JP2004022261A - カラー陰極線管 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な処理工程を要することなく、イオンボンバードによる画面の色ずれを防止することができるカラー陰極線管を提供する。
【解決手段】陰極5から射出した3本の電子ビーム10R、10G、10Bの中心軌道すべてを陰極5と集束電極8の間で曲げる構造とする。これにより、陰極でのArイオンの衝突位置が陰極5の実動電子放射面からずれることとなるので、陰極5の実動電子放射面がイオンボンバードの影響を受けることがない。
【選択図】 図1
【解決手段】陰極5から射出した3本の電子ビーム10R、10G、10Bの中心軌道すべてを陰極5と集束電極8の間で曲げる構造とする。これにより、陰極でのArイオンの衝突位置が陰極5の実動電子放射面からずれることとなるので、陰極5の実動電子放射面がイオンボンバードの影響を受けることがない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の電子ビームを射出する電子銃を備えたカラー陰極線管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー陰極線管は、そのスクリーン面には、レッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)の3色の蛍光体ドットが形成されており、それぞれの蛍光体に対応する3本の電子ビームを走査して、画像を表示するものである。カラー陰極線管においては、その色再現の安定した品質が重要な性能のひとつであるが、所望の色の画面を得ようとした場合、3本の電子ビームのビーム電流を制御して所定の電流比にすることが必要である。電子ビームのビーム電流は、通常、陰極に与える電位を固定しても数秒から数分という短時間で不安定になり、変化することが多く、これにより、画面の色ずれが発生する。このビーム電流の変化をもたらす最大の原因は、陰極線管内に残留したガスである。従来からこの残留ガスの問題については管内に導入したゲッターに残留ガスを吸着させて回避しているものの、完全にゲッターに吸着させることは困難である。特に希ガスの内アルゴン(Ar)ガスが残留することが多く、これがビーム電流変化の主原因となる。残留したArガスは、電子ビームの取り出しによって正にイオン化され、スクリーン面にかかる+30kV程度の高圧と0〜200V程度の陰極との間の電位差により加速され、陰極の電子放射面に衝突する。この現象をイオンボンバードと呼んでいる。このイオンボンバードが陰極の電子放射能力にさまざまな影響を与え、電子ビーム電流の不安定性を引き起こして画面の色ずれを発生させる。
【0003】
従来、このイオンボンバードによる画面色ずれの対策として、陰極線管の製造プロセスに特別な処理工程を設け、これにより陰極線管内に残留したArガスを低減させていた(特開平8−77929号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の方法は、陰極の活性化工程の他に管内ガスを低減させるための特別な処理工程を必要としていたので、設備的にも工数的にもコスト高になるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、特別な処理工程を要することなく、イオンボンバードによる画面の色ずれを防止することができるカラー陰極線管を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のカラー陰極線管は、陰極及び集束電極を有する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてが、前記陰極と前記集束電極の間で曲げられる構造を備えたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る第1のカラー陰極線管によれば、管内にArガスが存在したとしても、すべての電子ビームの中心軌道を陰極と集束電極の間で曲げることにより、すべての電子ビームに関し、陰極でのArイオンの衝突位置が陰極の実動電子放射面からずれることになる。これにより、陰極の実働電子放射面がイオンボンバードによるダメージを受けることがなくなるので、電子ビーム電流を低下させることなく安定させることができ、画面の色ずれを防止することができる。
【0008】
また、本発明に係る第2のカラー陰極線管は、陰極及び集束電極を有し、コンバーゼンス機構を内蔵する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてを前記陰極から前記集束電極までの間で曲げない構造を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る第2のカラー陰極線管によれば、管内にArガスが存在したとしても、すべての電子ビームの中心軌道を陰極と集束電極の間で曲げないことにより、すべての電子ビームの陰極でのArイオンの衝突位置は、陰極の実動電子放射面となる。これにより、3つの陰極の実働電子放射面すべてが同程度にイオンボンバードのダメージを受けることになるので、3本の電子ビームのビーム電流が均等に低下させることができ、画面の色ずれを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管について図を用いて説明する。
【0011】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管は、フェース部1、ファンネル部2及びネック部3からなり、ネック部3内には電子銃4を備えている。電子銃4は、インライン配列された3個の陰極5、制御電極6、加速電極7、集束電極8及び陽極9が順次に配設されて構成されており、各電極にはレッド、グリーン及びブルーの3本の電子ビームがそれぞれ通過する3つの電子ビーム通過孔が設けられている。尚、同図中の破線は、陰極5から射出した各電子ビームの中心軌道を表している。
【0012】
また、集束電極8は、第1集束電極8aと第2集束電極8bとからなり、第1集束電極8aは加速電極7に対向する端面を有し、2集束電極8bは陽極9に対向する端面を有し、これらの端面には3つの電子ビーム通過孔が設けられている。
【0013】
次に、制御電極6、加速電極7、第1集束電極8a、第2集束電極8b及び陽極9の詳細について説明する。尚、図2〜図6は、それぞれ制御電極6、加速電極7、第1集束電極8a、第2集束電極8b及び陽極9の外観斜視図である。
【0014】
図2に示すように、陰極を覆うキャップ状の制御電極6は、その加速電極7側の端面に直径が0.35mmの電子ビーム通過孔6R、6G、6Bが設けられている。両サイドの電子ビーム通過孔6R、6Bは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。また、センターの電子ビーム通過孔6Gは管軸中心Oから離れ、電子ビーム通過孔6B側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔6Rとセンター孔6Gの中心間距離L1を8.0mmとし、センター孔6Gとサイド孔6Rの中心間距離L2を4.2mmとした。センター孔6Gの管軸中心に対する偏芯量δは1.9mmである。
【0015】
