JP2716226B2 - 咬合具および咬合具付包装用袋 - Google Patents

咬合具および咬合具付包装用袋

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JP2716226B2 JP1308578A JP30857889A JP2716226B2 JP 2716226 B2 JP2716226 B2 JP 2716226B2 JP 1308578 A JP1308578 A JP 1308578A JP 30857889 A JP30857889 A JP 30857889A JP 2716226 B2 JP2716226 B2 JP 2716226B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、咬合具および咬合具付包装用袋に関し、食
品、薬品、雑貨等の防湿、防酸素等が要求され、かつ、
開封後に再開封が必要な分野の包装に利用できる。
[従来の技術] 袋の開封部に雄、雌よりなる帯状の咬合具(嵌合具)
を設けることにより、開閉自在とした袋(チャック袋)
が食品、薬品、雑貨等多くの分野で使用されている。こ
の咬合具付袋の製造方法としては、種々の方法が提案さ
れている。例えば、押出ダイを用いて雄型と雌型の一対
の咬合具を備えた筒状フィルムを一体に押出成形して製
造する方法、フィルム状に咬合具を押出溶着する方法、
予め咬合具付のテープを製造し、このテープを袋本体を
形成する基材フィルムに熱溶着または接着材で固着する
方法がある。
しかし、前二者の方法では、使用可能な樹脂の種類に
限界があること、多層フィルム基材への適用が困難なこ
と、多様なサイズに対応できないこと、印刷が困難なこ
と等のハンドリングのしにくさやコスト面の課題があ
り、近年は、最後者の方法、特に、咬合具のみを製造
し、袋本体フィルムに熱溶着する方法が採用されてい
る。
[解決すべき問題点] ところで、咬合具の材質としては、ポリプロピレン系
樹脂(PP)が広く使用されているが、このPPにおける溶
着温度は、約160℃と高温である。このため、溶着部位
の昇温に時間を要し、製袋スピードを低くしなければな
らず、生産能率が低下するという問題点がある。また、
溶着温度が高いことから、エネルギコストが高く、しか
も外観上シールじわが発生し、製品品質を低下させると
いう問題点もある。さらに、剛性も比較的高く、使用対
象によっては取扱が必ずしも容易なものではなかった。
従って、生産能率の向上、省エネルギ、外観向上の立
場から溶着温度をより低くし、製袋スピードを上げると
ともに剛性の低いものが要望されている。
本発明の目的は、溶着温度を低くすることができ、製
袋スピードを上げられて生産能率の向上、省エネルギを
図ることができ、剛性も低く取扱いが容易な咬合具およ
び該咬合具を基材フィルムに溶着した包装用袋を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討を行
った結果、咬合具の溶着部に特定の樹脂を選定すること
により、溶着温度を下げることができ、適度な柔軟性を
有して前記課題を解決できることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の咬合具は、少なくとも袋本体への
溶着部が下記(A)に示すポリプロピレン系重合体
(a)、または下記(B)に示すその重合体(a)を含
有するポリプロピレン系共重合体(b)である軟質ポリ
プロピレンを主体として形成されてなることを特徴とす
る。
(A)(i)重合体の成分として、固有粘度[η]1.2d
l/g以上の沸騰ヘプタン可溶性ポリプロピレン10〜90重
量%と、固有粘度[η]0.5〜9.0dl/gの沸騰ヘプタン不
溶性ポリプロピレン90〜10重量%とからなり、(ii)13
C−NMRによるペンタッド分率においてrrrr/(1−mmm
m)が20%以上であり、(iii)示差熱量分析計(DSC)
にて測定した融解ピーク温度(Tm)が、150℃以上であ
り、かつ(iv)DSCにて測定した融解エンタルピー(Δ
H)が100J/g以下であるポリプロピレン系重合体(a) (B)共重合体の成分として、前記ポリプロピレン系重
合体(a)10〜95重量%と、エチレン単位含有量が10〜
60モル%で固有粘度が0.5〜7.0dl/gであるエチレン−プ
ロピレン共重合体(c)および/又はエチレン単位含有
量が10〜60モル%で、ポリエン単位含有量が1〜10モル
%で固有粘度が0.5〜7.0dl/gであるエチレン−プロピレ
ン−ポリエン共重合体(c′)90〜5重量%とからなる
ポリプロピレン系共重合体(b) また、本発明の咬合具付包装用袋は、前記咬合具を袋
本体に溶着し、製袋してなることを特徴とする。
ここで、本発明における軟質ポリプロピレンについて
説明する。
本明細書において「軟質ポリプロピレン」とは、以下
の(1)〜(4)に記載のホモ重合体、または共重合
体、更にはそれら重合体の組成物のいずれかを意味す
る。
本明細書において「軟質ポリプロピレン」とは、 前記(A)に示すポリプロピレン系重合体(a)、また
は前記(B)に示すそれらの重合体(a)を含有するプ
ロピレン系重合体(b)である軟質ポリプロピレンから
なることを特徴とする軟質ポリプロピレンフィルムを意
味する。
なお、前記のポリプロピレン系重合体(a)は、透過
型電子顕微鏡での観察において、ドメイン構造が観察さ
れる性質を有しているものが特に好ましい。
本発明で用いる軟質ポリプロピレンのうち、前記のポ
リプロピレン系重合体(a)は、例えば、以下に記載の
気相1段重合法又はスラリー1段重合法のいずれかによ
って調製することができる。以下、それらの調製法につ
いて順に説明する。
気相1段重合法 気相1段重合法で用いる触媒系は、例えば、 (I)(i)結晶性ポリオレフィンと (ii)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子およ
び電子供与性化合物からなる固体触媒成分とからなる固
体成分、 (II)有機アルミニウム化合物 (III)アルコキシ基含有芳香族化合物、および(IV)
電子供与性化合物 の組合せからなる。
