JP3156464B2 - マイクロ波管用絶縁セラミックス - Google Patents
マイクロ波管用絶縁セラミックスInfo
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- JP3156464B2 JP3156464B2 JP24766193A JP24766193A JP3156464B2 JP 3156464 B2 JP3156464 B2 JP 3156464B2 JP 24766193 A JP24766193 A JP 24766193A JP 24766193 A JP24766193 A JP 24766193A JP 3156464 B2 JP3156464 B2 JP 3156464B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波管用絶縁セラ
ミックスに関し、特に耐電圧特性の優れたマイクロ波管
用絶縁セラミックスに関する。
ミックスに関し、特に耐電圧特性の優れたマイクロ波管
用絶縁セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波管用絶縁セラミックの
耐電圧特性を改善するために、電極間の長さを長くとっ
て距離をのばし電界を下げたり、図5に示すように、ア
ルミナセラミックス1の電極の陰極4側にコロナリング
6をつけたり、あるいは図6に示すように段付きセラミ
ックス8を用いアルミナセラミックスの沿面距離をのば
す等の手段により放電を抑制する構造としていた。
耐電圧特性を改善するために、電極間の長さを長くとっ
て距離をのばし電界を下げたり、図5に示すように、ア
ルミナセラミックス1の電極の陰極4側にコロナリング
6をつけたり、あるいは図6に示すように段付きセラミ
ックス8を用いアルミナセラミックスの沿面距離をのば
す等の手段により放電を抑制する構造としていた。
【0003】一方、アルミナセラミックスの表面にTi
N等の2次電子放出抑制体をきわめて薄くコーティング
することにより電極からの電界放出電子によってアルミ
ナセラミックス上で2次電子が発生して沿面放電を防止
する方法もある。
N等の2次電子放出抑制体をきわめて薄くコーティング
することにより電極からの電界放出電子によってアルミ
ナセラミックス上で2次電子が発生して沿面放電を防止
する方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の技術では構造が複雑になったり、あるいは効果が
明確ではないなどの問題点の他に、コロナリングタイプ
のものについては、コロナリング先端より放電しやすい
という欠点があった。
従来の技術では構造が複雑になったり、あるいは効果が
明確ではないなどの問題点の他に、コロナリングタイプ
のものについては、コロナリング先端より放電しやすい
という欠点があった。
【0005】また、TiN等の2次電子放出抑制体は、
入射電子エネルギーのほぼ全域にわたって2次電子放出
比を1以下にすることができるが、半導体であるために
極めてうすくコーティングしなければかえって耐電圧を
劣化させるので、厚みのコントロールが非常に難しいと
いう欠点があった。
入射電子エネルギーのほぼ全域にわたって2次電子放出
比を1以下にすることができるが、半導体であるために
極めてうすくコーティングしなければかえって耐電圧を
劣化させるので、厚みのコントロールが非常に難しいと
いう欠点があった。
【0006】本発明の目的は、単純な構造で耐電圧特性
の優れたマイクロ波管用絶縁セラミックスを提供するこ
とにある。
の優れたマイクロ波管用絶縁セラミックスを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、マイクロ波管
の電子銃またはコレクタの耐電圧特性を改善するために
使用されるマイクロ波管用絶縁セラミックスにおいて、
入射電子エネルギーが10keV以下の範囲で1を超え
る領域と、10keVを超える範囲では1以下である2
次電子放出比を有するBN絶縁体を表面にコーティング
したことを特徴とする。さらに、コロナリングを設けた
絶縁セラミックスの表面にBN絶縁体をコーティングす
ることにより耐電圧特性のより優れたマイクロ波管用絶
縁セラミックスを得ることができる。
の電子銃またはコレクタの耐電圧特性を改善するために
使用されるマイクロ波管用絶縁セラミックスにおいて、
入射電子エネルギーが10keV以下の範囲で1を超え
る領域と、10keVを超える範囲では1以下である2
次電子放出比を有するBN絶縁体を表面にコーティング
したことを特徴とする。さらに、コロナリングを設けた
絶縁セラミックスの表面にBN絶縁体をコーティングす
ることにより耐電圧特性のより優れたマイクロ波管用絶
縁セラミックスを得ることができる。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0009】図1は本発明の一実施例の側面図、図2は
図1の絶縁セラミックスを使用した耐電圧構造の一例を
示す一部切欠き側面図である。図1に示すように、本発
明の絶縁セラミックス3は陰極4と陽極5間のアルミナ