また、図3に示すように、板状の加速電極7には直径が0.40mmの電子ビーム通過孔7R、7G、7Bが設けられており、両サイドの電子ビーム通過孔7R、7Bは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。また、センターの電子ビーム通過孔7Gは管軸中心から離れ、電子ビーム通過孔7B側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔7Rとセンター孔7Gの中心間距離L1を8.0mmとし、センター孔7Gとサイド孔7Rの中心間距離L2を4.2mmとし、センター孔7Gの管軸中心に対する偏芯量δは1.9mmとし、制御電極6と同じにした。
【0016】
また、図4に示すように、第1集束電極8aは、その加速電極に対向する端面に短径が0.9mmであって長径が1.14mmの横長の略楕円形状の両サイドの電子ビーム通過孔8aR、8aBと、短径が0.9mmであって長径が0.98mmのオーバル形状のセンターの電子ビーム通過孔8aGとが設けられている。また、両サイドの電子ビーム通過孔8aR、8aBは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。中央の電子ビーム通過孔8aGは管軸中心から離れ、電子ビーム通過孔8aB側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔8aRとセンター孔8aGの中心間距離L1を8.16mmとし、センター孔8aGとサイド孔8aRの中心間距離L2を4.28mmとした。センター孔8aGの管軸中心に対する偏芯量δは1.94mmである。
【0017】
一方、図5に示すように、第2集束電極8bは、その陽極9に対向する端面に直径が3.4mmの電子ビーム通過孔8bR、8bG、8bBが設けられており、両サイドの電子ビーム通過孔8bR、8bBは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。また、センターの電子ビーム通過孔8bGは管軸中心から離れ、電子ビーム通過孔8bB側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔8bRとセンター孔8bGの中心間距離L1を6.8mmとし、センター孔8bGとサイド孔8bRの中心間距離L2を3.4mmとした。センター孔8bGの管軸中心に対する偏芯量δは1.7mmである。
【0018】
また、図6に示すように、陽極9は、その第2集束電極8b側の端面には直径が3.4mmの電子ビーム通過孔9R、9G、9Bが設けられている。両サイドの電子ビーム通過孔9R、9Bは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。また、センターの電子ビーム通過孔9Gは管軸中心から離れ、電子ビーム通過孔9B側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔9Rとセンター孔9Gの中心間距離L1を6.8mmとし、センター孔9Gとサイド孔9Bの中心間距離L2を3.4mmとした。センター孔9Gの管軸中心に対する偏芯量δは1.7mmである。
【0019】
次に、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の動作について再び図1を用いて説明する。
【0020】
本実施形態に係るカラー陰極線管に所定の電圧を印加すると、図1に示すように、陰極5から電子が射出され、破線10R、10G、10Bで示すように3本の電子ビームとなってフェース部1に向かって飛んでいく。この3本の電子ビームの束は加速電極7に対向する第1集束電極8a直前まではすべて管軸中心Oと平行に進むが、第1集束電極8aのセンター孔中心を管軸中心Oから離れるほうにずらしているため、加速電極7と集束電極8との間ではすべての電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bが管軸中心O方向に曲げられる。その後フェース部1で3本の電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bは一点に集中(コンバーゼンス)する。
【0021】
このとき、電子ビームの電子が管内に残留するAr等の不活性ガスに衝突すると、この残留ガスは陽イオンに電離し、各電極の電位差によって加速されて電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bと同じ軌道を通って陰極5に向かって飛んでいくことになる。ところが、不活性ガスの質量が大きいため、加速された陽イオンは加速電極7と集束電極8との間で曲がることができずに電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bからそれてしまい、陽イオンは陰極5の実動電子放射面に当たらず、実動電子放射面の外側に当たる。このため、3個全ての陰極5は、その実動電子放射面はダメージを受けることがない。従って、3個の陰極のエミッション性能を良好に均等に維持させることができるので、3本の電子ビームのビーム電流の低下もなくなり、画面の色ずれも無くなる。
【0022】
次に、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の効果を確認した実験結果について説明する。本発明に係るカラー陰極線管として、上述した寸法と同じ寸法の電極の電子銃を備えた21型のカラー陰極線管を用い、比較例1として図7に示すように各電極のセンター孔が管軸中心に、また、サイド孔が管軸対称に設けられたカラー陰極線管を用い、比較例2として、比較例1のカラー陰極線管に特開平8−77929号公報に開示された残留ガス対策の処理工程を施したインラインカラー陰極線管を用いた。尚、これらのカラー陰極線管の管内のArガスの分圧は6×10−6〜3×10−4Paである。
【0023】
本発明に係るカラー陰極線管、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に所定の電圧を印加すると、本発明に係るカラー陰極線管については、時間が経過しても画面色ずれがほとんど生じなかったが、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管については、画面上に白色の画像を出画させてもグリーン色が不足したマゼンタとなり色ずれが生じた。本発明に係るカラー陰極線管に色ずれが生じなかったのは、3個の陰極すべてがイオン衝撃を受けないからであると考えられる。一方、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に色ずれが生じたのは、陰極と集束電極間で中心軌道がまっすぐであるグリーンに対応するセンターの電子ビームによって中央の陰極のみがイオン衝撃を受け、中央の陰極から射出する電子ビーム電流が低下したことによるものであると考えられる。
【0024】
本発明に係るカラー陰極線管、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管の色ずれについて評価を行ったので、その評価結果について図8を参照しながら説明する。尚、評価は以下のように行った。すなわち、カラー陰極線管に所定の電圧を印加し、印加直後の陰極から放射される電子ビーム電流が3色同じ値になるように陰極電圧ドライブ量を調整し、その電流値をI0とする。そして、ドライブから5分後のレッド、グリーン、ブルーの各色の電流値をそれぞれI5R、I5G、I5Bとし、この三色の電流値の最大値と最小値の差分をΔI5とする。この差分ΔI5をI5R、I5G、I5Bの平均値I5AVEで割った値を色ずれの程度をあらわす三色差率とする。数式で表すと以下のようになる。