前記の固体成分(I)は、結晶性ポリオレフィン
(i)1重量部に対して固体触媒成分(ii)を0.005〜3
0重量部(好ましくは0.02〜10重量部)の割合で含んで
なる。
前記の固体成分(I)は、例えば、固体触媒成分(i
i)と有機アルミニウム化合物と場合により電子供与性
化合物との存在下に、オレフィンを予備重合させる方法
によって調製することができる(予備重合法)。
ここで、固体触媒成分(ii)は、マグネシウム、チタ
ン、ハロゲン原子および電子供与性化合物を必須成分と
するものであり、これはマグネシウム化合物とチタン化
合物と電子供与性化合物とを接触させることによって調
製することができる。
マグネシウム化合物としては、例えばマグネシウムジ
クロリドなどのマグネシウムジハライド、酸化マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、マグ
ネシウムのカルボン酸塩、ジエトキシマグネシウムなど
のアルコキシマグネシウム、アリロキシマグネシウム、
アルコキシマグネシウムハライド、アリロキシマグネシ
ウムハライド、エチルブチルマグネシウムなどのアルキ
ルマグネシウム、アルキルマグネシウムハライド、ある
いは有機マグネシウム化合物と電子供与体、ハロシラ
ン、アルコキシシラン、シラノール及びアルミニウム化
合物などとの反応物などを挙げることができるが、これ
らの中でマグネシウムハライド、アルコキシマグネシウ
ム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハラ
イドが好適である。また、これらのマグネシウム化合物
は1種だけで用いてもよいし、2種以上を組み合せて用
いてもよい。
また、チタン化合物としては、例えばテトラメトキシ
チタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキ
シチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−
ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラシ
クロヘキシロキシチタン、テトラフェノキシチタンなど
のテトラアルコキシチタン、四塩化チタン、四臭化チタ
ン、四ヨウ化チタンなどのテトラハロゲン化チタン、メ
トキシチタニウムトリクロリド、エトキシチタニウムト
リクロリド、プロポキシチタニウムトリクロリド、n−
ブトキシチタニウムトリクロリド、エトキシチタニウム
トリブロミドなどのトリハロゲン化アルコキシチタン、
ジメトキシチタニウムジクロリド、ジエトキシチタニウ
ムジクロリド、ジプロポキシチタニウムジクロリド、ジ
−n−プロポキシチタニウムジクロリド、ジエトキシチ
タニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジアルコキシチ
タン、トリメトキシチタニウムクロリド、トリエトキシ
チタニウムクロリド、トリプロポキシチタニウムクロリ
ド、トリ−n−ブトキシチタニウムクロリドなどのモノ
ハゴゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げられるが、
これらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化
チタンが好適である。これらのチタン化合物はそれぞれ
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いても
よい。
電子供与性化合物は、酸素、窒素、リン、イオウ、ケ
イ素などを含有する有機化合物であり、基本的にはプロ
ピレンの重合において、規則性を向上することができる
ものである。
このような電子供与性化合物としては、例えばエステ
ル類、チオエステル類、アミン類、ケトン類、ニトリル
類、ホスフィン類、エーテル類、チオエーテル類、酸無
水物、酸ハライド類、酸アミド類、アルデヒド類、有機
酸類などが挙げることができる。更には、例えば、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ジベンジルジメトキシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラフェノキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ
素化合物、フタル酸−n−ブチル、フタル酸ジイソブチ
ルなどの芳香族ジカルボン酸エステル、安息香酸、p−
メトキシ安息香酸、p−エトキシ安息香酸、トルイル酸
などの芳香族モノカルボン酸の炭素数1〜4のアルキル
エステル、イソプロピルメチルエーテル、イソプロピル
エチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチ
ルエチルエーテル、t−ブチル−n−プロピルエーテ
ル、t−ブチル−n−ブチルエーテル、t−アミルメチ
ルエーテル、t−アミルエチルエーテルなどの非対称エ
ーテル、2,2′−アゾビス(2−エチルプロパン)、2,2
−アゾビス(2−エチルプロパン)、2,2′−アゾビス
(2−メチルペンタン)、a,a′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカル
ボン酸)、(1−フェニルメチル)−アゾジフェニルメ
タン、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−トリキ
シペンタンニトリルなどのアゾ結合に立体障害置換基が
結合して成るアゾ化合物などが挙げられ、これらは1種
を用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよ
い。
具体的には、ジメチルフタレート、ジエチルフタレー
ト、ジプロピルフタレート、ジイソブチルフタレート、
メチルエチルフタレート、メチルプロピルフタレート、
メチルイソブチルフタレート、エチルプロピルフタレー
ト、エチルイソブチルフタレート、プロピルイソブチル
フタレート、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフ
タレート、ジプロピルテレフタレート、ジイソブチルテ