セラミックス1上にBNコーティング2を施すことによ
り形成される。BNコーティング2はBNの溶射等によ
って実現される。図2に示すように、耐電圧構造は、図
1の絶縁セラミックス3の陰極4側にコロナリング6を
つけることにより構成される。一般に、コロナリング構
造では、コロナリング6の先端−絶縁セラミックス3間
に強い電界を生じ、放電はコロナリング6の先端から絶
縁セラミックス3の表面へむかって生ずる。コロナリン
グ6の先端より出発して絶縁セラミックス3の表面のA
点に達した電子は、A点の電位に相当する入射エネルギ
ーを持って絶縁セラミックス3表面のA点に衝突する。
図1の絶縁セラミックスを使用した耐電圧構造の一例を
示す一部切欠き側面図である。図1に示すように、本発
明の絶縁セラミックス3は陰極4と陽極5間のアルミナ
セラミックス1上にBNコーティング2を施すことによ
り形成される。BNコーティング2はBNの溶射等によ
って実現される。図2に示すように、耐電圧構造は、図
1の絶縁セラミックス3の陰極4側にコロナリング6を
つけることにより構成される。一般に、コロナリング構
造では、コロナリング6の先端−絶縁セラミックス3間
に強い電界を生じ、放電はコロナリング6の先端から絶
縁セラミックス3の表面へむかって生ずる。コロナリン
グ6の先端より出発して絶縁セラミックス3の表面のA
点に達した電子は、A点の電位に相当する入射エネルギ
ーを持って絶縁セラミックス3表面のA点に衝突する。
【0010】図3は材質に対する入射電子エネルギーと
2次電子放出比の関係を示す特性図である。図3に示す
ように、アルミナセラミックス1の場合、2次電子放出
比が1になる点Ehは20keV以上である。もし、B
Nコーティング2がないとすると、A点の電位が20k
eV以下の場合には2次電子を多数放出することにより
アルミナセラミックス1表面が正に帯電し、A点の電位
はEh=1になる20keV以上の点まで上昇する。こ
れにより、コロナリング6の先端の電界は強まりコロナ
リング6の先端よりの放電を誘発する。
2次電子放出比の関係を示す特性図である。図3に示す
ように、アルミナセラミックス1の場合、2次電子放出
比が1になる点Ehは20keV以上である。もし、B
Nコーティング2がないとすると、A点の電位が20k
eV以下の場合には2次電子を多数放出することにより
アルミナセラミックス1表面が正に帯電し、A点の電位
はEh=1になる20keV以上の点まで上昇する。こ
れにより、コロナリング6の先端の電界は強まりコロナ
リング6の先端よりの放電を誘発する。
【0011】一方、BNコーティング2が施されている
場合には、BNはEhが5keV程度であるので、コロ
ナリング6の先端よりの電子放出によりA点は帯電する
が、コロナリング6−A点間の電位差は常に5keVに
保たれる。そのため、陽極5の電圧が増加してもコロナ
リング6先端の電界は一定となり放電が抑制される。
場合には、BNはEhが5keV程度であるので、コロ
ナリング6の先端よりの電子放出によりA点は帯電する
が、コロナリング6−A点間の電位差は常に5keVに
保たれる。そのため、陽極5の電圧が増加してもコロナ
リング6先端の電界は一定となり放電が抑制される。
【0012】図4は図1の絶縁セラミックスを使用した
耐電圧構造の他の例を示す側面図である。図4に示すよ
うに、耐電圧構造の他の例は、絶縁セラミックス3近傍
に陰極4と同電位の電極7がある場合の例である。この
耐電圧構造の場合も陰極と同電位の電極7と絶縁セラミ
ックス3との間に強い電界が生ずるが表面にBNコーテ
ィング2が施されているために、陰極と同電位の電極7
−絶縁セラミックス3間の電界は一定となり放電が抑制
される。
耐電圧構造の他の例を示す側面図である。図4に示すよ
うに、耐電圧構造の他の例は、絶縁セラミックス3近傍
に陰極4と同電位の電極7がある場合の例である。この
耐電圧構造の場合も陰極と同電位の電極7と絶縁セラミ
ックス3との間に強い電界が生ずるが表面にBNコーテ
ィング2が施されているために、陰極と同電位の電極7
−絶縁セラミックス3間の電界は一定となり放電が抑制
される。
【0013】以上、アルミナセラミックスを用いた実施
例について説明したが本発明はアルミナセラミックスに
限定することなく、BNコーティングを施せば、ベリリ
アセラミックスでも同様の効果が得られる。
例について説明したが本発明はアルミナセラミックスに
限定することなく、BNコーティングを施せば、ベリリ
アセラミックスでも同様の効果が得られる。
【0014】BNは、図3に示すように、入射電子エネ
ルギーが5keV以下では2次電子放出比が1よりもか
なり大きく2次電子放出抑制体ではない。しかしながら
BNは絶縁体であるためにコーティング膜厚が厚くなっ
ても問題は生じず、膜厚のコントロールが容易である。
この点で、TiN等の2次電子放出抑制体を使用するよ
りも、BNのように、低い入射電子エネルギーでは2次
電子放出比が大きくても10keV以上では1以下であ
るような絶縁体を使用する方がすぐれた効果が得られ
る。
ルギーが5keV以下では2次電子放出比が1よりもか
なり大きく2次電子放出抑制体ではない。しかしながら