【0025】
三色差率=(ΔI5/I5AVE)×100[%]
この三色差率が5%より大きくなると色ずれが目立つようになるため、これより小さくすることが好ましい。
【0026】
図8に示すように、本発明に係るカラー陰極線管(本発明1Aと図示)では三色差率が2%であったのに対し、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管(比較例1、比較例2と図示)では、それぞれ三色差率は15%、5%であった。この評価結果によると、本発明に係るカラー陰極線管は、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に対して優れた効果を奏することが分かる。しかも、本発明に係るカラー陰極線管においては、その三色差率は2%と低いので色ずれはほとんど目立たない。
【0027】
尚、上記の本発明に係るカラー陰極線管では、陰極として含浸型陰極を用いたが、含浸型陰極の代わりに酸化物陰極を用いた場合(本発明1Bと図示)には、図8に示すように、上記色ずれ評価方法で評価すると三色差率は3%であり、含浸型陰極を用いた場合と比べると色ずれ効果は劣っているものの、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に対しては色ずれ効果は優れている。また、含浸型陰極が酸化物陰極に対して優れた効果を奏するのは、表面にBa単原子層を有する含浸型陰極は、上記本発明に係る電子銃の構成によって、イオンボンバードのBa単原子層の破壊によるエミッション性能の低下を抑制できるのに対し、表面にBa単原子層のない酸化物陰極は、もともとイオンボンバードによって陰極表面がクリーニングされてエミッション性能が良化されていたのが、イオンボンバード自体の抑制によりクリーニング効果によるエミッション性質の良化が抑制されるからである。
【0028】
また、制御電極6、加速電極7、第1集束電極8a、第2集束電極8b及び陽極9に設けられたセンターの各電子ビーム通過孔中心の管軸中心に対する偏芯量δと三色差率との関係を図9に示す。図9に示すように、偏芯量δが大きいほど三色差率が低くなり、色ずれ改善効果は大きくなる。但し、偏芯量δが0.01mm以上ネック外径の10分の1以下の間であることが好ましい。これは、偏芯量δが大きすぎると各電極の外径や孔径等の物理的な限界で制約されるからである。
【0029】
以上、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管では、陰極と集束電極との間で電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bを曲げるために、電極のセンター孔の中心を管軸中心Oから離れる方向にずらしたが、図10(a)に示すように、静電レンズを形成する低電圧側の電極、例えば加速電極の両サイド孔11の管軸中心Oから離れた方の孔周辺半分の部分に突起12を設けてもよい。また、図10(b)に示すように、静電レンズを形成する低電圧側の板状の電極である加速電極13全体を陰極側に凸になるように反らしてもよい。また、図10(c)に示すように、ファンネルのネック部外周に磁性体14を付加して曲げてもよい。また、中央の陰極及びそれに対応するそれぞれの電極の孔の位置はインライン上に位置していなくてもよい。
【0030】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管について図を用いて説明する。
【0031】
本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管は、図11に示すように、フェース部1、ファンネル部2及びネック部3からなり、ネック部3内には電子銃40を備え、また、電子銃40は、インライン配列された3個の陰極50、制御電極60、加速電極70、集束電極80及び陽極90が順次に配設されて構成されたものであり、基本電極構成は第1の実施形態に係るカラー陰極線管と同様である。尚、集束電極80は、第1集束電極80aと第2集束電極80bとからなる。また、各電極にはレッド、グリーン及びブルーの3本の電子ビームがそれぞれ通過する3つの電子ビーム通過孔が設けられている。
【0032】
第2の実施形態に係るカラー陰極線管が第1の実施形態に係るものと異なる点は、第1の実施形態に係るカラー陰極線管が3本の電子ビームすべてが陰極5と集束電極8の間で曲げられる構成としたのに対し、第2の実施形態に係るカラー陰極線管は3本の電子ビームすべてについて陰極50から集束電極80までの間で曲げない構成とした点である。
【0033】
3本の電子ビームすべてを陰極50と集束電極80の間で曲げない構成とするために、具体的な電極構成として各電極の電子ビーム通過孔の形状を以下のようにした。すなわち、各電極のセンター孔をその中心が管軸中心Oと一致するように設けるとともに、両サイド孔を管軸中心Oに対して対称に設けた。尚、制御電極60、加速電極70、第1集束電極80a及び第2集束電極80bの各電極での両サイド孔とセンター孔の中心間距離を6.1mmとし、陽極90の両サイド孔とセンター孔の中心間距離を6.2mmとして他の電極の両サイド孔と比較して、その中心を管軸中心Oから離れる方向にずらしている。
【0034】
次に、本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管の動作について図11を用いて説明する。
【0035】
本発明に係るカラー陰極線管に所定の電圧を印加すると、図11に示すように、陰極50から電子が射出され、破線100R、100G、100Bで示すように3本の電子ビームとなってフェース部1に向かって飛んでいく。陰極50から射出した3本の電子ビームの束は陽極90の直前までは管軸中心Oと平行に進むが、陽極90のサイド孔の中心を他の電極の両サイド孔と比較して管軸中心Oから離れる方向にずらしているため、集束電極80と陽極90との間で両サイドの電子ビームの中心軌道100R、100G、100Bが管軸中心O方向に曲げられる。その後フェース部1で3本の電子ビームの中心軌道100R、100G、100Bは一点に集中(コンバーゼンス)する。
【0036】
このとき、電子ビームの電子が管内に残留するAr等の不活性ガスに衝突すると、この残留ガスは陽イオンに電離し、各電極の電位差によって加速されて電子ビームの中心軌道100R、100G、100Bと同じ軌道を通って陰極50に向かって飛んでいくことになる。ここで、管内に残留する不活性ガスが電離するのは主に集束電極80付近であり、この付近で電離した陽イオンは、電極間の電界によって加速され、陽極90まで管軸中心Oと平行に進んだ電子ビームの中心軌道100R、100G、100Bを通って陰極50の実動電子放射面に衝突する。これにより、陰極50の表面の熱電子放出層はダメージを受けることとなるが、3本の電子ビームすべてが陰極50から集束電極80までの間で直進する(曲がらない)ので、3個全ての陰極50が同程度のダメージを受ける。この結果、3個の陰極50から放射される電子ビーム電流は同等に低下するので、画面の色ずれを防止することができる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管の効果を確認した実験結果について説明する。本実施形態に係るカラー陰極線管として、電子銃の各電極構成を上述した寸法と同じ寸法の電極を有する電子銃を備えた21型のカラー陰極線管を用いた。また、比較例として第1の実施形態で説明したものと同じ比較例1及び比較例2のカラー陰極線管を用いた。
