JP2716815B2 - 4―カルバモイルキヌクリジンの製法 - Google Patents
4―カルバモイルキヌクリジンの製法Info
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- JP2716815B2 JP2716815B2 JP27134389A JP27134389A JP2716815B2 JP 2716815 B2 JP2716815 B2 JP 2716815B2 JP 27134389 A JP27134389 A JP 27134389A JP 27134389 A JP27134389 A JP 27134389A JP 2716815 B2 JP2716815 B2 JP 2716815B2
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- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- qcaa
- acid
- alkali metal
- qcan
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、医薬等の合成中間体として有用な4−カル
バモイルキヌクリジン(以下QCAAと略記する)の新規な
製法に関する。
バモイルキヌクリジン(以下QCAAと略記する)の新規な
製法に関する。
従来QCAAの製法としては、4−シアノキヌクリジン
(以下QCANと略記する)を室温下に濃硫酸で処理し、氷
上に注いだ後、50%苛性カリで強アルカリ性とし、減圧
下に乾固した残渣から熱アセトンで抽出する方法が報告
されている〔H.P.Fischer,C.A.Grob,Helvetica Chimica
Acta,51,153−163(1968)〕。この製法は、QCANからQ
CAAへの変換の収率は良好である。しかし、QCAAがトリ
エチルアミンを凌ぐ塩基性を有するアミンであるので、
QCAAの鉱酸塩から遊離の形で回収するためには強塩基、
例えば、苛性カリ等を用いる必要がある。水、塩、塩基
が混存する反応混合液からQCAAを分離するには、該方法
によれば反応液を蒸発乾固した残渣から熱アセトンで抽
出することが記載されている。しかし、塩基存在下に熱
アセトンで抽出すればアセトンの縮合物が生成される恐
れがあり、またQCAAからキヌクリジン−4−カルボン酸
が生成し、これの分離操作が必要になる。さらに反応混
合液を蒸発乾固させた時にQCAAは昇華性を有しているた
め、反応収率の低下をきたす。この様に反応混合液から
QCAAを分離することは非常に難しく、また分離工程が繁
雑であった。
(以下QCANと略記する)を室温下に濃硫酸で処理し、氷
上に注いだ後、50%苛性カリで強アルカリ性とし、減圧
下に乾固した残渣から熱アセトンで抽出する方法が報告
されている〔H.P.Fischer,C.A.Grob,Helvetica Chimica
Acta,51,153−163(1968)〕。この製法は、QCANからQ
CAAへの変換の収率は良好である。しかし、QCAAがトリ
エチルアミンを凌ぐ塩基性を有するアミンであるので、
QCAAの鉱酸塩から遊離の形で回収するためには強塩基、
例えば、苛性カリ等を用いる必要がある。水、塩、塩基
が混存する反応混合液からQCAAを分離するには、該方法
によれば反応液を蒸発乾固した残渣から熱アセトンで抽
出することが記載されている。しかし、塩基存在下に熱
アセトンで抽出すればアセトンの縮合物が生成される恐
れがあり、またQCAAからキヌクリジン−4−カルボン酸
が生成し、これの分離操作が必要になる。さらに反応混
合液を蒸発乾固させた時にQCAAは昇華性を有しているた
め、反応収率の低下をきたす。この様に反応混合液から
QCAAを分離することは非常に難しく、また分離工程が繁
雑であった。
本発明の目的は、QCAAを容易に製造する新規な製法を
提供することにある。
提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力した結
果、QCAA新規な製法を見いだし、本発明を完成するに到
った。
果、QCAA新規な製法を見いだし、本発明を完成するに到
った。
すなわち、本発明は、QCAN又はその塩を脂肪族エーテ
ル及び脂肪族低級アルコールの存在下にアルカリ金属ア
ミドで処理し、しかる後、加水分解処理することを特徴
とするQCAAの製法に係わるものである。
ル及び脂肪族低級アルコールの存在下にアルカリ金属ア
ミドで処理し、しかる後、加水分解処理することを特徴
とするQCAAの製法に係わるものである。
本発明に用いられるQCAN又はその塩については、例え
ば、特開昭62−16462号公報、特開昭63−135380号公
報、Helvetica Chimica Acta,37,1681〜1688(1954)等
に記載されている方法で得ることが出来る。
ば、特開昭62−16462号公報、特開昭63−135380号公
報、Helvetica Chimica Acta,37,1681〜1688(1954)等
に記載されている方法で得ることが出来る。
QCANの塩としては、ピクリン酸塩、パラトルエンスル
ホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を挙げることが出来るが、
好ましい塩としては、パラトルエンスルホン酸塩であ
る。
ホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を挙げることが出来るが、
好ましい塩としては、パラトルエンスルホン酸塩であ
る。
