置制
御装置100を用いてホールアライメント軸を希望する
推力発生方向にシフトさせ、次に電流比較回路73及び
電源制御回路72を用いてアクセル電源61,62の出
力電圧を調整してイオンビーム噴射方向をホールアライ
メント軸に一致させるように制御する。この結果、推力
発生方向が変化できる。
てスロット状の開口部95を形成した例を示している。
すなわち、スロットの長手方向片側ずつを別々の加速電
極96,97として形成し、この加速電極96,97を
アクセル電源61,62に接続している様子を示してい
る。その他の構成は図1又は図3と同じである。
とした場合を述べたが、分割数が3以上の場合も可能で
あり、加速電極とアクセル電源の個数が増加しそれらの
結線も増加するが、分割数が多い程イオンビームの加速
方向の制御ならびにイオンインピンジメント電流の検出
がきめ細かになる。
9の移動をイオンビーム方向に対し垂直に動かすことと
したものであるが、アクセルグリッド9の移動をイオン
ビームに沿う方向にも移動することにより、静電レンズ
の焦点位置が変わりイオンビームの挙動を更にきめ細か
に制御することができる。
2枚の外、更に外側にディセルグリッドを追加し、グラ
ンド電位に置いてアクセルグリッド下流の電界形状を整
えイオンビームの発散を防ぐ構造のものにも、本発明を
適用することができる。
オンエンジンのイオン加速部におけるホールアライメン
トの狂いが生じたとしてもイオンインピンジメント電流
の検出と電位制御により静電的にイオンビームを開口部
中央に絞り込むことができ、イオンの衝突を防止できて
イオンエンジンの性能向上と長寿命化が図れ、更にイオ
ンエンジンを固定した状態のままにてイオンインピンジ
メント電流の増加なく、イオンビーム加速方向を制御し
つつアクセルグリッドを移動させることにより、推力発
生方向を変えることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 放電室内に生成されたプラズマ中のイオ
ンを抽出するスクリーングリッドとこのスクリーングリ
ッドとの間で電位差を有するアクセルグリッドとを有す
るイオンエンジンにおいて、前記アクセルグリッドの開
口部周囲に加速電極を分割して備え、この分割した加速
電極それぞれを別々のアクセル電源に接続したことを特
徴とするイオンエンジン。 - 【請求項2】 前記スクリーングリッドに接続されたス
クリーン電源と前記分割した加速電極それぞれに接続さ
れた別々のアクセル電源とを制御する電源制御回路と、
前記別々のアクセル電源の各イオンインピンジメント電
流を検出する電流検出回路とを備え、更に前記イオンイ
ンピンジメント電流の差にて前記電源制御回路を制御す
る機能を有するエンジン制御器を有することを特徴とす
る請求項1記載のイオンエンジン。 - 【請求項3】 前記アクセルグリッドには微小位置制御
装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載のイオン
エンジン。 - 【請求項4】 前記アクセルグリッドに備えられた微小
位置制御装置と、前記電源制御回路との少なくとも一方
を、前記電流検出回路によって検出したイオニンピンジ
メント電流の差に基づき制御することを特徴とする請求
項2記載のイオンエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8035495A JP2913633B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | イオンエンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8035495A JP2913633B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | イオンエンジン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09209914A true JPH09209914A (ja) | 1997-08-12 |
JP2913633B2 JP2913633B2 (ja) | 1999-06-28 |
Family
ID=12443341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8035495A Expired - Lifetime JP2913633B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | イオンエンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2913633B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112412721A (zh) * | 2020-11-10 | 2021-02-26 | 北京航空航天大学 | 一种具有光圈阀的可闭合栅极系统 |
CN112795879A (zh) * | 2021-02-09 | 2021-05-14 | 兰州空间技术物理研究所 | 一种离子推力器放电室镀膜蓄留结构 |
CN115199496A (zh) * | 2022-06-22 | 2022-10-18 | 深圳技术大学 | 一种静电推力器栅极 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03151573A (ja) * | 1989-11-07 | 1991-06-27 | Mitsubishi Electric Corp | イオンエンジン装置 |
JPH03151574A (ja) * | 1989-11-08 | 1991-06-27 | Mitsubishi Electric Corp | イオンエンジン |
-
1996
- 1996-01-30 JP JP8035495A patent/JP2913633B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03151573A (ja) * | 1989-11-07 | 1991-06-27 | Mitsubishi Electric Corp | イオンエンジン装置 |
JPH03151574A (ja) * | 1989-11-08 | 1991-06-27 | Mitsubishi Electric Corp | イオンエンジン |
Cited By (3)
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CN112412721A (zh) * | 2020-11-10 | 2021-02-26 | 北京航空航天大学 | 一种具有光圈阀的可闭合栅极系统 |
CN112795879A (zh) * | 2021-02-09 | 2021-05-14 | 兰州空间技术物理研究所 | 一种离子推力器放电室镀膜蓄留结构 |
CN115199496A (zh) * | 2022-06-22 | 2022-10-18 | 深圳技术大学 | 一种静电推力器栅极 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2913633B2 (ja) | 1999-06-28 |
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