JP2716106B2 - アクティブマトリクス基板の製造方法 - Google Patents

アクティブマトリクス基板の製造方法

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JP2716106B2
JP2716106B2 JP21903291A JP21903291A JP2716106B2 JP 2716106 B2 JP2716106 B2 JP 2716106B2 JP 21903291 A JP21903291 A JP 21903291A JP 21903291 A JP21903291 A JP 21903291A JP 2716106 B2 JP2716106 B2 JP 2716106B2
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広久 田仲
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクティブマトリクス
基板の製造方法に関するものであり、特に透明絶縁性基
板上に薄膜トランジスタ(以下ではTFTと称する)を
形成したアクティブマトリクス基板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スイッチング素子としてTFTを用いた
アクティブマトリクス型液晶表示装置は、表示のコント
ラストが高く、表示容量に制約がない等の利点がある。
このため、上記表示装置に使用されるアクティブマトリ
クス基板の研究が盛んに行われている。
【0003】上述のアクティブマトリクス基板として、
従来、図6、図7(図6のC−C´線による断面図)及
び図8(図6のD−D´線による断面図)に示す構成を
要部に有するものが知られている。この基板は、図7に
示すように、アモルファスシリコン(以下、a−Siと
略す。)からなる半導体層6の下側に形成したゲート電
極2と、上側に形成したソース電極7及びドレイン電極
9とからなるTFTを用いている。また、液晶表示素子
として用いたとき、上記TFTがオフの間に画素電極1
0の電圧が低下するのを小さくするために、付加容量1
2が設けられている。
【0004】このようなアクティブマトリクス基板は以
下のようにして製造される。まず、ガラスなどの絶縁性
透明基板1上にTa、Alなどの金属膜を形成した後に
パターニングし、ゲート電極2及びゲート電極配線3を
形成する。次に、ゲート電極2及びゲート電極配線3を
陽極酸化し、第1の絶縁膜4とする。更に、SiNx
SiOxなどからなる第2の絶縁膜5、及びa−Siか
らなる半導体層6を連続して形成する。次いで、Mo、
Ta、Alなどからなるソース電極7及びドレイン電極
9を形成する。このとき、ソース電極7と一体的にソー
ス電極配線8が形成される。なお、ソース電極7及びド
レイン電極9と半導体層6との間には、通常オーミック
コンタクトを取るために、リンをドープしたa−Si膜
(以下、n+−Siと略す。)11が形成される。最後
に、画素電極10を形成して、アクティブマトリクス基
板が作製される。
【0005】このアクティブマトリクス基板では、相互
に対向するようになした、画素電極10と次の画素用の
ゲート電極配線3との間で付加容量12が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の上記
アクティブマトリクス基板においては、付加容量12を
形成するゲート電極配線3が金属で構成されているの
で、付加容量12の部分では光が透過せず、このために
アクティブマトリクス基板を液晶表示素子として用いた
場合には、開口率が低下して、表示画面の輝度が低下す
るという不都合があった。
【0007】そこで、上記不都合を解消すべく本願出願
人は、以下に説明するアクティブマトリクス基板を提案
している。この基板は、金属からなるゲート電極とは別
に、画素電極と対向させて透明導電性膜を形成し、この
透明導電性膜と画素電極との対向部分で付加容量を構成
する構造としている。
【0008】しかし、このような構造の場合、ゲート電
極配線の上が透明導電性膜にて覆われており、かつ、ゲ
ート電極配線を陽極酸化すると透明導電性膜までが酸化
されてしまうため、結果としてゲート電極配線の外表面
を陽極酸化できず、即ち従来の図8に示すアクティブマ
トリクス基板の構成要素の一つである第1の絶縁膜4を
形成できず、よって絶縁特性が劣化してゲート電極とソ
ース電極の間でのショートによる不良が発生しやすくな
る。
【0009】本発明はこのような従来技術の課題を解決
するものであり、ゲート電極とソース電極との間におけ
るショートの発生を防ぎ、かつ付加容量を透明導電性膜
で形成して開口率を大きくすることが可能なアクティブ