BNは絶縁体であるためにコーティング膜厚が厚くなっ
ても問題は生じず、膜厚のコントロールが容易である。
この点で、TiN等の2次電子放出抑制体を使用するよ
りも、BNのように、低い入射電子エネルギーでは2次
電子放出比が大きくても10keV以上では1以下であ
るような絶縁体を使用する方がすぐれた効果が得られ
る。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、入射電子
エネルギーが10keV以下の範囲で1を超える領域
と、10keVを超える範囲では1以下である2次電子
放出比を有する絶縁体を表面にコーティングすることに
より、絶縁セラミックスの放電を抑制し、マイクロ波管
の電子銃またはコレクタの帯電圧特性を改善できるとい
う効果がある。
エネルギーが10keV以下の範囲で1を超える領域
と、10keVを超える範囲では1以下である2次電子
放出比を有する絶縁体を表面にコーティングすることに
より、絶縁セラミックスの放電を抑制し、マイクロ波管
の電子銃またはコレクタの帯電圧特性を改善できるとい
う効果がある。
【0016】また、コーティング材が絶縁体であるので
膜厚のコントロールが容易であるという効果もある。
膜厚のコントロールが容易であるという効果もある。
【図1】本発明の一実施例の側面図である。
【図2】図1の絶縁セラミックスを使用した耐電圧構造
の一例を示す一部切欠き側面図である。
の一例を示す一部切欠き側面図である。
【図3】材質に対する入射電子エネルギーと2次電子放
出比の関係を示す特性図である。
出比の関係を示す特性図である。
【図4】図1の絶縁セラミックスを使用した耐電圧構造
の他の例を示す側面図である。
の他の例を示す側面図である。
【図5】従来のマイクロ波管用絶縁セラミックスを使用
した耐電圧構造の一例の一部切欠き側面図である。
した耐電圧構造の一例の一部切欠き側面図である。
【図6】従来のマイクロ波管用絶縁セラミックスを使用
した耐電圧構造の他の例の側面図である。
した耐電圧構造の他の例の側面図である。
1 アルミナセラミックス 2 BNコーティング 3 絶縁セラミックス 4 陰極 5 陽極 6 コロナリング 7 陰極と同電位の電極 8 段付セラミックス
Claims (2)
- 【請求項1】 マイクロ波管の電子銃またはコレクタの
耐電圧特性を改善するために使用されるマイクロ波管用
絶縁セラミックスにおいて、入射電子エネルギーが10
keV以下の範囲で1を超える領域と、10keVを超
える範囲では1以下である2次電子放出比を有するBN
絶縁体を表面にコーティングしたことを特徴とするマイ
クロ波管用絶縁セラミックス。 - 【請求項2】 マイクロ波管の電子銃またはコレクタの
耐電圧特性を改善するために使用されるマイクロ波管用
絶縁セラミックスにおいて、絶縁セラミックスにはコロ
ナリングが設けられており、かつ入射電子エネルギーが
10keV以下の範囲で1を超える領域と、10keV
を超える範囲では1以下である2次電子放出比を有する
BN絶縁体が表面にコーティングされていることを特徴
とするマイクロ波管用絶縁セラミックス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24766193A JP3156464B2 (ja) | 1993-10-04 | 1993-10-04 | マイクロ波管用絶縁セラミックス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24766193A JP3156464B2 (ja) | 1993-10-04 | 1993-10-04 | マイクロ波管用絶縁セラミックス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07105858A JPH07105858A (ja) | 1995-04-21 |
JP3156464B2 true JP3156464B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=17166793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24766193A Expired - Fee Related JP3156464B2 (ja) | 1993-10-04 | 1993-10-04 | マイクロ波管用絶縁セラミックス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3156464B2 (ja) |
-
1993
- 1993-10-04 JP JP24766193A patent/JP3156464B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07105858A (ja) | 1995-04-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010109 |
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