レフタレート、メチルエチルテレフタレート、メチルプ
ロピルテレフタレート、メチルイソブチルテレフタレー
ト、エチルプロピルテレフタレート、エチルイソブチル
テレフタレート、プロピルイソブチルテレフタレート、
ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジ
プロピルイソフタレート、ジイソブチルイソフタレー
ト、メチルエチルイソフタレート、メチルプロピルイソ
フタレート、メチルイソブチルイソフタレート、エチル
プロピルイソフタレート、エチルイソブチルイソフタレ
ート及びプロピルイソブチルイソフタレートなどの芳香
族ジカルボン酸ジエステル、ギ酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロ
ヘキシル、プロピオン酸エチル、酢酸エチル、吉草酸エ
チル、クロロ酢酸メチル、ジクロロ酢酸エチル、メタク
リル酸メチル、クロトン酸エチル、ピバリン酸エチル、
マレイン酸ジメチル、シクロヘキサンカルボン酸エチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸エチル、
トルイル酸アミル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸
エチル、p−ブトキシ安息香酸エチル、o−クロロ安息
香酸エチル及びナフトエ酸エチルなどのモノエステル、
γ−バレロクラトン、クマリン、フタリド、炭酸エチレ
ンなどの炭酸数2〜18のエステル類、安息香酸、p−オ
キシ安息香酸などの有機酸類、無水コハク酸、無水安息
香酸、無水p−トルイル酸などの酸無水物類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭
素数3〜15のケトン類、アセトアルデヒド、オクチルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフチ
ルアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類、アセ
チルクロリド、ベンジルクロリド、トルイル酸クロリ
ド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハライド
類、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエ
ーテル、n−ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、エチ
レングリコールブチルエーテルなどの炭素数2〜20のエ
ーテル類、酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸ア
ミドなどの酸アミド類、トリブチルアミン、N,N′−ジ
メチルピペラジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピ
リジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなど
のアミン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニ
トリルなどのニトリル類などを挙げることができる。
これらの中で、エステル類、エーテル類、ケトン類及
び酸無水物が好ましく、特に、フアル酸ジ−n−ブチ
ル、フタル酸ジイソブチルなどの芳香族ジカルボン酸ジ
エステル、安息香酸、p−メトシキ安息香酸、p−エト
キシ安息香酸、トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸
の炭素数1〜4のアルキルエステルなどが好適である。
芳香族ジカルボン酸ジエステルは、触媒活性及び活性持
続性を向上させるので特に好ましい。
前記の固体触媒成分(ii)の調製は、公知の方法(特
開昭53−43094号公報、特開昭55−135102号公報、特開
昭55−135103号公報、特開昭56−18606号公報)で行な
うことができる。例えば(1)マグネシウム化合物又は
マグネシウム化合物と電子供与体との錯化合物を、電子
供与体及び所望に応じて用いられる粉砕助剤などの存在
下に粉砕して、チタン化合物と反応させる方法、(2)
還元能を有しないマグネシウム化合物の液状物と液状チ
タン化合物とを、電子供与体の存在下において反応させ
て、固体状のチタン複合体を析出させる方法、(3)前
記(1)又は(2)で得られたものにチタン化合物を反
応させる方法、(4)前記(1)又は(2)で得られた
ものに、さらに電子給与体及びチタン化合物を反応させ
る方法、(5)マグネシウム化合物又はマグネシウム化
合物と電子供与体との錯化合物を、電子供与体、チタン
化合物及び所望に応じて用いられる粉砕助剤などの存在
下で粉砕したのち、ハロゲン又はハロゲン化合物で処理
する方法、(6)前記(1)〜(4)で得られた化合物
をハロゲン又はハロゲン化合物で処理する方法、などに
よって調製することができる。
さらに、これらの方法以外の方法(特開昭56−166205
号公報、特開昭57−63309号公報、特開昭57−190004号
公報、特開昭57−300407号公報、特開昭58−47003号公
報)によっても、前記固体触媒成分(ii)を調製するこ
とができる。
また、周期表II〜IV族に属する元素の酸化物、例え
ば、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム
などの酸化物又は周期表II〜IV族に属する元素の酸化物
の少なくとも1種を含む複合酸化物、例えば、シリカア
ルミナなどに前記マグネシウム化合物を担持させた固形
物と電子供与体とチタン化合物とを、溶媒中で、0〜20
0℃、好ましくは10〜150℃の範囲の温度によて2分〜24
時間接触させることにより固体触媒成分(ii)を調製す
ることができる。
また、固体触媒成分(ii)の調製に当たり、溶媒とし
てマグネシウム化合物、電子供与体及びチタン化合物に
対して不活性な有機溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン
などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香
族炭化水素、あるいは炭素数1〜12の飽和又は不飽和の
脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素のモノ及びポリハロ
ゲン化合物などのハロゲン化炭化水素などを使用するこ
とができる。
このようにして調製された固体触媒成分(ii)の組成
は、通常マグネシウム/チタン原子比が2〜100、ハロ
ゲン/チタン原子比が5〜200、電子供与体/チタンモ
ル比が0.1〜10の範囲にある。
こうして得られた固体触媒成分(ii)と、有機アルミ
ニウム化合物と場合により電子供与性化合物との存在下
に、オレフィンを予備重合させることによって、前記の
固体成分(I)を調製することができる。
ここで用いる有機アルミニウム化合物としては、一般
式 AlR3pX3-p (1) (式中のR3は炭素数1〜10のアルキル基、Xは塩素、臭
素などのハロゲン原子、は1〜3の数である) で表される化合物を挙げることができる。このようなア
ルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチ
ルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムモノクロリド、ジイソプロピルアルミ
ニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノク
ロリド、ジオクチルアルミニウムモノクロリドなどのジ
アルキルアルミニウムモノハライド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハ
ライドなどを好適に使用することができる。これらのア
ルミニウム化合物は1種を用いてもよいし、2種以上を
組み合せて用いてもよい。
更に、場合により存在させることのできる電子供与性
化合物としては、前記固体触媒成分(ii)に関連して説
明した化合物を用いることができる。固体成分(I)の
調製方法において、オレフィンとして、例えばエチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1
などの炭素数2〜10のα−オレフィンを用い、通常30〜
80℃、好ましくは55〜70℃の範囲の温度において、予備
重合を行ない、好ましくは融点100℃以上の結晶性ポリ
オレフィンを形成させる。この際、触媒系のアルミニウ
ム/チタン原子比は通常0.1〜100、好ましくは0.5〜5
の範囲で選ばれ、また電子供与性化合物/チタンモル比
は0〜50、好ましくは0.1〜2の範囲で選ばれる。
前記の固体成分(I)は、粒径の揃った結晶性ポリプ
ロピレンやポリエチレンなどの結晶性パウダーに前記固
体触媒成分(ii)と有機アルミニウム化合物と電子供与
性化合物(融点100℃以上のもの)とを分散させる方法
(分散法)によって調製することもできる。
更に、前記の予備重合法と分散法とを組合せて固体成
分(I)を調製することもできる。
気相1段重合法に用いる触媒系は、前記のとおり、固
体成分(I)と有機アルミニウム化合物(II)とアルコ
キシ基含有芳香族化合物(III)と電子供与性化合物(I
V)とを接触させて調製するが、有機アルミニウム化合
物(II)及び電子供与性化合物(IV)としては、前記で
説明した化合物を各々用いることができる。
また、アルコキシ基含有芳香族化合物(III)は、例
えば、一般式 [式中のR1は炭素数1〜20のアルキル基、R2は炭素数1
〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロ基、mは1〜6の
整数、nは0〜(6−m)の整数である] で表される化合物であり、具体的には、例えばm−メト
キシトルエン、o−メトキシフェノール、m−メトキシ
フェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、ビ
ニルアニソール、p−(1−ペロペニル)アニソール、
p−アリルアニソール、1,3−ビス(p−メトキシフェ
ニル)−1−ペンテン、5−アリル−2−メトキシフェ
ノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシベンジルアルコール、メトキシ
ベンジルアルコール、ニトロアニソール、ニトロフェネ
トールなどのモノアルコキシ化合物、o−ジメトキシベ
ンゼン、m−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベン
ゼン、3,4−ジメトキシトルエン、2,6−ジメトキシフェ
ノール、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンなどの
ジアルコキシ化合物及び1,3,5−トリメトキシベンゼ
ン、5−アリル−1,2,3−トリメトキシベンゼン、5−
アリル−1,2,4−トリメトキシベンゼン、1,2,3−トリメ
トキシ−5−(1−プロペニル)ベンゼン、1,2,4−ト
リメトキシ−5−(1−プロペニル)ベンゼン、1,2,3
−トリメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼ
ンなどのトリアルコキシ化合物などが挙げられるが、こ
れらの中でジアルコキシ化合物及びトリアルコキシ化合
物が好適である。これらのアルコキシ基含有芳香族化合
物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合せて用いてもよい。
前記の触媒系において、固体成分(I)は、チタン原
子換算で反応容積1当り0.0005〜1モルの量で使用す
る。また、アルコキシ基含有芳香族化合物(III)の使
用量は、固体成分(I)中のチタン原子1モルに対し
て、0.01〜500モル、好ましくは1〜300モルである。こ
の使用量が0.01モル未満になると生成ポリマーの物性が
低下し、500モルを超えると触媒活性が低下するので好
ましくない、この触媒系においてアルミニウムとチタン
との原子比は1:1〜3000(好ましくは1:40〜800)であ
る。この原子比の範囲外になると十分な触媒活性が得ら