マトリクス基板の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のアクティブマト
リクス基板の製造方法は、絶縁性透明基板上に交差する
ように縦横に形成されたゲート電極配線及びソース電極
配線と、該ゲート電極配線の一部と対向し、付加容量を
形成する画素電極と、ゲート電極配線から分岐したゲー
ト電極、該ゲート電極の表面を陽極酸化してなる第1の
絶縁膜、第2の絶縁膜、半導体膜、該ソース電極配線か
ら分岐したソース電極及びドレイン電極が順次積層形成
されてなる薄膜トランジスタとを備え、該画素電極及び
該薄膜トランジスタがマトリクス状に配設されたアクテ
ィブマトリクス基板の製造方法において、該ゲート電極
配線の画素電極と対向する近傍部分を、基板側を透明導
電性膜とし、その上を覆うように金属膜を配した2層構
造に形成し、かつ、それ以外のゲート電極配線部分と該
ゲート電極とを金属膜で形成する工程と、該金属膜の表
面を陽極酸化して第1の絶縁膜を形成する工程と、付加
容量を形成する透明導電性膜部分の上にある第1の絶縁
膜部分及び金属膜部分を除去する工程とを含んでおり、
そのことにより上記目的が達成される。
【0011】
【作用】本発明にあっては、金属膜を陽極酸化するとき
に透明導電性膜がゲート配線の金属膜で覆われている。
このため、陽極酸化が可能となる。また、陽極酸化を行
った後に、付加容量を形成する透明導電性膜部分の上に
ある第1の絶縁膜部分及び金属膜部分が除去され、これ
により第1の絶縁膜と金属膜の形成がない透明導電性膜
部分と画素電極との間で付加容量が形成され、またその
付加容量を形成する一方の電極が透明導電性膜からなる
ので、画素電極が遮光されない。更には、薄膜トランジ
スタを構成するゲート電極が、金属膜を陽極酸化してな
る第1の絶縁膜にて覆われているので、ゲート電極とソ
ース電極との間の絶縁特性が向上する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0013】図1は本実施例のアクティブマトリクス基
板の要部を示す平面図であり、図2は図1のA−A´線
によるTFT部分の断面図、図3は図1のB−B´線に
よる付加容量部分の断面図を示す。この基板は、図2に
示すように、半導体膜107の下側に存在するゲート電
極103の上が、ゲート電極103を陽極酸化してなる
第1の絶縁膜105にて覆われており、上記ゲート電極
103と、半導体膜107の上側に存在するソース電極
109と、同様なドレイン電極111とで形成されたT
FTを有する。
【0014】また、付加容量部分においては、図3に示
すように絶縁性透明基板101上に、画素電極112の
端部と右側一部を対向させて透明導電性膜102が形成
され、この透明導電性膜102と画素電極112との対
向部分で付加容量が形成されている。透明導電性膜10
2の左側部分と透明基板101の上には金属膜104が
形成され、この金属膜104と上記透明導電性膜102
とでゲート電極配線が形成される。このゲート電極配線
の外表面には、金属膜104を陽極酸化してなる第1の
絶縁膜105が形成されている。
【0015】次に、このような要部を有するアクティブ
マトリクス基板の製造方法を図4及び図5を用いて説明
する。図4はTFT部分の製造工程説明図であり、図5
は付加容量部分の製造工程説明図である。
【0016】先ず、図5(a)に示すように、ガラス等
からなる絶縁性透明基板101の付加容量を形成すべき
部分の上に、付加容量の一方の電極となるITO等の透
明導電性膜102を1000オングストロームの厚みで
形成する。その後、図4(a)及び図5(a)に示すよ
うに、この透明導電性膜102の上と、TFTを形成す
べき透明基板101部分の上を覆って、Ta等の金属膜
を3000オングストロームの厚みで形成し、パターニ
ングを行う。これにより、TFT部分には前記金属膜か
らなるゲート電極103が形成され、また、付加容量部
分には2層構造のゲート電極配線が形成される。このゲ
ート電極配線は、上述の透明導電性膜102を下層と
し、金属膜104を上層としたものである。次いで、金
属膜からなるゲート電極103及びゲート電極配線の上
層たる金属膜104の表面を陽極酸化して、第1のゲー
ト絶縁膜105を形成する。
【0017】次に、図4(b)及び図5(b)に示すよ
うに、上記透明導電性膜102の付加容量を形成すべき
部分、即ち右側部分の上の金属膜104及び第1の絶縁
膜105をエッチングして除去する。この際、CF4
2の混合ガスを用いてドライエッチングを行えば、透
明基板101やITO等からなる透明導電性膜102に
対して選択的にエッチングすることができる。
【0018】次に、かかる基板101上にプラズマCV
D法を用い、図4(c)及び図5(c)に示すように、