【0038】
本発明に係るカラー陰極線管、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に所定の電圧を印加すると、本発明に係るカラー陰極線管については、時間が経過しても画面の色ずれがほとんど生じなかったが、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管については、画面上に白色の画像を出画させてもグリーン色が不足したマゼンタとなり色ずれが生じた。本発明に係るカラー陰極線管に色ずれが生じなかったのは、3個の陰極すべてが一様にダメージを受けるからである。一方、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に色ずれが生じたのは、陰極と集束電極間で中心軌道がまっすぐであるグリーンに対応するセンターの電子ビームによって中央の陰極のみがイオン衝撃を受け、中央の陰極から射出する電子ビーム電流が低下したことによるものである。
【0039】
また、この色ずれについて評価を行ったので、この評価結果について図12を参照しながら説明する。尚、評価方法は三色差率を用いたものであり、第1の実施形態で説明したと同様であるので、その説明は省略する。
【0040】
図12に示すように、本発明に係るカラー陰極線管(本発明2Aと図示)では三色差率が3%であったのに対し、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管(比較例1、比較例2と図示)では、それぞれ三色差率は15%、5%であった。この評価結果によると、本発明に係るカラー陰極線管は、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に対して優れた色ずれ効果を奏していることが分かる。しかも、本発明に係るカラー陰極線管は、その三色差率は3%と低いので色ずれはほとんど目立たない。尚、上記の本発明に係るカラー陰極線管では、陰極として含浸型陰極(本発明2Aと図示)を用いたが、含浸型陰極の代わりに酸化物陰極を用いた場合のもの(本発明2Bと図示)は、図12に示すように、上記色ずれ評価方法で評価すると三色差率は2%であり、含浸型陰極を用いた場合と比べ、さらに優れた色ずれ効果を奏する。これは、酸化物陰極ではArガスのイオンボンバードにより実動電子放射面の管内ガスによる汚染が除去されることにより活性化が促され、含浸型陰極を用いた場合に比べると極めて電子ビーム電流が安定するからである。
【0041】
以上、第1及び第2の実施形態に係る電子銃はコンバーゼンス機構を内蔵しているものであるが、本実施形態にいうコンバーゼンス機構とは、電界によって電子ビームを曲げ、電子ビームが偏向されていないときに、3本の電子ビームを1点に集中させる機構のことをいう。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係る第1のカラー陰極線管は、陰極及び集束電極を有する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてが、前記陰極と前記集束電極の間で曲げられる構造を備えたことを特徴とするものである。
【0043】
本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管は、陰極から射出した電子ビームの中心軌道すべてを陰極と集束電極の間で曲げるものであるので、管内にArガスが存在したとしても、電子ビームすべてに関し、陰極でのArイオンの衝突位置が陰極の実動電子放射面からずれることになる。これにより、陰極の実動電子放射面がイオンボンバードの影響を受けないので、電子ビーム電流を低下させることなく安定させることができる。従って、管内残留ガスに対する特別な処理工程を設けることなく画面の色ずれが生じないカラー陰極線管を提供することができる。
【0044】
また、本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管は、陰極及び集束電極を有し、コンバーゼンス機構を内蔵する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてを前記陰極から前記集束電極までの間で曲げない構造を備えたことを特徴とするものである。
【0045】
本発明に係る第2の実施形態に係るカラー陰極線管は、陰極から射出した電子ビームの中心軌道すべてについて陰極から集束電極までの間で曲げないものであるので、管内にArガスが存在したとしても、電子ビームすべてに関し、陰極でのArイオンの衝突位置は陰極の実動電子放射面となる。これにより、電子ビームのビーム電流を均等に低下させることができる。従って、管内残留ガスに対する特別な処理工程を設けることなく画面の色ずれが生じないカラー陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の水平断面図
【図2】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の制御電極を示す斜視図
【図3】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の加速電極を示す斜視図
【図4】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の加速電極に対向する集束電極を示す斜視図
【図5】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の陽極に対向する集束電極を示す斜視図
【図6】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の陽極を示す斜視図
【図7】従来のカラー陰極線管を示す水平断面図
【図8】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管と比較例に係るカラー陰極線管の三色差率を示す図
【図9】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の電極においてセンター孔の偏芯量と三色差率の関係を示す図
【図10】他の実施形態に係る電子ビームすべてを曲げる構造を示す図
【図11】本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管の水平断面図
【図12】本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管と比較例に係るカラー陰極線管の三色差率を示す図
【符号の説明】
1 フェース部
2 ファンネル部
3 ネック部
4 電子銃
5 陰極
6 制御電極
7 加速電極
8 集束電極
8a 第1集束電極
8b 第2集束電極
9 陽極
10R、10G、10B 電子ビームの中心軌道