れない。更に、アルコキシ基含有芳香族化合物(III)
と電子供与性化合物(IV)とのモル比は、1:0.01〜100
(好ましくは1:0.2〜100)である。
気相1段重合法では、プロピレンの単独重合を行なえ
ば前記のポリプロピレン系重合体(a)が得られ、プロ
ピレンと炭素数4〜30のα−オレフィンとの共重合を行
えば前記のランダム共重合体(b)が得られる。分子量
調節は公知の手段(例えば水素濃度の調節)によって行
なうことができる。重合温度は、一般に40〜90℃(好ま
しくは60〜75℃)であり、重合圧力は10〜45Kg/cm2(好
ましくは20〜30Kg/cm2)、そして重合時間は5分〜10時
間である。
スラリー1段重合法 スラリー1段重合法においては、例えば、以下の2種
類の触媒系のいずれかを用いることができる。すなわ
ち、 (1)(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子およ
び電子供与体を必須成分とする固体成分と、(ロ)アル
コキシ基含有芳香族化合物と、(ハ)有機アルミニウム
化合物との組合せから成る触媒系、または (2)(A)前記の(イ)固体成分と(ロ)アルコキシ
基含有芳香族化合物とを、(ハ)有機アルミニウム化合
物の存在下または不存在下に反応させて得られる固体触
媒成分、および (B)有機アルミニウム化合物の組合せから成る触媒系
である。
まず、前記(1)の触媒系について説明すると、固体
成分(イ)はマグネシウム、チタン、ハロゲン原子およ
び電子供与体を必須成分とするものであり、マグネシウ
ム化合物とチタン化合物と電子供与体とを接触させるこ
とにより調製することができる。
また、この固体成分(イ)の調製に当たり、溶媒とし
てマグネシウム化合物、電子供与体およびチタン化合物
に対して不活性な有機溶媒、例えば、脂肪族炭化水素
(ヘキサン、ヘプタンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼ
ン、トルエンなど)、あるいはハロゲン化炭化水素(炭
素数1〜12の飽和または不飽和の脂肪族、脂環式および
芳香族炭化水素のモノ及びポリハロゲン化合物など)を
単独でまた2種以上を組み合せて使用することができ
る。
触媒系(1)の固体成分(イ)を調製する際に用いる
マグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与性化
合物は、各々、前記の気相1段重合法の触媒系に関連し
て述べた各化合物と同じものであることができる。これ
らの化合物から、公知の方法(例えば気相1段重合法で
述べた方法)で固体成分(イ)を調製することができ
る。
こうして得られた固体成分(イ)と接触させるアルコ
キシ基含有芳香族化合物(ロ)および有機アルミニウム
化合物(ハ)としても、前記気相1段重合法の触媒系に
関連して述べた各化合物を用いることができる。
触媒系(1)を構成する各成分の使用量については、
固体成分(イ)は、通常チタン原子に換算して反応容積
1当たり、0.0005〜1モルで使用し、アルコキシ基含
有芳香族化合物(ロ)は、固体成分(イ)のチタン原子
に対するモル比が通常0.01〜500(好ましくは1〜300)
になる割合で用いられる。このモル比が0.01未満になる
と生成ポリマーの物性が低下し、500を超えると触媒活
性が低下するので好ましくない。また、有機アルミニウ
ム化合物(ハ)は、アルミニウム/チタン原子比が通常
1〜3000(好ましくは40〜800)になるような量で使用
する。この量が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分
となる。
次に、前記の触媒系(2)について説明すると、この
触媒系(2)における固体触媒成分(A)は、前記触媒
系(1)の固体成分(イ)とアルコキシ基含有芳香族化
合物(ロ)とを、前記の有機アルミニウム化合物(ハ)
の存在下または不存在下に反応させることによって調製
することができる。この調製には、一般に炭化水素系溶
媒(例えば、前記触媒系(1)の調製に用いる炭化水素
系溶媒)を用いる。
反応温度は、通常0〜150℃(好ましくは10〜50℃)
であり、この温度が0℃未満になると反応が十分に進行
せず、150℃を超えると副反応が起こり、活性が低下す
る。
反応時間は、反応温度によって変化するが、通常は1
分間〜20時間、好ましくは10〜60分間である。
有機アルミニウム化合物(ハ)の存在下で固体触媒成
分(A)を調製する場合に、このアルミニウム化合物
(ハ)の濃度は、通常0.05〜100ミリモル/(好まし
くは1〜10ミリモル/)である。この濃度が0.05ミリ
モル/未満になると、有機アルミニウム化合物(ハ)
を存在させて反応を行なう効果が十分に得られず、100
ミリモル/を超えると固体成分(イ)中のチタンの還
元が進行して、触媒活性が低下する。
一方、有機アルミニウム化合物(ハ)の不存在下で、
固体成分(イ)とアルコキシ基含有芳香族化合物(ロ)
とを反応させて固体触媒成分(A)を調製する場合に、
アルコキシ基含有化合物(ロ)は、固体成分(イ)中の
チタン原子に対するモル比が、通常0.1〜200(好ましく
は、1〜50)になるような割合で用いられ、また、その
化合物(ロ)の濃度は、通常0.01〜10ミリモル/(好
ましくは0.1〜2ミリモル/)の範囲で選ばれる。チ
タン原子に対するモル比が前記範囲を逸脱すると所望の
活性を有する触媒が得られにくい。また濃度が0.01ミリ
モル/未満では容積効率が低くて実用的でないし、10
ミリモル/を超えると過反応が起こりやすく、触媒活
性が低下する。
触媒系(2)における有機アルミニウム化合物(B)
としては、前記の気相1段法の触媒に関して例示した有
機アルミニウム化合物を用いることができる。
触媒系(2)における各成分の使用量については、固
体触媒成分(A)は、チタン原子に換算して、反応容積
1当たり、通常0.0005〜1ミリモル/の範囲になる
ような量で用い、そして有機アルミニウム化合物(B)
は、アルミニウム/チタン原子比が、通常1〜3000(好
ましくは40〜800)の範囲になるような量で用いられ