第2の絶縁膜用のSiNx膜、半導体膜用のa−Si膜
及びn+−Si膜をこの順に連続して形成し、パターニ
ングする。これにより、透明基板101上に3000オ
ングストロームの第2の絶縁膜106、500オングス
トロームの半導体膜107、及び300オングストロー
ムのa−Si膜108を得た。
【0019】更に、図4(d)及び図5(d)に示すよ
うに、透明基板101上に、2000オングストローム
の厚みでMo膜を形成してパターニングすることによ
り、ソース電極109及びドレイン電極111を形成す
ると共に、ソース電極109が分岐されたソース電極配
線110を形成した。最後に、ドレイン電極111と接
続させて、1000オングストロームの厚みでITO等
からなる画素電極112を形成する。
【0020】したがって、本発明方法による場合には、
ゲート電極103及びゲート電極配線の金属膜104を
陽極酸化するとき、透明導電性膜102が金属膜104
で覆われているために、陽極酸化が可能となる。また、
陽極酸化を行った後に、付加容量113を形成する透明
導電性膜102部分の上にある第1の絶縁膜105部分
及び金属膜104部分が除去され、これにより第1の絶
縁膜105と金属膜104の形成がない透明導電性膜1
02部分と画素電極112との間で付加容量113が形
成される。更に、ゲート電極103の上が陽極酸化され
てなる第1の絶縁膜105にて覆われた状態となるの
で、ソース電極109とゲート電極103との間での絶
縁特性が向上し、両電極109、103間のショートの
発生を防止することができる。更に、画素電極112の
一部と対向して付加容量113を形成する部分が透明導
電性膜102となっているので、開口率を大きくするこ
とが可能となる。
【0021】
【発明の効果】本発明による場合には、ゲート電極配線
の金属膜を陽極酸化するときに透明導電性膜が金属膜で
覆われているため、陽極酸化が可能となる。また、陽極
酸化を行った後に、付加容量を形成する透明導電性膜部
分の上にある第1の絶縁膜部分及び金属膜部分が除去さ
れるため、これにより第1の絶縁膜と金属膜の形成がな
い透明導電性膜部分と画素電極との間で付加容量が形成
される。更に、その付加容量を形成する一方の電極が透
明導電性膜からなるので、画素電極が遮光されず開口率
を大きくできる。更に、薄膜トランジスタを構成するゲ
ート電極が金属膜を陽極酸化してなる第1の絶縁膜にて
覆われているので、ゲート電極とソース電極との間の絶
縁特性が向上し、ゲート電極配線とソース電極配線の間
でのショートの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に適用したアクティブマトリクス基板
の要部平面図である。
【図2】図1のA−A´による断面図である。
【図3】図1のB−B´による断面図である。
【図4】本実施例の製造工程を示す断面図である。
【図5】同じく本実施例の製造工程を示す断面図であ
る。
【図6】従来のアクティブマトリクス基板の要部平面図
である。
【図7】図6のC−C´による断面図である。
【図8】図6のD−D´による断面図である。
【符号の説明】
101 絶縁性透明基板 102 透明導電性膜 103 ゲート電極 104 金属膜 105 第1の絶縁膜 106 第2の絶縁膜 107 半導体膜 108 n+−Si膜 109 ソース電極 110 ソース電極配線 111 ドレイン電極 112 画素電極 113 付加容量

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性透明基板上に交差するように縦横に
    形成されたゲート電極配線及びソース電極配線と、 該ゲート電極配線の一部と対向し、付加容量を形成する
    画素電極と、 ゲート電極配線から分岐したゲート電極、該ゲート電極
    の表面を陽極酸化してなる第1の絶縁膜、第2の絶縁
    膜、半導体膜、該ソース電極配線から分岐したソース電
    極及びドレイン電極が順次積層形成されてなる薄膜トラ
    ンジスタとを備え、該画素電極及び該薄膜トランジスタ
    がマトリクス状に配設されたアクティブマトリクス基板
    の製造方法において、 該ゲート電極配線の画素電極と対向する近傍部分を、基
    板側を透明導電性膜とし、その上を覆うように金属膜を
    配した2層構造に形成し、かつ、それ以外のゲート電極
    配線部分と該ゲート電極とを金属膜で形成する工程と、 該金属膜の表面を陽極酸化して第1の絶縁膜を形成する
    工程と、 付加容量を形成する透明導電性膜部分の上にある第1の
    絶縁膜部分及び金属膜部分を除去する工程とを含むアク
    ティブマトリクス基板の製造方法。
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