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の電子ビームを射出する電子銃を備えたカラー陰極線管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー陰極線管は、そのスクリーン面には、レッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)の3色の蛍光体ドットが形成されており、それぞれの蛍光体に対応する3本の電子ビームを走査して、画像を表示するものである。カラー陰極線管においては、その色再現の安定した品質が重要な性能のひとつであるが、所望の色の画面を得ようとした場合、3本の電子ビームのビーム電流を制御して所定の電流比にすることが必要である。電子ビームのビーム電流は、通常、陰極に与える電位を固定しても数秒から数分という短時間で不安定になり、変化することが多く、これにより、画面の色ずれが発生する。このビーム電流の変化をもたらす最大の原因は、陰極線管内に残留したガスである。従来からこの残留ガスの問題については管内に導入したゲッターに残留ガスを吸着させて回避しているものの、完全にゲッターに吸着させることは困難である。特に希ガスの内アルゴン(Ar)ガスが残留することが多く、これがビーム電流変化の主原因となる。残留したArガスは、電子ビームの取り出しによって正にイオン化され、スクリーン面にかかる+30kV程度の高圧と0〜200V程度の陰極との間の電位差により加速され、陰極の電子放射面に衝突する。この現象をイオンボンバードと呼んでいる。このイオンボンバードが陰極の電子放射能力にさまざまな影響を与え、電子ビーム電流の不安定性を引き起こして画面の色ずれを発生させる。
【0003】
従来、このイオンボンバードによる画面色ずれの対策として、陰極線管の製造プロセスに特別な処理工程を設け、これにより陰極線管内に残留したArガスを低減させていた(特開平8−77929号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の方法は、陰極の活性化工程の他に管内ガスを低減させるための特別な処理工程を必要としていたので、設備的にも工数的にもコスト高になるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、特別な処理工程を要することなく、イオンボンバードによる画面の色ずれを防止することができるカラー陰極線管を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のカラー陰極線管は、陰極及び集束電極を有する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてが、前記陰極と前記集束電極の間で曲げられる構造を備えたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る第1のカラー陰極線管によれば、管内にArガスが存在したとしても、すべての電子ビームの中心軌道を陰極と集束電極の間で曲げることにより、すべての電子ビームに関し、陰極でのArイオンの衝突位置が陰極の実動電子放射面からずれることになる。これにより、陰極の実働電子放射面がイオンボンバードによるダメージを受けることがなくなるので、電子ビーム電流を低下させることなく安定させることができ、画面の色ずれを防止することができる。
【0008】
また、本発明に係る第2のカラー陰極線管は、陰極及び集束電極を有し、コンバーゼンス機構を内蔵する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてを前記陰極から前記集束電極までの間で曲げない構造を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る第2のカラー陰極線管によれば、管内にArガスが存在したとしても、すべての電子ビームの中心軌道を陰極と集束電極の間で曲げないことにより、すべての電子ビームの陰極でのArイオンの衝突位置は、陰極の実動電子放射面となる。これにより、3つの陰極の実働電子放射面すべてが同程度にイオンボンバードのダメージを受けることになるので、3本の電子ビームのビーム電流が均等に低下させることができ、画面の色ずれを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管について図を用いて説明する。
【0011】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管は、フェース部1、ファンネル部2及びネック部3からなり、ネック部3内には電子銃4を備えている。電子銃4は、インライン配列された3個の陰極5、制御電極6、加速電極7、集束電極8及び陽極9が順次に配設されて構成されており、各電極にはレッド、グリーン及びブルーの3本の電子ビームがそれぞれ通過する3つの電子ビーム通過孔が設けられている。尚、同図中の破線は、陰極5から射出した各電子ビームの中心軌道を表している。
【0012】
また、集束電極8は、第1集束電極8aと第2集束電極8bとからなり、第1集束電極8aは加速電極7に対向する端面を有し、2集束電極8bは陽極9に対向する端面を有し、これらの端面には3つの電子ビーム通過孔が設けられている。
【0013】
次に、制御電極6、加速電極7、第1集束電極8a、第2集束電極8b及び陽極9の詳細について説明する。尚、図2〜図6は、それぞれ制御電極6、加速電極7、第1集束電極8a、第2集束電極8b及び陽極9の外観斜視図である。
【0014】
図2に示すように、陰極を覆うキャップ状の制御電極6は、その加速電極7側の端面に直径が0.35mmの電子ビーム通過孔6R、6G、6Bが設けられている。両サイドの電子ビーム通過孔6R、6Bは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。また、センターの電子ビーム通過孔6Gは管軸中心Oから離れ、電子ビーム通過孔6B側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔6Rとセンター孔6Gの中心間距離L1を8.0mmとし、センター孔6Gとサイド孔6Rの中心間距離L2を4.2mmとした。センター孔6Gの管軸中心に対する偏芯量δは1.9mmである。
【0015】
また、図3に示すように、板状の加速電極7には直径が0.40mmの電子ビーム通過孔7R、7G、7Bが設けられており、両サイドの電子ビーム通過孔7R、7Bは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。また、センターの電子ビーム通過孔7Gは管軸中心から離れ、電子ビーム通過孔7B側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔7Rとセンター孔7Gの中心間距離L1を8.0mmとし、センター孔7Gとサイド孔7Rの中心間距離L2を4.2mmとし、センター孔7Gの管軸中心に対する偏芯量δは1.9mmとし、制御電極6と同じにした。
【0016】
また、図4に示すように、第1集束電極8aは、その加速電極に対向する端面に短径が0.9mmであって長径が1.14mmの横長の略楕円形状の両サイドの電子ビーム通過孔8aR、8aBと、短径が0.9mmであって長径が0.98mmのオーバル形状のセンターの電子ビーム通過孔8aGとが設けられている。また、両サイドの電子ビーム通過孔8aR、8aBは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。中央の電子ビーム通過孔8aGは管軸中心から離れ、電子ビーム通過孔8aB側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔8aRとセンター孔8aGの中心間距離L1を8.16mmとし、センター孔8aGとサイド孔8aRの中心間距離L2を4.28mmとした。センター孔8aGの管軸中心に対する偏芯量δは1.94mmである。