る。この原子比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十
分になる。
本発明のスラリー1段重合法において、プロピレンの
単独重合を行なうと、前記のポリプロピレン系重合体
(a)を得ることができる。
スラリー1段重合の場合、重合温度は通常0〜200℃
(好ましくは60〜100℃)の範囲、そしてプロピレン圧
は、通常1〜50kg/cm2の範囲で選ばれる。重合時間は5
分〜10時間程度で十分であり、また重合体の分子量の調
節は公知の手段、例えば重合器中の水素濃度を調節する
ことにより行なうことができる。
次に、本発明で用いる軟質ポリプロピレンのうち、ポ
リプロピレン系重合体(樹脂)(b){前記ポリプロピ
レン系重合体(a)とエチレン−プロピレン共重合体
(c)又はエチレン−プロピレン−ポリエン共重合体
(c′)との共重合体}は、例えば、以下の気相多段
法、またはスラリー多段法のいずれかによって調製する
ことができる。
気相多段重合法 気相多段重合法で用いる触媒は、前記気相1段重合法
で用いた触媒と同じものである。
気相多段重合法では最初の重合(第1段重合)は前記
の気相1段重合と同じである。従って、分子量調節は公
知の手段(例えば水素濃度の調節)によって行なうこと
ができる。重合温度は、一般に40〜90℃(好ましくは60
〜75℃)であり、重合圧力は10〜45kg/cm2(好ましくは
20〜30kg/cm2)、そして重合時間は5分〜10時間であ
る。
第2回から最終回の重合(第n段重合)は、エチレン
−プロピレン共重合またはエチレン−プロピレン−ポリ
エン共重合である。
共重合体に用いることのできる非共役ポリエンとして
は、例えば、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタ
ジエン、5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−メ
チレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、
5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−(1−ブ
テニン)−2−ノルボルネン、シクロオクタジエン、ビ
ニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロドデカトリエン、
6−メチル−4,7,8,9−テトラヒドロインデン、2−
2′−ジシクロペンテニル、トランス−1,2−ジビニル
シクロブタン、1,4ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘ
キサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、
1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−
1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエ
ン、1,4,7−オクタトリエン、5−メチル−1,8−ノナジ
エン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン等を挙げ
ることができる。これらの非共役ポリエンのうち、特に
ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン、1,7−オクタジエンが好ましい。
各々の重合段階において、分子量調節は、公知の手段
(例えば水素濃度の調節)によって行なうことができ
る。エチレン−プロピレン共重合体の場合に、エチレン
単位含有量の調節は、仕込ガス組成により行なうことが
できる。またエチレン−プロピレン−ポリエン共重合体
の場合にも、ポリエン単位含有量調節は、ポリエン化合
物の仕込量により行なうことができる。重合温度は20〜
90℃(好ましくは40〜50℃)であり、重合圧力は5〜30
kg/cm2(好ましくは10〜20kg/cm2)、そして重合時間は
5分〜10時間である。
スラリー多段重合法 スラリー多段重合法においても、前記のスラリー1段
重合法で用いた触媒系(1)又は(2)のいずれかを用
いることができる。
スラリー多段重合法における重合順序及び重合段数は
特に制限されず、任意に選ぶことができる。例えば、第
1段および第3段の重合でプロピレン単独重合、第2段
および第4段の重合でエチレン−プロピレン共重合又は
エチレン−プロピレン−ポリエン重合を行なうことがで
きる。重合段数(nの数)は前記気相多段法と同様に、
所望の生成物(ポリプロピレン系共重合体(樹脂))を
得るために最適な段数を選べばよく、重合形成として
は、連続重合法又は非連続重合法のいずれも用いること
ができる。
プロピレン単独重合の場合、重合温度は通常0〜200
℃(好ましくは60〜100℃)の範囲、そしてプロピレン
圧は、通常1〜50kg/cm2の範囲で選ばれる。また、エチ
レン−プロピレン共重合又はエチレン−プロピレン−ポ
リエン共重合の場合には、重合温度は通常0〜200℃
(好ましくは40〜80℃)の範囲、そしてオレフィン圧は
通常1〜50kg/cm2の範囲で選ばれる。
前記重合においては、いずれも反応時間は5分〜10時
間程度で十分であり、また重合体の分子量の調節は公知
の手段、例えば重合器中の水素濃度を調節することによ
り行なうことができる。
エチレン−プロピレン共重合体の場合のエチレン単位
含有量調節は、仕込ガス組成により行なうことができ、
そしてエチレン−プロピレン−ポリエン共重合体の場合
のポリエン単位含有量の調節は、仕込量により行なうこ
とができる。ポリエンモノマーとしては前記気相多段法
で述べたポリエンモノマーを用いることができる。
なお、重合後の後処理は常法により行なうことができ
る。すなわち、気相1段重合法又は気相多段重合法にお
いては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体
に、この中に含まれる未反応オレフィンなどを除くため
に、窒素気流などを通過させてもよい。また、所望に応
じて押出機よりペレット化してもよくその際、触媒を完