本発明に用いられるアルカリ金属アミドはアルカリ金
属のアミド化合物であればよい。例えば、NaNH2,KNH2,L
iNH2を挙げることが出来る。好ましいアルカリ金属アミ
ドはNaNH2であり、使用量としては反応の実質的な基質
である遊離のQCANに対して当量以上であればよい。好ま
しくは、基質に対し2〜4モル倍である。
属のアミド化合物であればよい。例えば、NaNH2,KNH2,L
iNH2を挙げることが出来る。好ましいアルカリ金属アミ
ドはNaNH2であり、使用量としては反応の実質的な基質
である遊離のQCANに対して当量以上であればよい。好ま
しくは、基質に対し2〜4モル倍である。
QCANに対するアルカリ金属アミドの作用は、溶媒の種
類によって反応速度が大幅に変動し、ベンゼン、トルエ
ン等の芳香族炭化水素ではほとんど反応は進行しない。
ある程度の反応を進行させる溶媒は、脂肪族エーテル類
で、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、t
−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブ
チルエーテル、ジオキサン等を挙げることが出来る。該
エーテルの使用量は反応終了後も流動性を維持できる程
度であればよい。例えば、基質に対して5重量倍以上が
好ましい。しかしながら、該脂肪族エーテル中、還流条
件下でもQCANの消失速度は小さく、実用的な反応速度を
得るために、共溶媒として脂肪族の低級アルコール類の
添加が必要である。用いられる該アルコールは炭素数1
〜5のもので、例えば、1−プロパノール、2−プロパ
ノール、1−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタ
ノール、n−アミルアルコール、sec−アミルアルコー
ル、t−アミルアルコール等を挙げることが出来る。
類によって反応速度が大幅に変動し、ベンゼン、トルエ
ン等の芳香族炭化水素ではほとんど反応は進行しない。
ある程度の反応を進行させる溶媒は、脂肪族エーテル類
で、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、t
−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブ
チルエーテル、ジオキサン等を挙げることが出来る。該
エーテルの使用量は反応終了後も流動性を維持できる程
度であればよい。例えば、基質に対して5重量倍以上が
好ましい。しかしながら、該脂肪族エーテル中、還流条
件下でもQCANの消失速度は小さく、実用的な反応速度を
得るために、共溶媒として脂肪族の低級アルコール類の
添加が必要である。用いられる該アルコールは炭素数1
〜5のもので、例えば、1−プロパノール、2−プロパ
ノール、1−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタ
ノール、n−アミルアルコール、sec−アミルアルコー
ル、t−アミルアルコール等を挙げることが出来る。
該アルコールの添加量はQCANに対し如何なる量でもよ
いが、好ましくは5〜20モル%である。該アルコールの
量が多くなり過ぎるとアルカリ金属アミドと反応するた
め、突沸状の激しい泡立ちが発生し、反応槽からの漏洩
等を起こす恐れがある。
いが、好ましくは5〜20モル%である。該アルコールの
量が多くなり過ぎるとアルカリ金属アミドと反応するた
め、突沸状の激しい泡立ちが発生し、反応槽からの漏洩
等を起こす恐れがある。
本発明の反応は、QCAN、脂肪族エーテル、アルカリ金
属アミドの混合液中に脂肪族低級アルコールを添加して
も良いし、またQCAN、脂肪族エーテル、脂肪族低級アル
コールの混合液中にアルカリ金属アミドを加えてもよ
い。反応終了後、反応生成液に反応に使用したアルカリ
金属アミドと中和当量程度の酸を加え、溶媒の還流下で
加熱反応し、反応生成物の加水分解処理を行いQCAAを得
る。用いる溶媒は、アルカリ金属アミドを用いる反応系
と同一溶媒でもよいが、好ましくは、アルカリ金属アミ
ドとの反応に用いた溶媒を、例えば、1−プロパノー
ル、1−ブタノール等の脂肪族低級アルコールに置換し
たものがよい。
属アミドの混合液中に脂肪族低級アルコールを添加して
も良いし、またQCAN、脂肪族エーテル、脂肪族低級アル
コールの混合液中にアルカリ金属アミドを加えてもよ
い。反応終了後、反応生成液に反応に使用したアルカリ
金属アミドと中和当量程度の酸を加え、溶媒の還流下で
加熱反応し、反応生成物の加水分解処理を行いQCAAを得
る。用いる溶媒は、アルカリ金属アミドを用いる反応系
と同一溶媒でもよいが、好ましくは、アルカリ金属アミ
ドとの反応に用いた溶媒を、例えば、1−プロパノー
ル、1−ブタノール等の脂肪族低級アルコールに置換し
たものがよい。
QCAAの生成は約50℃から認められ、好ましくは約80℃
以上に加熱する必要がある。用いられる酸としては、例
えば、硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、硝酸等の無機強
酸に属するもの、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンス
ルホン酸などのアリールスルホン酸類等の有機強酸に属
するものを挙げることが出来る。これらの酸の内、添加
により反応系中に生成すると考えられる、例えば、アン
モニウム塩、ナトリウム塩が使用溶媒である脂肪族低級
アルコールに対して溶解度が低いこと、又該アルコール
と容易にエステルを生成しないということを基準として
選択すればよい。特に好ましい酸は硫酸である。加水分