【0017】
一方、図5に示すように、第2集束電極8bは、その陽極9に対向する端面に直径が3.4mmの電子ビーム通過孔8bR、8bG、8bBが設けられており、両サイドの電子ビーム通過孔8bR、8bBは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。また、センターの電子ビーム通過孔8bGは管軸中心から離れ、電子ビーム通過孔8bB側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔8bRとセンター孔8bGの中心間距離L1を6.8mmとし、センター孔8bGとサイド孔8bRの中心間距離L2を3.4mmとした。センター孔8bGの管軸中心に対する偏芯量δは1.7mmである。
【0018】
また、図6に示すように、陽極9は、その第2集束電極8b側の端面には直径が3.4mmの電子ビーム通過孔9R、9G、9Bが設けられている。両サイドの電子ビーム通過孔9R、9Bは管軸中心Oに対して対称な位置に設けられている。また、センターの電子ビーム通過孔9Gは管軸中心から離れ、電子ビーム通過孔9B側に偏って設けられている。本実施形態では、サイド孔9Rとセンター孔9Gの中心間距離L1を6.8mmとし、センター孔9Gとサイド孔9Bの中心間距離L2を3.4mmとした。センター孔9Gの管軸中心に対する偏芯量δは1.7mmである。
【0019】
次に、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の動作について再び図1を用いて説明する。
【0020】
本実施形態に係るカラー陰極線管に所定の電圧を印加すると、図1に示すように、陰極5から電子が射出され、破線10R、10G、10Bで示すように3本の電子ビームとなってフェース部1に向かって飛んでいく。この3本の電子ビームの束は加速電極7に対向する第1集束電極8a直前まではすべて管軸中心Oと平行に進むが、第1集束電極8aのセンター孔中心を管軸中心Oから離れるほうにずらしているため、加速電極7と集束電極8との間ではすべての電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bが管軸中心O方向に曲げられる。その後フェース部1で3本の電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bは一点に集中(コンバーゼンス)する。
【0021】
このとき、電子ビームの電子が管内に残留するAr等の不活性ガスに衝突すると、この残留ガスは陽イオンに電離し、各電極の電位差によって加速されて電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bと同じ軌道を通って陰極5に向かって飛んでいくことになる。ところが、不活性ガスの質量が大きいため、加速された陽イオンは加速電極7と集束電極8との間で曲がることができずに電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bからそれてしまい、陽イオンは陰極5の実動電子放射面に当たらず、実動電子放射面の外側に当たる。このため、3個全ての陰極5は、その実動電子放射面はダメージを受けることがない。従って、3個の陰極のエミッション性能を良好に均等に維持させることができるので、3本の電子ビームのビーム電流の低下もなくなり、画面の色ずれも無くなる。
【0022】
次に、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の効果を確認した実験結果について説明する。本発明に係るカラー陰極線管として、上述した寸法と同じ寸法の電極の電子銃を備えた21型のカラー陰極線管を用い、比較例1として図7に示すように各電極のセンター孔が管軸中心に、また、サイド孔が管軸対称に設けられたカラー陰極線管を用い、比較例2として、比較例1のカラー陰極線管に特開平8−77929号公報に開示された残留ガス対策の処理工程を施したインラインカラー陰極線管を用いた。尚、これらのカラー陰極線管の管内のArガスの分圧は6×10−6〜3×10−4Paである。
【0023】
本発明に係るカラー陰極線管、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に所定の電圧を印加すると、本発明に係るカラー陰極線管については、時間が経過しても画面色ずれがほとんど生じなかったが、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管については、画面上に白色の画像を出画させてもグリーン色が不足したマゼンタとなり色ずれが生じた。本発明に係るカラー陰極線管に色ずれが生じなかったのは、3個の陰極すべてがイオン衝撃を受けないからであると考えられる。一方、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に色ずれが生じたのは、陰極と集束電極間で中心軌道がまっすぐであるグリーンに対応するセンターの電子ビームによって中央の陰極のみがイオン衝撃を受け、中央の陰極から射出する電子ビーム電流が低下したことによるものであると考えられる。
【0024】
本発明に係るカラー陰極線管、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管の色ずれについて評価を行ったので、その評価結果について図8を参照しながら説明する。尚、評価は以下のように行った。すなわち、カラー陰極線管に所定の電圧を印加し、印加直後の陰極から放射される電子ビーム電流が3色同じ値になるように陰極電圧ドライブ量を調整し、その電流値をI0とする。そして、ドライブから5分後のレッド、グリーン、ブルーの各色の電流値をそれぞれI5R、I5G、I5Bとし、この三色の電流値の最大値と最小値の差分をΔI5とする。この差分ΔI5をI5R、I5G、I5Bの平均値I5AVEで割った値を色ずれの程度をあらわす三色差率とする。数式で表すと以下のようになる。
【0025】
三色差率=(ΔI5/I5AVE)×100[%]
この三色差率が5%より大きくなると色ずれが目立つようになるため、これより小さくすることが好ましい。
【0026】
図8に示すように、本発明に係るカラー陰極線管(本発明1Aと図示)では三色差率が2%であったのに対し、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管(比較例1、比較例2と図示)では、それぞれ三色差率は15%、5%であった。この評価結果によると、本発明に係るカラー陰極線管は、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に対して優れた効果を奏することが分かる。しかも、本発明に係るカラー陰極線管においては、その三色差率は2%と低いので色ずれはほとんど目立たない。
【0027】
尚、上記の本発明に係るカラー陰極線管では、陰極として含浸型陰極を用いたが、含浸型陰極の代わりに酸化物陰極を用いた場合(本発明1Bと図示)には、図8に示すように、上記色ずれ評価方法で評価すると三色差率は3%であり、含浸型陰極を用いた場合と比べると色ずれ効果は劣っているものの、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に対しては色ずれ効果は優れている。また、含浸型陰極が酸化物陰極に対して優れた効果を奏するのは、表面にBa単原子層を有する含浸型陰極は、上記本発明に係る電子銃の構成によって、イオンボンバードのBa単原子層の破壊によるエミッション性能の低下を抑制できるのに対し、表面にBa単原子層のない酸化物陰極は、もともとイオンボンバードによって陰極表面がクリーニングされてエミッション性能が良化されていたのが、イオンボンバード自体の抑制によりクリーニング効果によるエミッション性質の良化が抑制されるからである。