全に失活させるために、少量の水、アルコールなどを添
加することもできる。また、スラリー1段重合法又はス
ラリー多段重合法においては、重合後、重合器から導出
されるポリマーから完全にモノマーを分離したのち、ペ
レット化することができる。
本発明の咬合具は、第1図(A)に示すように、雄型
咬合具2および雌型咬合具3からなる咬合具1の全体を
軟質ポリプロピレンを主体として形成したものでも、第
1図(B)に示すように、雄型咬合具2および雌型咬合
具3を、それぞれ袋本体4への溶着部2A,3Aと、咬合具
本体を含む他の部分である残部2B,3Bとの二層に形成
し、袋本体4への溶着部2A,3Aのみを軟質ポリプロピレ
ンを主体として形成し、残部2B,3Bを他の樹脂で形成し
てもよい。他の樹脂としては、ポリエチレン,アイオノ
マー,エチレンとアクリル酸系のランダム共重合体等が
あげられる。このように、軟質ポリプロピレンを主体と
した樹脂と他の樹脂とに多層化することにより、咬合具
1の咬合強度、開封性などを適度なものに調整すること
ができる。
本発明の軟質ポリプロピレンを主体としてなる咬合具
の製造方法は、特に制限されるものではなく、通常は咬
合具の断面形状に近似する押出ダイを用い、単押出法、
共押出法等により押出成形し、水中で冷却賦形すること
により製造できる。
また、咬合具の形状は、雄雌咬合具に限定されるもの
ではなく、開閉可能な機能を有するものであれば、公知
の任意の形状とすることができる。次に、本発明の咬合
具付包装用袋の一例としては、第2図,第3図に示すよ
うに、本発明咬合具1を袋本体4を形成する基材フィル
ム5に熱、高周波、超音波等、公知の手段を用いて溶着
した後、端部6をシールすることにより得ることができ
る。この際、基材フィルム5としては、例えばアルミニ
ウム箔等の金属箔7が積層されている多層材料であって
もよい。ここで、基材フィルムとしては、単層フィル
ム、多層フィルム、ラミネートフィルム等、特に限定さ
れるものではなく、多層ラミネートフィルムとしては、
ガスバリヤー性を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、
ポリアミド(ナイロン)、あるいはアルミニウム等の金
属と、他のフィルムとの複合フィルム等が用いられる。
さらに、紙、不織布等の他の材料からなる多層材料とす
ることもできる。これら多層フィルム、多層材料は、包
装される物品等を考慮して各種材料を3種以上多層とし
たものであってもよい。
本咬合具1に溶着させる基材フィルム5のより具体的
な例としては、OPP/CPP、ONY/CPP、PET/CPP、ONY/Al/CP
P、PET/Al/CPP等である。ここにおいて、OPPは二軸延伸
ポリプロピレン、CPPは無延伸ポリプロピレン、ONYは二
軸延伸ナイロン(ポリアミド)、PETはポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート)、Alはアルミ箔であ
る。
本発明の咬合具を用いた包装用袋は、溶着が低温で行
え、その溶着作業を効率よく安定して行うことができ、
該咬合具は適度な柔軟性を有するため取扱いも容易であ
る。
[実施例] 第1図(A)に示す咬合具1を、メルトインデックス
(MI)10g/10分の軟質ポリプロピレンを用いて押出成形
し、冷却して得た。
軟質ポリプロピレンには、下記のように製造した軟質
ホモポリプロピレンと軟質ブロックポリプロピレンを用
いた。
軟質ポリプロピレンの製造例 軟質ホモポリプロピレン (1)固定触媒成分の調製 十分に窒素置換した内容積500mlのガラス製三ツ口フ
ラスコに、精製ヘプタン20ml、Mg(OEt)24gおよびフタ
ル酸ジ−n−ブチル1.2gを加え、系内を90℃に保ち、か
けまぜながらTiCl44mlを滴下した後、さらにTiCl4111ml
を追加投入して、110℃に昇温した。110℃で2時間反応
させた後、80℃の精製ヘプタンで洗浄した。得られた固
相部にTiCl1115mlを加え、110℃でさらに2時間反応さ
せた。反応終了後、生成物を精製ヘプタン100mlで数回
洗浄して固体触媒成分[気相法の固体触媒成分(ii)に
相当]とした。
(2)固体成分の調製 十分に窒素置換した内容積2.5のガラス製耐圧三ツ口
フラスコに精製ヘプタン1.7、AEt30.07モル、ジフェニ
ルジメトキシシラン(DPDMS)0.05ミリモルおよび前記
(1)の触媒成分120gを加えた。系内を30℃に保ち、撹
拌しながらプロピレンを連続的に供給し、内圧を0.5kg/
cm2に保った。この反応を1時間継続した後、精製ヘプ
タン1で5回洗浄し、固体成分[気相法の固体成分
(I)に相当]を得た。
(3)気相第1段重合 ポリプロピレンパウダー20gを含む5のステンレス製
耐圧オートクレーブに、AlEt33ミリモル、1−アリル−
3,4−ジメトキシベンゼン(ADMB)0.15ミリモル、ジフ
ェニルメトキシシラン(DPDMS)0.23ミリモルおよび前
記(2)の固体成分(I)100mg(Ti原子に換算して0.0
6ミリモル)を含むヘプタン溶液20mlを加えた。系内を
5分間排気後、水素ガスを0.7kg/cm2まで導入し、全圧
が28kg/cm2になるまでプロピレンガスを供給しながら70
℃で1.7時間気相重合を行なった。メルトインデックス
(MI)が10g/10分の軟質ポリプロピレン640gを得た。こ
の軟質ポリプロピレンの沸騰ヘプタン可溶分(HSP分)
は46.8重量%であり、固有粘度は1.13dl/gであった。ま
た、沸騰ヘプタン不溶分(HIP分)は53.2重量%であ
り、固有粘度は1.74dl/gであった。さらに13C−NMRによ
るペンタッド分率においてrrrr/1−mmmmが34.5%であ
り、DSCにて測定した融解ピーク温度(Tm)が158℃、DS
Cにて測定した融解エンタルピー(△H)が58.2J/gであ
り、そして透過型電子顕微鏡での観察においてドメイン
構造が観察された。
軟質ブロックポリプロピレン 上記軟質ホモポリプロピレンと同様に、固体触媒成分
の調製と固体成分Aの調製を行なった後、次のようにし
た。
(1)気相第1段重合 ポリプロピレンパウダー20gを含む5のステンレス
製耐圧オートクレーブに、AlEt33ミリモル、1−アリル