解処理に必要な反応系中の水分量はQCAAと同当量程度あ
ればよいが、多量に存在してもよい。例えば、使用する
酸を添加する際に、その酸が溶媒と反応したり、取扱い
上困難な状況が起きないように考慮して、適当に酸の濃
度を調整する。硫酸の場合20〜50重量%水溶液が好まし
い。加水分解処理後、反応生成液からろ過・濃縮・晶析
等の常套の操作によってQCAAを容易に単離することが出
来る。
以上に加熱する必要がある。用いられる酸としては、例
えば、硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、硝酸等の無機強
酸に属するもの、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンス
ルホン酸などのアリールスルホン酸類等の有機強酸に属
するものを挙げることが出来る。これらの酸の内、添加
により反応系中に生成すると考えられる、例えば、アン
モニウム塩、ナトリウム塩が使用溶媒である脂肪族低級
アルコールに対して溶解度が低いこと、又該アルコール
と容易にエステルを生成しないということを基準として
選択すればよい。特に好ましい酸は硫酸である。加水分
解処理に必要な反応系中の水分量はQCAAと同当量程度あ
ればよいが、多量に存在してもよい。例えば、使用する
酸を添加する際に、その酸が溶媒と反応したり、取扱い
上困難な状況が起きないように考慮して、適当に酸の濃
度を調整する。硫酸の場合20〜50重量%水溶液が好まし
い。加水分解処理後、反応生成液からろ過・濃縮・晶析
等の常套の操作によってQCAAを容易に単離することが出
来る。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 窒素雰囲気下ソディウムアミド12.6グラム(0.32モ
ル)をテトラヒドロフラン125グラムに懸濁し、4−シ
アノキヌクリジン15.0グラム(0.11モル)及び1−ブタ
ノール1.0グラム(0.013モル)を順次添加した。この混
合物を6時間還流下に撹拌した後、1−ブタノール110
グラムを添加しながらテトラヒドロフランの大部分を蒸
留の形式で留去した。反応液を室温まで冷却して40%硫
酸39.5グラム(硫酸0.16、水1.32モル)を加え、さらに
2時間還流下に撹拌を続けた。室温まで冷却したのち固
形物をろ別し、ろ液を45グラムまで濃縮し、析出した固
体をろ取乾燥して4−カルバモイルキヌクリジン12.6グ
ラム(0.082モル、収率74%)を得た。
ル)をテトラヒドロフラン125グラムに懸濁し、4−シ
アノキヌクリジン15.0グラム(0.11モル)及び1−ブタ
ノール1.0グラム(0.013モル)を順次添加した。この混
合物を6時間還流下に撹拌した後、1−ブタノール110
グラムを添加しながらテトラヒドロフランの大部分を蒸
留の形式で留去した。反応液を室温まで冷却して40%硫
酸39.5グラム(硫酸0.16、水1.32モル)を加え、さらに
2時間還流下に撹拌を続けた。室温まで冷却したのち固
形物をろ別し、ろ液を45グラムまで濃縮し、析出した固
体をろ取乾燥して4−カルバモイルキヌクリジン12.6グ
ラム(0.082モル、収率74%)を得た。
・融点228−230℃〔文献値233−234℃〕。
・元素分析値: C H N 計算値 62.31% 9.15% 18.17% 実測値 62.18% 9.15% 18.01% ・赤外吸収スペクトル(CHCl3): 3540,3420,1675,1590cm-1
Claims (1)
- 【請求項1】4−シアノキヌクリジン又はその塩を脂肪
族エーテル及び脂肪族低級アルコールの存在下にアルカ
リ金属アミドで処理し、しかる後、加水分解処理するこ
とを特徴とする4−カルバモイルキヌクリジンの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27134389A JP2716815B2 (ja) | 1989-10-18 | 1989-10-18 | 4―カルバモイルキヌクリジンの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27134389A JP2716815B2 (ja) | 1989-10-18 | 1989-10-18 | 4―カルバモイルキヌクリジンの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03133979A JPH03133979A (ja) | 1991-06-07 |
JP2716815B2 true JP2716815B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=17498741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27134389A Expired - Lifetime JP2716815B2 (ja) | 1989-10-18 | 1989-10-18 | 4―カルバモイルキヌクリジンの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2716815B2 (ja) |
-
1989
- 1989-10-18 JP JP27134389A patent/JP2716815B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03133979A (ja) | 1991-06-07 |
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