【0028】
また、制御電極6、加速電極7、第1集束電極8a、第2集束電極8b及び陽極9に設けられたセンターの各電子ビーム通過孔中心の管軸中心に対する偏芯量δと三色差率との関係を図9に示す。図9に示すように、偏芯量δが大きいほど三色差率が低くなり、色ずれ改善効果は大きくなる。但し、偏芯量δが0.01mm以上ネック外径の10分の1以下の間であることが好ましい。これは、偏芯量δが大きすぎると各電極の外径や孔径等の物理的な限界で制約されるからである。
【0029】
以上、本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管では、陰極と集束電極との間で電子ビームの中心軌道10R、10G、10Bを曲げるために、電極のセンター孔の中心を管軸中心Oから離れる方向にずらしたが、図10(a)に示すように、静電レンズを形成する低電圧側の電極、例えば加速電極の両サイド孔11の管軸中心Oから離れた方の孔周辺半分の部分に突起12を設けてもよい。また、図10(b)に示すように、静電レンズを形成する低電圧側の板状の電極である加速電極13全体を陰極側に凸になるように反らしてもよい。また、図10(c)に示すように、ファンネルのネック部外周に磁性体14を付加して曲げてもよい。また、中央の陰極及びそれに対応するそれぞれの電極の孔の位置はインライン上に位置していなくてもよい。
【0030】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管について図を用いて説明する。
【0031】
本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管は、図11に示すように、フェース部1、ファンネル部2及びネック部3からなり、ネック部3内には電子銃40を備え、また、電子銃40は、インライン配列された3個の陰極50、制御電極60、加速電極70、集束電極80及び陽極90が順次に配設されて構成されたものであり、基本電極構成は第1の実施形態に係るカラー陰極線管と同様である。尚、集束電極80は、第1集束電極80aと第2集束電極80bとからなる。また、各電極にはレッド、グリーン及びブルーの3本の電子ビームがそれぞれ通過する3つの電子ビーム通過孔が設けられている。
【0032】
第2の実施形態に係るカラー陰極線管が第1の実施形態に係るものと異なる点は、第1の実施形態に係るカラー陰極線管が3本の電子ビームすべてが陰極5と集束電極8の間で曲げられる構成としたのに対し、第2の実施形態に係るカラー陰極線管は3本の電子ビームすべてについて陰極50から集束電極80までの間で曲げない構成とした点である。
【0033】
3本の電子ビームすべてを陰極50と集束電極80の間で曲げない構成とするために、具体的な電極構成として各電極の電子ビーム通過孔の形状を以下のようにした。すなわち、各電極のセンター孔をその中心が管軸中心Oと一致するように設けるとともに、両サイド孔を管軸中心Oに対して対称に設けた。尚、制御電極60、加速電極70、第1集束電極80a及び第2集束電極80bの各電極での両サイド孔とセンター孔の中心間距離を6.1mmとし、陽極90の両サイド孔とセンター孔の中心間距離を6.2mmとして他の電極の両サイド孔と比較して、その中心を管軸中心Oから離れる方向にずらしている。
【0034】
次に、本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管の動作について図11を用いて説明する。
【0035】
本発明に係るカラー陰極線管に所定の電圧を印加すると、図11に示すように、陰極50から電子が射出され、破線100R、100G、100Bで示すように3本の電子ビームとなってフェース部1に向かって飛んでいく。陰極50から射出した3本の電子ビームの束は陽極90の直前までは管軸中心Oと平行に進むが、陽極90のサイド孔の中心を他の電極の両サイド孔と比較して管軸中心Oから離れる方向にずらしているため、集束電極80と陽極90との間で両サイドの電子ビームの中心軌道100R、100G、100Bが管軸中心O方向に曲げられる。その後フェース部1で3本の電子ビームの中心軌道100R、100G、100Bは一点に集中(コンバーゼンス)する。
【0036】
このとき、電子ビームの電子が管内に残留するAr等の不活性ガスに衝突すると、この残留ガスは陽イオンに電離し、各電極の電位差によって加速されて電子ビームの中心軌道100R、100G、100Bと同じ軌道を通って陰極50に向かって飛んでいくことになる。ここで、管内に残留する不活性ガスが電離するのは主に集束電極80付近であり、この付近で電離した陽イオンは、電極間の電界によって加速され、陽極90まで管軸中心Oと平行に進んだ電子ビームの中心軌道100R、100G、100Bを通って陰極50の実動電子放射面に衝突する。これにより、陰極50の表面の熱電子放出層はダメージを受けることとなるが、3本の電子ビームすべてが陰極50から集束電極80までの間で直進する(曲がらない)ので、3個全ての陰極50が同程度のダメージを受ける。この結果、3個の陰極50から放射される電子ビーム電流は同等に低下するので、画面の色ずれを防止することができる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管の効果を確認した実験結果について説明する。本実施形態に係るカラー陰極線管として、電子銃の各電極構成を上述した寸法と同じ寸法の電極を有する電子銃を備えた21型のカラー陰極線管を用いた。また、比較例として第1の実施形態で説明したものと同じ比較例1及び比較例2のカラー陰極線管を用いた。
【0038】
本発明に係るカラー陰極線管、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に所定の電圧を印加すると、本発明に係るカラー陰極線管については、時間が経過しても画面の色ずれがほとんど生じなかったが、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管については、画面上に白色の画像を出画させてもグリーン色が不足したマゼンタとなり色ずれが生じた。本発明に係るカラー陰極線管に色ずれが生じなかったのは、3個の陰極すべてが一様にダメージを受けるからである。一方、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に色ずれが生じたのは、陰極と集束電極間で中心軌道がまっすぐであるグリーンに対応するセンターの電子ビームによって中央の陰極のみがイオン衝撃を受け、中央の陰極から射出する電子ビーム電流が低下したことによるものである。
【0039】
また、この色ずれについて評価を行ったので、この評価結果について図12を参照しながら説明する。尚、評価方法は三色差率を用いたものであり、第1の実施形態で説明したと同様であるので、その説明は省略する。
【0040】