−3,4−ジメトキシベンゼン(ADMB)0.15ミリモル、ジ
フェニルジメトキシシラン(DPDMS)0.23ミリモル、並
びに前記製造例1(1)および(2)で調製した固体成
分(I)100mg(Ti原子に換算して0.06ミリモル)を含
むヘプタン溶液20mlを加えた。系内を5分間排気後、水
素ガスを0.7kg/cm2まで導入し、さらに全圧が28kg/cm2
になるまでプロピレンガスを供給しながら70℃で1.7時
間気相重合を行なった。
(2)気相第2段重合 前記(1)の反応が終了した後、系内を脱圧し、排気
した後、水素ガス0.5Kg/cm2、エチレン−プロピレン混
合ガス(モル比1/4)を10Kg/cm2まで供給し、50℃で1.4
時間気相重合を行なった。
メルトインデックス(MI)4.4g/10分の軟質ポリプロ
ピレン810gが得られた。この軟質ポリプロピレンは、ポ
リプロピレンホモ重合体81重量%とエチレン−プロピレ
ン共重合体19重量%とからなり、ホム重合体は、固有粘
度が1.13dl/gの沸騰ヘプタン可溶分(HSP分)46.8重量
%と固有粘度が1.74dl/gの沸騰ヘプタン不溶分(HIP
分)53.2重量%とからなり、13C−NMRによるペンタッド
分率においてrrrr/1−mmmmが34.5%、DSCにて測定した
融解ピーク温度(Tm)が158℃、DSCにて測定した融解エ
ンタルピー(△H)が58.2J/g、そして透過型電子顕微
鏡での観察においてドメイン構造が観察された。一方、
共重合体のエチレン単位含有量は39モル%であり、固有
粘度は1.77dl/gであった。
また、得られた咬合具テープをONY/CPP(厚さ15μm/6
0μm)の構成からなる基材フィルム5に熱溶着を行
い、その後、端部6をシールすることにより第2図に示
すような形状の咬合具付包装用袋を得た。
一方、比較対象として、従来から使用されていたポリ
プロピレン樹脂、具体的には、出光ポリプロF−900N
(出光石油化学(株)製)を用いて咬合具を形成し、こ
の咬合具テープをONY/CPPの構成から基材フィルムに熱
溶着を行い、その後、端部をシールすることにより同一
形状の咬合具付包装袋を作成した。
そして、咬合具1と基材フィルム5とのシール温度
(℃)、咬合具付包装用袋の外観(シールじわの有
無)、咬合具の柔軟性について評価を行った。その結果
を表1に示す。
表1中、「外観」は、シールじわがほとんど見られな
いものを○、シールじわが幾筋も見られたものを△とし
た。また、「柔軟性」については柔らかいものから◎,
○,△とした。
表1からわかるように、本発明の咬合具は、低温で容
易に溶着でき、外観、特にシールじわもなく、しかも適
度な柔軟性を有し良好なものであった。
[発明の効果] 本発明の咬合具は、軟質ポリプロピレンを主として使
用することにより、袋本体を形成する基材フィルムとの
溶着温度を従来より低く、例えば15℃以上低くすること
が可能であるため、製袋スピードも上げられ、生産の効
率化および省エネルギ化を図れる。また低温シールを行
えるので、外観のしわ等も低減できる。さらに、従来の
ポリプロピレンよりも柔軟性があるため、使用上扱いや
すいという効果もある。
また、この咬合具を用いた咬合具付包装用袋は、従来
のポリプロピレンの咬合具では困難であった低い温度で
の溶着が可能となり、製袋スピードを速くできて生産性
を向上でき、省エネルギも実現できる。しかも、シール
じわ等もなく、外観が良好となって商品価値を上げるこ
とができるという効果がある。
したがって、各種防湿包装、脱酸素包装、耐乾燥包装
用等として、食品、医薬品、粘着薬(湿布薬)、雑貨等
をはじめ、再封用途のために好適に用いられ、その実用
的価値は非常に高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B)はそれぞれ本発明の咬合具の異な
る実施態様を示す断面図、第2図は本発明の咬合具付包
装用袋の一実施態様を示す平面図、第3図は第2図のII
I−III線に沿う拡大断面図である。 1:咬合具、2:雄型咬合具 2A:溶着部、2B:残部 3:雌型咬合具、3A:溶着部 3B:残部、4:袋本体 5:基材フィルム、6:端部 7:金属箔

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに咬合可能な一対の咬合具において、
    少なくとも袋本体への溶着部が、下記(A)に示すポリ
    プロピレン系重合体(a)、または下記(B)に示すそ
    の重合体(a)を含有するポリプロピレン系共重合体
    (b)である軟質ポリプロピレンを主体として形成され
    てなる咬合具。 (A)(i)重合体の成分として、固有粘度[η]1.2d
    l/g以上の沸騰へプタン可溶性ポリプロピレン10〜90重
    量%と、固有粘度[η]0.5〜9.0dl/gの沸騰ヘプタン不
    溶性ポリプロピレン90〜10重量%とからなり、(ii)13
    C−NMRによるペンタッド分率においてrrrr/(1−mmm
    m)が20%以上であり、(iii)示差熱量分析計(DSC)
    にて測定した融解ピーク温度(Tm)が、150℃以上であ
    り、かつ(iv)DSCにて測定した融解エンタルピー(Δ
    H)が100J/g以下であるポリプロピレン系重合体(a) (B)共重合体の成分として、前記ポリプロピレン系重
    合体(a)10〜95重量%と、エチレン単位含有量が10〜
    60モル%で固有粘度が0.5〜7.0dl/gであるエチレン−プ
    ロピレン共重合体(c)および/又はエチレン単位含有
    量が10〜60モル%で、ポリエン単位含有量が1〜10モル
    %で固有粘度が0.5〜7.0dl/gであるエチレン−プロピレ
    ン−ポリエン共重合体(c′)90〜5重量%とからなる
    ポリプロピレン系共重合体(b)
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の咬合具を袋本体に溶着
    し、製袋してなる咬合具付包装用袋。
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