図12に示すように、本発明に係るカラー陰極線管(本発明2Aと図示)では三色差率が3%であったのに対し、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管(比較例1、比較例2と図示)では、それぞれ三色差率は15%、5%であった。この評価結果によると、本発明に係るカラー陰極線管は、比較例1及び比較例2に係るカラー陰極線管に対して優れた色ずれ効果を奏していることが分かる。しかも、本発明に係るカラー陰極線管は、その三色差率は3%と低いので色ずれはほとんど目立たない。尚、上記の本発明に係るカラー陰極線管では、陰極として含浸型陰極(本発明2Aと図示)を用いたが、含浸型陰極の代わりに酸化物陰極を用いた場合のもの(本発明2Bと図示)は、図12に示すように、上記色ずれ評価方法で評価すると三色差率は2%であり、含浸型陰極を用いた場合と比べ、さらに優れた色ずれ効果を奏する。これは、酸化物陰極ではArガスのイオンボンバードにより実動電子放射面の管内ガスによる汚染が除去されることにより活性化が促され、含浸型陰極を用いた場合に比べると極めて電子ビーム電流が安定するからである。
【0041】
以上、第1及び第2の実施形態に係る電子銃はコンバーゼンス機構を内蔵しているものであるが、本実施形態にいうコンバーゼンス機構とは、電界によって電子ビームを曲げ、電子ビームが偏向されていないときに、3本の電子ビームを1点に集中させる機構のことをいう。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係る第1のカラー陰極線管は、陰極及び集束電極を有する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてが、前記陰極と前記集束電極の間で曲げられる構造を備えたことを特徴とするものである。
【0043】
本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管は、陰極から射出した電子ビームの中心軌道すべてを陰極と集束電極の間で曲げるものであるので、管内にArガスが存在したとしても、電子ビームすべてに関し、陰極でのArイオンの衝突位置が陰極の実動電子放射面からずれることになる。これにより、陰極の実動電子放射面がイオンボンバードの影響を受けないので、電子ビーム電流を低下させることなく安定させることができる。従って、管内残留ガスに対する特別な処理工程を設けることなく画面の色ずれが生じないカラー陰極線管を提供することができる。
【0044】
また、本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管は、陰極及び集束電極を有し、コンバーゼンス機構を内蔵する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてを前記陰極から前記集束電極までの間で曲げない構造を備えたことを特徴とするものである。
【0045】
本発明に係る第2の実施形態に係るカラー陰極線管は、陰極から射出した電子ビームの中心軌道すべてについて陰極から集束電極までの間で曲げないものであるので、管内にArガスが存在したとしても、電子ビームすべてに関し、陰極でのArイオンの衝突位置は陰極の実動電子放射面となる。これにより、電子ビームのビーム電流を均等に低下させることができる。従って、管内残留ガスに対する特別な処理工程を設けることなく画面の色ずれが生じないカラー陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の水平断面図
【図2】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の制御電極を示す斜視図
【図3】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の加速電極を示す斜視図
【図4】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の加速電極に対向する集束電極を示す斜視図
【図5】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の陽極に対向する集束電極を示す斜視図
【図6】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の陽極を示す斜視図
【図7】従来のカラー陰極線管を示す水平断面図
【図8】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管と比較例に係るカラー陰極線管の三色差率を示す図
【図9】本発明の第1の実施形態に係るカラー陰極線管の電子銃の電極においてセンター孔の偏芯量と三色差率の関係を示す図
【図10】他の実施形態に係る電子ビームすべてを曲げる構造を示す図
【図11】本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管の水平断面図
【図12】本発明の第2の実施形態に係るカラー陰極線管と比較例に係るカラー陰極線管の三色差率を示す図
【符号の説明】
1 フェース部
2 ファンネル部
3 ネック部
4 電子銃
5 陰極
6 制御電極
7 加速電極
8 集束電極
8a 第1集束電極
8b 第2集束電極
9 陽極
10R、10G、10B 電子ビームの中心軌道
Claims (7)
- 陰極及び集束電極を有する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、
前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてが、前記陰極と前記集束電極の間で曲げられる構造を備えたことを特徴とするカラー陰極線管。 - 前記陰極と前記集束電極の間に、制御電極及び加速電極が順次に配設され、前記制御電極、前記加速電極及び前記集束電極のそれぞれに前記複数本の電子ビームに対応する複数個の電子ビーム通過孔が設けられ、前記電子ビーム通過孔の中心すべてがカラー陰極線管の管軸中心と一致していないことを特徴とする請求項1記載のカラー陰極線管。
- 前記制御電極、前記加速電極及び前記集束電極のそれぞれに設けられた電子ビーム通過孔が、各電極ごとに1つの中央の電子ビーム通過孔と前記中央の電子ビーム通過孔の両側に設けられた2つの両側の電子ビーム通過孔とからなり、
前記中央の電子ビーム通過孔の中心が、管軸中心から0.01mm以上、かつ、カラー陰極線管ネック外径の10分の1未満、前記管軸中心に対して偏芯していることを特徴とする請求項2記載のカラー陰極線管。 - 前記陰極が含浸型陰極であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカラー陰極線管。
- 陰極及び集束電極を有し、コンバーゼンス機構を内蔵する電子銃を備えたカラー陰極線管であって、
前記陰極から射出した複数本の電子ビームの中心軌道すべてを前記陰極から前記集束電極までの間で曲げない構造を備えたことを特徴とするカラー陰極線管。 - 前記電子銃内であって前記集束電極のカラー陰極線管フェース部側に陽極が設けられ、前記複数本の電子ビームの中心軌道すべてを前記集束電極と前記陽極の間で曲げることを特徴とする請求項5に記載のカラー陰極線管。
- 前記陰極が酸化物陰極であることを特徴とする請求項5ないし請求項6のいずれかに記載のカラー陰極線管。
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2002
- 2002-06-14 JP JP2002173730A patent/JP2004022261A/ja active Pending
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